神室山、天狗森〜どたばたと、展望と花の主稜線ちょっとだけ
- GPS
- 09:08
- 距離
- 17.9km
- 登り
- 1,671m
- 下り
- 1,659m
コースタイム
天候 | 曇り後晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
役内口には15台程度駐車可。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況 ・西ノ又コース 第2渡渉点〜第3渡渉点間後半の高巻きは登山道の路肩がなでられている個所も多く、結構気を使う。1か所小沢を横切る箇所が崩れてロープにつかまって下りるがそこまでのトラバースが悪い。マミヤ平には大きな雪田が残り、トレース不明瞭でガス時は要注意。 ・神室山〜天狗森 展望がいい縦走路だが、灌木の丈が結構高いので晴れると風通し悪く暑い。神室山の下りで一部道に軽く笹や灌木が被っている個所あり(ずぶぬれになりました)。 ・パノラマコース 笹や灌木が道に被り気味の所もあるが、道は明瞭。 |
写真
感想
神室山は今年の目標の山ですが、訪れるのは秋くらいかなと思っていた。が、先週末アップされたkiyoshiさんやtooleさんのレコで、残雪を置いた姿や花の道を見て、無性に行きたくなってしまいました。丁度月曜の所用のため日曜夜山形に入るので、これを利用し、山頂避難小屋泊まりで火打までの縦走をとプランニング。が、週末の天候は微妙で、土曜は絶望的となり、断念。やけ酒あおって明けた土曜、陽も高くなった頃、急きょ車に日帰りハイクの荷物を積んで山形周辺の軽いハイクでもと、目的地も定めず出発。東北道を北上しながら、天気予報を確認し北の方が天気が良さそうとのことで、周辺偵察も兼ねて虎毛山でもと、山形道分岐を通過。夕方、虎毛山登山口分岐に着くが、付近で食料調達できるところがない。コンビニを求めて秋の宮方面に下るが見当たらず、さらに横堀方面に下ってゆくと「神室山登山口」の標識を見てしまう。道の駅おがちにて車中泊しながら、翌日登る山は神室山に変わっていました。(長い前ふりですいません)
鳥居をくぐってとことこと未舗装を進み、役内口に着いたのは5時過ぎ。他に車はなく、付近の山肌には濃いガスが纏わりついている。天候の回復が遅れているようで、急いで出発してもとゆるゆる用意をしていると、1台、また1台とやってきて出発時には5台になっていた。山形から来られた方に、上部の雪渓でガスがまくと迷いやすいなどの話を聞いていると、陣笠の単独の方が先行された。
西ノ又川沿いの道を、先行者を追う。倒木のう回が結構あるが、平坦なので順調に進む。第2吊り橋を渡ると深いブナの林の登りになる。雰囲気はいいが湿度100%で、夏の必須アイテム団扇今季初始動。道はブナ林から西ノ又川左岸の高巻き道に変わると、左手は急崖で川まで落ち込んでおり、登山道はスタンスも狭く気を使う。左下にスノーブリッジを見ると、ガスに煙る三十三尋ノ滝が現れ、第3渡渉点。
ここから尾根に上がり、ブナ林の急登が続く。何故だろう、先行者がいるはずなのにクモの巣が纏わりつく。尾根上半部で傾斜が若干緩む頃ガスが切れ始める。周りの尾根がチラ見え始め、自然足も早まり登っていると、昨夜山頂避難小屋に泊まったグループが下山してくる。傾斜が緩むと唐突に視界が開け、左直下には雪渓が広がるが、またガスがかかってくる。イワカガミ咲く道を行くと、コバイケイソウ咲く御田の神に着く。ガスと湿度でカメラのレンズは曇りまくりだ。マミヤ平は広い雪原を2つ横切る。一つ目の雪渓で、登山口で話した山形の方が追いついてくる。陣笠の方は、途中の沢で道迷いをしていたとのことで、蜘蛛の巣のわけを納得。ガスがなければ、このあたりは素晴らしい眺めなのに残念だとか、2つ目の雪田を登り切ったところにキヌガサソウの群落があるなどと教わる。そのとおり、稜線直下で見事なキヌガサソウの群落に会う。尾根に出ると、ハクサンチドリやコバイケイソウ咲く道を辿り、パノラマコースと合す。左して一旦小さく下って登り返すと神室山頂に着く。
