【花レコ7月31日】白山(南竜ー別山ー南竜△)
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- GPS
- --:--
- 距離
- 8.3km
- 登り
- 664m
- 下り
- 665m
コースタイム
天候 | ガス時々晴れのちガス時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス | 南竜テント場よりピストン |
コース状況/ 危険箇所等 |
道は笹が被ったところが多く、朝早い時間帯を歩く場合は、足回りがびしょびしょになる対策を考えたほうが良い。ただ雨具は暑いし、スパッツだけでは防ぎきれないです。自分はロングスパッツで臨んだが、ズボンがぬれると、そこを伝って水は下へ下へと皮膚を伝って流れおちていくので、靴下がぬれ、結局靴の防水性がいくら良くても、靴下から靴の中が、ぐちょぐちょになります。なんとかならないかなあ? |
写真
歩き出すと、湿ったガスの感じが伝わってきた。
白山よりは別山のほうが確率高そうなので、真っ暗の中、別山へと向かう。笹が被った前半の道でズボンが朝露でびしょびしょ!
カンチコウゾリナがいっぱいありました。日が差すと開花、夕方は花を閉じてしまいます。
感想
【南竜〜大屏風(油坂の頭)】
3日目は、前回ガスガスでまったく眺望を見られなかった別山へ、ピストンで行く計画。前回は荷物を背負って、チブリ尾根を下山したが、これが思いのほかきつかった。今回は、南竜からのピストンで行くことに!その代り行ったことのない観光新道を下山路にする計画とした。夜中、外は満点の星、これは良さそうと、眠りにつく。出発は3時半と決め、2時15分に目覚ましかけた。
朝目覚ましで起床して外を見ると、白山稜線がガスガスになってる。これではテンション下がるはな!一度起きたものの、ふたたびシュラフへもぐりこんでしまった。少しぐずぐずしながら、それでも2時半には起き上がって支度開始。なんだかんだで出発はぐずぐずした分遅れて、3時50分になってしまう。
テンバに沿ってヘッデンつけて進む。コテージの脇から湿原に降りて、しばらく湿原を進み、その後急降下して赤谷渡渉点へ向かう。この湿原を抜けてから渡渉点まで笹が被ってうるさい。一気に朝露でズボンがびしょびしょになった。渡渉点は水量少なく、問題なく渡れる。ここから笹の中をしばらく急登。ジグザグに背丈の低い笹に変わってきたら、涼しい涼風が得られて、歩きやすくなった。ここから標高差250mを一気に稼ぐ今日のコースでは一番の登りだ。
ジグザグにひたすら登るが、途中からガスガスの中に突入。思ったほど湿ったガスではなく、視界も30mぐらいは効く感じだったので、それほどの悪天ではないようだ。だんだん白み始めて、ヘッデンも不要になった。約1時間登り続け、ようやく大屏風頂上に到着。一面のガスで視界無し。
【大屏風〜天池】
ガスガスの中、ご来光を待っていても仕方ないので、しばし休憩後、稜線を別山に向かう。この稜線に出れば、出だしほどは濡れなくなったが、場所によって稜線上でもびっしょり濡れる場所があるので、結局乾く間もなく、濡れ続けて、とうとう靴下から、靴の中まで浸水!結構登山靴の中がぐちゃくちゃになった。しばらく緩やかに下って、最後急降下する場所でようやく、一瞬ガスが晴れ上がり、青空が見えた。これならまだ可能性はあるかも。しばし待ったがまたガスの中に飲み込まれたのでさらに進んでいく。立ち止まると「めまとい」がものすごく、顔中にまとわりついてきて、大変だった。別山方面は虫対策も必要ですね。防虫ネットを持ってこようか迷ったが、やはり持ってくるべきだったか?
