黒斑山(赤城山)


- GPS
- 04:01
- 距離
- 5.6km
- 登り
- 553m
- 下り
- 549m
コースタイム
- 山行
- 3:02
- 休憩
- 0:58
- 合計
- 4:00
天候 | 晴れ。稜線は風強い。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
土日は低気圧が南下し日本中大荒れ予報。テンクラで調べると唯一入笠山のみ大丈夫だがピッケルとアイゼンを試すには物足りない。ヤマテンに加入すると赤城山が大丈夫とのこと。赤城山は歩行距離が短く北横岳よりも初心者向けのイメージがあり迷ったが他に選択肢はない。
赤城山は土日とも晴れ。てんくらでは赤城山はC。ヤマテンのおすすめは日曜日だが土曜日は最低気温-3度で風も弱いのに対し、日曜日は最低気温-15度でかなりの強風。
赤城山のふもと、大鳥居通過時の気温は6度。山道はところどころ雪らしいものが残っていたので慎重に走る。スタッドレス(初)は安心感あり。
23時45分ビジターセンター到着。地面が斜めになっていたのでおのこ駐車場に移動。車中泊は3台のみ。-5度。
少しお菓子を食べ、オデッサファイルを読んだ。ふるさと納税のお礼品のLEDライト(初)は明るくてよい。24時20分就寝。
5時半に起床するとそこそこ車がいた。今回は温度計を持ってきた(初)。車内は-4度、外は-6度だった。とりあえずコーヒーを飲む。朝ごはんはマイバスケットで買った鍋にうどんをトッピング。満腹。
7時に出発。湖への立ち入り(ワカサギ釣り)は7時から15時まで。みんなが待ち構えていて7時に一斉に湖に。あっという間に場所取りしていたがポイントがあるのだろうか?湖の中の特定のエリアに人が集中していた。
歩き出すと足先が寒い。登山靴はサロモンX ULTRA 3 MID(雪山用ではない)。このまま山頂に向かうのは不安になる。戻って靴下に貼るホッカイロを貼った。しばらくすると足先の冷たさは感じなくなった。ホッカイロを貼っても歩行には問題ない。一度温まるとその後寒さを感じることはなかった。今回は出発準備の間に足先を冷やしてしまったのがいけなかった。
7時7分に再出発。7時29分、登山口でアイゼン装着(初)。Amazonで買った4千円もしないアイゼンだが最後まで緩むこともなく問題なかった。下りではチェーンスパイクより滑る気がしたが歩き方が未熟だからと思われる。
7時29分登山道へ。いきなり急登で早速アイゼンとピッケルを試す。まだぎこちない。早々にフリースは脱ぎハードシェルで進む。
かなり手ごわい急斜面が続く。時折木をつかんで登った。自分のレベルではアイゼン装着で岩場はまだ無理そう。試行錯誤しながら進む。赤城山は初心者向けの雪山ハイキング程度と思っていたが、初心者のアイゼンとピッケルの練習には最適だった。
時折開けたところから展望を楽しんだ。あちこちに雪庇があった。雪庇は初めてみた。
中盤からはかなりの急登。雪もしまっている。しっかりアイゼンを踏み込まないと滑ってしまう。前爪を刺してみたり、足の裏全面でふんばってみたり難しい。なかなか進まないしかなり疲労する。帰宅後調べると山側は斜面に並行、谷側は少し下向きにして踏ん張るといいらしい。重要なのは山側の足でしっかりアイゼンの刃を足裏全面に効かせないと踏ん張りが効かないとのことだった。いろいろ勉強になった。
汗が吹き出してきたのでハードシェルを脱ぎネルのシャツで登る。頻繁に休憩しながら進む。
急登はトレースを辿るように登るので夏山のように小幅で登ることができない。太ももの筋肉への負担が大きい。帰宅後腰の疲労を感じた。ピッケルはポールのように足の負担軽減にはならない。ピッケルの使用は必要最低限とし、なるべくポールで歩いたほうが負担は少ない。
序盤ではスピッツェをついて登っていたが雪が硬いところでは力を入れないとしっかり刺さらない。
急登ではピックをついて登ってみた。簡単に刺さるので楽だし安心感がある。刺しすぎると抜くのが大変。帰宅後調べるとシャフトではなくヘッドを握って登る方法もあった。
滑落しないように足運びに注意する。うっかり足幅を狭めてしまうとアイゼンがズボンの裾に刺さってしまう。危険だしズボンも破れてしまう。左足に小さな穴が空いてしまった。ロングタイプのゲイターが必要な理由がよくわかった。
斜面で右足を踏ん張ると小指に激痛。これはいつものこと。小指にテーピングを巻いておくのを忘れてしまった。
山頂が近づくと風が強くなってきた。
稜線はT字路になっている。今日はGarmin245のコースナビゲーションを使ってみたが25m手前で知らせてくれる。かなり実用的な機能。
稜線に出たところでハードシェルを着る。気温は-3度、強風だがハードシェルがあれば寒さを感じない。グローブやメガネを吹き飛ばされないように注意が必要。風にとなされないようにバンドが必要。
8時58分黒斑山の山頂到着。1828m。かなり休みながら登ったが意外にも標準タイムより早かった。
山頂からの景色はガスっている。午後は南風が吹くのでガスは晴れないとのこと。みんながっかりしているようだが自分には最高にいい景色だった。
展望スポットで77歳の登山者とおしゃべり。なんと手作りのピッケル。ステンレスをたたき、溶接して作成。シャフトの木が何とも言えないいい形。山で拾った木とのこと。持たせてもらうと軽い。77歳の大先輩はここで食事をしていくとのことなので一足先に先に進む。その先の稜線で写真を撮っていると大先輩がわざわざやってきて「これやるよ」と言ってお土産をくれた!いい思い出になった。またどこかで再会することを楽しみに別れた。
いったん下る。アイゼンでの下りは難しい。踏ん張りが効かずズルズル滑ってしまう。特にこの辺りは日当たりが良く雪が緩いのでアイゼンではかなり歩きにくい。どこの刃を引っ掛けて歩けばいいのかわからない。踵の歯も刺さらずズルズル滑ってしまう。帰宅後に調べると、やや前のめりの体勢で、かかとを強く踏み下ろすキックステップという下り方をするとのこと。やり方が悪かったのか?
