朝日連峰 以東岳(茶畑山まで)

- GPS
- --:--
- 距離
- 28.9km
- 登り
- 1,515m
- 下り
- 1,502m
コースタイム
06:10 大鳥集落
10:20 マタギ小屋(尾根取り付き)
16:00 標高1175m地点(幕営)
【4月14日】
06:30 標高1175m地点(幕営地)
07:40 茶畑山
08:30 標高1175m地点(幕営地)
09:15 忘れ物に気付き、再び茶畑山へ向かう
09:45 茶畑山 再訪
10:10 標高1175m地点(幕営地)
11:35 マタギ小屋
15:45 大鳥集落
天候 | 13日:曇り、夕方から晴れ 14日:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
車道、林道を約10km歩いた後で尾根に取り付きます。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
以東岳への夏コースは大鳥池を経由して登りますが、 この時期は吊橋が撤去されており、川沿いの危険なトラバース帯を通るので利用出来ず。 代わりに、茶畑山、戸立山へ続く尾根を辿って以東岳を目指します。 ○大鳥集落〜尾根取り付き(マタギ小屋) 発電所までの車道区間は特に危険箇所無し、 ですが、雪で側溝が隠れているので道端に寄り過ぎないように。 発電所から先の林道区間では、あちこちでデブリが見られ、これから崩れそうな斜面やブロックが多数あります、 崖側にはできるだけ寄らないように歩くべきですが、場所によっては近傍を通らざるを得ない箇所も… 沢と崖との間が狭まっている箇所は全て沢沿いのトラバースになる危険箇所。 特に、左京渕ダムから先のトラバースが危険で、角度が急な上に上部からのブロック崩壊もあり得ます。 もう少し融雪が進むまで立ち入らない方が良さそうな状態でした。 ○マタギ小屋〜茶畑山 左京渕ダムの先にあるマタギ小屋が尾根の目印。 小屋の裏手から取り付きます。 主に積雪期縦走での最後の下りに利用されている尾根で、登りで利用する登山者は殆どいません。 危険箇所は特にありませんが、序盤から延々と急登が続くので、雪が深いとかなり厳しい登りになります。 現在の積雪状況は、深いところで膝上までと、結構な深さ。 今回は、その雪に阻まれ以東岳までは全く届かず。 初日は標高1170m付近の広尾根までしか到達出来ませんでした。 標高1100m付近からは雪庇帯になるので、踏み抜き注意。 茶畑山手前で泡滝ダムへ通じる尾根と合流しますが、この尾根は下山時に間違い易いです。 泡滝ダム方面へ下ってしまうと・・・後で大変な事になるので間違わぬように。 |
写真
感想
朝日連峰、北の盟主である以東岳は、積雪期の朝日連峰の中では最も遠いピーク。
大鳥池を経由する夏の登山道は吊橋の橋板が撤去されており、沢沿いの危険なトラバースが連続するので
この時期は利用できず。
そこで、茶畑山へ続く尾根を辿って稜線へ出るのだが、そのルートは長い。
以前、5月の残雪期にこの道を辿って以東岳へ登った事があるが、その時は山頂まで1日半かかった。
しかし、3月に入ってからは、山中の雪道は歩き易い状態が続いている。
その状態であれば1泊2日で到達可能、と考えて、以東岳を目指してみた。
【4月13日】
5月に訪れた時は東大鳥ダムまで除雪されていた。
しかし、4月の今は大鳥集落の外れまでしか除雪されておらず、唯でさえ遠い以東岳が、更に3km遠のいた。
しばらくは単調な雪道歩きが続くが、車道を過ぎて赤川沿いに林道を進むと、
あちらこちらで雪崩の跡が目立ってくる。
林道上には、これから雪崩が起きそうな危険な崖も多数見受けられ、出来るだけ崖からは距離を取って歩いてゆく。
しかし、場所によってはそのような崖の傍を通らざるを得ない場合もあり、そんな場所の通過には気合が必要だ。
斜面の状態を伺いつつ、一気に駆け足で通過する。
