宮之浦岳 (淀川登山口・宮之浦岳・白谷雲水峡)
- GPS
- 51:10
- 距離
- 22.0km
- 登り
- 1,303m
- 下り
- 1,927m
コースタイム
10:25 紀元杉バス停
10:59 淀川登山口
11:40 淀川小屋
【2日目】
5:15 淀川小屋 9:16 永田岳分岐
6:20 小花之江河 10:07 平石岩屋
6:30 花之江河 10:44 第二展望台(20分休憩)
6:50 黒味岳分岐 11:23 第一展望台(15分休憩)
7:15 投石平 11:58 新高塚小屋
8:04 最後の水場 12:50 高塚小屋
8:35 栗生岳
8:55 宮之浦岳
【3日目】
7:05 高塚小屋 10:47 太鼓岩(13分休憩)
7:15 縄文杉(10分休憩) 11:08 辻峠
8:14 ウィルソン杉(15分休憩) 11:37 白谷山荘
8:57 大株歩道入口 13:22 弥生杉
9:50 楠川分れ 13:35 白谷雲水峡バス停
10:35 辻峠
天候 | 1日目:曇り時々晴れ 2日目:雲りのち晴れ 3日目:晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2009年04月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
1.登山口まで 屋久島を訪れる多くの方が、移動にバスを利用されると思います。しかし、本数は決して多くありませんので、事前にバス時刻表を入手しておいた方がいいと思います。時刻表は観光案内所や観光施設で貰えます。特に淀川登山口や荒川登山口までは1日1〜2本と非常に不便です。白谷雲水峡から宮之浦までは1日4本。 私は8:07宮之浦→8:43安房 (乗り換え) 9:20安房→10:19紀元杉にて入山。下山は14:10白水雲水峡→14:39宮之浦というバスを利用しました。 2.登山道 【1日目】 バスは紀元杉までしか通じていませんので、淀川登山口までは舗装林道歩きとなります。淀川登山口に登山ポストあり。トイレもあります。ここからほぼ水平な道を1時間ほどで淀川小屋。 【2日目】 この時期、日の出は5:30くらい。淀川小屋から花之江河までは樹林の登り。登山道は木段等で整備されていて歩きやすいです。花之江河を過ぎたあたり、水が流れる岩盤を登る個所があります。傾斜は緩いですが滑りやすいので注意。さすが、「月に35日雨が降る」と言われる屋久島だけあって、あちこちに清涼な山水が湧いていて水場には事欠きません。投石岩屋あたりから、石楠花や笹などに植生が変わり視界が開けます。翁岳直下の水場を過ぎると宮之浦岳に向かって最後の急登。大きな露岩が特徴的な栗生岳を過ぎると、もう一登りで宮之浦岳山頂です。 山頂からの下りもかなり急。露岩の多い地形なので表面が濡れていると非常に滑りやすいです。第二展望台からは宮之浦岳や眼下の深い森が見事。この辺りから登山道は再び樹林の中へ。木のテラスが綺麗な新高塚小屋へは第二展望台から1時間ほど。新高塚小屋から高塚小屋までの間は杉の巨木が次々と現われ、とにかく圧倒されます。この辺りの原生林の景観は本当に見事。 【3日目】 高塚小屋から下山口の白水雲水峡までずっと樹林の中。しかし、この間の景観はとにかく美しく、あきることがありません。縄文杉以降はツアー・団体の方も多く、道は譲り合い。大株歩道入口からは森林軌道上を歩きます。大株歩道入口にはトイレあり。トロッコが行き来していた道だけあって、登山道はほぼ水平で若干単調ながらとても歩きやすい道です。途中、小杉谷山荘跡にトイレあり。楠川分れから辻峠までは再び樹林の登り。太鼓岩からは屋久島奥部の雄大な景色を望むことが出来ます。余力があればぜひ立ち寄ってみて下さい。ここからは所謂「もののけ姫の森」と呼ばれる森を下ります。杉の巨木が点在し、根元や岩には苔が厚く覆って確かに素晴らしい森だと思います。白谷山荘から楠川歩道と原生林歩道の2つに道が分かれます。どちらを歩くか迷いましたが、原生林歩道を行きました。こちらは、支沢一面にむした苔や杉の巨木も多く楽しい道でしたが、小さなアップダウンが多く、通り抜けるのに時間がかかります。バスの時間にはご注意を。一般観光客に混じってバス停へ。 3.山小屋 【淀川小屋】 ログハウス風の建物で、収容人数は40人。無人で通年営業。使用料は無料です。中は板張り。上下段にスペースが分かれていて、上段には梯子で登ります。綺麗で快適。水場はすぐ側の沢ですが、この流れがとても美しい。もちろん水も美味しいです。外にトイレあり。小屋前に平らな幕営スペースあり。宿泊した日には現われませんでしたが、張り紙によるとネズミが出るようです。食料の管理にはご注意下さい。 