肘折温泉〜月山〜姥沢 Mission M Possible
- GPS
- 12:42
- 距離
- 24.0km
- 登り
- 2,330m
- 下り
- 1,457m
コースタイム
ログにはリフトのぶんも入っていますが修正するのが面倒なのでそのままにします。
天候 | 晴。 22-30℃。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
新庄駅前18:10発 山形交通バス「肘折温泉」行 姥沢バス停17:25発 西川町内バス「西川」行 西川BS(バスストップ)18:37発 山形交通バス「仙台」行(要予約ですが予約無しでも席が空いていれば乗せてくれます) |
コース状況/ 危険箇所等 |
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-236461.html Utaroさんの記録が写真を含めて完璧です。 |
写真
感想
肘折温泉から月山に行って来ました。肘折温泉に前日入り、早朝出発という流れです。
新庄からバスに乗りました。一時間ほど揺られ、斎藤茂吉の歌にも詠まれる本合海や清水といった大蔵村の由緒ある街並みを抜けた山奥にあるのが肘折(ひじおり)温泉です。名前の由来には諸説あるようですが、肘折温泉でもらったパンフレットによると、中世以前の山伏を指す言葉<ヒジリ=日知り>から来る、というのもあるそうです。
そもそも、肘折に興味を持ったのは、一ヶ月くらい前。たまたま肘折出身の方に会ったとき、「なんであんな長いコースがあるんですか?」と聞いてみたところ、「あー、やっぱり山伏の修業のためですねぇ。あと、マタギですね。ウチのじいちゃんなんてマタギみたいなものでしたから。でも、暑いときと寒いときはやめたほうがいいですよー」とのお言葉を頂きまして、深く考えずに「いつかはやらねば」「やるならやらねば」と思ってしまったのが、運の尽きでした(爆)
三春屋さんにお世話になり、3時間ほどうつらうつらして、早朝3時に出発です。星が素晴らしく多い夜空の中、オリオンだけは確認できました。森敦『月山』の冒頭には、肘折の渓谷にわけ入れば、月山が何故月の山と呼ばれるかが分かるようなことが書いてあるのですが、あいにく月と月山は確認できず、心残りとなりました。
ヘッデンを点灯して林道を行きます。何かが飛んで来て左腕に止ったのでビビッて振り払おうとすると蝉です。「こりゃ、何がいるかわからんな」と念のため熊鈴をつけて「出るなら出やがれオヤジさん」と空元気を出していると、アッサリ登山口へ。気温は22℃くらい。引き続き登山道に入ります。松山千春の「長い夜」とか、チェッカ−ズの「Long Road」とか、長遠系の歌?を口ずさみながら、気温が30℃近くまで上がって汗だくになりながらも、清川橋までの低山歩きはまあなんとか順調でした。
清川橋は崩れていますので、徒渉しなければなりません。水深30-40cm程度なので濡れるのを覚悟でズカズカ渡りましたが、このとき登山靴の中に入ってきた水を放置したのは間違いで、最終的に足がふやけて皮が弱くなり、靴擦れの一因になりました。せめて靴下を変えるとか、したほうが良かったんですかね。さらに、清川橋を過ぎると、急登が始まります。エアリアには「きつい急坂」とありますが、6時間以上歩いてきてからだと、半端なくキツイです。ここは地獄の一丁目。念仏ヶ原の避難小屋はこのためにあるのかと、ようやく合点が行きました。一日でなんて阿呆なことはやらないで、是非泊まりましょう(爆) 加えて5リットルあった水がどんどん消費され、水不足の危機に。まだこれから900mの登りが待っているかと思うと、「肘折に戻ろうかな」と本気で考えてしまいます。「いや、戻ってもどうせ7時間以上掛かるし、山頂のほうがなんぼか近いでしょ」と、半分折れた心を騙し騙し、前進することに。途中、肘折へ下るという奇特な方一名とすれ違い、1200-1300mまで上がってようやく一息入りました。月山も次第に姿を大きく見せ、希望が見えてきます。千本桜で10分休憩して、1700m過ぎの水場で絶品の雪解け水を体中に流し込んで、ようやく少し黒ずんでいた気持ちが晴れました。雪渓を見ながら、コバイケイソウの群生の中を突き進み、月山山頂に至ったのは13時半過ぎ。エアリアのコースタイムだと10時間20分なので、約10分遅れでの到着となりました。
山頂の月山神社でお祓いをして貰います。鳥海山は生者の山、月山は死者の山、とされるようなので、今夏に相継いで落鳥したオカメインコの二羽の御霊を弔い、展望を楽しもうかと思いますが生憎の天気。神社の方にお訊きしたところ、早朝を除いて一日中こんなカンジだったそうで、「ずっとピーカン照りに苦しめられて、山頂だけガスってたら身も蓋もありませんな、シメシメ」とワケの分からないことを呟きながら、「明日、結婚式があるからね」とコレ以上のMレコは放棄し、姥沢からリフトで帰って来ました。
姥沢のバス停からは西川BSまでは、東京からいらして八甲田山に登り三陸を回ってきた、という方と山談義をして、楽しく時間を潰すことができました。谷川岳の西の方にある平標山は人気が無いとか、鳥海山は遠いとか、紅葉なら栗駒山とか、サングラス掛けてバッチリ装備を固めてリフトに乗るのは忍びないとか、そんな阿呆なハナシに付き合って頂きありがとうございます。無事に後続バスに乗れたことを祈ります。