そうこうするうち、最低コルまでたどり着くと、一瞬にしてガスは飛ばされて目の前に視界が広がった。くしくも雲海の中からまさにご来光というタイミングであった。まるでドラマをみるような出来事だった。夢中でシャッター切ろうとするが、めまといがまとわりついて、写真にならない。そうこうするうち、雲の中からご来光となった。少し高台に登って、めまといから逃れられたので、なんとか写真を撮ることができた。東側は雲海が広がり、すばらしい景色だ。前方のピークがしっかり見えて、どうやらガスの中から完全に抜けたようである。ここからは尾根筋の縦走路で、まさに稜線漫歩といえるコースとなる。
一つピークを越えると、レンズ雲をまとった御前峰が大きく望めるようになった。草原状の歩きやすい道に変わって、お花畑の中をゆるく登りながら、歩いていくようになる。稜線の東側は断崖絶壁、ガレバの乾性のお花畑が広がる。西側はまだ標高がそれほど高くないため、樹林帯になっており、西側に道が入ると、樹林帯の中の道。東側にくるとガレバの花畑の中の道になり、風も通って涼しい。東側には雪渓が遅くまで残る場所がところどころにあって、今は雪も解けて湿生の花畑がひろがっている。今はミヤマキンポウゲの群落がすばらしい。またクモマニガナの群生が登山道わきに広がり、このお花が一番旬のお花かな?ミヤマコウゾリナやシモツケソウやエゾシオガマも多かった。しばし樹林帯を進み、そこを出ると、そんな中に、ひょっこり天池があった。雲上の楽園といったところか。イワイチョウやアオノツガザクラ、ハクサンフウロなどプチ御花畑を形成。天池のすぐ先にイブキトラノオの大群生が目を引いた。撮影は帰路にして先を急ぐ。
【天池〜別山】
この先少し行くと東側のがれ地はタテヤマウツボグサ、イワオトギリ、カライトソウ、シモツケソウ、ハクサンボウフウなどのお花畑がすごかった。傾斜の急なガレバで近づくことはできないが、遠目にもタテヤマウツボグサの紫が点々と広がり。大群生地になっていた。カライトソウもあちらこちらにあって、ところどころタカネマツムシソウが彩を添える。良い花畑だ。さらに緩やかに標高を稼ぎながら、気持ちの良い縦走路が続く。振り返ってようやく御前峰の雲が取れて、頂上が姿を現す。お天気はこの感じだと、不安定なことは明白、なるべく早く7時前に別山着を目指す。
ニッコウキスゲもところどころまだ群生して花畑になっている場所も数か所あり、最盛期はすごかったのだろうと想像できた。イブキトラノオ、カライトソウ、モミジカラマツ、ハクサンフウロ、エゾシオガマなど大ぶりの草原性花畑とチングルマ、コイワカガミ、ミツバオウレン、バイカオウレン、ハクサンイチゲ、アオノツガザクラ、ハクサンコザクラ、ミヤマダイモンジソウ、などで形成される湿生のお花畑が交互に出てくる感じだ。その間、東側の断崖がれ地に沿うようなところは乾性のミヤマコウゾリナ、クモマニガナ、イワオトギリ、イワオウギ、などの花畑になっている。
やがてピークを巻くように進むと道標が見えてくるが、この先にコース随一のハクサンイチゲ群生地がある。といっても個体数はそれほど多くはなく、希少な場所なのかも。本家本元だが、ハクサンイチゲやハクサンチドリはあまり個体数が多くないのかも。もしくは時期が遅すぎて、7月初めとかだとイチゲ畑になっているのかもしれない。この時期開花したイチゲを見たのはこのコースぐらいだった。ここを越えてだらだら登っていくと御舎利山は近い。振り返ると白山にはすでにレンズ雲がまとわりついてきており、近くの稜線にもガスが吹き上がってきていた。
御舎利山はチブリ尾根への分岐点でもある。前回はここに荷物を置いて、別山をピストンしたが、強風ガスガスの中、ただただピークを踏んできたという感じだった。今日はそのリベンジだ!分岐より左に岩小屋を横目に這松帯を抜けると、正面にドーンと別山が姿を現す。まだまだ別山頂上は青空で、ガスもかかっていない。今のうちに頂上を踏まねば。頂上には数人先行登山者が居て、下山してくるようだった。この時間帯だと、チブリ避難小屋に留まった人や夜通しあるいてチブリ尾根を制した強者が多かった。頑張った人だけが、この景色を享受できるのだ。緩やかにトラバースしながら別山神社に導かれ、そのすぐ先に頂上があった。
【別山頂上】
7時少し前、思惑通り頂上着。だが頂上に着いたとたんに、ガスが西側から上がってくるのが見えた。ついに来たかという感じ。みると御前峰はすっかりレンズ雲の中だった。東側もガスが流れて、あまり眺望が効かない。西から東へ強風が吹いて、これだとなかなかガスは切れそうにない状況だ。そうこうするうち南側の三ツ峰方面の眺望もガスが流れて、見えにくくなってきた。眺望は素晴らしいが、ガスがかかり始めて、見えにくくなった。
