20000108-10杉ヶ越→傾山→祖母山→大障子尾根縦走、テント泊
- GPS
- 56:00
- 距離
- 32.7km
- 登り
- 2,878m
- 下り
- 3,354m
コースタイム
- 山行
- 9:36
- 休憩
- 2:23
- 合計
- 11:59
- 山行
- 6:40
- 休憩
- 2:39
- 合計
- 9:19
天候 | 1/8・1/10は快晴 1/9は雨 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
傾山登山口バス停がゴール |
感想
20000108-10杉ヶ越→傾山→祖母山→大障子尾根縦走
2000年代最初の山行は、私にとって予てから懸案であった九州は祖母傾山系の杉ヶ越−傾山−祖母山−大障子尾根を歩いてきました。95年の暮れに大崩山−杉ヶ越を歩き、それを更につなげようと思い、今回のコースを考えていたのですがやっと実現することができました。
1月7日(金)、8日(土)
金曜の仕事を終え、最終のひかり、ドリームにちりんと乗り継ぎ、できる限り駅での待ち時間を少なくする為、南延岡まで行き、始発の普通電車で折り返して、重岡駅着。まだ真っ暗。予約していたタクシーで杉ヶ越に到着、¥7190(;_;)。天気予報では天気はよいはずだが雲が多く、風が冷たい。
身繕いをし、登山届けを提出して出発。まず峠の手前の分岐へ、荷物を置き祠のある峠まで行ってきた。引き返し、縦走開始。最初は下り気味の巻き道。稜線に出てからは細かいアップダウンが幾つもある。右前方に傾山が見えた。いつの間にか鳥屋尾根Pを過ぎ、ここからは岩場の連続。障子岩、親子岩、屏風岩、三段梯子と続くのだがどれがどれかよくわからなかった。展望は結構良いが風が冷たい。背後に4年前歩いた大崩山から新百姓山への山々が見えた。時々日が射すと少しは暖かかった。
傾山へは最後に急登、この辺りから岩場は少なくなるがしんどい。左に岩壁を見てひたすら登ると、ひょこっと九折越への分岐に到着。ここまでで4時間以上かかったデイパックに最低限の物を持ち、傾山を往復。九折越から男性単独行者が登ってきた。後傾までの間に女性二人組とすれ違い、急登わずかで後傾到着、眼前に傾き本峰の岩場。鞍部に下ると西山への分岐、三ツ尾への分岐を過ぎてようやく今回の縦走の最初のピーク傾山に到着した。展望は360度、今回のコースが全て見渡せ、大障子岩の向こうに阿蘇山、竹田盆地の向こうに九重山の山並みが見えた。ピークの西端に行くと風が冷たいが祖母山が真っ正面だ。大型カメラを持った男性単独行者がいた。写真をパチパチ撮り、休憩後、分岐に戻った。
分岐で九折越から空荷できた男性4人組が登ってきた。重荷を再び背負い、九折越を目指して下る。最初は急降下、後はアップダウンがあり草原の九折越到着。風は強いかもしれないが幕営してみたい所だ。ここから2分の登りで九折越避難小屋到着。先程の4人組の物らしきザックが置いてあるのみで無人。今夜の水を補給するため、水場まで往復、下り5分登り12分だった。水はパイプから流れ出ていた。
小屋に戻るとさっきの4人組が帰ってきていたが、すぐに水をくみに出ていった。その直後に二つ坊主コースを登って傾山を越えてきた夫婦連れが到着。ここで泊まるか今日中に下山するか考えられていた。
明日は荒天の予報、私は今日中にできるだけ距離を稼いで置こうと午後3時頃小屋を出発。下草の全く無い樹林帯を登り、ピークを一つ越えると両側が笹薮の道となるが、良く整備されており、全く問題無く歩けた。
水の分だけ重くなったザックにヒィヒィ言いながら笠松山の左側を巻き、尾根に戻ると笠松山への分岐。空荷で頂上ピストン、頂上は樹林の中、狭くて展望もダメ。頂上を過ぎて少し行くと露岩に出て傾山方面の展望good!ここが笠松東展望所?笠松山は2.5万図での笠松山より一つ来たのピークのようであった。
分岐に戻り縦走再開。次のピーク(2.5万図での笠松山)は右側を巻き本谷山へ向かう。笠松西展望所、土呂久展望所はよくわからん内に通過。池ノ平辺りでかなり暗くなって、約1640mPでヘッドランプを装着。本谷山に着く頃には真っ暗だった。ここは潅木に囲まれ昼間でも展望はダメそう。この辺りで幕営と考えていたが、道は良く整備され、星も綺麗だし、ここからは緩い下りが尾平越まで続くようなのでブナ公園まで頑張ることにした。
ゆっくりと緩く下っていくと岩に出て道が途切れる感じの所が三国岩と思われた。夜空に古祖母、障子、祖母のシルエットが望めた。岩の右縁を下り、さらにぐんぐん下る。途中、鹿らしき動物が至近距離を逃げていった。
