野趣満点の寄沢!小雨の雨山峠〜鍋割山〜塔ノ岳
- GPS
- 09:50
- 距離
- 18.3km
- 登り
- 1,559m
- 下り
- 1,550m
コースタイム
天候 | 曇り時々小雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
▼赤鉄橋〜寄コシバ沢分岐 寄沢沿いに進むが、途中高巻きしていく。渡渉地点が5か所ほどあり。晴天日中は問題ないと思われるが、荒天時は増水で危険。また濃霧では標識見落としの危険性あり。 ▼寄コシバ沢分岐〜雨山峠 沢の中の道を行くため、荒天時は危険。またいくつも分岐する沢があるので、夜間や濃霧時は標識の見落としに注意。 ▼雨山峠〜鍋割山 クサリが二か所。いずれも高低差はあまりないが、砂岩のため特に下りは注意が必要。 ▼鍋割山〜塔ノ岳 快適な道。 ▼鍋割山〜後沢乗越〜林道 後沢乗越までは急な下り。400mの高低差。そこから栗の木洞までは結構な登り返し。 |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ 1
予備電池 4
1/25,000地形図
山と高原地図 1
コンパス 1
笛&緊急身分証 1
筆記具 1
保険証 1
飲料 2 リットル
ティッシュ&トイレットペーパー 2+1
テーピングテープ中&細 各1
ファーストエイドキット 1
タオル&バンダナ&手拭 各1
携帯電話(スマートフォン) 1
計画書 1
レインコート上下 1
防寒着・夏用 1
ストック
コンロセット
時計 1
非常食 3
アイゼン6爪
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感想
連休中にトレーニングがてら丹沢に行きたいと思っていたものの、5/3夜遅くまで仕事で、5/4は天気は山日和だったものの完全にのびていた。5/5の天気が思わしくないのはわかっていたが、意を決す。午後から雨の予想で、稜線に出ても景色が良くないのはわかっていたので、どうせなら沢沿いに行ってやれと、前回行きそびれた寄沢から鍋割山に登るルートを選ぶ。雨が降り出すまでに登りきれば大丈夫だろうと。
寄の駐車場ではこの日の祭りのため駐車できず、稲郷の赤鉄橋まで行った。帰路を考えると寄集落の方が良いかと思ったが仕方ない。赤鉄橋脇の駐車スペースに車は4,5台ほど、連休中でもっと混んでいるかと思ったが拍子抜けだ。鉄橋脇のゲートから寄沢沿いに水源林公園を通り抜ける。この辺りの川幅はかなりある。
すぐに山道に入るが、ほどなく川原に出る。最初の渡渉点では水量もそれほど多くなく、あっさりと渡れたが、雨の季節はかなり難儀しそうだ。右岸へ、左岸へと寄沢を5回ほど渡渉する。
5つ目の渡渉点を過ぎると、一つ目のはしご。登りきってさらに山の奥へ。すぐ釜場平という平地に出るが、その下方も平らになっていて、確かに飯食うにはもっての場所だ。
この先、沢の中を進み、かと思うと小尾根を乗り越えて、また沢の中を進みを繰り返していく。
新緑が覆いかぶさってくる。眺望は全くないが、これはこれで乙なり。
水は少ないので苦労しないが、途中何か所も沢が枝分かれしている。そのたびに道標があるので、それに従えば問題はないが、仮に道標がなく、あるいは夜間や濃霧で道標を見落としたりして、地形と地図とコンパスだけで進むことを想像すると、果たして尾根まで迷わず出られるのだろうか?
