権現岳・編笠山
nabekuni
その他1人 - GPS
- 32:00
- 距離
- 10.9km
- 登り
- 1,426m
- 下り
- 1,424m
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| 天候 | 6/7曇りのち雨、6/8曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2019年06月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
危険箇所はありませんでした。 |
| その他周辺情報 | 小淵沢の延命の湯。 |
写真
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最近山ヤに人気のショーワグローブ「テムレス」448円。買ったのは3年前だが、雨の山で使うのは初めて。完全防水で蒸れもなく快適。難点は見た目だけ。
小屋番はボッカで不在。勝手に上がり込んで良いのがここの流儀。豆炭炬燵で冷えた手足を温める。小屋は全体的に傾いており、鉄の支柱で支えている。
スマホアプリで計測すると床の傾斜は5.7度。道路で言えば10%の傾斜にあたり、あの有名な「べた踏み坂」の3.5度、6.1%より遥かに急傾斜なのだ。
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
サンダル
ザック
ザックカバー
行動食
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
ライター
地図（地形図）
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
|
|---|
感想
6月7日 曇りのち雨
「八ヶ岳」はたくさんの峰という意味だが、一応代表的な8峰があり、�‥袈薐戞↓⇔臆�岳、�２３戞↓だ岾戞↓グぬ鐶乏戞↓Ω�現岳、�Ю廠戞↓�編笠山とされている。自分は西岳が未登峰、純子さんは権現岳、西岳、編笠山が未登だ。今回は八ヶ岳完登と「傾いているランプの小屋」権現小屋に泊るのが目的だ。
天気予報が悪く6/7は雨予報、6/8が晴れの予報なので、当初計画を逆コースにして決行。
観音平発着だが観音平には仮設トイレがあるだけなので、「道の駅・こぶちざわ」で車中泊。木曜の夜なので車は10台くらいしか無い。トイレは新しく綺麗なウォシュレットで快適だ。ビールを飲み、シュラフを被って24:00就寝。外はやや涼しい。
5:00起床、曇り。近くのコンビニで朝食を買い、車の中で食べる。スパーダの後部座席にはテーブルがあるのでこんな時便利だ。
道の駅から観音平まで約10分。土日は早朝に満車になる所だが、悪天候予想の金曜日なので先着は僅かに3台のみ。
身支度をして出発。曇り空ながら編笠山の山頂が見えている。三味線滝方面に向けて出発したのだが、いつのまにか「→雲海・編笠山」の看板に遭遇。スマホのGPS登山地図を見ながら戻ってみると、朽ちて文字の読めない看板の所を右に入るのが正解だった。これは判りにくい。
暫く下り林道に出た所の分岐で地図を見て林道を直進したが、数分行くとGPSが登山道から外れだしたので、元に戻って細い登山道に入った。どうもこの辺りは地図と現地の様子が違う上に標識が不親切だ。
それから先は迷うことは無かった。良く手入れされた森を抜け三味線滝と権現岳の分岐を左折。雨は降りそうで降らない、と思っていたらヘリポート跡の手前で降り出し、ついに本降りになってしまったのでヘリポート跡でカッパを着た。ヘリポート跡には鹿の死骸が横たわっていた。
そこでトレイルランナー1人とすれ違ったが、今日は三ツ頭の先ですれ違ったもう一人と合わせて出会った登山者は2人だけだった。
夏にカッパを着ると暑くて汗で内側から濡れてしまうのだが、今日は気温が低いのか暑く無い。木戸口公園の手前で編笠山と権現岳が一瞬見えたが、それきりだった。
今回雨用の手袋としてショーワグローブの「テムレス」を初めて使ったが、完全防水かつ蒸れなくて非常に具合が良い。最近山ヤの間で人気なのが頷ける。値段も約450円と格安だ。難点はどう見ても作業用ゴム手袋に見える見てくれだけだが、そもそも作業用なので仕方が無い。
三ツ頭で稜線に出るが当然何も見えない。雨は小雨で風もそれほど強くは無い。三ツ頭の先で出会った人は観音平から編笠山経由で一周してきたとのこと。
権現岳の手前で登山道の崩落ヶ所があった。ロープが設置してあったのでロープを握って通過した。鎖場もあり、岩が濡れているので慎重に通過した。
11:25権現岳に到着。コースタイム通りの4時間40分だった。風が強く寒いのでヤマスタにチェックインして5ポイントゲットして小屋に急ぐ。山頂直下の権現小屋まで赤岳への分岐を左に下って約5分。
小屋は開いていたが、誰もいない。小屋番は青年小屋にボッカに行っているようだ。小屋番不在時も勝手に入って良いのがここの流儀なので、中に入る。手がかじかんで固結びした靴紐がほどけない。15分くらい掛かってやっと脱げたが、真冬でもこんなことは無かった。
カッパを脱ぎ、汗で濡れたTシャツを着替えてソフトシェルとダウンを着る。小屋の中は寒いが3つあるコタツのうち1つが温かい。後で聞いたが小屋番さんが我々の為に豆炭を入れておいてくれだのだった。これは温かくて嬉しい。