傾斜が緩くなってしばらくでポコっと広場に出たと思ったらそこがブナ公園だった。水場の標識の前の広場に幕営。風も当たらずなかなか良いテン場だ。水場は稜線の南側にあるようで看板に従って行ってみたが、残念ながらしみでた水がほんの少し流れているだけで補給はできなかった。
この夜は満点の星空、風も弱く暖かった。
1月9日(日)
真っ暗の中起き出すと星は雲で全く見えず。明るくなる前に撤収し、6時過ぎ出発。尾平トンネル入口への分岐を分け、古祖母山への約500mの登りが始まる。今回の縦走路はアップダウンが結構大きく疲れるし時間も凄くかかる。
7時前に明るくなってきたと思ったら、7時頃から雨が降りだした。以後この日は終日雨が断続してビショ濡れの一日だった。しかし、最初の内は視界は良く、古祖母山への登りの途中、古祖母山北側、古祖母山、更には障子岳の第一展望所までは何とか展望を楽しむことができた。古祖母山の展望所経由のコースから従来のコースに戻った時、頂上を良き過ごしたのかと思ったが、頂上と思ったピークは先程通った分岐であり、少しタイムロス(^_^;)。
その後はガスの中、ひたすら歩く。風は冷たく、休憩すると寒いのでザックをできるだけ下ろさず、ゆっくり歩いた。第五、第六展望所への分岐は気付かず通過、第七展望所は行ってみたが、ガスの中に間近にある障子岳が何とか見えるのみ。障子岳、鳥帽子岩を過ぎ、天狗岩へはザックを置いてピストン、慎重に先端まで行ってみたが、当然ガスしか見えず(;_;)。
天狗の別れ、天狗の別れ展望台への分岐を過ぎ、鞍部まで急降下、標高差200m余りの祖母山への最後の登りにかかるが、歩みは遅い。裏谷岩鼻にはピストンしてみたがもちろんガスしか見えない。樹林帯の登りから、祖母山南側の岩場の登りへ。所々凍結しており、スリップしないように慎重に登る。
ハシゴ場、岩場、ガレ場を登り切ると1985年暮れ以来13年振りの祖母山山頂到着\(^_^)/。しかし、前回と同じく見えるのはガスのみ(;_;)。幸い風当たりは弱い。記念写真をパチパチ撮り、休憩もそこそこに小屋に向かう。神原方面の道標に従えば良かったのだろうが、北に向けて直接下る踏み跡を降りることにした。
滑りやすい急坂を下ると凄く立派な道に出会い、すぐに神原・北谷登山口方面との分岐、そこからゆっくり下って10分余りで新しいログハウス風の九合目小屋に到着。
しかし、誰もいず、入った所の土間には薪ストーブがあるが、寒々としている。テルモスの暖かい飲み物と行動食をとりあえずとる。一泊¥2000、暖房料\300、よっぽどここに泊まろうと考えたが、明日の天候回復と、障子岩尾根の長い道程を考え、当初の思惑通りもう少し頑張ることにした。貯水槽があるしっかりした水場で今夜の水を補給。出発しようと身繕いしていると男性単独行者がやってきた。神原から登ってきて今日はここに泊まるとのことだった。
入れ替わるように私は出発、宮原に向けて下っていく。馬ノ背、前ノ背のやせた岩尾根もガスしか見えない。途中、登ってくる3、4人パーティとすれ違った。こんな時期のこんな天気でも複数のパーティに出会うとはさすがは百名山だ。
宮原の尾平への分岐は樹林の中のちょっとした広場で幕営可能だが地面はドロドロ。障子岩尾根の道を池の原を目指す。両側笹薮だが、昨年6月の加藤さん始めniftyの方々の刈り払いで、全く問題なく歩けた。薮に埋もれかけたメンノツラ小屋への分岐を過ぎると笹がうっとしくなるが、道はしっかりしている。
池の原三角点の2分程手前に落ち葉が敷きつめられた絶好の広場があり、迷わず今夜のテン場に決めた。テントを設営する前に池の原三角点まで行ってみた。その手前に展望の良さそうな露岩があったが・・・。
この日は雨が断続したが、どうやら峠は越えた感じだった。天気予報でも明日は全国的に大荒れとなるが、九州が天気が回復してくるとのことだった。気温は高めだったと思うが、全身びしょぬれでなかなか寝付けない一夜となった。
1月10日(月)
朝起きる頃には雨は止んでいたが、辺りはガスの中、風は強そうだ。すっかり明るくなってから撤収し、8時前と遅めの出発となった。笹の中の道はしっかり着いており迷うことはない。又、結構笹の背の低い所も多かったので笹はそんなには気にならなかった。でも倒木、木の枝がうっとしい。このあたりの道は稜線の左側(西側)に付いている所が多く、樹林帯とはいえ風当たりが結構あった。
岩のやせ尾根の向こうに屹立するピナクルは左下に巻道があるようだったが、頑張って稜線通しに通過した。上空のガスは薄くなり時々青空が覗く感じ、天気は急速に回復に向かっているようで気も晴れる(^_^)。ピナクル通過後、緩く下って白水への分岐、ここが八丁越かと思って休憩したが、そのすぐ先に八丁越、尾平への道が右に分岐していた。この道も薮っぽい。ここまで下るとガスの下に出たようで左右に下界を望むことができた。八丁越にはどうにか幕営可能、といった感じの平地があった。
