爺ヶ岳南尾根から鹿島槍 2年前のリベンジ


- GPS
- 14:17
- 距離
- 18.9km
- 登り
- 2,348m
- 下り
- 2,363m
天候 | 5月3日 晴れ(終始、西風が強かったけど、眺望良し) 5月4日 晴れのち曇り(終始、西風強く、午後から天候悪化方向へ) |
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過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
●登山口〜南尾根ジャンクションピーク 登山口脇に臨時テントが設営され山行計画書の作成・提出を求められます。 八ツ見ベンチのちょっと先に南尾根への案内看板があります(この時期、柏原新道は通行不可)。暫く樹林帯を進み、尾根に出ると樹間からジャンクションピークまでのコースが見えてきます。このコースは眺望もあって、ジャンクションピークまで標高差1000mは疲れますが、蓮華〜針ノ木〜岩小屋沢などの山並みを楽しめ、最後の急登は気持ちよい雪面直登も楽しめます。 高度を上げると蓮華の左後ろに前穂・吊尾根・槍などが見えてきます。 ●ジャンクションピーク〜爺ヶ岳南峰 ジャンクションピーク脇はテント適地のようです。 ここからは遮るもののない広大な尾根が端正な三角錐を形成する南峰へと続く直登ルートです。 常に左側(西)から風が吹きつけてくるので、風で雪が飛ばされている左側の岩稜帯よりも右側の雪面部分をコースにするほうが楽かもしれません。 高度を上げると種池小屋の赤い屋根、稜線の向こうに剱や立山などが見えてきます。 南峰頂上に向けて斜度が増してくるので、最後のひと登りが踏ん張りどころです。 南峰山頂からは爺ヶ岳中峰・北峰から鹿島槍へと続く稜線を一望でき、また振り返ると扇沢を囲む蓮華・針ノ木・鳴沢・岩小屋沢の稜線の向こうに展開する北アルプスの名峰が確認できます。 ●爺ヶ岳南峰〜冷池山荘 爺ヶ岳中峰・北峰を稜線伝いに歩き、冷池山荘まで徐々に高度を下げます。それぞれ巻き道もありますが、せっかくなので登っておきましょう(帰りに登るほうがシンドイです)。北西斜面が拡がるのでタップリの雪面が目の前に拡がります。遮るもののない稜線(巻き道も)のため、強風時(風は常に黒部側から吹き付けます)は注意です。 この時期は冷池山荘脇にテント場があります。小屋はキレイで寒くはありませんでした。 ●冷池山荘〜鹿島槍ヶ岳 左右に遮るもののない南北に連なる稜線歩きのため、常に西(黒部)側から強風が吹きつけ、稜線信州側には巨大な雪庇が延びています。間違えて雪庇に寄り過ぎないよう、気をつけてください。布引山を越えれば、鹿島槍までの登り斜面はそれほどの斜面ではなくなり、風だけに気をつければ何も問題ありません。 山頂に出ると向こうには五竜・白馬の峰々の連なりが見えます。 ●下山後 毎度の大町温泉・薬師の湯を利用しました。今回初めて手前側のお風呂でした(いつもは奥側でしたが、男女入れ替えしているようです)。 食事は国道まで出て、テンホウ大町店で腹一杯食べました(個人的に長野といえばテンホウだと)。 |
写真
感想
2年前のGW前半。あの時も直前の降雪で北アルプスは入山規制が出るなど大荒れのシーズンでした。当初の涸沢山行を急遽取りやめ、選んだのが、このルートでした。
しかし残念ながら天候不良とメンバーの体調不良で爺ヶ岳南峰と中峰の鞍部で撤退を決め、無念の山行となりました。
その時の記録がコレ↓
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-107867.html
今年は、これまでに断念・撤退してきた山行のリベンジにずっと成功していたので、ではということでGW後半戦は2年前のリベンジで鹿島槍。先週の吉田口からの富士山(3000m超えた時点で撤退)メンバーでの2週連続山行で、挑戦してきました。
