谷川岳 気が付けば遭難救助・・・百名山96座目
- GPS
- 05:58
- 距離
- 8.1km
- 登り
- 1,419m
- 下り
- 868m
コースタイム
- 山行
- 4:43
- 休憩
- 1:07
- 合計
- 5:50
11:55 西黒尾根登山口
12:41 1259m
13:11 ラクダの背1516m
13:15 ガレ沢の頭
14:03 トマノ耳(1963m) 14:07
14:13 オキノ耳(1977m) 谷川岳最高峰 14:22
14:29 トマノ耳(1963m)
14:39 肩の小屋 14:47
14:55 天神ザンゲ岩
15:11 天狗の溜り場
15:33 要救助者発見
15:59 避難小屋(警察が来るまで待機) 17:16
17:49 天神平駅
天候 | 晴れ 頂上付近濃霧 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
連休中の駐車場はクルマを停めるだけで1時間以上かかりました |
コース状況/ 危険箇所等 |
ロープウェイ 連休中は登山、下山共にロープウェイに乗るだけで1時間以上待つ場合があります ロープウェイ利用の際は時間に余裕を持って行動しましょう 下山道が渋滞時は営業終了時間を過ぎても最後のハイカーが乗るまで運行します。渋滞のなかで慌てる必要はありません 西黒尾根 西黒尾根は急坂で且つ、ヤセ尾根・クサリ場の比較的多いルート 高度感がある場所が数箇所ある 下山時に使われることが多そうだが、初心者は「登り」で使った方が良いでしょう 天神尾根 天神尾根は初心者向けコースですが、頂上稜線歩きでは風に吹かれることが多いので低体温症に陥らないように注意しましょう |
写真
感想
<まえがき>
飯豊山・平ヶ岳へ登るため、ずっと天候を伺っていた しかし都合の良い時はいつも天気が悪い
この日も出来れば、飯豊山・平ヶ岳方面へ行きたかったのだが、天候不良
ところが、この日の谷川岳の天候は 晴れだったので、連休中日から谷川岳へ急遽登ることに・・・
因みにこの時点の天気予報によれば、翌日・翌々日の飯豊山・平ヶ岳の天候は晴れであった
<神戸から谷川岳ロープウェイ>
・・・実は家を出るときは、甲武信ヶ岳へ登るつもりでAM2時に神戸を出発したが、谷川岳の天気予報が良くなってきたので途中で目的地変更
上信越自動車道を経由して渋滞に巻き込まれつつ水上ICへ
水上ICから土合駅までトロトロながらも走れたものの土合駅付近から、ロープウェイ駐車場までの間は大渋滞で殆ど進まない 歩くほうが速い
ナント土合駅付近からロープウェイ駐車場まで1時間以上かかった
身支度を整え、ロープウェイ乗り場に向かうと、チケット売り場で、ロープウェイ搭乗1時間待ちとのこと
「歩いて山上駅まで何分ですか??」
と訪ねると
「45分です」
とのことだったので、ロープウェイには乗らず、歩いて谷川岳頂上を目指すことに
チケット売り場係員の方は
「45分はかなり早足ですよ〜」
と心配そうに言っていたが、
「大丈夫ですよぉ〜」
と返事をしてロープウェイ乗り場をアトにした
このまま素直にロープウェイ山上の天神平駅まで歩いてから谷川岳を目指すより、西黒尾根ルートの方が頂上を目指すには効率が良い
ということで、西黒尾根ルートを登るべく一ノ倉沢方面への車道を歩きだす
ロープウェイ駅から少し歩くと、谷川岳登山指導センターへ到着
<谷川岳登山指導センター〜ラクダの背>
谷川岳登山指導センターを出発して、すぐに一ノ倉沢への交通規制ゲート
実際には谷川岳登山指導センター下部の小屋で規制を行っていた
五分車道を歩いて西黒尾根登山口に到着
西黒尾根登山道、ココから見ると「道」というより「崖の枯沢」というような感じの急坂
登山口道標には「頂上まで3.7km」と記載されている
頂上までは標高差1200m程度なので途中に下り返しさえなければ、まぁ2時間もあれば登れるでしょう
歩き始めは樹林帯歩き、眺望はほぼゼロ
登山口から13分歩くと、JR巡視路があった
ループ線で勾配を稼ぎかつ、長大トンネルで谷川岳を貫く上越線