チェーンスパイクのように滑りながら下りることもできない。尻餅をついてしまった。
鞍部には雪が溜まっていた。標識がほとんど埋もれていた。
10時16分駒ヶ岳到着。駒ヶ岳から進行方向を眺める。素晴らしい稜線続く。右下には大沼(おぬま)湖、左側は雪庇。この頃から左足の腱に激痛が走るようになった。大事をとってショートコースに変更し下山することにした。左足をかばうためピッケルをやめてポールにした。
10時42分、鳥居峠への分岐を大沼湖に向かう。ここからの下りはかなりの急騰。足の痛みで慎重に進む。僅か1kmだがかなり時間がかかった。
この斜面は雪がしまっているので踏ん張りが効く。少しづつアイゼンに慣れてきたか。しかしトレースの幅が大きいところでは踏ん張りが効かずスピードがついてしまう。危険。
何度かアイゼンを反対足のアイゼンに引っ掛けてしまった。よくあることらしい。これは場所によってはかなり危険。
11時3分登山口に下山。所要時間は3時間半。ほぼ標準タイム(3時間41分)。
やむなく予定したコースをショートカットしたが大満足の山行だった。赤城山は標高は低いが雪は多い。北横岳より難易度は高くアイゼンやピッケルの練習に最適な山だった。距離もほどよい。
クルマに荷物をおき大沼湖を歩いてみた。氷でツルツルかと思ったら雪でフカフカだった。
11時45分帰路につく。大沼を反時計回りに一周、スタッドレスを試す。急勾配からのスタートは無理だった。スタッドレスとはこんなものか?
ふもとへ下りる道でうっかり日陰の残雪を見落としてしまった。スタッドレスは一瞬ニュルッとしただけで問題なく走行した。さすが。
〇雪山で学んだこと
・距離は短めがよい。夏山の半分程度。余裕をもった行程とし景色を楽しむのがよい。
・雪山はリスクが高すぎる。天気予報は絶対。アイゼンやピッケルにこだわって体力勝負のような高山に上ることは避ける。景色のいい人の多いコースだけとする。
・アイゼンは要練習。夏靴だと靴底が柔らかく打ち込みにくい。
・登りでアイゼンが滑るのは爪が短すぎるのか。下りでかかとの踏ん張りが効かないのはアイゼンのせいなのか。
・スマホはホッカイロとともにポケットに入れておいたので動作に問題はなかった。タッチペンは使いにくかった。
・毛糸のネックウォーマーは暑いしメガネが曇る。スキー用のフェイスマスクのほうが快適。
・ポールを使わないと足の疲労が激しい。ポールは通常よりも長めにセットする。
・出発の前に足先を冷やしてしまわないよう注意。
・ピッケルのストラップの長さは要調整。ピックを打ち込むには短すぎる。
・ピッケルを握っていても手が冷たくなることはなかった。
・偏光レンズは遠近両用にしなかったのは失敗。メガネを外さないと写真も撮れない。
・コースナビゲーションは必要十分。ガーミンETREXは不要。
・アイゼンを使う場合はロングタイプのゲーターは必須。
・中綿入りのスキーズボンは快適。
・スキー手袋は暑いので登りでは薄手の手袋が必要。
・リュックは脱いだ服を入れるために余裕のあるサイズを。
・写真を撮るために手袋を外すと手がかじかむ。
・稜線で手袋やメガネを外すと強風で吹き飛ばされそうになりハラハラする。
・右足の親指と小指にはテーピング。ただし強く貼ると凍傷になる恐れ。
・靴ひもは甲は締めすぎない。締めすぎると凍傷になる恐れ。
・ハードシェルは万能。顔の風よけとしても必要十分。ネックウォーマーは不用。
・コンデジは手袋をはめたまま操作可能。帰宅後の写真の整理が面倒。
・アイゼンとピッケルの組み合わせは必要最低限とする。ポールやチェーンスパイクをなるべく使い脚を温存する。
・ハードシェルのジッパーが固い。
・3シーズン靴+つま先ホッカイロで寒さを感じることはなかった。
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