皇海山(銀山平から)〜アスレチック要素もあり意外に楽しかった〜
- GPS
- 12:46
- 距離
- 27.6km
- 登り
- 2,385m
- 下り
- 2,364m
コースタイム
- 山行
- 11:42
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 12:47
過去天気図(気象庁) | 2021年06月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
■間もなくこの山に行かれる方へ
<ルート選択>
・以前までは皇海橋から入山するのが最短でしたが、
栗原川林道の通行止め(このまま廃道の可能性も)のため、
実質的に銀山平からのピストン(途中でループあり)の一択だと思います。
(皇海山の南北からのルートもありますが、テント泊が必要そう。。。)
・庚申山荘から鋸山の間は道が二手に分かれていて、
ほとんどの方が行きに庚申山を経由する尾根越えルート、
帰りに六林班峠を経由するなだらかなルートを通る方がほとんどです。
行きの鋸山直前の鎖場などを通りたくないというのが主な理由のようです。
私も真似しましたが、下りの六林班峠をとおるルートはひたすら長いです。
コースタイムを見て自分でもびっくりしましたが、庚申山荘〜鋸山間は、
下りの方が時間がかかっています。下りの方が写真も撮らずに
急ぎ目で歩いたにも関わらずです。
鋸山までの登りで自信を持った方は、
下りでも同じルートを使うのも手かもしれません。
<駐車場>
・三叉路から下(かじか荘方面)に100mほど向かったところに無料の駐車場があります。
・三叉路の一方(皇海山側)は20mほど先に一般車両通行止めのゲートがあります。
この前にも数台停めれそうで、停めている方がいました。
なお、これらが溢れていた場合は、かじか荘の駐車場にも停められそうです。
・docomoは入りました。かじか荘近くなので、どこの会社も入るのではと思います。
・トイレは、かじか荘の駐車場にあるのかな?(未確認)
<危険個所>
・行きの鋸岳までに20mほどの崖下りが2箇所あります。
私は、基本的にロープや鎖は使わないようにしていますが、
ここはがっつり鎖をつかんで一歩一歩足場を探しながら降りました。
(腕力だけで降りようとすると、そのまま落下する可能性があります)
ここのためにヘルメットを持ってきている方が半数以上だったように思います。
・行きの庚申山への登りで地味に登りづらい魚の骨のようなはしごが多数ありますが、
危険というほどではありません。
<水場>
・庚申山荘に蛇口があります。
山の中からパイプがひかれていて、飲めそうな雰囲気でした。
・帰りに六林班峠を通るルートを使う方は、何度も沢を渡りますので、
浄水器を持つようにすれば水を少なめにできるかもしれません。
<小屋・テント場など>
〇庚申山荘
・登山口から2〜3時間のところにあります。皇海山までは片道4〜6時間ほどです。
・管理人さんが通われているようで、やや古さは感じますが、
中を敷布団が干されているなど整備がされているようです。
・各部屋にも布団があり、最低限の寝具はありそうです。
・水場は中にも外にもあります。
・使いませんでしたが、外にバイオトイレもあります。
・休憩が300円、素泊まりが二千円ちょっとだそうです。
〇その他
・これ以外に正規のテント場はありません。
ビバークできそうなところ(平らで木があるところ)はそこそこありました。
<アイゼン・ピッケル等>
・不要です。雪や凍結箇所はありません。
・ヘルメットは持って行った方がいいかもしれません。
(半数くらいの人は持っていた感じです)
<その他>
・ヤマレコのコースタイムを参考にしましたが、ちょっと長すぎです。
特に、登山口である銀山平(足尾温泉)から庚申山荘までが4時間となっていますが、
登りで何人かの方に抜かれた私が2時間かかっていませんし、
庚申山荘の管理人さんもせいぜい2時間半だろうとおっしゃっていましたので、
ミスリードするだろうなぁ、と思いました。
(私は、登りはそれほど得意ではありませんが、
アプローチシューズにして人並になりました(笑))
ただ、「この山で出会う人はみな足が速い」と言っていた方もいました。
■感想
<はじめに>
ヤマレコでコースタイム17時間の山のため、日の長い6月に行っておきたいとこの山に行くことにしました。
他の方の日記を拝見しても「長かった」「つらかった」というややネガティブな感想が目立ち、楽しさをあまり期待しないで登りましたが、意外に鎖場やはしごのアスレチック要素が楽しかったです。
<銀山平〜庚申山荘>
銀山平の駐車場を薄暗い中出発し、
一ノ鳥居までは一般車通行禁止の砂利道を歩きます。
1時間くらいして一ノ鳥居をくぐるとそこからは緩やかな登山道が始まります。
ここからしばらくは、信仰の山だからだと思いますが、〇〇岩みたいなものがいくつか見られます。が、コースタイムどおりだと21時くらいに下山なので、心の余裕はなくひたすら前に進みます。が、脚力の余裕はないので、何人かの方には抜かれます。
毎週、山登りをしていてそこそこ体力がついたとはいえ、登りは相変わらず遅いです。。。残念。
庚申山荘までの道は、沢沿いのそこそこ整備された道で、何度か渡渉もありますが、基本的に丈夫な木製の橋がかけられています。ただ、雨上がり直後だったため、ドロドロな箇所もありました。
