根石岳山荘から登る天狗岳(アルパインツアー)
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- GPS
- 07:11
- 距離
- 8.0km
- 登り
- 800m
- 下り
- 760m
コースタイム
1300夏沢鉱泉 〜 1410オーレン小屋 〜 1535箕冠山 〜 1545根石岳山荘(宿泊)
総距離: 2.81km(1.7マイル)
合計時間: 3:02
移動時間: 1:48
最大標高: 2621m(8599フィート)
最小標高: 2165m(7103フィート)
◯2日目
0700根石岳山荘 〜 0720根石岳 〜 0815東天狗岳 〜 0840西天狗岳(休憩10分) 〜 0910東天狗岳 〜 0940根石岳 〜 1100オーレン小屋 〜 1135夏沢鉱泉
総距離: 5.15km(3.2マイル)
合計時間: 4:45
移動時間: 3:51
最大標高: 2687m(8817フィート)
最小標高: 2153m(7062フィート)
天候 | 3/21(金) くもり 稜線は強風 気温はマイナス20度 3/22(土) 快晴 朝はマイナス15度 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー
臨時特急あずさに乗り10:30にJR茅野駅に到着 → 11:00茅野駅を出発、タクシーと雪上車を乗り継いで12:45夏沢鉱泉に到着 ◯復路 12:10夏沢鉱泉を出発 → 雪上車とタクシーで茅野駅へ → 14:19発特急スーパーあずさに乗車し帰宅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◯道の状況 ・夏沢鉱泉から箕冠山までは樹林帯をゆるやかに登って行くので風の影響もなく、よく踏まれた雪道の上を歩くだけなのでアイゼンは付けませんでした ・箕冠山から先で森林限界を越えると突然の強風、根石岳山荘への下りは慎重にアイゼンとピッケルで慎重に歩きました ・翌日はときおり強い風が吹きましたがそれも徐々に収まり、暖かい日差しとともに気温も上がり快適な稜線歩きに ・根石岳からの下りでトラバースする時だけ気を使いましたが、全体的にアイゼンがとてもよく利く雪面だったので特に不安なく歩けました ◯根石岳山荘について ・宿泊したのは向かって右側の新館、積雪のため2階が入口になっていました ・2階の内部はロフト付きの大部屋で、男性は下、女性はロフトに分かれて泊まりました ・1階には洗面所とトイレと談話室がありました ・食事は隣の旧館で、出入口の扉が雪で閉まらないのでちと寒かったです(笑) ・とてもキレイなうえ、小屋の中は暖かくて快適でした ・ビール、日本酒、ワインなども販売しています ◯下山後の温泉など ・夏沢鉱泉にて入浴しましたが、迎えの雪上車の関係で入浴時間はわずか10分でした。残念! ・夏沢鉱泉での入浴代、茅野駅から夏沢鉱泉までの往復交通費(タクシー・送迎車・雪上車)がツアーに含まれていたため、追加の支出は酒代のみでした ・茅野駅の窓口は切符を買う人達で行列になっていましたが、2台ある自動券売機はガラガラ。クレジットカードも使えるし便利です。 ・4月からは茅野駅でもsuicaが使えるようになるみたいです。 https://www.jreast.co.jp/press/2013/20131114.pdf |
写真
感想
◯感想
今シーズンから始めた雪山、今までは全部日帰りバスツアーでしたが今回は山小屋泊です。
先月申し込んでいたツアーが大雪のために中止になってしまい、急きょ探して申し込んだのが今回のツアー、
「冬の八ヶ岳の稜線に泊まろう! 根石岳山荘から登る天狗岳2日間」
パンフレットによると、今シーズンから期日限定でオープンすることになったとか、しかも稜線にある小屋なので条件が良ければご来光も見られるとか、さらに他の1泊ツアーよりも少し料金がお安かったりとか、いろいろと魅力的なツアーだったので申し込むことにしました。
ワタシ的には一応コレが、初シーズンの集大成ということで。
三連休の初日ということもあり、長野に向かう電車は混んでいました。
前日にネットで予約した自由席券を持って立川の駅で待っていたら、最初に来たのは満席で立ち乗りのスーパーあずさ。
その10分ほど後にきた臨時特急あずさも指定席は満席でしたが、自由席は半分ぐらいが空席。
運良く座って茅野まで行くことができました。
集合場所にはツアーリーダーを含めて16名が集まっていました。
さっそく駅前から2台の乗り合いタクシーに分乗しスタート地点の夏沢鉱泉へ向かいます。
桜平分岐でタクシーから送迎車に乗り換え、さらに途中で雪上車に乗り換えます。
一方はハイエースを改造した雪上車、もう一方はトラックを改装した雪上車。
トラックにザックを積み込んで、参加者は2台に分かれて乗り込みます。
私はハイエースに乗りましたが、トラックに乗った参加者によると「なかなかのアトラクションでしたよ」とのこと。
夏沢鉱泉で装備を整えて、いざスタート!