この巡視路の先にはどのような設備があるのだろう?? 思いめぐらす
さらに5分登ると巨大な倒木が登山道に横たわる
この倒木にステップが切ってあるが、そこは通らず倒木の山頂側をグルッとトラバースして先に進む
30分ほど歩くと樹林の間から一ノ倉沢の稜線そして頂上がチラホラと見える
一時間ほど歩くと、クサリ場が出てきて、樹林が薄くなり、トマの耳とオキの耳もハッキリと見えてくる
頂上付近の稜線には多くのハイカーの姿が見える
マチガ沢の紅葉を眺めるようになるとラクダの背に到着
<ラクダの背〜オキノ耳(谷川岳頂上)>
ラクダの背から一旦坂を下り、ガレ沢のコルで巌剛新道と合流し再度急登に取り付く
クサリ場では下りのハイカーが渋滞しているのを横目に、クサリを使わず一気に登り詰める
この頃まで天候は良かったのだが、頂上付近が一気に曇り始め、視界が利かなくなる
風も強くなり、ジャケットを着込んで歩く
視界数十mのなかトマの耳を経由しオキの耳へ到着
2時間23分でコースタイムの半分近くで登頂した
<オキノ耳〜(遭難救助)〜天狗平駅>
百名山96座目
ただし頂上といっても何も見えないので感動もない
下山時はロープウェイを利用する天狗平方面へ下る
谷川岳肩の小屋に立ち寄り、カップラーメンを求めるが残念ながら売り切れ
あぁ〜とっても残念
おでんなら有るとのコトだったが、ナントなくおでんを欲しい気分ではなかったので、行動食を食べて下山を続ける
(遭難救助)
途中から渋滞に嵌る。
ナントなく一緒になった男性二組のハイカーと一緒にゆっくりゆっくり渋滞のなか下山していると、意識混濁し登山道に倒れている女の人がいた
彼氏らしき男性が介抱してるが、こんなところで横になっていては低体温症になるだけなので、彼に手伝いを申し出る
取敢えず背負い搬送でロープウェイ乗り場へ下ろせば良いだろう
と考え、彼の持っていた30Lリュックを背負い搬送器具として利用し、彼に彼女を背負わす
(やっぱり最初は彼氏が担がねば格好がつかないでしょう)
背負い搬送し下山を始めるとすぐに、熊穴沢避難小屋に到着、そこに要救助者を収容した
熊穴沢避難小屋には、要救助者と同じパーティの女性が一人おり谷川岳登山指導センターへSOSの電話を発信済み 彼女によると救助隊がここまでやってくるとのコト
このパーティーは男1女2の3人組であった
要救助者が寒がっているので、僕の持っているツエルトを毛布代わりに被せる
他のハイカーからはカイロを二つ頂いたので、要救助者の腋下にあてる
(この作業は女性に依頼)
お湯の差し入れもあったが、要救助者は受け付けない
このまま彼らを放置する訳にもいかないので、頂上からたまたま一緒に下ってきたハイカーの方と一緒に救助隊が来るまで待機する
暫くするとヘリコプターが飛んできた
この時初めて「タダの人助け」が「遭難救助」になっていることに気が付いた
ヘリは残念ながら風がキツク着陸できないので帰っていった
17時になり暗くなってきたのでヘッドライトの装着準備をする
要救助者パーティーは誰もヘッドライトを持参していない
17時すぎに、警察隊の方二人が徒歩でやってきた
背負い搬送器具を要救助者にセットして要救助者を担いで歩く
先頭の隊員が足モトを確認しつつ、背負い搬送している隊員が後に続く方式で歩き始めたが、ビレイはない
背負い搬送器具からロープを出してくれたら、後ろからビレイすることを申し出る
一度目の交代の時にロープを出してもらい僕が後ろからビレイしながら後に続く
谷川岳登山指導センターの方も合流
ヘッドライト二つを余分に持ってきて頂いており、ライトのないメンバーに配布
ビレイも交代していただきロープウェイ乗り場を目指す
避難小屋から約30分歩いて天神平駅に到着
ロープウェイ乗り場は搭乗待ちの長蛇の列、要救助者は救急扱いで割込んですぐに搭乗
第三者の僕らは、同時搭乗を躊躇っていたのだが、警察の方に
一緒に乗ってください
と促されそのまま搭乗する
搬機の中で警察から全員簡単な事情聴取を受ける
猛烈な横風で搬機が時おり揺れる
こりゃヘリコプターは着陸できんわなぁ〜