特に川沿いのトラバースが危険な状態で、崖と川の間にある林道は雪崩で埋まっており、
急こう配の斜面になっている。
そこをトラバースし通過するのだが、足場は安定せず、アイゼン、ピッケルは欠かせない。
更に、上部からはブロック崩落もありえる。
ヘルメットを着用し、ブロックに備えた上で先へ進むが、
慎重、且つ迅速に、という矛盾した2つの事を同時にやるのは非常に疲れるものである。
尾根の取り付きであるマタギ小屋に到着した頃には、もう今日の登山はここで終わりにしたい位に疲れてしまった。
マタギ小屋の前にて暫し休憩した後、小屋の裏手にある尾根を登り始める。
始めは踝くらいまでの雪だったが、登るにつれて雪は深くなってくる。
水気を帯びた重い雪で、終いには膝までの雪量に達した。
急登が続くのでアイゼンで登っていたが、雪の深さに堪らずワカンに履き替える。
それでも全然ペースは捗らず、標高1170地点の広尾根に達した頃にはすでに午後4時を過ぎていた。
完全に雪量を見誤った・・・
先々週に大朝日岳を目指した時は殆どラッセル無しだったので、今回も同じ状況だと楽観視していたが、
豪雪地帯の朝日連峰を甘く見てはいけなかった。
その後、降雪が続いたようで、春山から冬山へと逆戻りしてしまったかのようである。
この雪では、とても以東岳まで行けそうになく、今日はここで幕営。
曇り空で景色も優れず、今回の登山は失敗かな、と思いつつテントを設営する。
しかし、夕方になって晴れ間が出てくる。
夕日が射して山々が赤く染まり、ここまで登ってきた苦労が報われるような素晴らしい眺望が広がった。
【4月14日】
翌日は、朝から快晴。
テントは張ったままにし、茶畑山までの往復に出かける。
相変わらず雪が深く、進むのには難儀するが、森林限界を越えた事により見晴らしの良い広尾根となり、
昨日のような辛さは感じない。
無事、茶畑山の頂上に到達し、雄大な以東岳を眺め、テントへと戻った。
できれば次のピークである戸立山くらいまで歩いてみたかったが・・・
今日は天気が良く、気温が上がる。
天気予報によると、下界は20℃まで上がるそうで、林道の融雪状況が気掛かりである。
雪崩やすい状態になるのは明らかであり、出来れば午前中のうちに危険箇所は通過しておきたかったので、
今回は茶畑山までとし、下山する事にした。
しかし、テントを撤収し、荷物をパッキングすると・・・
アイゼンが無い事に気が付く。
どうやら、茶畑山の山頂でワカンに履き換えた際に、忘れて来てしまったようだ。
アイゼンが無ければ、この尾根は下れたとしても、その先の林道を通過出来ない。
今の私にとっては、命の次に大事なもの、であるが、それを忘れてしまうとは…
なんたるミス。。。
アイゼンを回収する為に、再び茶畑山へと向かう破目になる。
先のトレースが残っているのでそれ程辛くはないが、時間のロスをしてしまったのは痛い。
更に融雪は進んでしまっただろう。
無事、山頂でアイゼンを回収したところで、予定より1時間遅れで下山に取り掛かった。
尾根を下り切り、マタギ小屋まで戻ってきたのは正午過ぎ。
やはり気温は高くなった事で、融雪は進んだ模様。
尾根を下っている時は幾度かブロック崩落音が聞こえていた。
川沿いのトラバースは昨日以上に緊張させられるが、時間が長引けば雪崩の危険は増す。
出来るだけ休まずに進み続け、最後の危険箇所を通過した頃にはどっと疲れが押し寄せる。
安全な場所にて大休止した後、再び歩く。
それにしても暑い。
大鳥集落までまだ遠いが、水はすっかり飲み干してしまっていた。
早く下山してコーラが飲みたいものだ・・・
と、願いつつ、長い林道を歩き続けて、大鳥集落に到着。
下山後は、真っ先に自販機へ。
コーラ2本飲んだところでようやく落ち着いた。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
Luske さんへ
以東岳への遠い道のり、お疲れ様でした。
林道のトラバース箇所、怖いですね。
でも夕暮れのあの景色!!
