三足富士〜東ヶ谷山〜東山☆桜咲く湖畔を目指して江越国境から縦走
- GPS
- 09:12
- 距離
- 27.1km
- 登り
- 1,474m
- 下り
- 1,470m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
三足富士〜疋田山〜深坂峠;登山道なし 深坂峠〜東ヶ谷山〜送電線鉄塔:薄い踏み跡あり 送電線鉄塔〜万路越;登山道なし 万路越〜東山;踏み跡あり、途中倒木の集中地帯あり |
写真
感想
琵琶湖の北側から日本海にかけては南北に走るいく筋もの長い尾根がほぼ平行に並んでいる。
西から雲谷山から三重獄を経て武奈ヶ嶽への尾根、野坂岳から三国岳への若越国境尾根、岩籠山から乗鞍岳へと至る尾根があり、さらにその東側に深坂峠から東ヶ谷山を経て琵琶湖畔の東山へと至る長い尾根がある。
東山を訪れるなら桜の季節がいいと思っていたが、いっそのこと東山を目指して深坂峠からの長い尾根を縦走するのも悪くないが、この縦走は単独行に限られる。というのも山行の距離を考えると私の家内がこの縦走に同意するとは到底思えないからだ。
比叡山にかかる雲が低く、山頂部は完全に雲の中だ。北山にも重苦しく雲がかかっている。雲の方向を見ると南から湿った風が吹き込んでいるようだ。日本海側は天気がましだろう。
米原駅の構内のコンビニで食料を調達するつもりが、コンビニがオープンするのは七時かららしい。新幹線の改札のすぐ横にあるキオスクは開いているのだが、駅員の方にお願いすると快く通してくれて、ランチのための行動食と飲料を買い求めることが出来る。
敦賀行きの北陸本線はいつになく混雑しており、ほぼ満席である。新疋田の駅で下車するのは私一人のみであった。深坂越の古道を辿って深坂峠に至ることを考えていたが、北陸本線の線路の向こう側に尾根の北端となる三足富士の姿を認めると、ここから尾根を辿ることを考える。
新疋田の駅から愛発の集落に入り、小さな寺の脇を抜けると墓地に至る。墓地で道は終わるが、裏手には下生のほとんどない樹林が広がっている。広々とした緩斜面を歩いて尾根に取り付く。
小さな鞍部を経て三足富士のピークに到達する。余呉トレイルの地図では山頂から北側に眺望が開けるマークが記されているが、山頂は樹林の中の殺風景な場所であり、眺望は全くない。
自然林の細尾根を登り、最初の三角点、△457.7mの疋田山に到着するとマメザクラがの花が満開だ。北側から植林が登ってくるが、ここで樹林の間からようやく敦賀湾と西方ヶ岳を望むことが出来る。北の空は晴れており、敦賀湾の蒼い海が広がっていた。山頂の東側は展望が開けており、遠くに見える山は妙理山だろうか。
なだらかな尾根を辿る。深坂峠の東側で江越国境稜線に出ると、初めてピンクテープが現れる。ここから東に向かう国境稜線上には登山道があるようだ。尾根にも古道が現れる。すぐ西側の小さな鞍部からは古道は南斜面を下ってゆくようだが、尾根芯の薄い踏み跡を辿っ深坂峠へと下降する。
峠からは薄い踏み跡が続いている。尾根の東側は植林が続く。西側は雑木林といった地味な青根が続く。下生が少なく、藪漕ぎに難儀することがないのが有難い。尾根上はタムシバの楚々とした白い花が数多く咲いている。
山門水源の森への分岐が近づくと、東側斜面が急に明るく感じられる。山毛欅の若木の樹林が広がっているようだ。標高はわずかに530mほどであるが、この標高でこれだけの山毛欅の樹林が見られるというのは珍しい。すぐ西隣の岩籠山や野坂岳の山毛欅林に見られる大樹や高木はないので迫力はないが、若木とはいえ繊細なシルエットの山毛欅の樹林の中を歩くことが出来るのは嬉しいことだ。
山門水源の森への分岐を見送ると山毛欅の林はすぐに終わり、低木の樹林となり、すぐに樹木のない好展望の小ピークca540mが現れる。送電線鉄塔の下は別として、ここは尾根での随一の展望地だろう。なぜ、ここに樹木のない小ピークが現れるのか、人為的なのか自然に出来たものか全く謎だ。ピークの南には台地状のなだらかな東ヶ谷山のピークが見えるが、この尾根の北側から東ヶ谷山を眺める唯一の機会だろう。
東ヶ谷山の手前で先を歩いておられる単独行の男性と出遭う。東ヶ谷山から北西に延びる尾根を登って来られたようで、下山は南の送電線巡視路を下降する予定らしい。かなり若い頃から登山をされておられる方のようで、東ヶ谷山頂では山談義が弾むうちに気が付いたら山頂からの写真も撮らないうちに瞬く間に30分ほどの時間が過ぎていた。
