中蒜山と上蒜山の周回


- GPS
- 06:13
- 距離
- 13.4km
- 登り
- 906m
- 下り
- 913m
コースタイム
天候 | 晴時々曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
整備された登山道とサイクリングロード |
その他周辺情報 | 蒜山高原に多数 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
梅雨入り後のこの時期、天気予報も刻々と変わり、定まらない。結局、我々にとってaccessibleな地域で一番天気の良さそうなのは岡山県北部らしい。そこで、いつも眺めるばかりで足を踏み入れたことのない蒜山に焦点を定めた。登山口から山頂まで、一番距離が短かそうなのが中蒜山、そして最高峰は上蒜山なので、塩釜冷泉から中蒜山に登り、上蒜山を往復して塩釜冷泉に戻るというピストン行程をとることにした。上蒜山からそのまま里に下りて、麓を塩釜冷泉まで戻る周回路も頭にはあったが、山麓を戻るとなると距離が長くなる。まあ、その時の様子で決めればいいだろう。
兵庫県内では小雨もぱらつく天気だったが、岡山県に入ると青空が広がって、蒜山高原に着いた頃には気持ちよく陽が降り注いでいる。
登山口に湧き出す塩釜冷泉を一口味わったら、さっそく出発だ。のんびりした高原ムードの草原の向こうに、今から登る中蒜山がどっしりと座している。最初は沢ぞいに進むがすぐ小尾根に乗って、以後、ひたすら登りとなる。幅広く極めて良く踏まれた道が上へ上へと続いている。日頃、道のないようなところをさすらっている我々にとっては、いつにない高規格道を行く感じだ。岡山北部、鳥取の山々は林下に密集した篠竹と多様な草本の下生えを擁して、本来のフローラが息づいている。冬の雪がシカの増加や食害に有効な抑止力となっているのかな、と思う。おかげで花も豊富だ。東北の山々ほどではないものの、日ごろの「飢え」を癒してくれる。
蒜山と聞くと蒜山高原の長閑なイメージのせいで、楽に登れそうな錯覚に陥るが、なんのなんの、とてもしんどいのである。登り一辺倒の急登が続く。一合目、二合目・・・の立派な標柱が埋設されているが、これが励ましになっているのか、絶望感を呼び起こすきっかけなのか、と余計なことを考えつつ、ひたすら登る。小さな祠の祀られた五合目に達してやっと半分、と少しホッとする。ここから6合目までは緩やかな尾根となる。やがて木々の間から麓の伸びやかな草原が遥か下方に臨まれるようになり、右手の上のほうへと目を移せば、下蒜山のピークが姿を見せる。しかし楽な思いができるものつかの間、6合目の標柱を過ぎたあたりから、またまた急登が始まる。しかし、ここまでくれば彼の標柱は励ましの言葉にかわり、8合目を過ぎると木々は矮化して頂稜近い雰囲気が増してくる。そして飛び出したところは下蒜山からの縦走路の走る主稜線だ。左手は笹原となり、蒜山高原の牧歌的な眺めを一望しつつ散歩気分で歩を進めれば、目前に避難小屋と中蒜山の丸い山頂が迫ってくる。四等三角点を擁する中蒜山山頂は広々と開けた気分のよい場所で、ほぼ360度の視界をわがものとすることができる。目前の上蒜山がまた立派な姿で気分がよい。ここで昼食とする。
山頂の空気をふんだんに吸い込んだら、来た方向へ少し戻って左に進路をとり、上蒜山につながる尾根を下っていく。道の左右にはキンポウゲ科の黄色、ギボウシの薄紫、イブキトラノウの白、ヤマツツジの赤、と花々が彩を添える。実は、今日期待を持っていたのがササユリなのだが、登り口付近で古くなった一輪を見ただけである。最低鞍部を過ぎて登りが始まる。草原が終わり、ミズナラなどの灌木林の中へと入っていく。次第に傾斜が増して鎖が現れ、やがて岩をつかんで登るようになる。これをしのぐと山頂間近の雰囲気となる。そして飛び出す上蒜山の山頂は狭く、眺めも得られない。込み合ってもいるのですぐに退去し、結局、上蒜山登山口に向かって下山を開始する。こちらのルートは上部の8合目から上は喬木に覆われているがその下は終始陽に照らされ、下りはともかく、登りに使うと暑さに悩まされることだろう。8合目まで木々に守られて登れる中蒜山のルートでよかった、と思う。
上蒜山からの直接の下山路を選んでよかったことは、ここに来てようやく幾輪もの開花間もないササユリに出会えたことだ。この尾根の特徴は、カシワの木が多いことである。これだけあれば、ウラジロミドリシジミが随分発生することだろう。草原と低層林の日当たりの良い尾根筋で、ウツボグサやアザミ類の紫が道端を飾る。やがて樹高が増し、木々の下にはイチヤクソウが花を付けている。下りに下って貧相な植林帯を抜けると、牧場に飛び出す。我々の熊鈴の音に耳を寄せつつも悠然と草を食む牛を見ながら、自分も牛になりたいと感じるasakinuであった。
牧場を抜け、草深い林道をやや不安な気持ちで進んでいくと道らしくなり、サイクリングロードの末端に飛び出した。舗装されたサイクリングロードを延々と進み、ようやく出発点の塩釜冷泉へと帰還を果たした。たっぷり汗をしぼられた後の冷泉のうまいこと!蒜山の大きさを実感した今日一日であった。
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