桜谷山北東尾根〜小栗山☆雪を求めて再び国境の山へ
- GPS
- 05:21
- 距離
- 9.2km
- 登り
- 911m
- 下り
- 896m
コースタイム
天候 | 薄曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
桜谷山北東尾根ではユズリハの藪が現れるが切り開かれた登山道あり 小栗山からの尾根は頻繁にテープがあるが、かなりの急下降、下りよりも登りの方が安全と思われる |
写真
感想
この日は前日の休日に仕事をしたことによる代替休日であるが、家内が子供達を学校に送り出してからの出発となるので、時間が遅くなる。雪のある山でこの時間からでもアプローチが可能な近くの山ということになると選択肢が限られる。桜谷山への松永川の出合からの周回コースを考える。
前日の雨が雪を融かしたせいではないだろうか、南比良の稜線の雪はほとんど消失しているようだ。それでも平日であるにも関わらず権現山の登山口近くではチェーン装着のために設けられた国道の道路余地は車でほとんど埋まっている。
小浜に入っても雪はほとんどなく、池河内集落を通り過ぎて、大滝川にかかる落合橋まで問題なく入ることが出来る。積雪のために林道に入れない場合には下根来からという代替案を考えていたが、全くの杞憂だったようだ。
松永川に沿って林道を歩き始めると対岸の河岸段丘の上には数段の苔むした石垣が現れる。どうやら古い田畑の後のようだが、その石垣の立派さに驚く。今は杉の植林が大きく成長しているが、田畑が広がっている光景を想像してみる。
松永川の広い流れに沿って林道を先に進むと、二俣の出合の間から正面に目指す尾根がある。尾根の取付きには三番滝の案内と共に錆びたgallery池田と記された看板がある。果たして住所も記されていないので、ギャラリーの所在は明らかではないが、この山奥にギャラリーがあるかのような看板だ。
尾根に取り付くとすぐに自然林の雑木林となる。取付きこそ急ではあるが、すぐに緩やかな細尾となる。ところどころに薄い積雪が現れるが雪はなかなか繋がらない。p463のあたりはなだらかな尾根上にはカレンフェルトの石灰岩が現れる。まもなく大きな岩を根元に抱く樹々が次々と現れる。
樹肌から判別しうる限り欅のように思われるが、市街で見かける箒状の端整な樹形には程遠く、根元から株立ちをした木の幹は奇怪な生物のような様相を呈するものが多い。下根来から小栗への登山道においても同様に岩を抱いた欅を多数、見かけたことを思い出す。ヤドカリが背負う貝殻のように、岩は樹と一体化しているようだが、それにしても何故、わざわざ岩を抱いて樹が立つのか不思議である。
やがて尾根が大きく広がると欅の樹林が広がるが、岩を抱かない欅は綺麗な樹形を示すものが多い。様々な欅の樹々が目を愉しませてくれる尾根だ。
標高が500mを越えるあたりで雪が繋がるようになり、ようやくスノーシューを装着する。昨日歩いた百里ヶ岳の東尾根よりも明らかに雪が少ないようだが、海が近すぎるせいで降雪が却って少ないのだろう。すぐにもユズリハの藪が現れるが、藪の中にはしっかりと枝が切り払われた跡がある。
標高600mあたりでユズリハは唐突に姿を消し、その先には山毛欅の樹林が延々と続く。箒状の端整な樹形という表現は欅よりもむしろこのあたりの山毛欅の樹々に相応しいように思われる。山毛欅の樹々に見惚れながら歩くうちに
山毛欅の樹間から左に見える稜線は桜谷山の東隣の小ピークp765だろう。
桜谷山の山頂からは一気に百里ヶ岳、武奈ヶ岳の眺望が視界に入る。山頂からは若狭駒ヶ岳へと向かう雪稜が目に入る。その稜線の上には昨日の一筋のトレースが残っている。昨日、訪れた私自身のものだと家内に説明すると、私の昨日のルートをよく理解していなかった家内は非常に驚く。
桜谷山から前日に眺めた展望と大きく異なるのは空気が澄んでいるせいで、野坂山地の山々が明瞭に見えるというだけではない、三十三間山の左手に純白の白山が見えることだ。
桜谷山の山名標は昨日は雪が着雪して、標高も読み取れなかったが、今日はすっかり綺麗になっている。先ほどまでは風はほとんどなかったにもかかわらず、山頂はかなりの強風が吹いている。どうやら南風のようだ。小栗への北尾根にわずかに入ると風の陰に入ったのだろう、途端に風は感じられなくなる。行動食で軽くランチにする。
小栗にかけて尾根に入ると両側に山毛欅の高木が立ち並ぶ、まさに山毛欅の回廊が続く。
標高を下げて鞍部に至ると楓が目立つようになるが、小栗にかけて緩やかに登り返し、山頂が近づくと再び山毛欅の樹林となる。ここは昨年の秋にも来たところだが、いつ来ても良さそうなところだ。
ca680mにかけての尾根に入ると山毛欅はなくなり、楓や楢の自然林の尾根が続く。ca680mのピークの手前では低木が多くなり、展望が開けるようになると、桜谷山から小栗と辿ってきた尾根を振り返ることが出来る。
東側に至ると若狭駒ヶ岳への稜線の手前に桜谷山への登りで辿った尾根が一望出来るのは嬉しいが、これから下る尾根に馬酔木の藪が密生しているのはあまり嬉しくない光景だ。尾根芯の馬酔木の藪を左右に巻いて進む。すぐにも先程までの馬酔木の密生が嘘のように下生のない快適な自然林となる。p557の手前の鞍部で雪が途切れ、スノーシューを脱ぐが、p557までなだらかな尾根が続く。
p557過ぎると一気に急下降である。ここまでほとんどテープ類が目立たなかったが、頻繁に黄色いテープが現れる。やがて急峻な痩せ尾根になると岩場が次々と現れる。足場は多く、通過に難儀するような岩場はないが、かなりの斜度であある。真正面に千石山を仰ぎながら下降する。このあたりから家内の歩行速度が極端に遅くなる。家内は時々こういうことが生じるが、残りは跡わずかだ。
痩せ尾根に大きな穴が穿たれているかと思いきや、どうやら炭焼き窯の跡であった。炭焼き窯からは深い掘割の古道が現れる。松永川の右岸の田畑で耕作していた人達の作業道だったのだろうか。
古道を辿って尾根を下降するが、松永川が見えてきたところで古道は橋の左側に降りることに気が付いた。川は容易に渡渉できるようなものではない。再び古道を登り返して、尾根の右側の斜面を下降する。まもなく、橋の手前の林道に着地することが出来る。まだ時間はそれほど遅くはないが、深い山あいのせいか薄暗く感じられる。
帰りに熊川宿の道の駅に立ち寄ると、勝山の日本酒「一本義」の純米が最後の一本だったので頂くことにする。京都に帰り、夕食の買い物のためにスーパーに寄ると、同じ酒がセールで大量に売られているのだった。
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