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Yamareco

記録ID: 4635023
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖

19991229-31南アルプス深南部:中ノ尾根山→池口岳縦走、テント泊

1999年12月29日(水) 〜 1999年12月31日(金)
 - 拍手
GPS
56:00
距離
30.6km
登り
2,474m
下り
2,847m

コースタイム

1日目
山行
5:40
休憩
1:04
合計
6:44
10:25
118
12:23
0:00
40
13:03
13:43
175
16:48
17:01
3
2214mP
17:04
17:09
0
分岐
2日目
山行
7:49
休憩
3:06
合計
10:55
7:48
36
8:24
8:26
8
ヨモギ沢ノ頭
8:34
8:54
137
11:11
11:49
76
13:05
13:36
12
13:48
0:00
28
14:16
14:44
99
急登開始
16:23
16:34
7
露岩
16:41
16:44
4
16:48
16:57
3
17:00
17:03
57
18:00
18:41
2
18:43
池口岳北峰直下のテント場
3日目
山行
5:10
休憩
2:31
合計
7:41
7:20
2
池口岳北峰直下のテント場
7:22
7:49
1
池口岳
7:50
7:58
20
池口岳北峰直下のテント場
8:18
8:30
63
9:33
10:21
68
11:29
0:00
5
1837.5m三角点
11:34
11:57
47
12:44
0:00
34
面切平
13:18
13:51
70
15:01
大島バス停(信南交通 遠山郷線)
アクセス
利用交通機関:
電車 バス タクシー
白倉川林道権現橋ゲートがスタート
大島バス停がゴール

感想

 1999年の年末の休みは、1000年代最後の山行として南アルプス深南部の中ノ尾根山→池口岳を縦走してきました。好天に恵まれ、人も少なく静かで、南ア深南部の良さの一端に触れることができた山歩きをする事ができました。

12月28日(火)、29日(水)
 火曜日の夜、1000年代の仕事を何とか終え、新大阪から最終のこだまに乗り込み、名古屋で東京行き臨時快速電車に乗り換え、豊橋でステーションビバーク。翌朝、飯田線の始発に乗るが、何と中部天竜駅でトイレに行っている間に荷物を乗せたまま列車が発車してしまうという大失態!親切な駅員さんが連絡を取ってくれ、水窪で残した荷物を下ろしてくれ、予約していたタクシーに積み込み、中部天竜まで迎えに来て貰うことができた。
 結局、中部天竜−白倉川林道権現橋\12130+迎車代\120と多大が出費(;_;)、と1時間以上のタイムロスで何とか権現橋到着。身繕いの後出発、まずは9km余りの林道歩き。気温は低いが快晴で日向は結構暖かい。ほぼ0.5km毎に距離表示有り。2.5km手前に朝日岳登山口、とすると国土地理院の地図が正しければアルペンガイドの権現橋の位置はもう一つ手前になるのだが・・・。7.0km過ぎで白倉川橋を渡る。9.0kmを過ぎると避難小屋がありそのすぐ横に浜松北高の登山口を示す道標。約100m先に水場となる小沢あり。タクシーの運転手は、山には雪はほとんど無い、と言っていたのでここで水を補給した。
 登山口の所が崩れかけていて避難小屋の辺りから登った方が良いかもしれない。いきなりの急登、しかし雪は全然無い。道は結構整備されているみたいで迷うような所は無い。ほぼ尾根上をひたすら登っていく。薮が気になる所も無かった。約1800m付近からやっと雪が出てくるが少ない。2000mを過ぎてガレ沿いを急登、徐々にペースが落ち、登山口から3時間弱かかってようやく中ノ尾根山と2214mPとの分岐に到着。ここに荷物を置き、2214mPを往復。途中で日が沈んでいく。
 2214mPは笹原の台地、南ア深南部の大展望台。すぐ北には中ノ尾根山、東方に信濃俣から大無間山への稜線、南方には不動岳から丸盆岳、黒法師岳、バラ谷山と続く。その辺りに鎌崩があるのだろうか?黄昏は急速に迫り、残念ながら長居する時間は無かった。
 分岐に戻り、笹を刈った道を中ノ尾根山に向かう。鞍部からダラダラ登っていくとどこが頂上かよくわからない台地状の中ノ尾根山、真っ暗になる頃ようやく浜松北高の山名板のある樹林に囲まれた頂上広場に到着。山名板の目の前にテントを設営した。この夜は結構気温が下がったようで寒く感じた。