最初はストックにツボ足、アイゼンは付けませんでした。
時折青空が顔を見せるものの大半は雲、山の上の方は全く見えません。
そして雲がすごい勢いで流れて行っています。
しかし林の中を進む登山道ではほとんど風を感じることはありません。
ゆるやかな傾斜の道をずんずん進みます。
何度か休憩をはさみながら進むこと約2時間、青空も見えなくなり風の音も聞こえるようになってきました。
すると森の中でアイゼンとピッケルに装備を変えるようにリーダーから指示がありました。
再び歩き出すと、それまであった樹木がある場所から突然なくなりました。
と同時に吹き荒れる強風!
足元も雪から氷に代わり、慎重に一歩ずつ小屋に向かって斜面を下りていきます。
わずか5分ちょっとの間だったのですが、冬の八ヶ岳を体験してちょっとビビリました。
予報では明日は天気が回復し風も収まるとのことでしたが、果たしてどうかと思いながら床に就きました。
山小屋の外で暴れる風の音は、近所の騒音問題対策の耳栓越しにも夜通し聞こえてくるほどでしたが、朝5時頃に目が覚めると風の音が“聞こえない時もある”ぐらいに回復していました。
試しにと山小屋の外へ出てみたら「!!!」
山小屋に到着した時には雲の中にいたので見えなかった山々が姿を表していました。
味わったことのない空気の透明感。
足元には無数のエビのしっぽ。
ため息も凍ってしまいそうな寒さの中、やがて東側の空が明るくなり始め、ついに奥秩父の稜線の上に朝日が顔を出しました。
いいものを見れました。
朝食のためにいったん山小屋に戻った後で再び外に出ると、すっこーんと抜けた青空が広がっていました。
もうあとは写真を見ていただければ語る必要はないかと…。
前日の夜には天候次第では根石岳への往復のみで下山することになる可能性もある、と話していたツアーリーダーでしたが、結果的には西天狗岳への往復を果たすことができました。
行きは列の中でガイドさんの足の運び方やピッケルの付き方などを観察しながら慎重に行動していましたが、天狗岳からの戻りでは列から少し離れて、写真を撮りつつゆっくりと歩きました。
この絶景の中を歩ける幸福感に包まれて、一歩一歩を惜しみながら。
夏沢鉱泉への樹林帯の歩きも、前日とはまったく違う場所を歩いているかのようでした。
青空をバックにした樹氷の写真をたくさん撮ったり、登山道をシリセードでショートカットしたりして。
下山後にガイドさんが言った、
「冬の八ヶ岳がいつもこうだとは思わないでください」
という一言で、いかにこの日のコンディションが良かったかがわかります。
と同時に前日の暴風を思い出し、改めて冬山の危険性を再認識。
冬山の良い所と悪い所の両方を味わった、最高のツアーになりました。
(名簿No.13)
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