【頚城】能生川イカズ谷遡行・タジマ谷下降


- GPS
- 15:33
- 距離
- 19.3km
- 登り
- 1,179m
- 下り
- 1,260m
コースタイム
天候 | 晴れのち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・県道の迂回路入り口までは電動キックボードで通行可能 ・県道が沢を渡る附近は大崩壊して激藪になっており、通れないので県道の下につけられている迂回路を通る必要がある。 ・イカズ谷は、イカズの門の通過と大滝の巻きがポイントで、他に大した難所はない。但し8月中は雪渓が残り、くぐることを余儀なくされる年が多いと思われる。 ・タジマ谷は懸垂下降3回で下れる、概ね平凡な谷。 |
その他周辺情報 | https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4347090.html 今年5月までは本来の県道を辿ることができていた模様。だが現在は無理。 |
写真
装備
備考 | ・イカズの門が増水により登れない場合は巻くことになるが、巻きのスタンスは細かいのでクライミングシューズがあるとよい。 ・ロープは30m以上×2本が必要(タジマ谷で30m程度の滝を懸垂下降するため) ・フリクションはかなり良く、ラバーソール推奨。 |
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感想
【計画の経緯】
イカズ谷は、2020年にザクロ谷を狙っていた時から、その訓練山行の行き先として候補には挙がっていた沢だった。それからずっと行きたい気持ちはあったものの、遠いのもあって後回しになっていた。今回、いくつかの記録を読んで、日帰りで行けそうだと思ったので、前日の天気が悪くてほぼレスト日となることを利用して、早朝発での日帰りを計画した。
【山行】
○ダムまで
前夜早い内にシャルマン火打スキー場まで入り、前泊。朝2時台に起きると、星が非常に綺麗だった。暗い中ヘッドライトで準備し、ゲート前に移動して出発。今回もtamoshimaは電動キックボードを活用し、第2の通行止めまで。
第2の通行止めを越えていくと廃道の雰囲気となり、谷を横断するところで完全崩壊。数年前まで通行されているし、この崩壊箇所さえ突破すれば何とかなるだろうと、暗くて悪い足場の中、頑張って突破したが、今度は道型ははっきりしているが藪が酷い。このままでは藪敗退してしまうと思ったので、戻って沢を下って本流を目指してみることに。
この沢は比較的下りやすく、暗くても何とかなった。すると、本流に出る少し手前で道が出てきて、どうやらダムの方へ向かっている。正体不明な道だが川を歩くよりは速いので辿ってみると、幸いにもダムへの迂回路だったようで、スムーズにダムへ着けた。藪敗退を免れ一安心。
ダムの脇に川床へ降りる階段があり、能生川へ。
○遡行
イカズ谷出合まではほぼゴーロ。藪で時間をロスしたのでkumassiyを急かしながら進む。所々、脇にスノーブロックが残っており不穏。
イカズ谷に入ると徐々にゴルジュ状になり、遂には懸念したスノーブリッジが出てくる。ゴルジュ内なのでくぐるより仕方がない。走ってくぐるが、くぐり終わるとすぐにまた雪渓。またくぐるとまた雪渓。その繰り返しで、中には崩れかけているのもあったが、ともかくくぐっていくとイカズの門が見えてきた。水量が酷い。
直登は考えられず、まずはtamoshimaリードで左壁から巻こうとしたが、スタンスが細かくクライムダウン。次にkumassiyが偵察に行った右岸枝沢からの巻きを考えたが、悪そうなので却下。左壁に戻ってクライミングシューズに履き替え、ハーケンの効きもいまいちな際どいクライミングとトラバースで何とか滝上に。ここでピッチを切る。トラバース的なためフォローも苦労し、ロープの流れの関係で悪いところエイドで登る羽目になったりと、大変で、かなり時間がかかった。
ピッチを切った場所をよく見ると古い残置があり、クライムダウンもできそうだが、一応懸垂下降で沢床に戻る。この先もスノーブリッジが続き、立派なゴルジュは壮観だが肝は冷える。
次第にゴルジュが緩んでくると水もぬるくなり、もう雪渓もなさそうで一安心。右からカクラ沢が入るとすぐに大滝出現。当初は大滝の登攀も企てていたが、増水しているし、時間も押しているのでそれどころではない。さっさと巻きにかかる。右岸の小さい枝沢を登ってから滝の左側の急な灌木帯をモンキークライムしたが、割と木が少なめで遠いところがあり、ちょっと嫌な感じであった。最後は懸垂下降で沢床に戻り、落ち口から大滝を偵察。落ち口付近は、確かに水量が少なければ登れそうな気配もあるが…?
大滝が終わってもゴルジュ状の渓相は続き、滝は小さいものの小難しいものが2つ。微妙なへつりで越える。さらに登るのが大変そうな6m滝も出てきて、登ると時間がかかりそうなので巻いて懸垂下降。すると程なくして二俣。タジマ谷に近い左へ。
左俣は、1つだけクラック的な登りが面白い4mCS滝が出てきたが、それ以外は簡単で、奥二俣を左に入るとさらに平凡になり、1160m右岸枝沢からタジマ谷との鞍部へ。詰めは楽でも大変でもないという感じ。
○タジマ谷下降
鞍部から適当に下って行ったところ、急になってきて木も減り、モンキークライムダウンも厳しくなってきたので左へトラバース気味にいくと何とかロープ無しで沢床に降りられた。
沢に降りてしまえば滝の少ないゴーロ主体の谷で、3回だけ懸垂下降したが、どんどん下れる。イカズ谷の隣なのにこんなに渓相が違うとは。ヘッデン沢下降も覚悟したが、そうはならずに良かった。最後に、見たこともないほど見事な倒木滝を巻き下ると、平流になって、ダムに到着。なお、タジマ谷は虻が多かった。
○下山
県道の崩壊箇所を下巻きする迂回路を、行きに下ってきた沢を越えて進んでいくと、九十九折れでどんどん標高をあげてゆく。かなり辛い急坂だが、沢を登るよりは速い。ひたすら登っていくと、電動キックボードをデポしてある県道の2つ目の通行止のすぐ手前に出た。
かなり分かりにくい分岐で、暗い往路で気づかなかったのも無理はない。
【総評】
日本百名谷の1つで、イカズ谷周辺のゴルジュは素晴らしいし、大滝も圧巻だが、それら以外は大したことがない。アプローチや詰めがそれなりに面倒なことも考えると、積極的にお薦めしたいほどの沢でもなかった。とはいえ、気になっていたこの沢を、初めて(かどうかは分からないが、記録は見当たらない)日帰りで遡行でき、この夏の一つの集大成と言える山行が出来たと思う。疲れたが、充実した1日であった。
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