明神岳主稜 前穂高岳
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- GPS
- 12:31
- 距離
- 12.6km
- 登り
- 1,835m
- 下り
- 1,829m
コースタイム
- 山行
- 5:34
- 休憩
- 1:59
- 合計
- 7:33
- 山行
- 4:03
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 4:55
天候 | 晴れ時々くもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
支点・FIXロープを使用するときはまず十分に強度を確認するように。踏み跡はいくつか交錯しているので、ルートファインディングの能力が必要。ルーファイができれば難しいところは殆どない。 三峰のトラバースでルートミスをした。トラバースは適切なルートを見つけるのが難しいと思う。自分は、途中で下降する踏み跡にひかれて下側を巻こうとしたが、がれとざれがひどかった。上を見上げると、三峰基部すれすれに、紫色のフィックスを発見。ここまで登り返すと踏み跡ががっちりとあり、簡単に通過できた。このフィックスはすでにボロボロで使用には耐えないが、ルート探しには良いと思う。 バリエーションなので自分の思い通りに行きたい道を楽しむのが正しいと思う。ただし、これまでの登山者のルートをたどるのであれば、がれ過ぎていたり、浮き石が多すぎるところ、手をかけた岩がすべて動くところ、不自然な岩の積み重ねに遭遇したら、ルートを見直した方が良いと思う。明神主稜は結構歩かれているので、過去のトレースをたどれば岩も足場もそこそこ安定してる。そこから外れるとすべての石が浮き、がれている状態となる。これも判断次第で、バリエーションは自分の道を作るもの、と考えるのであれば敢えて人の踏み跡をたどる必要はないと思う。 |
写真
ここまでは良かったと思う。トラバースの途中で踏み跡に誘われて下降したが、基部に張ってある紫色のフィックスを狙って上々に進まねばならなかった。このフィックスは切れかけており頼ってはだめなので、目印程度で。
感想
明神岳主稜、ソロ。その他のパーティも全くはいっていなかったので、本当のソロだった。5峰から主峰を経て前穂高岳まで縦走。金曜日、土曜日の2日間。
明神はバリエーション。五峰から主稜、前穂に抜ける主稜線を歩く。懸垂以外はロープが必要ない初級のバリエーションルートだ。ソロではビレイが必要な東陵には行くのは難しいため主稜とした。上高地の明神から見える五峰の姿にいつも惹かれていたので、ここを歩けるのは嬉しい。
岳沢7番看板から急登を経て明神の稜線に乗り上げる。樹林帯の急登で汗だくだ。おまけに5Lの水と幕営装備、ロープとガチャ+酒を背負っているので、荷物が重い。それでも、バスターミナルから五峰台地までは3時間ちょいでついた。五峰台地は展望よく、広々として気持ちがいい。しばらくゆっくりとした。ここで幕営したいが、まだ12時前なので先に進むこととした。憧れの五峰山頂でちょいまったりし、四峰に向かう。四峰までは一般登山道のようにわかりやすい。
三峰は峻険なので巻くことにした。ただし、トラバースは道を見つけにくい。今回、唯一ここでルートミス。下降の踏み跡に引かれて降ったら、やたらがれ・ザレ・浮石が多くなったので、踏み跡を外したと気づく。道を探して上を見上げると岩の基部に紫のフィックスが張ってあった。このフィックスを目指して登りあげて踏み跡をたどった。バリルートなので下のルートを開拓してもよかったが、ハイマツと低木を漕がねばならなかったので、上の踏み跡に合流した。ここは踏み跡もしっかりしている。フィックスはほつれているので頼りにしないように。
三峰を巻くと目の前すぐに二峰。登りあげてハーネス装着。ここから2ピッチ、20m・15mの懸垂下降。最初の支点はしっかりしていた。2番目の支点がすこし古そうだったので、150cmのスリングとカラビナ2個で補強しておいた。計画ではここで幕営であったが、明日の朝、ハーネスを再装着するのがめんどくさいので、主峰から奥明神沢のコルまで下ることにする。
コルから主峰までの登りはすぐ。まずは明神すべてを縦走し感無量。山頂からは360度の景色が広がる。東陵もきれいに見える。今度は東陵で登ってみたいが、途中にクライミングの要素があるので、ビレイが必要になる。今度パーティで入ろう。
一峰からの下りは明瞭。踏み跡を進んでいくと、奥明神沢への下降になる。奥明神沢の下降点は支点からFIXが張ってあり(このFIXはどこまで信用できるかはわからない)、そこから50mほど下降する。最後の15mほどの下りが急峻なため、懸垂で降りた。クライムダウンもできると思うが、今回は慎重にした。
奥明神沢についた。前穂までの縦走の予定でもあるので少し登り返した幕営適地でビバークした。ビバーク地は夕方の雷に備えて岩峰のコルを選んだ。幕営準備のときに遠雷が鳴っていたが、結局雨も雷にも遭うことはなかった。のんびり酒を飲んで、本を読みながら、流れる雲と星空を楽しんだ。縦走で受けた日差しのせいか、体が火照って1時まで眠ることができなかった。
翌朝4時起床。寝袋の中から朝の景色を堪能。今日はめちゃくちゃいい天気。位置的に日の出は見ることができなかったが素敵な朝だ。前穂に向かって進む。ここからの道はわかりやすく岩も安定している。前穂から明神へ登る人が多いからだろう。前穂山頂からの景色は快晴の空のもと素晴らしいものだ。ここでバリエーションのルートは終了。重太郎新道で下るが、ここは急なので、疲れた体にはここが一番の核心部かも。
上高地についたらすごい人だった。今日は天気が素晴らしく良いのでかっぱ橋からの長めも素晴らしい。みんな遊びに来るわけだ。
明神主稜は素敵な縦走路だと思う。登山道が無いので不遇の山と言われるが、周りを取り巻く穂高の峰々に比べると確かに魅力に欠けるところがあると思う。しかし、そのおかげで北アの中心で静かで簡単なバリエーションルートを残していてくれるのは本当にありがたい。登山道が無い故に魅力が上増していることは事実だ。
主稜のルートは、ほぼ掴んだので、夏であれば人を連れて登れると思う。次は残雪期にトライしたい。
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