ここから大障子岩に向けて笹の中の急登、途中の露岩からは尾平側を見ることができたが稜線はまだガスの中だった。更に急坂を休み休み登り、岩場を越えて登り着いた樹林の中のピークは大障子南峰。一旦鞍部に下り登り返す。突き当たった岩の右に巻いて登っていくと大障子岩の肩に到着。
ここはちょっとした広場となっており、幕営可能。空荷で登るとすぐに山頂だがここは展望は良くない。その先に露岩があり、大展望台となっている。ここはガスが切れ、前方に池の原のなだらかな頂きが見えるが、その先の祖母山方面や左方の傾山方面はまだガスの中。左下にガスの中、大障子岩の南峰が島のようだ。しかし、風は強く冷たい。だからガスが切れているのだろうか?さっきの分岐はガスの中だった。
分岐に戻り、前障子岩を目指す。ここからは笹が刈り払われよく整備されているが、落ち葉が積もった濡れた急斜面の下りは滑りやすい。ダブルストックを駆使してゆっくり慎重に下る。展望の良さそうなピークを越えると更に下って大障子・前障子の最低鞍部。やはりガスの下に出てしかも日が当たり始め少しは暖かい。両側の下界が良く見え、青空も見え始め急速に天気は回復してきているのがわかる。笹の中の道を登っていくとようやく前障子の岩場に突き当たる。ここで左に降りていく道が新ルートへの取り付きだろうが、風が強いし私には難しそうな感じ。穏健に従来のコースをたどり、前障子を右側から回り込み東側のカンテの取り付きの分岐に到着。この時にはすっかりガスが晴れていた。
前障子へはカンテを登り、途中から右側(北側)を回り込み樹林の尾根上に戻るとすぐに山頂到着、ここは展望は今一。その先の露岩は傾山から祖母山・大障子まで歩いてきた稜線が全て見渡せる大展望台!ここに来て、やっと祖母山、障子岳のガスも晴れその全貌が見えるようになった。まだ、九重・阿蘇はガスの中だった。冷たい強風の中、今回最後の展望を堪能し、下山開始。先程のカンテから見下ろす障子岩尾根は長い。
オーバーズボンを脱ぎ、下り始める。急な下りはやはり滑りやすいが、今まで程ではなく、順調に下っていける。振り返ると樹間に前障子の岩峰が屹立していた。1204mPはいつのまにか過ぎる。ちょっとした露岩を登ると約1150mP、ここは展望良好、祖母山も山頂をのぞかしていた。又、ここに限らず前方右手に傾山がよく望め、下るに従い高く大きくなっていく、といった感じだった。
更に下ると、約1000m付近で直進方向にピンクの紐の目印が付いていたがこれは誤りでルートは左下に急降下していた。そのすぐ後、白やピンクの紐、白や黄色のテープの目印に惑わされ右下方に引き込まれてしまう。踏み跡がうすかったのでおかしいと思ったが右隣の尾根まで目印が続いていたので、ミスってしまった。元に戻るとルートは木の陰の裏に直進していた、10分程タイムロス。
約800m弱付近で沢の音がしてくるとルートは尾根を左に外れ、水の補給が可能な沢を渡り、以後下りながら左方にずっとトラバースしていく。5本目の尾根に沿って末端まで下ると木の橋を渡り、そこから2分程で車道の終点に飛び出した。
岩峰を従えた傾山が大分高くなり、光線の加減もあって格好良い。車道を少し下ると駐車場への道が分かれる三叉路で登山カードの提出ボックスがあり、一応下山届けを書いておいた。更に少し下ると、尾平に続く県道に出る。右手すぐに健神社の入口が見える。左に少し歩くと傾山登山口バス停に到着。
アコーディオンカーテンで仕切れる更衣スペースがあり助かった。しかし、休日は緒方駅に出るバスの便は無く、近くの民家の人に頼んで日坂タクシーを呼んでもらった。着替えと荷物の整理を済ませた頃、約30分でタクシー到着。途中、傾山と祖母山が格好良く見えるポイントを通過し、30分程で緒方駅にたどり着け(\4400)、妙に行き違えの待ち時間が長かった鈍行で大分駅に出て、ソニック、ひかりを乗り継いで帰阪した。
2000年代最初の山行は天気には恵まれませんでした。しかし、よく整備の行き届いたコースで、当初の予定通りのルートを歩き通すことができ、いろんな展望所にも立ち寄ることができたし(展望はダメだったが・・・)、その点では満足できる山行となりました。祖母山は2度目でしたが共に悪天、今度は天気の良い時にのんびりと歩いてみたいものです。
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