さて、振り返って肘折コースですが、やるなら秋ですね。秋しかないです。肘折から小岳までの登山道は稜線を描くピーク越えや尾根道ではなく、1000m以下の低山の中腹を横切るルートがほとんどで、常に右か左に傾いています。これは確かに登山道ではなくて、山伏用の修業道です。加えて木々の緑に囲まれて展望は得られず、黙々と歩くしかありません。冬ならもう少し景色が良いかもしれませんが、遭難する確率が高くなります。残雪期の春は良いかもしれませんが、道迷いが怖く、結局秋しかないかと。夏にやる意味は1つしかありません。
とりあえず2キロ痩せました。バンジャーイ(ヽ゜ω゜)ノ
コメント
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ドMミッションお疲れ様でした。
このクソ暑い時期に月山まで累積登り2千m以上・距離20km以上を日帰りですか、、。時期を間違えなければ面白そうではあります。
噴き出る汗、まとわりつく虫、ムッとする草いきれ。「絶対マネしたくない」と思わせるに充分な臨場感です。
でも一番面白かったのは、「知らないんじゃない!」ってキレ気味のコメントですね エアコンの効いた涼しい部屋で楽しく読ませて頂きました。
こんばんは、derakkumaさん。久々に登場も、M Possibleですか。
盛夏に、ほぼ登りっぱなし20kmオーバーで、しかも前半は1K未満の、被虐・…否日帰りコース。まあ一般ハイカーにはimpossibleでしょうね。
月山は2度軽ハイクに行ってますが、行くたびこの肘折のロングコース、ちょっと気になってました。バス・リフトで頂稜付近まで簡単に行ける月山の中にあっては、長く静かな歩きが愉しめそう、避難小屋もあるし。derakkumaさんも引用している、昨年のUtaroさんの紅葉レコ(トレランでしたが )を見て、より興味を持ってました(もちろんodaxなら小屋泊まりですが)。
写真26のコバイケイソウ(「にょろにょろ」の方がいいですか(笑))に遊ぶ蝶、地味な羽根裏からちょっとのぞく表の目玉模様はクジャクチョウでしょうね。
ところで、最近皆さんのレコに、「今年はコバイケイソウの当たり年」との記述をよく見かけます。しかも山域を問わず。紅葉ならわかる気もしますが、特定の でそんなことがあるんでしょうかね。高山植物だけど、derakkumaさんのように、酷暑にも耐えるM系なんでしょうか 。いっそ、高山植物界の「dera様」と呼びましょうか (実はvera様※ですが)
※学名Veratrum stamineum
肘折ならぬ脹脛折れから未だ出発できぬodaxでした
derakkumaさん、こんばんわ。
月山肘折コース、ウーン、久しぶりの山行でこう来ましたか。期待を裏切りませんな。
こりゃ、先発完投(何泊かの縦走)ではないもののロングリリーフですな。話題のエースの連勝は続いていますが、ヤマレコの個性派投手は、フォークの連投で肩をこわさないようにご注意。
>時期を間違えなければ面白そうではあります。
仰るとおり、時期を間違えなければ面白いと思います。時期を間違えた結果、大変な「独りえすえむ」になりました。やはり他人様のアドバイスには従ったほうが良い場合が多いようです。ちょっと賢くなりました。
花の名前、他の方の月山レコでカンニングすると分かることは分かるんですが、道中はずっと写真を撮る度に「オレが名前を付けてやる!」みたいなキレ具合でした。花にあたる、くらいしか仕様がなかったというかなんというか、お馬鹿なことはホドホドにしないとマズイなぁと痛感した次第であります。
正しいツッコミありがとうございます<(_ _)>
「フツウはimpossible。でも、imとpossibleを分けてみると、アレレレ〜?」ってなカンジで、帰りのバスの中で「タイトルはコレしかない!」と独りで悦に入っていました(ヽ゜ω゜)ノ
コバイケイソウは山頂周辺に多い印象があります。かつ、比較的湿気が多いところに群生するそうなので、冬に雪が多かったことと関係しているのかもしれません。キツイ登りの途中でも、おかげさまでコバイケイソウだけは余裕を持って癒されながら眺めることができました。花の名前を知っているのと知らないのとでは、登山で感じる体力的なキツサとかが変わってくると思います。さらにクジャクチョウですか。全く分からずスルーしましたが、流石、マスターは詳しいですね。
今は暑くて登っても楽しくないので、マスターの復帰は10月以降が良いんじゃないかと思います。ゆっくり焦らず治してくださいませ。
ここのところずっと山に行けてなかったので、「長く歩きたい」という欲求に勝てず、うっかり肘折コースにしてしまいました。道中は激しく後悔です。でも、自宅に帰ってきた今となっては、良い思い出になっちゃって、ナントカに付ける薬はないパターンかと(爆)
登板間隔が開いてしまうのが良くないみたいです。次回もしばらく後になりそうなので、無理をしないように気をつけます。
derakkumaさんへ
こんにちは。
日記へのコメントありがとうございます。
返信を書こうと立ち上げてみれば、deraさんのレコ発見!!