念願の山頂だが、ガスで何も見えない。先の山形の方は避難小屋で寝てから下りるという。折角来たのにこのままでは悔しいし、まだ時間も早い。しばらく尾根道を辿って晴れるのを待つことにし、天狗森方面に向かう。直下にはカタクリやキクザキイチゲの群落があるが、ガスのためか閉店中。根ノ崎の分岐を過ぎると、ガスに濡れた灌木の枝が道にかぶさる急降下でずぶ濡れになる。どこまで下るかと思うほどで、ちょっと後悔するが、鞍部に着くころガスが切れ始める。雪渓豊富な渓が見下ろせるようになり、やがて天狗森、小又山も姿を見せ始める。折角下ったので、天狗森位は行きたいが・・・・遠いなあ。それでも回復する天候と姿を見せる花々に助けられ、ゆっくりと歩を進める。やっとの思いで登り着いた天狗森山頂は意外と平凡。コバエの襲撃に悩まされるが、虫よけスプレーで休息時間を稼ぐ。間近に見える小又山。今は行く余力はないが、必ず来るよと残心を振り切り引き返す。
帰路は神室山もすっかり姿を見せ、それが歩を進めるごとに近づいてくる。神室のボリュームある姿を見ただけでもちょっと足を延ばした甲斐があった。しかし、好天の見返りに暑さもひとしおとなり、ペースはガタ落ちとなる。それにしても、見下ろす東面は高山的なのに、聞こえるのはカエルとウグイスの鳴き声、おまけにこの暑さは、やはり標高は高くないのかなと思いながら、うちわフル稼働で我慢の歩き。鞍部から250m程の登り返しには、もうへろへろ。往きで閉じていたカタクリやキクザキイチゲなどの花々が陽を受けて開き、最後の登りを励ましてくれた。
神室山頂には、もう皆帰途に着いたのか、単独の方一人だけ。往きも帰りも静かな山頂で良かった。前神室までのレリーフピークから下っての登り返しは、緩やかではあるが、灌木が若干道にかかっており、結構疲れる。途中、中心がやけに白いシラネアオイが一株、印象的だった。前神室からの神室は、南からのボリュームある姿とは違い、やけにすっきりとハンサムに見えた。
前神室からの下り、展望もある反面、日差しも暑かったためもあり、意外に長く感じた。面白いことに、主稜線には皆無だったのに途中雪堤が2か所残っていた。樹林帯に入り、日差しからは解放されたが、疲れていたのだろう、落ち葉に隠れた木の根でスリップ・転倒し、左上腕部を木の根にしこたま強打した(骨にひびが入っているかもと思ったが、打撲で済んだようだ)。
登山口に降りついた時には、全身ドロドロ、べちょべちょで、一旦着替えてすぐ温泉を目指したのある。なお、ひなびた温泉で汗を流した時、今度はぬめった床で転倒し、柱に左肩口をぶつけ、5cm位×2か所の擦過傷を負ってしまったのは、やっぱ年?疲れてた?まあ、山中深くで怪我しなかっただけ幸いですが。帰路は、山形に向かいがてら、禿岳の南の花立峠を越えて行きましたが、禿は姿を見せなかったものの、峠付近のつつじが見事でした。
ドタバタと予定変更しながら、何とか今年の目標の山、神室山の頂を踏むことができました。彫の深い残雪の山渓の展望も、花々もほぼ満喫できました。しかし、神室は神室本山のみでなく、連峰としての魅力があるはず。いつか機会があれば主稜線の縦走にも訪れたいな・・・・、でも次は船形か、南アの鳳凰か北岳か、・・・・今回浮気してしまったけど虎毛山もいつか・・・・と懲りずに浮気性なodaxなのでした。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
odaxさん
念願の神室山 への登頂、おめでとうございます。
満身創痍・・・でしたね
さすがに、左団扇とは行かなかったようですね
東北の山は、北アや南アほど高さはなくても、花 は有るし、奥深い感じがします
拙者も行ってみたいが、他の方のレコ を拝見していると、かなりの猛者・強者じゃないと厳しそう
こりゃ、一号隊員からは、即却下されるな
ここのキヌガサソウ見てないんです。
群落があるとのこと、どれくらいの規模でしたか。
山頂南側の雪もずいぶん消えましたね。念願の神室、しかも天狗森までとは、やはりodaxさん、転んでもただではおきないね 主稜線の展望でてきて、よかったです!