<庚申山荘〜鋸山>
庚申山荘正面のベンチで喉を潤して、蛇口から水を1.5リットル汲んだ後、
いよいよ庚申山への本格的な登りが始まります。
なお、ここで汲んだ水は、飲んでないのにいつの間にかなくなっていました。歩行中にザックが朝露で濡れるなぁと思っていましたが、そういうことだったようです。。。
庚申山までは、それまでとは違い岩をよじ登るような急登が続き、魚の骨の形をしたはしごが登りづらく地味に少し恐怖を感じます。岩登りと急坂の登坂が続き、樹林と岩に囲まれ景色のないまま庚申山頂へ。
庚申山頂も樹林帯の中で景色はありませんが、少し進んだところに人だかりが。
そこは、皇海山がどーんと見えるポイントでした。皇海山は周囲を300m以上の切れ込みに囲まれているため、一目でそれと分かります。地味な山という印象でしたが、ここから見る山容は、とても立派なものに見えました。それと同時に、鋸山から皇海山へ登り返しは辛そうなことがよく伝わってきました。
その後、稜線の左手前方に尖がった山が見えるのですが、近くにいる方にお聞きしたらあれがこれから目指す鋸山とのこと。あんな釘の先みたいなところにわざわざ登山道を通さなくてもと思うほどです。
次の日に登った太郎山の途中の山王帽子山、袈裟丸山の小丸山といい、この近辺は巻き道という概念があまりないのではと思います。。
鋸山の手前に2箇所、20mほどの崖を下るところがあり、なかなかの高度感。
普段は鎖やロープがあってもなるべく使わず岩などにつかまって上り下りしていますが、
ここではちょっとでもバランスを崩すと20m下まで落下することが確実なため、
足元は着地点を探しつつ、手は鎖に身を委ねます。
皇海山からの帰りにこの道を使わない理由として、この鎖場を登りたくない、ということを挙げられる方が多くいました。
その後も、少し高度感のあるはしごの上り下りを通り過ぎて、鋸山山頂へ到着。
<鋸山〜皇海山>
鋸山からは、これから向かう皇海山が正面にどーんと見えるだけでなく、かつての最短ルートの登山口であった皇海橋のあたりの沢筋も見えます。
鋸山から皇海山までは、100mくだって300m登る感じで「登り返しか。。。」という感じなのですが、皇海橋からのルートはそのコル部分まで緩やかに登って接続するため、距離が短く登り返しの無駄のない、本当に楽なルートだったんだな、ということがよく分かります。一方で、コル部分から皇海山までは眺望が全くなく、皇海橋からコルまでも森の中で眺望があるようには見えないため、やや面白味にかけるルートだったのかもな、とも思いました。
そんなこんなで、何度目かの登りで息をきらしながら皇海山山頂へ。
皇海山山頂は5m四方くらいの、よくある「樹木の中で眺望のない山頂」でした。が、一部では百名山最難関とも言われているという山頂に立てた嬉しさはそこそこあります。
最初は独り寂しく山頂に佇んでいましたが、しばらくして途中でお会いした男性2人組が。片方の方は年齢的に先輩だろうな、とは思いましたが、なんと間もなく80歳とのこと。もうお一人の若い方が手の平からドローンを飛ばされていて、スマホに映る画像を見せてくださいましたが、今立っている場所の周囲まで見れて、自分たちのいる場所が客観的に見れて、現地にいながら自分のいる山、自分のいる場所を見れるのは、山を知るのにとても面白いと思いました。その方は、お二人の記念写真もドローンで撮られていました。欲しくなっちゃうな。。。
<皇海山〜六林班峠〜庚申山荘>
他の方も日記に書かれていましたが、鋸山までの100mの登り返しが急かつ登りづらく、なかなか堪えます。
鋸山からは女山まではやや道が薄いところもありますが、緩やかに下っていきます。
女山では、標識などは見当たりませんでした。
六林班峠からは、ひたすら長く緩やかな下り道です。笹薮なのですが、こんな長い道ながら丁寧に切っていただいていました。とはいえ、沢を越えるたびに、数m程度の登り返しがあり、意外に足に響きます。
私は沢を越えて登る際に、登る場所を2回ほど見失いました。沢を渡渉したら左右5m以内に必ず登るべきところが足元のピンクテープだったり、ステップだったりで分かるようになっていますので、ご注意を。
朝通った庚申山を左手に眺めながら、ぶつくさ言いながら歩いて、ようやく庚申山荘へ。
<庚申山荘〜銀山平>
林道のある一ノ鳥居までに暗くなる前に到着する目途がたったため、庚申山荘で少し休憩。入って左手のテーブルに、カセットコンロで網焼きをしつつ、プレミアムモルツを飲む男性が。お聞きしてみると、ここの管理人さんだそうで、本日上がられてきたそうです。
とても気さくな男性で、色々とお話をお聞かせいただけました。
最近、バイオトイレになって、軽油とおがくずを持ってくることになったそうで、俺の背中はそんなに大きくないんだよー。と笑っていらっしゃいました。ちなみに、ビールも自分で担ぎ上げているそうです。羨ましいけど、車だから飲めない。。。
それからは、朝のぼった道の逆に一ノ鳥居から銀山平の駐車場まで。
一ノ鳥居では二人組の男性がこれから登るとのことでした。庚申山荘に一泊し、明日の雨覚悟で皇海山に登るそうです。
<その他>
かじか荘のお風呂は、コロナの影響なのか14時頃で受付終了だそうです。
がっかり。。。
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