西側のふちに立ってみてる人がいたので、行ってみるとなんとブロッケンが発生していた。ガスの流れが速く、できたりできなかったり、でもじっと我慢して待っていると時々きれいなブロッケンになる。時に二重リングのブロッケンも現れた。これは写真にとるしかないと張り付いてしばし、ブロッケン撮影に没頭。そうこうするうちにガスはますますひどくなって頂上の視界はすっかりなくなってしまった。ブロッケンはそこそこ撮れたが、頂上景色の撮影のほうはちょっぴり消化不良になった。
【別山〜南竜】
すっかりガスガスになった頂上に、これ以上居ても、景色はもう見れないだろうと判断し、頂上を後にする。頂上からの帰路は、ほぼガスの中を、歩くことになった。行きはずっとお日様を背負って歩いていたので撮影には絶好だったが、帰路は日も当たらなくなり、ちょっと条件は悪くなった。まあ雷雨になる前に、なんとかテンバまで、たどり着きたいものだ。
頂上直下の左に湿生花畑があり、ここはウサギギクが咲き始めていた。前回も咲いてたので、ここらの季節感は同じようだ。帰路は往路で時間優先のため、撮影しないでスルーしたタテヤマウツボグサの群生とイブキトラノオ群生を目当てに、午前中の到着を目指して進む。ピストンはつまらないという人もいるが、反対向きに歩くと景色も変わって新鮮だし、目を付けた場所で撮影計画をしやすく、悪いことばかりじゃないと思う。ピストンはそれなりに手厚く濃い撮影ができるのがメリットだと思う。
帰路は基本だらだら下っていくので、体力的にも気持ち的にも楽、ここまで水もエネルギーもあまり摂らず、歩き通してきたので、油坂の頭で昼食にしようと頭の中で計算する。最初のポイント、タテヤマウツボグサ群生地は、かなりやばい場所に咲いており、近づいて撮れない。登山道沿いの限定された株を狙うか、目いっぱいの望遠で遠い株を撮るか、の択一。近い株はなかなかきれいな株が残っておらず、ちょっぴり消化不良になった。
イブキトラノオの群生地は、その時だけ日が差してくれて、ちょっと得した気分でうまい具合に撮影できてよかった。朝は気づかなかったのだが、シモツケソウも混生のお花畑になっており、いい感じになった。またこの付近には早咲きのオノエリンドが早くも開花、早いですねえ。
あとは油坂の頭までだらだらと登り返していく。途中樹林帯の中で思いがけずも、コイチヨウランに出会えた。点々と咲いており、飛ばして歩いたのでは絶対見つからないおおきさですよね。何かありそうな植生の気配がして、じっと見ながら歩いてたら目に留まりました。愛らしいお花です。最後の登りを頑張ると、油坂の頭、ここからあとは一気に下ると赤谷渡渉点です。ここまでくれば安心、大休止として、お昼ご飯とともに、ここにもタテヤマウツボグサ、クガイソウの群生があり、撮影かたがたのお休みとしました。ガス晴れず、なかなか陽が差さなかったけど、待っていれば、時折、雲間から日が差すので、ご飯を食べつつ、日が差したら撮影というパターンで、しばしごはん&撮影タイムでくつろぐ。今日南竜からピストンした人たちも、ずいぶんスライドしたけど、ここで休憩中結構な人に追い越されました。
頂上から250mの急降下上部は結構遅くまでおおきな雪渓が残る場所だったようで、湿生の広大なお花畑を形成しており、ハクサンコザクラ、バイカオウレン、ミヤマキンポウゲなどが、咲きだしていました。まだ芽が出たばかりの感じで、これから本番のようです。この斜面にはモミジカラマツとキバナノコマノツメが今が旬でいっぱい咲いてました。一気に下ると沢が近づくにつれて、マルバダケブキやミヤマバイケイソウなど、大ぶりのお花がでてくる。下のほうで、ミヤマシャジンの群生もありました。赤谷渡渉点からの標高差70mの登り返しで湿原へ。その途中とうとうにわか雨が降り出す。雨具をつけるほどでもなかったので、そのままテンバまで行ってしまった。予定通り午前中正午少し前に戻ってこれたので、読み通りの行程。まあ本降りの状態で降られなくてラッキーでした。
ちなみにテンバに戻って横になってから、時折雨が降って、一時本降りになったので、今日は午後は休養日。まったりテントでお休みしたのでした。
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