12月30日(木)
 30日の朝は雲が多い。樹林越しの朝日を見て撤収、行く道を偵察。少し下ると樹林の間の下方にヨモギ沢ノ頭らしきピークを見ることができた。その後、縦走開始。頂上から西に約10m行き、それから北に向けて下っていく。ガスられるとわかりにくそうだが、テープの目印は結構有る。
 鞍部まで一気に下り、背の低い笹の中のか細い道を登る。今回のコースは思っていたような笹薮は全くと言って良い程無く、踏み跡も結構はっきりあってその点では予想以上に歩きやすかった。しかし、倒木はそれ相応にあり、枝にでかいザックが引っかかってやはり時間はかなりかかってしまった。途中、中ノ尾根山・ヨモギ沢ノ頭間の鞍部付近で信濃俣の双耳峰の向こうに意外と大きくシルエットの富士山が望める。
 樹林の中やガレ沿いの踏み跡を辿り、樹林の中のヨモギ沢ノ頭を越えて、一登りで静岡長野県境にある三又山到着。ここにも山名板がある。樹林が立ち枯れた背の低い笹の明るい山頂、頂上に着くと向こう側に真っ白な中央アルプスと白山が見えるようになる。以後もこれらの山は左手に良く見ることができた。この時点では、池口岳や鶏冠山にはまだガスが残っていたが、歩き始めるとすぐにガスは晴れた。
 三又山からは細かいアップダウンが続く。木の枝がうっとしい。雪は樹林中でもせいぜいすね程度の深さ。ガレの縁に来ると展望が開ける。そうこうする内に鶏冠山南峰手前の岩場、右から回り込んで急登するのだが雪が着いて滑りやすく慎重に登った。岩場を登りきり緩く登っていくと樹林に囲まれた鶏冠山南峰到着。直下に山名板があった。雪は膝下くらい。
 ここからは北に急降下するが、尾根の右(東)側の急斜面をまず下る。一度尾根に近づき再び右から巻いて下り尾根に戻る。この手前の赤テープから更に尾根の右側を急降下するかと思いきや急なルンゼとなりとても下れそうにない。ここは尾根上に戻り忠実に樹林の急な岩のやせ尾根を下るのがルートだった。雪がうすく積もって滑りやすく、ピッケルを使ってゆっくり慎重に下る。今回の山行中、ピッケルを使ったのはこの時だけだった。
 鞍部からは雪のほとんど無い背の低い笹の中の踏み跡を登り、樹林が立ち枯れ日当たりの良い鶏冠山北峰に到着。池口岳が近づくが高い!ここから笹の平へは、まず東に延びる尾根を進み薮になる所から笹の平に向かって適当に樹林帯で下草の無い雪の斜面の山腹を下っていったが視界が無いとわかりにくいだろう。
 程なく一面背の低い笹原の笹の平。所々笹が途切れ(いわゆる鹿のヌタ場か?)、テントサイトに良さそう。日当たりが良いので雪はほとんど無い。のんびりしたいところだが、池口はまだまだ高い。
 緩やかに登り、その後池口に向けての急登が始まる!柴沢源頭の水場への標識は見つけられなかった。水音もなかったし、この時期は凍結しているのか?
 登るに連れ雪が増え膝上の急坂のラッセルとなり凄く時間がかかってしまった。とにかく忍の字で直登していく。展望の良い露岩へは尾根の左側を夏道は登っているのかもしれないが、ラッセルがきついので、雪の余り無い岩尾根を登り、露岩頭にようやく到着。今日たどってきた稜線、そしてその奥の山並みは不動岳、鎌崩の頭、丸盆岳、黒法師岳、バラ谷山といったあたりだろうか?まさに深南部の展望台である。
 ここから池口岳南峰直下の稜線へは数分の登り。黄昏迫る稜線の向こうに光岳が見えた。ここで初めて人の踏み跡あり!荷物を置き南峰に向かう途中で日没。4年振りの池口岳は膝までのラッセル。南峰は樹林の中で展望は樹間からのみ。
 南峰で幕営と考えていたが、トレースがあるので北峰まで頑張ることとし、出発。トレースを追ってガレ沿いやトラバースのルートを行く。
 池内岳北峰に着く頃には真っ暗になっていた。頂上に幕営しようと整地を始めたが、今一なので1、2分下った狭い平坦地で幕営することとし、再び整地して設営した。この夜は昨日よりも暖かく感じられた。

