【北横岳・双子山】紅葉色の双子池でテント泊
- GPS
- 25:36
- 距離
- 10.5km
- 登り
- 884m
- 下り
- 879m
コースタイム
- 山行
- 5:55
- 休憩
- 2:20
- 合計
- 8:15
- 山行
- 1:40
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 1:40
08:30 大河原峠P 09:10
09:35 双子山 09:40
10:10 双子池(テント設営)11:50
12:45 天狗の露地 13:05
14:05 大岳分岐
15:10 北横岳 15:20
16:40 亀甲池 16:45
17:25 双子池(テント泊)
10月11日
07:00 起床・撤収 08:30
08:40 双子池
09:40 双子山
10:10 大河原峠
天候 | 10月10日(木) 晴れ−曇り−小雨−曇り 10月11日(金) 小雨−曇り−強風−小雨−曇り−晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【大河原峠P〜双子山〜双子池】 ・峠の駐車場で標高2000m超え、眺望素晴らしい ・峠の分岐点で右方向が蓼科山へ、左方向が双子池へ ・歩きだしは笹の中細道を登り、間もなく樹林帯 ・樹林帯が開けたところが【双子山】山頂 ・山頂から尾根の広い稜線が見渡せる、気持ちよさそう ・降りだしから樹林帯が始まる ・木製の段々が壊れているところが多く滑り易い ・木々の間に鮮やかな彩を目にすると間もなく【双子池】 ・双子池ヒュッテの先が【雄池】で飲料水 ・手前が【雌池】で、テントサイトはヒュッテから10分の対岸 【双子池〜大岳〜北横岳】 ・ヒュッテ手前の分岐から【大岳】への登山道 ・登りだしからいきなり急登 ・樹林帯の中は苔蒸した岩場 ・全体的に急登の岩場を攀じ登る感じでストックは邪魔になる ・岩の間から木の根が飛び出している箇所が多く、引っかかる ・高さのある岩を登る箇所には木製のはしごがあるがスリル満点 ・【大岳分岐】から【大岳】山頂まではピストン ・【大岳分岐】から【北横岳】までは岩稜の尾根 ・【北横岳】山頂下で岸壁が立ちはだかる ・その右方向に回り込み、ハシゴとクサリを使って山頂に出る 【北横岳〜亀甲池〜双子池】 ・山頂はそこそこな広さがあるが今回は小雨で周囲が霞む ・【亀池】【双子池】方面へ降りる ・降りだしは比較的緩やかだが、直ぐに岩場の急降になる ・岩は全体的湿っていて良く滑る ・広葉樹の落ち葉で岩や木の根を覆われていて、油断して落ち葉を踏むと滑る ・【亀甲池】は水は少なめ ・【亀甲池】畔を右に回り込む様に【双子池】へ向かう ・一度登りがあり、下り始めて暫くすると【雌池】が見てくる ・【雌池】のテントサイトに出てくる |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ 1
予備電池 1
ガイド地図 1
プロトレック 1
笛 1
筆記具 1
保険証 1
飲料 3L 水・酒類
ティッシュペーパー 1
シュラフ 1
シュラフカバー・シーツ 1
エアマット 1
マット 1
携帯電話 1
雨具 1
防寒着 1
ストック 1
ハイドレーション 2L 1
時計 1
菓子類 1
サンダル 1
タオル 2
帽子
スパッツ
Tシャツ・ロング 各1
手袋 2
膝サポーター 2
腰サポーター 1
ジップロック 1
|
---|---|
共同装備 |
テント(ドマドーム2) 1
ファーストエイドキット 1
ライター 1
カメラ 1
ガスコンロセット ジェットボイル 1
水 1L
食糧 5食分
テーブル 1
イス エーライト 1
ガスストーブヘッド 1
シェラカップ・マグカップ 各1
スプーン・フォーク・ナイフ 1
ラジオ 1
MEDIAS 1
電燈 1
|
感想
8月に青年小屋にテン泊して【編笠山・権現岳】、
9月にしらびそ小屋にテン泊して【天狗岳】、
今回は紅葉時期に合わせて双子池にテン泊して
【北横岳】に登って、飛び飛びであるが、八ヶ岳縦走を
【蓼科山】を登って締めることを何気に狙っていた。
今週末の連休は休日出勤になるので振替休日を
10日(木)、11日(金)と平日の連休を押さえ、
週間天気予報をズッと睨んで台風による影響を気にしていた。
天気はどうやら何とかなりそうになったのだが、
11日の17時から抜けられない会議が入った。
完全に出鼻を挫かれた。
遅くても正午までに帰路に付かなければ間に合わない。
兎に角、現地での状況で判断することして、
結構アバウトな感覚で決行することにした。
ワイシャツ、ネクタイも忘れずに積み込んで出発。
関越自動車道の佐久ICから「大河原峠」を
目指すつもりであったが、うっかり佐久ICを