ああいう景色に出会うと「山登り始めて良かったなぁ」といつも思います。
自分の目で見られたLuskeさんが羨ましい
綺麗な写真をたくさん載せて下さってありがとうございます。
おかげでいつもばーちゃる山行が出来ます
アイゼン無事回収できて良かったですね!
「コーラ飲みてぇ・・・」
2本一気飲みしたんですね。さすがに2本は飲めないけどその気持ちすっごい分かるなぁ
前回の山行に続いて再び朝日連峰を歩かれていますが、だいぶ雪の状態が違っていたようですね
僕も3月末の雪の状態が良かったのに味をしめて、また同じ神室の山域を歩いてきましたが、直近に積もったと思われる柔い雪に苦戦を強いられました
林道のトラバースが最も神経を使われたというのは納得ですね。足下の状態は一歩一歩確実に正確にですが、上を見上げると今にも崩れてきそうな雪塊があるわけですからスピードも要求されたことでしょう
地形図を見る限り、尾根取り付きからP1137まではかなりの急登。広尾根まで出てしまえば時間を気にする事なくゆっくりと以東岳のピークを目指してみたい、とも思わせるコースではありますが
林道が核心部。確かに勇気がいりますね。
雪崩にトラバース、自分なら怖気付いてます・・・。
マタギ小屋での気持ち、わかります。
初日夕方からの天気は遠くまで見渡せて素晴らしかったですね。やはり朝日は山深い!
以前コメントをもらったときに、まさかLuskeさんが忘れ物なんてと思っていましたが、景色が良くてリラックスしすぎたのでしょうか?
山行に大きな支障がでなくてなによりでした。
疲れた身体に炭酸の刺激。いいですよね〜。
自分も同じような事したことがあります
先ほどの地震、大丈夫でしたか?
広尾根までの行程が厳しかっただけに、
夕方に晴れ間が出た時は感動的でした。
途中、何度か撤退を考えましたが、頑張った甲斐がありました
山に登ると無性に炭酸飲料が飲みたくなりますね。
コーラを持って行ければ良いのですが・・・
積雪期は凍ってしまいそうで、持参するのが怖いです^^;
山中では我慢するしかないので、山を下りた後に飲むコーラは、楽しみなイベントの一つ。
下山の時は、いつも頭の中で「コーラ飲みてぇ・・・」と念じながら歩いてます
いつもは1本飲めば十分ですが、この日は暑かった
2本飲んで、更に3本目もいけそうな勢いでした
4月と言っても、まだ十分に降雪のありえる季節。
まだ油断は出来ないですね
今回の登山は雪崩が一番の脅威でした。
特に2日目は、一気に気温が上がりましたので、いつ雪崩が起きてもおかしくない状態。
トラバース中はヒヤヒヤさせられました。
少しスリルがある方が登山としては面白いかもしれませんが、雪崩のスリルは勘弁願いたいものです^^;
地形図からも判るように、この尾根は序盤が厳しいです。
延々と急登が続く上に雪が深いので、何度か心が折れそうになりました
ですが、それも広尾根まで。
広尾根から先は傾斜は和らぎ、眺望も開けるので、
天気さえ良ければ、楽しい尾根歩きになるのではないかと思います
今回は、尾根上よりも林道の方が厳しい、という少し変わった登山コースでした。
なかなか侮れない林道で、積雪や融雪状況次第では積雪期朝日縦走での最大の難所になる場合もある、と聞いた事があります。
今利用するのはちょっとオススメ出来ない林道ですね^^;
もう少し融雪の進んだ5月頃が適期かなと思います。
山での忘れ物、気をつけないと…
雄大な以東岳の眺めに目が行ってしまい、つい足元のアイゼンを見逃したかな?
どんなに眺望が良くても、気を抜いてはいけませんね。
先ほどのは久々に大きな地震で、こちらは震度5のようです。
久しぶりに緊急地震速報のトラウマ音を聞きましたよ。
最近、また地震が頻発してますね。
登山中に地震が起こらない様、願いたいです。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する