小屋は真ん中に薪ストーブの置かれた土間があって、1階が炬燵のある食堂兼居間で2階が寝室になっている。照明は灯油ランプが1階に3つあるだけで電気は無い。また小屋全体が傾いている。スマホアプリの傾斜計で測定すると5.7度だった。車のCMで有名な「ベタ踏み坂」が3.5度なので、小屋の傾きは相当なものだ。階段を上る時は身体が壁にぶつかってしまう。
小屋は至る所に鉄パイプの支柱が入っている。雪の圧力で潰れないようにと思うが、雪の無い時期もずっと入れたままらしい。支柱がないと益々傾いてしまうのかも知れない。ビールなどの飲料は「無人販売」と書かれたクーラーボックスに入っており、小屋番不在時は料金を料金箱に入れていくという素晴らしい方式だった。
トイレは外トイレのみで小屋の裏手にあるので、小屋の傘を差して行き来する。比較的新しいバイオトイレで天水による水洗の洋式だった。臭いは若干きつい。
外は雨風が強まるが、今日関東甲信の梅雨入りが発表された。お湯を湧かしてカップめんを食べて人心地つく。食後は炬燵に潜ってうたた寝する。これが中々心地よい。
16時前に小屋番の青年がボッカから戻って来た。宿泊費は8,500円だが、jROの会員証提示で500円引きになった。
今日の泊まり客は我々2人だけ。夕食まで時間があるので炬燵で彼と四方山話。小屋番は彼1人で、週に1度荷揚げと入浴のため同じオーナーの経営する青年小屋に通っているとのこと。彼はH君と言う25歳の好青年で昨年からこの小屋で働いていて今年は2年目。登山は趣味ではなく、あくまで仕事で山にいるだけなのだそう。小屋の定員は公称50人だが、それはウソで実際はせいぜい20〜30人らしい。
発電機はあるにはあるようだが、小型で肉や冷凍食品を保存する冷蔵庫と携帯の充電にだけ使用しているとのこと。発電機用のガソリンや厨房用のガスボンベはヘリで荷揚げするとのこと。
夕食は17:30から。基本的に夕食はカレーなのだが、客が4人以下の時は揚げ物になるとのことで、今日はコロッケだった。ミートコロッケとかぼちゃコロッケは冷凍だが上手に揚がっていて美味しい。ご飯もなかなか美味しい。H君は2合から3合食べるらしい。彼は別の炬燵で食べようとしていたが、3人しかいないので皆で一緒に食べることにした。
先代の小屋番は4月の小屋開けから11月の小屋閉めまでカレーを継ぎ足していたそうだが、H君は継ぎ足しはやっていないとのこと。1人で寂しくないかと聞いたが直ぐに慣れて平気だとのこと。左右の奥歯が虫歯で痛いらしく、11月まで我慢すると言っていたが、純子さんが直ぐにでも歯医者に行くよう説得した。
夜になって雨はほぼ止んだが、風が強い。明日の予報は朝から晴れのようなので、朝食を5:30から5:00に早めて貰った。20:00就寝。H君の寝床は1階の炬燵だった。
6月8日 曇りのち雨のち晴れ
4:00起床。2回くらい目覚めたが良く眠れた。外は依然としてガスと風。まずはモーニングコーヒーを淹れ、4:50〜朝食。
天候回復が遅れているようなので、6:00出発予定を遅らせて炬燵でうたた寝しながら様子見したが、全然晴れそうにないので7:00過ぎに出発準備。雨はほぼ上がっているが、カッパを着て出発する。あまり寒くはない。
不思議な居心地の良さにずっと居たいような権現小屋だが、そうもいかない。
ギボシまでの約30分は急斜面をトラバースする鎖場が連続する。濡れた岩で滑らないように慎重に下る。鎖場で若い女性2人パーティーとすれ違ったが、今朝観音平をスタートし、今日は硫黄岳まで行くとのこと。
のろし場からは安全な道になる。苔むした原生林が美しい。先週のヤマレコ投稿には雪があるとの情報だったが、今日は登山道には雪は全く無い。
1時間で青年小屋に到着。天気は相変わらずガスなので西岳は今回は断念するが、水場だけは見ておきたかったので行って見た。西岳方面に4分ほど行った山の斜面に「乙女の水」と名付けられた水場があり、冷たくて美味しい水だ。
天気は回復する気配は無いが、予報では9:00頃から晴れになっているので、一縷の望みを託して編笠山は巻道ではなく山頂を目指す。この頃から大勢の登山者と出会うようになる。
岩々の歩きにくい道を登り30分で登頂するが、やはりガスで何も見えない。360度の大展望の山頂なのだが残念だ。
押手川ではテント泊装備の学生風の若者10人くらいと出会ったが、その後もテント泊のパーティーと多数出会った。今日の青年小屋テント場は大盛況のようだ。
小学生を10人位連れたパーティーやクラブツーリズムの20人くらいのパーティーとすれ違う。彼らは青年小屋泊まりのようだ。編笠山、権現岳は中々の人気のようだ。
押手川を出る頃には青空が広がって来たのでカッパを脱いだのだが、雲海で再度雨が降り出してまたカッパを着るハメになった。どうも天気が不安定だ。
12:15観音平に到着。駐車場はほぼ満車だ。晴れて来たのでカッパやザックカバーなど濡れたものをベンチで干しながらコーヒーを淹れて一服してから出発した。
まずは小淵沢のスパティオ・延命の湯で汗を流し、引き返して美濃戸口のJ＆Nで遅めのランチ。純子さんはハンバーグ、自分はカレーを食べた。
その後八ヶ岳中央農業実践大学校の直売所で野菜とワインを買って帰路に着く。
今回は雨で展望が得られず、目的の西岳にも登れず残念だったが、権現小屋に泊まれたのが収穫だった。快適や便利とは対極の小屋で万人向きとはとても言えないが、自分や純子さんにとっては居心地が良く、思い出深い山小屋になった。また泊まってみたい小屋の1つになった。
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