「寄コシバ沢」の看板のかかる場所へ出る。右をコシバ沢に入っていくのは難路・熟達者向きと聞いていた。看板もコシバ沢方面には危険マークがついている。大変魅かれるのだが、一人で行動し初めて寄沢コースを行くので、楽しみは今後に取っておくことにして、雨山峠への道を進む。それにしても気になるよな、コシバ沢。
さらに進むとまた沢の分岐。右か、左か。ワイヤでぶら下がった道標があるので、右に行ってはいけないことはわかったが、これがもしなかったとしたら?…などと考えて右の沢を見ていたら、奥の方で黒い動物が動いているのが見えた。
タヌキか?はたまた小さなクマか?肉眼ではよくわからないのでカメラを望遠にして確認したところ、どうもアナグマらしかった。私はアナグマというものを初めて目にしたのであった。毎度毎度、丹沢ではシカをはじめとしていろいろな動物に遭遇する。
砂岩質でもろくなっている岩場をはしごで登ったりなどしていると、やがて雨山峠まで出たのであった。ここはちょっとのどかな園地となっていて、雨山、雨山橋、鍋割山、寄沢からの道の交差点だ。やっとこさ登りきって、ここには人が休んでいるかと思ったが、誰もいなかった。
そういえば登り始めてここまでで会ったのは、下ってきた男性1名とユーシンからの3人組のみで、登りでは誰とも会わなかった。連休中の丹沢はかなりの混雑を予想していたのだが、このコースにはまるで人がおらず、拍子抜けした。多分天候の具合も関係しているだろう。おかげでほぼ独占状態で歩くことができたのだが。結局、この後も鍋割山まで人と会うことはなかった。
雨山峠から鍋割山までの道も、なかなか野趣に富んでいた。クサリが2か所ほど。どちらも砂岩の場所にあったが、2つ目の方が長くて急だ。登りはまあ大丈夫だが、下りでしかも雨降りだと慎重を要す場所だと思う。所々崩落地もあったが、道の誘導はきちんとしていたのでそれほど心配はない。この区間、ヤマツツジが盛りで(散り始めてもいるが)桃色が美しかったのが印象的だ。房になって垂れ下がるアセビの花の白さも、対になっていて乙なり。
鍋割山に到着、いいペースで来た。眺望は…想像どおりでした。秦野の方はかなり煙っている。北西側を見ると、恐らく檜洞丸らしきが見えた。ここでは登山者もちらほら。今日はうどんはパスして先を急ぐ。
鍋割山を出るとほどなく、霧が立ち込めてきて雨がぱらつき始めた。少し早めに降り出したようだが、道はしっかりしているので気にせず進む。が、小丸、大丸と通過するごとに、霧はどんどん濃くなり雲の中に入ったようだ。おかげで何やら幻想的な山道となった。
塔ノ岳頂上に出ると、完全な雲の中!雨は少し強くなり、さらに風が強く、じっとしているとあっという間に寒くなってくる。記念撮影する間に手がかじかんできた。早々に尊仏山荘へ逃げ込む。こんな時こそ小屋の中の暖かさが身に染みる。コーヒーを頼んで暖を取った。ゆっくりと昼食を取る。
塔ノ岳に着く直前から、右膝とその上の筋肉に痛みが出てきたので、小屋でストレッチとマッサージをしていた。その様子に気づいた小屋の主人がこれを飲んだらいいと、岩塩を差し出してくれた。多分ミネラル不足だろうと。知らず知らず汗をかきすぎて補給ができていなかったのか…。感謝です。
小屋を出ると相変わらずの強風! まずは鍋割山まで戻る。塔ノ岳からしばらく下ると風が落ち着いてきた。相変わらずの雲の中だったが、道中、ヤマザクラがまだ咲いているのに気づき、これまた神秘的に見えた。
鍋割山まで戻ったが、すでにしっかりと雲に巻かれていた。
下山路は尾根道を寄方面へ行くことにした。後沢乗越までは急坂を一気に下る。400mほど高低差があるが、ここまで下ると雲がなくなり、また寒さも感じなくなった。かなり変わるものだ。下山者は大方、ここから二俣方面へ下っていく。寄方面へ進んだのは自分だけだった。
栗ノ木洞まで登り返して、広い林の中で息をつく。ヒノキ林の広々としたこの園地はほっとする。振り返ると、鍋割山がまだ雲をまとっているのが見える。栗ノ木洞から檪山まではすぐ。ここも晴れていれば湘南が一望できる素晴らしい場所なのだが。もう少し下って、林道に出た。普通は山道に入り直して寄集落へ行くのだが、車を停めた場所を考えるとかなり遠回りになるので、そのまま林道を稲郷まで下ることにした。ほとんど車が通っていないようだ(下りきるとゲートがあった)。30分強下って一般道に出た。ここから赤鉄橋まではすぐだ。
天気はよろしくなかったが、寄沢を上って鍋割山に出る道は非常に野趣に富み、印象深いルートだった。丹沢主稜の縦走と比べると距離はそれほどでもないと思ったが、後で測ってみると18km以上歩いていたので、驚いた。
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