虎毛、来週はチングルマ群落ですね。船形は秋までまってもいいんじゃない
おはようございます、yamabeeryuさん。
東北の山は、関東からだとちょっと遠いのですが、 も豊富で、一部の人気コースを除き、静かな歩きを愉しめるのが好みで、毎年どこかしら遠征しています。特に梅雨前半は、関東が でも比較的天気が良いので、よく訪れます。
神室山も西の有屋口からなら比較的容易な様ですよ。暑さと虫対策も兼ねて団扇、お勧めです。
用意不周到で出かけて転倒負傷で半身創痍、でも 後の の方が気になって、心持ちアクセルを強めるのでした。
転んでも左団扇なodax(左利き)でした
kiyoshiさん、コメありがとうございます。
いつもながら行き当たりばったりの小生、僥倖で天気はまずまずでしたが、そのツケはゴール前後にまっていました。
それでも、行って良かった。残雪の展望も花もまあ満足しています。でも、この時期の雪解けは急速ですね。
キヌガサソウ、40ー50株程でしょうか、マミヤ平の雪田を登り切った尾根直下に咲いていました。他では見かけませんでした。
山形にようこそ。神室山から天狗森はヤブっぽくて、むせかえるような暑さを私も以前に感じました。車中泊後の山は経験がありませんが、かなり疲れたことでしょう。木の根ですべったとのこと、大事に至らなくて何よりでした。時間がある時は山頂でのんびりするようになりました。文庫本を読んだり、ノンアルコールをはしごしたりと、まったりして過ごしています。また、来て下さい。
odaxさん、梅雨入り前に神室連峰に滑り込みましたね
まずまずのお天気だったようで、安心しました
でも神室山まで登って天狗森往復されるとはさすがですね
稜線の大展望とお花畑、楽しまれたようですね
長時間の運転後の神室登山、お疲れさまでした。
利き腕の左腕、お大事になさってください
こんばんは、HITOIKIさん。
お膝元で遊ばせていただきました。
幸い左腕はまだ痛いですが、骨には異常がなく強い打撲で済んだようです(今日通院してきました)。
若い頃はちょっとバランスを崩しても、瞬時にリカバリーできたりしたものですが、明らかに加齢とともにバランスも悪くなってますね。転倒等による怪我のリスクは、気を付けても完全に払拭はできるわけではありませんが、それでも気を付けるほかないんですよね。
山頂でゆったりした時間を過ごすのがいいのはわかっているんです。でも、まだ踏んでいない道がそこにあったりすると、息が整うとまだ見ぬ景色に歩を進めたくなります。山頂のノンアルビールより、下山しての本物 の吸引力が勝り、せかせか降りたりしてしまいがちと、貧乏性なodaxです。やっぱ、ゆったりするなら、 泊まりですかね〜。
なお、今年は、まだ何度かお近くに出没するかと思います 。
こんばんは、tooleさん。
遠方の山は、そうさいさい訪れることはできないので、自分なりのベストチョイスコースで、良い時期、良い天気で訪れたいものですよね。
神室は、tooleさんの辿ったルートのほぼ逆ルート(台山は入ってませんよ)を、2日かけて辿る当初計画だったのです。ですが、直前の天気予報に、大リーグボール2号(←古い)のように土曜日は登板回避してしまいました。
でも、前仮泊日帰りに切り替えハンドルを握った時は、ぼんやり葉山か、仙台神室、虎毛当たりかなと考えていました。神室に最も近い虎毛に心が決まり、付近をうろうろしたのが運のつきでした。どたばたで、訪れましたが、いい でした。それにしても、ガスが上がりだんだん見渡せるようになった台山からぐるり火打までの稜線、これを1日で歩きますかね 。正直、2日でもちょっと自信が持てない感じがしました。
幸い、お蔭様で、左上腕も打撲で済み、左肩の怪我も大きいが浅かったので、利き腕の左手で愛用のウチワを扱える日も近いと思います??ですが、山歩きの軍資金は左うちわとはいきそうもありませんね(笑)。今回散財したので、またスクータでしばらく節約ですかね 。
odaxさん、こんばんは〜
tooleさんの神室レコへのコメントで神室へ行かれそうな雰囲気でしたので、ひょっとして・・・と思ってましたが、やっぱりあの左団扇の方でしたか
ちょうど神室のガスが取れて立派な山容が見えた頃にすれ違いました。私が登山道で休憩中でした。
てっきり私と逆周回コースかと思ってましたが、わざわざ天狗森まで足を延ばされたんですね
でも、南側から見た神室山、どっしりとして実にカッコ良かったですよね
また、どこかでお会いできる日を楽しみにしております
赤い衰星ですね(ヽ゜ω゜)ノ
通常の登山者の3倍のスピードで時間が経過するので、3時間も経つとピコンピコンと胸につけてる赤いランプが点滅しちゃっているような・・・。いや、そんなハンデを克服すべく、マスターのことですから体力3倍プランをひそかに練っているハズですね。何はともあれ、転倒しても大怪我にはなっていないようですから、まだまだ若いということではないでしょうか?