真っ暗闇のなかロープウェイを下降を続ける
暫くすると足元に赤色回転灯が見えてきた
救急車が待機している
ロープウェイから降りる
要救助者はロープウェイ乗り場に横付けされた救急車に直接収容
我々は彼らと別れを告げて、波乱の谷川岳登山を終えたのであった
<あとがき>
山で人助けは何度もしたことがあるが、ここまで本格的な人助けは始めてでした
彼(要救助者)らの技術・装備は未熟であったが、つい去年までは、僕もヘッドライトを持たず保険にも入らずに山をウロウロしていた
人というのは、想定外事象の事前用意を簡単に出来るものではないと考えています
僕自身は百名山登山を始めて色々と失敗をして、登山教室に通いたまたま思想・技術・装備が身についただけ
彼らには今回の失敗を活かして是非次は、積極的に人助けが出来るようになってまた登山をして欲しいと願っています
keijikeiji さん遭難救助大変お疲れ様です。
テキパキとした対処凄いと思います。
中々実際は出来ないと思います。
私も人ごとではなく、体調管理はもちろんのこと、どんな時も装備はきちんとして、山に挑まなければと再認識させられるレポでした。
谷川岳、私も何度か行く機会を伺ってたんですが、中々お天気が折り合い付かず、来年以降に持ち越しです
谷川岳って結構難しいイメージあります。
どこも慎重は当たり前ですが、ここは万全を期していずれ望みます!
話わ代わりますが、keijikeiji さん百名山コンプもう少しですね
頑張って下さい。
陰ながら応援しております
私もこの日は谷川岳に居ました。
つい最近までの夏山と違い体温を奪っていく強風が吹き荒れていましたよね。
人命救助。
お疲れ様でした。
結構ヘッテンなどを持たない登山者が多いようですね。
やはりどんなお山でも最低限の装備をもってお山に入らないといけないって改めて思うレポですね。
救助者はツエルトがとてもありがたかったと思います。
またビレイなどその場の対応も素晴らしかったと思います。
百名山コンプはできたらこの谷川岳で行われたら嬉しかったです
あと少しですね。私も応援しています
2012年7月から、百名山をすごいピッチでキメてるなぁ。と遅らばせながら、ウォッチし始めたところでした。
人助けも惜しみなく、しかも適確に出来てしまう keijikeiji さん の行動には、驚かされます。
知識、経験、優しさがなければ、なかなか最後まで見届けることは出来ないでしょう。
ツエルトくらいは、何もなくとも持っていたほうがいいのかな?と思いはじめた ところでした。
山では、どんなことがいつ起きるかわからないものですね。
基本的に谷川岳の一般の登山道は難易度は高くないと思われます
今回の問題は、脱水症状や低体温症のように個人そのものの体調管理だと思います
これは低山でも起きる問題で・・・
8月には妻もこれでフラフラになりました
体調管理は自分自身で行うしかありませんね
ありがとございます
実は・・・私も去年まで、日帰り登山ではヘッデンを持ち歩いていませんでした
僕自身のコトですが座学で勉強するかイザという体験をしないと、ヘッデンやツエルトを持ち歩くという考えにならないと感じます
私自身も色々と失敗して今回の装備に至った次第です
いずれにせよ今回、自分自身の体験が活かせて良かったと感じています
僕自身が山や街で何度も色々な人に助けられたことがあります
人を助けるのはそれまでにお世話になった方々への恩返しです
ツエルト・サバイバルシート・テープ・キズパワーパッド・痛み止め等は全て自分の失敗から持参するようになったものです
しかしホームグランド六甲山登山(知り尽くしている道)の際は、これらを持参して登ることはありません
登山のスタイルに合せて持参する物を変えてゆけば良いと考えているのです
skyworkerさんmitukiさんtengu-さん
ご声援いただきありがとうございます
10月20日現在残すところ、甲武信ヶ岳・剣山の二座となりました
11月中には完登の予定です
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