通過してしまったため、中部横断道の佐久南ICで降りた。
ナビが古く、存在しない道を走行したため、ナビ停止状態。
一般道に出て、再設定し進行したところ、「白樺湖」に着いた。
大変な大回りをしてしまったようだ。
しかし、「白樺湖」からのアプローチの景色が素晴らしく、
最近ハマっている映画「岳」のサントラ盤をボリュームアップ。
車窓から見える雲海越しの山脈を見ながら、
テンションが上がっていた。
途中、「蓼科山七合目登山道口」も確認出来、
思わぬ道迷いであったが、何となく収穫もあった気がした。
それでも概ね予定通りの8:30には「大河原峠」に着いた。
天気は晴れていて駐車場からの眺望も素晴らしい。
30分ほど掛けて身支度と準備体操を済ませて、出発。
相変わらず、1泊の割には重すぎの荷物を背負って。
【双子山】山頂まではゆっくり登ったせいか、珍しく息も上がらずに順調。
【蓼科山】もくっきりと間近に見える。
気持ちよく広い尾根の稜線をサクサク進む、風も爽やか。
稜線が終わると、直ぐに樹林帯の降り坂、結構滑るので慎重に降りる。
木々の間に鮮やかに色付く紅葉が見え始めると、
間もなく【双子池】に着いた。
ヒュッテでテン泊の手続き(一人\500)済ませると、
雌池の対岸に位置するテントサイトを事細かに説明してくれた。
テントサイトまでここからおよそ10分。
雷雨があると浸水する場所もあるので良い場所を
選ぶようにとの事であった。
と言われると設営場所には真剣に迷う。
一番乗りだったので、一通り全域を歩いてみた。
トイレはとてもワイルドな簡易トイレが2基ある。
そのトイレの風上で、池が見渡せる小高い処を選んだ。
気が付けば、結構な時間を要してしまった。
予定よりも一時間近く出遅れて、先ずは【大岳】目指して出発。
雄池に立ち寄り、シェラカップで池の水を試飲、無味無臭。
【大岳】方面に向かって樹林帯に入ると、直ぐに岩場の急登。
苔むした中の急登の岩場と、大石を攀じ登る箇所が交互に出てくる。
ストックは完全に邪魔となったのでサブザックにしまった。
今までに登って来た山の中でも難易度はハイレベル。
三点確保どころか、ほとんど四つんばえ状態が続く。
コース取りが下手なのか、気が付けばブリッジ状態や
エビ反りみたいな体位になって、
どうにもこうにも身動きが効かない状態を幾度も重ねる。
右足の太腿が痙攣している。
かなりヘビーな全身ストレッチを行っているかの様である。
後続者も居なかったので、無様な格好を見られずに済んだのだが、
岩の間から飛び出している木の根に引っかり、
お気に入りのサポートタイツも破れ、両足の膝やスネは傷だらけ、
時間的にも相当要する結果となった。
【大岳分岐】に辿りつた時点で、
予定よりも一時間近く遅れていたので、
ガスの中の【大岳】はパスすることにした。
この時点で、明朝の【蓼科山】もほぼ無しと決める。
分岐点からは、岩稜の尾根でアップダウンは少ないが
スリリングな箇所が幾つもあり、気は抜けない。
辺りはガスが降りてきて薄暗くなってきた。
エンドレスに思えるくらいに続く岩稜の尾根道、
だんだんと心細くなってきた。
ワクワク感も全く無くなってきた。
すると、ガスの中からいきなり岸壁が現れ、前を塞いだ。
『ガ〜ン』これは絶対に無理、引き返すのも難儀、途方にくれた。
半ば放心状態で岸壁に近づくと、コースは右側へ巻いていた。
『そりゃ、そうだよな』と納得して右へ進む。
気付かぬうちに、かなりのパニック状態であった様だった。
ハシゴとクサリを使って攀じ登ると、岸壁の出現の驚きに比べ、
嘘のように呆気なく【北横岳】山頂に辿り着いた。
山頂はガスが小雨になっていて眺望は全く無し、風も強い。
道標で方角を確認するも、山頂周囲の広さも確認できず。
レインジャケットを着込み小休止、ガスが途切れるを待つ。
ガスは切れずに雨粒が大きくなってきた。
「亀甲池・双子池」方面の降りだしを確認できたので、
その方向へ降りだす。
しばらくは斜度もあまり感じること無く順調であったが、
直ぐに苔で滑る岩の連続、大股になって跨ぐように降りる。
傾斜もきつくなってきた、とても滑りやすい石や木の根が
落葉樹の落ち葉に覆われていて見分けが難しい。
不用意に落ち葉に足を置くと滑って足元を持っていかれる。
慎重にゆっくり降りていても何度も滑る。
何でも無さそうな段差のところで、ついに大きく滑って
転んだ、左足のスネを打って負傷。
亀甲池に着いたころには既に夕暮れの気配、人の気配も無い。
亀甲池は水も少なく、紅葉もそれほどでも無い感じ。
ここまでくれば双子池まであと僅か、と思いきや、
また登りがあった、残り40分ほどをヘロヘロになって歩いた。
雌池に戻ると、男女ペアのワンポールテントがすぐ近く立っていた。
大きなテントで、通路にハミ出すように立っていた。