しかも肘折〜〜〜
私も昨年のUtaroさんのトレランレコを見て
「すごいな〜、いいなぁ、歩いてみたいなぁ」と思っていました。
derakkumaさんの今回の記録で憧れがさらに深まりました。
渡渉がネックでしたが水量が少ない時はジャブジャブ行けそうですね
とっても参考になりました。
ありがとうございます。
しかし、次の日に結婚式??
まさか主役?
って「まさか」は失礼ですねすみません。
「孤高の人」で加藤文太郎さんは自分の結婚式当日、山に登って遅刻したと書いてありました。
フィクションらしいですが、山男ってそういうもんなのかしら?とも思ったり
ご無事のミッションクリア、本当にお疲れ様でした。
天国のインコちゃんたちにderakkumaさんの祈りが届いているといいですね。
清川橋の徒渉ですが、ただ単に暑くて納涼気分に浸りたかったのでジャバジャバしちゃいました。普通は濡れずに渡るようです。
残念ながら、まさかの主役ではなく、知人の結婚式ですね。derakkumaはこれでもなんと既婚者ですヨ(奇特な嫁もいるもんです)。それにderakkumaは決して山男ではなくて一般人です!!! 新田次郎の描く加藤文太郎は流石にちょっと脚色入り過ぎで、あんなに常識がなくてコミュニケーションも苦手な人にしなくても・・・、とダメ出ししたくなります。最後、北鎌尾根に突っ込む流れも、同行者が悪役にさせられ過ぎで可哀想で。
動物は言葉を理解してくれませんが、心を通わせることは可能です。ジッと待っていれば、自然にそうなると、信じています(ヽ゜ω゜)ノ
こんばんは。西川BSでご一緒したものです。
無事、山形までは帰れました。
後から一人でバス停で待っていた女性に聞いたら
鶴岡行きのバスは3本続けて満席で、乗れなかった
そうです。彼女は初登山が月山で、羽黒山から
8合目までバスでくるルートで月山を登ってきた
そうです。
改めて、山行記録を見ると、すごいですね。
やっぱ、普通は念仏で一泊ですよ〜。
なんか、本格的に登山をやってみたくなりました。
ありがとうございました。
お疲れ様でした。お盆で、週末で、バスはかなり混んでいたみたいなんで、山形まで乗れて良かったです。ちなみに私が乗った仙台行きは、山形では降りるところがない直通でした。「予約不要=乗れる」ってコトなんですかね。
waruban76さんは既にバッチリ本格的ですよ。一般ハイカーは平標山なんて知らないし登るハズがないです。私なんて素人臭さがいつまでも抜けません。ロープは使えないですし、単独となると長く歩くくらいしか選択肢がなく、ダイエットのために山歩きに精を出すくらいです。waruban76さんが本格的にやったら、かなり行くところまで行ってしまいそうなので、無理しないで下さいね。スタイルを変えずに高度か距離を伸ばすのが良いのでは無いかと。
私も公共交通機関を駆使してもう少し東北の山を開拓したいと思います(ヽ゜ω゜)ノ
夏ばてした身体にはkkumaさんのレコで気合が入ります 自分も先日、月山に登って着ましたが、腰を痛めているので岩道は苦手です
腰に優しい冬がベストシーズンです 自分もキャリアは長いですが、花の名前は殆ど図らず、「にょろにょろ」なら覚えられそうです 確かに似てます〜 ムーニン谷にもいっぱい居ました。
また、レコ楽しみにしてます
お久しぶりです。
月山は牛首からだと山頂付近は石が多くて歩きにくいですね。土が出たと思ったらリフトまで木道で、整備されているのか整備されていないのか、良く分からない印象を持ちました。肘折コースなら岩場が少なくて快適ですよ(笑)
早く冬が来るといいですねぇ(ヽ゜ω゜)ノ
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