12月31日(金)
 31日は快晴。池口岳北峰に登り返し、その向こうのガレ付近から朝の南ア深南部の展望を堪能した。名残惜しいが余りゆっくりはしていられない。8時前にやっとテン場を出発、4年前の秋に通ったことのある池口岳西尾根を下山開始。最初の雪が多い所はトレースがありがたい。ガレ沿いの部分はスリップしないように慎重に下る。所々、南ア南部の展望が開け楽しい。加加森、光から茶臼、上河内、聖、兎、小兎、中森丸山、大沢、赤石、塩見、奥茶臼、仙丈といった山々を見ることができた(^_^)。
 光岳方面へは全くトレース無し。厳しそう。ザラナギ平へは近そうで案外時間がかかる。直前に水場への分岐、たくさんテープの目印が付けられているみたいだ。水場分岐からすぐにザラナギ平のテント場。木漏れ日が降り注ぎ、思わず大休止。テントを張った形跡は無く、トレースの主はもっと下部で幕営したのか?あるいは登山口から一気にピストンしたのか?ここまで下ってくると雪は多くなく、水を作るのにゴミが入りそうに思えた。
 重い腰を上げ出発。次のピーク手前のガレからは展望良好。樹林の中のアップダウンを進む。このピークと黒薙の間で新千年期を池口岳で迎えようとする3パーティ4人とすれ違った。最初に会った夫婦連れは池口岳北峰まで行って幕営するとのことだった。
 緩く登り返し1837.5m三角点を過ぎるとすぐに黒薙、2.5万図の黒薙より一つ西側の薙だ。ここまで来ると全く雪は無いが、幕営可能だ。展望も良く、中ノ尾根山、鶏冠山、池口岳と今回歩いた山々を一望できた。日当たりが良くポカポカした感じでここでも思わず大休止。
 ここからは一気の下り、少し登り返しもあるが、休憩無しで林道登山口まで下った。車が2台置いてある。100m先に展望所というのもできていて行ってみた所、樹間に池口岳を見ることができた。
 ダートの遠山林道をポコポコ下ると、池口集落の最上部の遠山邸、ここから池口岳が格好良い。そしてそこからは舗装道の下り、50分余りでようやく国道に出た所が大島バス停だった。
 車椅子用のトイレで着替えてパッキングし直しているとバスが来た。平岡駅に出て、豊岡までワイドビュー伊那路で行き、そこからはこだまで帰阪した。駅には妻と娘が迎えに来てくれていた(^_^)。

 天候にも恵まれ、思っていた以上に道もしっかりしていて、予備日を使うことなく2泊3日で歩くことができました。展望も想像した以上に楽しむことができ、鹿が遊ぶ南ア深南部の雰囲気も十分楽しめた山行でした(^_^)。
 今後は光岳→大無間山、2214mP→黒沢山、黒沢山→不動岳、黒法師岳→不動岳、麻布山→黒法師岳、山犬の段周辺といった稜線を踏破してみたいですが、なかなかグレードが高そう・・・。まぁ、無理せん程度に取り組んでいきたいと思っています。

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