それにしても、神室山とは羨ましいです。ゆっくり行ったほうが良さそうな場所で、土曜日が使えたら、急かされず、怪我もしないで済んだかもしれませんね。帰りのドライブも含めて、お疲れ様でした(ヽ゜ω゜)ノ
FRESCHEZZAさん、初めまして。
いや初めましては、登山道で言うべきでしたでしょうか。バナナをかざしていただければ、それと察してご挨拶したんですが。ちょくちょく楽しいレコ拝見しております。
当日は、妙なところで休憩されていると思いましたが、見えてきた神室 を眺めながらの休憩でしたか。kiyoshiさんご夫妻の周回ルートをトレースされたのですね。地図を見るからに急登、急降できつそうなルートですよね。小生の場合、最もベーシックなコースで、最初から晴れていれば天狗森まで足を延ばすこともなかったと思いますが、ま結果オーライですかね。
プロフィールを見るとご自宅は同じ神奈川ですが、小生は山形に用事のついででもあったのですが、神室登山のためだけに長駆けしてきたんですね 。目標に迫る が全然違いますね 。 これからも、ちょくちょくレコ拝見して、参考にしたいと思います(ギャグも?) 。
左団扇の地味ユルハイカーodaxでした
神室山。大正解でしたね(*^_^*)
朝露をたっぷり含んだ美人のお花ちゃんたち、
マスターに綺麗に撮ってもらって喜んでいると思います。
キヌガサソウ、神室に咲いているんですね!
見たい
貴重な情報ありがとうございます。
FRESCHEZZAさんとのニアミスも凄い偶然でしたね☆
お山でヤマレコユーザーさんとすれ違えるなんて凄い!
ガスが晴れて本当に良かったです。
あの峰々、うっとりしちゃいますよね。
いーないーな♪行きたいなぁ〜。
日曜日は本の世界にどっぷりはまって珍しく一歩も家から出なかったwaqueでした。
バーチャル山行できました。ありがとうございます。
こんばんは、derakkumaさん。
赤い衰星のodaxです。
神室山への登りはまあぼちぼちのペースだったのですが、その先のペースはガタ落ちで、這っているようなイメージでした。頂上直下で追い抜いたチャイロヒダリマキマイマイの呪い(ノロい)と思いたいところですが、単なる加齢とそれに甘えた不摂生ですね・・・・。
頭の中では、リタイヤ前の自分が「小又ピストン当然行けなきゃ」と囁くのですが、「わしらはできない」とかぶりを振っていました(この辺LoR Ver)。
なお、年老いた赤い星も、最後の大爆発を起こして、ブラックホールや中性子星を残す、派手な赤色巨星もいますが、地味なodaxは、そんな派手な爆発もなく最後収縮していって小さな白色矮星になるタイプ、ですかね 。
それにしても、derakkumaさんの豪快かつどMなレコ、最近見かけないんですが・・・・。
こんばんは、waqueさん。
念願の神室、何とか登頂しました。花、展望十分楽しみましたが、一方、いや疲れました。体力のなさから不細工な転倒にも結びついたんだと思いますので、年に甘えずもう少し節制する必要がありますね。
でも、長歩きQueenのwaqueさんなら、この稜線をodaxよりはずっと長く歩けるでしょう 。神室〜火打の日帰りも夢じゃないかも(超早起きすればネ)。
キヌガサソウ、odaxも久々に見ました。前見たのは確か頸城の天狗原山と、あと忘れたがもう一か所位だったかな。機会があれば是非逢いに行ってください。
でも、きれいなお花に会いに山に行くとなどというと、最近せっかく醸し出してきた藪漕ぎQueen的なイメージが、壊れてしまいませんか(笑)
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する