東ヶ谷山からは東側に展望が開けており、朝のうちは雲の中であった横山岳が姿を見せる。相変わらず敦賀湾の方は晴れているようだが樹々が邪魔して綺麗に展望が開ける箇所がない。
送電線鉄塔からは南にこれから辿る稜線を望む。前方に見える山が東山かと思いきや、どうやら三角点ピークの国境と中村のようだ。まだ行程の1/3ほどしか歩いていいないのだった。
二本目の送電線鉄塔へと登り返すと、送電線鉄塔下の伐採地からは北側に眺望が開け、東ヶ谷山から辿ってきた尾根を望むことができる。送電線鉄塔を過ぎると尾根上の踏み跡は途端に不明瞭となる。このあたりは歩く人が少ないのだろう。東側は植林となり、尾根上は延々と雑木林の地味な尾根が続く。
大浦越は幅広い峠越えの古道が現れるが、道はかなり荒廃しているようだ。峠には道標や石仏の類は全く見られないが、峠の北側は広々とした自然林の疎林が広がり、林相が良いところだ。
やがて次の送電線鉄塔を越えるて、西側から谷が登ってくるとその源頭部は広々とした二重尾根になると、尾根の間には広々とした自然林の疎林が広がり、景色が一変する。左側の尾根が本来の稜線ではあるが、尾根の間の源頭部の疎林を歩いてみる。地図では水線が記されてはいるが水が流れている気配はない。
複雑な地形の二重稜線を過ぎると再び展望のない地味な尾根を黙々と南下する。万路越に到着すると明瞭な峠越えの道に出合う。ここからは明瞭な登山道が現れる。峰山への登り返しに入るとすぐにも
次の三角点ピーク、峰山のピークが近づいたところで八人ほどのパーティーに出遭う。峰山からは杉の倒木が目立つが、p566が近づくと広い尾根の自然林の快適な疎林となる。p566は竹生島の展望所らしい。左手の谷の樹林の上からは沖合に浮かぶ竹生島が見えていた。
東山にかけてはなだらかな稜線に広がる疎林の中を辿る。眺望はないものの林相のいいところだ。東山に到着すると南の大崎寺のあたりから大音量で船の出航のアナウンスとサクラサクラの琴の音楽が聞こえてくる。なんの目的でこれだけの大音量が必要なのかわからないが、音量が大き過ぎると折角の美しい音楽も流すと風情を損なうばかりに思えてならない。
尾根はやがて斜度を増してゆく。踏み跡は薄いが先ほど遭遇したパーティーのものだろうか、直近の過去に人が歩いたと思われる跡が残っており、トレースを辿りやすい。ca370mのあたりで尾根を右手に大きく曲がる必要がある。それまで辿っていた踏み跡が急になくなったので、尾根を曲がるポイントに気がついたいが、ここは注意を要する箇所だろう。
尾根を下降するにつれて徐々に斜度も緩やかになる。やがて琵琶湖に突き出した岬に出たところでようやく左右に琵琶湖の展望が広がった。眼下から長浜の方に向かって船が航行してゆく。
右手の斜面に遊歩道が現れ、まもなく大崎寺の阿弥陀堂に出る。サクラサクラの大音量が聞こえてくるのは寺の下のあたりだった。桜は満開であるが、湖岸の道路は車が列をなし、多くの人が歩いているのが目に入る。魚の香ばしい香りが漂ってくるので、ワカサギの天ぷらを揚げているのがすぐにわかった。
今回、縦走を南下にしたのはここでワカサギの天ぷらを入手し、琵琶湖の湖岸でビールを飲みながら湖西線を待つことであった。しかし、これは大きくあてが外れることになる。というのはマキノの駅まで歩くと次の新快速にギリギリの時間のようだ。途中でビールを手にいれることは出来たが、マキノ駅に到着し、ホームに上がると丁度、新快速が入線してくるところであった。
マキノ駅では桜を鑑賞しに来られた多くの乗客が新快速に乗り込み、たちまち車内は混雑する。近江今津で前に8両の車両が連結されるので、そちらに乗り移ると車内はガラガラに空いており、琵琶湖の夕景を眺めながらビールを傾けることが出来るのだった。
コメント
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懐かしい、前に、みれさんと縦走しました。
ただし、桜の時期でなくて、車もデポしてですが、、。
桜の時期に、水曜会で半分の深谷越えから、行きました。
満開の桜に時に降り立つのも素敵ですね。\(^o^)/
jionさん コメント有難うございます。
さすがjionさん ここも縦走しておられましたか。
下山後のワカサギとビールを目当てに南下したのですが、風情を楽しむなら早朝の人があまりいない時間に海津大崎から北上をするのがいいと思います。大音量のサクラサクラが始まるのは朝8時からだそうです。
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