横を通過するときに、「コンニチハ」と挨拶を交わした。
久々に人の声を聞いた。
自分のテントに戻り、サブザックをテントに放り込み、
缶ビールを手にし、未だ明るさの残っている池畔に降りて
岩に腰掛、無事に「生還」を祝して乾杯、一気飲み。
まさに生き還った心地、漸くホッとして脱力した感じ。
テントに戻り、濡れた服を着替え、晩餐の支度。
風も出てきて空気は相変わらずしっとりしているので、
本日はテント内での食事となる。
ドマドームの土間で湯を沸かし、
アルファ米の梅わかめごはんと豚汁を作る。
さんまの缶詰で赤ワインをガブ飲み、
定番の魚肉ソーセージにチーズ、サラミと豪華版。
ところが極度の疲労感で、
ワインを飲み干した時点で眠くなる。
横になり、シュラフを上掛けにして目を閉じると
そのまま爆睡、今回はバーボンウィスキーも手付かず、
食料もほとんど残ってしまった。
疾風に大きく唸る木々の音や、獣のカン高い鳴き声で
時々、目挟めるが身体が動かない、全身筋肉痛で硬直。
薄明るくなってきた夜明けに一度小用に起きるが
結局、7:00時まで寝てしまった。
早朝の出発で【蓼科山】なんてトンでもない話であった。
湯を沸かし、カップ麺とホット苺ミルクで朝食を済ませ、撤収。
しばらく、薄曇りの雌池を眺め、8:30に出発。
雄池にまわり、薄曇りの中でも
とても美しい紅葉景色をたくさん撮り、
人影の全く無い双子池をあとにした。
昨日降りてきた道を登り始めると、筋肉痛は差ほど気にならなかった。
雨はあがっているが風はかなり強い、山の上から唸り音が聞こえる。
途中、数人のハイカーとスレ違うが、皆さんザックカバーの雨支度。
往きにとても気持ちよく歩いた稜線も強風の唸り音で荒々しい。
グリーンロープが張られている杭も横倒しなっている。
台風の影響もあるのか、もの凄い勢いの風である。
強風に煽られながら下を向いて一歩づつ足を前に出して歩くが、
少しバランスを崩した瞬間に飛ばされた、
20kgの重荷と体重で全体で三桁に近い重量なのに、
呆気なく飛ばされ、笹の中に横たわった。
稜線は広かったから良かったものの、
これが切れ立つ崖っぷちだったらと思うと息が詰まった。
笹の中から見上げる空の雲は
秒速の勢いでちぎれるように流れ、
その雲の切れ目の上空には青空が見えている。
それからは、身をなるべく低く保ち、
ストックを使っての三点確保状態で一歩づつ確実に進んだ。
普段なら鬱陶しくも思える樹林帯に潜り込むと
温もりさえ感じ、ホッとした思いであった。
小雨の大河原峠には、それでも10:30には到着した。
今回は、いろいろと教訓となる始めての経験をした。
決して山を舐めているつもりは無かったが、
少しだけ馴れきた感もあって、
技量も伴わないのに調子に乗っていた。
それに気付いた時に、パニックになっている自分が居た。
それに自然の恐怖を身をもって体験した。
天候にはもっと敏感にならなければと実感した。
安全第一、そのためには常に冷静沈着で、
そしてなんと言っても身の丈にあった計画が大事である。
帰路はR141に出て中央自動車で「出勤」である。
山を降り始めると、青空となり見事な景色の中を疾走。
途中、松原湖で右折して「八峰の湯」に立ち寄り、
汗を流し、ヒゲを剃り、ワイシャツ姿に変身。
「八峰の湯」からは、稲子岳、天狗岳、硫黄岳が
目の前に凛々しく輝いて見える、素晴らしい。
それにしても、
今年の八ヶ岳のテン泊山行はことごとく、
天候に恵まれなかった。
次回は比較的相性の良い雲取山の紅葉テン泊かな。
未だ未だ懲りないのである。
15時過ぎには職場に到着、17時からの会議には余裕で間に合った。
「八峰の湯」で土産に買った生姜棒を茶菓子に振舞った。
コメント
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basemanさん、こんばんわ。
良い所に眼をつけられましたね。
小生も八ヶ岳は結構好きで行くことも多いのですが、
どうしても南(権現・赤岳など)から北(天狗、縞枯など)に眼が行きがちで、双子池近辺は想いだけ先行するのですが。
それと平日も羨ましいです。
「ヘロヘロ楽し感」(失礼)がいい感じです。
こんばんはkeith-kさん。
双子池でテン泊したさが優先しての計画で、周辺の下調べが手抜きでした。
あとから調べるといろいろなコース取りがありました。
双子池はとても良かったです。
積雪時の北横岳に幾度も行かれているkeith-kさんのレコを拝見して興味深々です。
今回まったく眺望が無かったので、今度の冬、天気の良さそうな時に行ってみるつもりです。
八ヶ岳の真髄の赤岳も行ってみたいのですがちょっと敷居が高そうで躊躇しています。
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