【高塚小屋】 ブロック造りの小さな小屋。「山の便利帳」記載の収容人数は20人ですが、20人だとかなり窮屈だと思います。規模が大きい団体での利用は遠慮した方が無難です。無人で通年営業。使用料は無料です。中は板張り。上下段にスペースが分かれていて、上段には梯子で登ります。地図には水場マークがありますが、水量乏しく利用しにくいです。小屋から10分ほどで縄文杉がありますが、根元からじゃんじゃん水が出ていますので、水の補充にはこちらがお勧めです。外にトイレあり。幕営できそうなスペースもあまりありません。とにかく狭いので、快適さなら新高塚小屋が断然良いと思います。 ※GW中は利用者で各小屋とも大混雑するようです。私が利用したのはGW直前だったのでそれほど混雑しませんでした(淀川小屋で20人程、高塚小屋で6人)が、一応テント持参で縦走しました。その方が無難ではないかと思います。 4.その他 天気予報では高気圧の圏内に入っていたのですが、季節外れの寒気が残っていたせいもあって、宮之浦岳山頂ではまさかのあられが降りました。フリースやら手袋やらニット帽やら着込んでやり過ごしましたが、まるで冬のようでした。Tシャツ・短パンの外国人の方がいらっしゃいましたが、ぶるぶる震えてかなり心配になりました。さすが洋上アルプスとも言われる屋久島・宮之浦岳。天候が崩れるとこの季節でも冬に逆戻り、風も強く下手をすると遭難一歩手前の状況にもなりかねません。こんなことはめったにないでしょうが、装備にはご注意ください。 5.温泉 下山したあと、宮之浦から近い温泉は楠川温泉です。ここは素朴で鄙びた共同浴場ですが、硫黄の甘い香り漂ういいお湯です。鄙びた雰囲気が苦手という方は、屋久島空港の目の前にある「まんてん」が良いと思います。入湯料が1500円と少し高いですが、綺麗な施設で快適に過ごせます。 |
写真
感想
GWを利用して念願の屋久島を訪れました。すごく混雑すると聞いていたので、テント一式を担いでの重装備登山です。初日に宿泊した淀川小屋は、心配していた混雑もなく快適。小屋の周囲の雰囲気も良く、特に、近くを流れる淀川はうっとりするほど綺麗。白砂の川床、周囲の緑を映す川面にしばらく見とれてしまいました。この日は曇り空で、明日の天気を心配しながら就寝。
2日目の朝、まだ暗いうちに出発。すぐに明るくなり、ヘッドランプをしまいながら上を見ると念願の青空。ほっと一安心です。しかし、この青空も短命に終わり、周囲はいつのまにかガスに巻かれ灰色一色。テンションも一気にdownです。この天気だと展望も望めないので、黒味岳はパス。とにかく山頂を目指しますが、天候は崩れる一方。栗生岳山頂では、周囲の笹に氷がびっしりとついていて冬の景観。宮之浦岳ではまさかのアラレまで降り出すしまつで散々な目にあいました。ご機嫌取りに山頂の祠にお賽銭を納めたんですが、どうやら奥岳の神様には歓迎されなかったようです。しかし、第二展望台まで降りてきたところで青空復活。そりゃないよ〜。後で、同じコースを辿ったご夫婦に話を聞いたんですが、午後2時くらいに山頂に着いた時にはいい天気で360°の大展望だったそうです。「もっとのんびり登れば良かったのに」と言われましたが、こればかりは仕方ありません。
展望に恵まれなかったので永田岳もパス。宿泊予定の新高塚小屋にはかなり早く到着してしまったので、先の高塚小屋まで行ってみることに。小さな小屋でしたが、周囲はヒメシャラや杉の美林が広がる綺麗な場所でした。何より、縄文杉まで10分というのが素敵。GW前だからか、午後遅いからか、縄文杉の前には誰もいない。結局、そのあと1時間くらい縄文杉を独り占め。贅沢な時間を過ごすことが出来ました。
この縄文杉。実はそれほど期待していなかったんですが、実物は凄いです。写真では凄いけど、行ってみるとさほどでもないという観光地は沢山ありますが、縄文杉は逆。写真やポスターを見てもあまりピンとこなかったんですが、目の前にすると本当に圧倒されますよ。新高塚小屋から高塚小屋までの間にも杉の巨木がたくさんあって、「屋久島はやっぱりすごいなぁ」などと思っていたんですが、縄文杉は格が違います。必見です。
3日目もいい天気。あまり混雑しないうちにウィルソン株などを見ながらのんびり下山。太鼓岩からは宮之浦岳をはじめとした雄大な景色が望めます。雲ひとつない好天がちょっと恨めしい。
山頂での展望には恵まれませんでしたが、屋久島の森は噂どおりの美しさでした。
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http://aralagi.travel-way.net/
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