晴天予報なれど寒気が上空に入って、不安定との予報に少々不安を感じながらも、スタート地点から見上げる真っ白な稜線と爽快な青空が充実した山行を約束してくれそうなウレシイ予感(^^)
まずは爺ヶ岳南尾根のジャンクションピークから爺ヶ岳南峰への急登コース。ここは2年前に経験しているので、気持ちに余裕がある状態でスタート。しかも今回は青空と最高の眺望を堪能しながらの登山でついついテンションUP。同行メンバーを置き去りにしてついついペースアップで南峰山頂。同行メンバーを待つ間に一杯やりながら、前回とは打って変わった四囲を見渡せる眺望を楽しみました(若干風が強く寒かったけど)。
2年前は南峰から鞍部までの短い距離すらホワイトアウトで、赤布の竿を探しながら
雪庇側に踏み込まぬよう必死の思いで下ったのを思い出し、眺望の有無でこれほど気持ちも危険度も天地の差になることを実感しつつ、鞍部の看板にあっという間に到着。今日は爺ヶ岳稜線から冷池山荘、そして最終目的地・鹿島槍ヶ岳も一望できる絶好のコンディションです。
稜線上は終始強風が西側から吹き付けてきますが、飛ばされるほどのものではないし、巻き道を行くよりも稜線を辿るほうが良いだろうと、爺ヶ岳最高峰の中峰へ登り返し、そこから稜線をウネウネと少しずつ高度をさげて、午後2時前に冷池山荘に到着。
さすがに多雪地帯にある冷池山荘は、一階部分はまだ雪の中のため、入口は2階。
絶好の好天だったので、小屋もテントも人が結構いました(食事も食堂入れ替え制になるぐらい)。この小屋には初めて泊まりましたが、なかはとてもキレイで、蒲団も温かく、初日の寝不足と運転疲れ、そして夕方の宴会での酔いもあって、食事後スグに寝てしまい、10時間以上もグッスリ睡眠できました。
翌日は4時起床。小屋前で日の出を拝み、5時からの朝食を済ませ、しっかり準備を整え、6時過ぎに鹿島槍ヶ岳へ向けて出発。
風は相変らず西側から吹き付け、稜線上はガスが左から右に真横に流れ、ちょっぴり厳しい状況を覚悟しましたが、風は強いとはいえ、意外と歩きやすく、小屋から1時間半ちょっとで鹿島槍ヶ岳南峰2889m山頂に到着。
四囲は大眺望。すぐ目の前には五竜岳が大きく、ちょっとガスって全貌は見えませんでしたが、白馬方面の山並みも確認。
西に目を向けると、毛勝三山、剱岳、立山の山並、振り返ると爺ヶ岳からここまで続く稜線、その向こうには針ノ木・蓮華、そして遥か向こうに北アルプス南部の山々、じっくり四囲の眺望を堪能したいところですが、横風が強く氷点下10度ほどの寒い場所のため、冷えないうちに名残惜しみつつ下山開始。
冷池山荘までの帰り道は風を除けば快適そのもの。5月とは思えない雪面にアイゼンを効かせてサクサク下ります。布引山を過ぎると風も気にならなくなる程度になり、9時過ぎに冷池山荘に帰着。
あとは前日来た道を戻るだけ。
小屋の前のベンチで軽く一杯やりながら名残惜しみつつ、9時半過ぎに小屋を出発。
まずは小屋から爺ヶ岳までの登り返し、北峰・中峰を越えて南峰頂上へ(帰りは行きで登った中峰はパスして巻き道を利用)。
南峰で鹿島槍を見納めして、南尾根からジャンクションピーク、そして樹林帯を下って八ツ見ベンチへ。前日朝は締まっていた雪も春の軟雪状態に変わっていました。数時間前まで真冬のような雪面を歩いてきたので、この変化は何だか微妙。
ベンチでアイゼンを外し、そこから30分ほどで登山口に無事下山。
とても濃密で充実した2日間でした。
何といっても真冬のようなサクサクの雪を踏んでの稜線歩きをこの時期に堪能できたのはうれしい誤算でした。
これで雪山シーズンは終了。よく頑張りました。
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