銚子ヶ峰・一ノ峰へ【展望と花の美濃禅定道】
- GPS
- --:--
- 距離
- 12.1km
- 登り
- 1,181m
- 下り
- 1,181m
コースタイム
〜神鳩避難小屋(7:35/7:40)〜母御石〜銚子ヶ峰(8:30/8:40)〜一ノ峰
(9:30/10:00)〜銚子ヶ峰(11:05/11:20)〜避難小屋:昼食(12:05/13:25)
〜いとしろ大杉〜石徹白登山口(15:00)
天候 | 梅雨の中休み 終日晴れ☀ 【気温】 登山開始時:12℃ 一ノ峰から戻った銚子ヶ峰:21℃ 下山終了時:27℃ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(自宅から約2時間半の道のり) R156に入って間もなくしてコンビニが有りますが、この先には有りません。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【登山口】 石徹白登山口には20台ほどの立派な駐車場があり、 トイレ、東屋、水場も完備しています。(東屋に登山届ポストが有ります。) 【水場】 ・登山口の両脇で水は得られます。 ・神鳩避難小屋から小谷を下った水場までは往復で10分以内です。 荒れたうす暗い谷で、ゴムホースが外れた流れは心細いものでした。 【登山道】 登山口からの標高差・約800mを5kmほどの距離で登るため、 ペースを保て、足腰に負担の少ないコースだと感じました。 |
写真
感想
昨年実現しなかった白山登山。白山には三つの古道があるらしい。
その内の一つ、美濃禅定道を辿って登る南部に位置する展望の山・銚子ヶ峰は
どんな眺望を見せてくれるのだろう。
幸い梅雨の中休みの晴天に恵まれた絶好の登山日和になりそうな日曜日。
残雪の状況が気になるが期待を胸に出掛ける。
整備された登山口からいきなり420段の石段登りが始まる。
ウォーミングアップなしの登りはこたえるが、ペースがつかめた頃に
「いとしろ大杉」が現れた。
1800年を生き続けて幹の半分は枯れているが、それでも新緑を茂らせる生命力には
圧倒される。
大杉を横目にぬかるみを踏んで山腹に絡んだジグザグを繰り返すとやがて
広い尾根に出る。しばらくすると傾斜も緩み、足もよく延びる。
「1km」の指標を過ぎても、緩やかに高度を上げて行く。
時々左から聞こえる音は石徹白川の水音だろうか。
積雪に耐えながら撓んだ幹を伸ばすブナを見ながら北へ延びる尾根を行く。
展望は乏しいので高度稼ぎに専念しよう。
徐々に勾配を増し「2km」の指標を過ぎるとまもなく「おたけり坂」の急登に出る。
緩やかな登りでペースをつかんだ後なので、さほどの疲れを感じず登り切ると
伝説の岩「雨宿りの岩」が現れ、展望が開けて奥美濃方面の山並みが見てとれる。
しばらくすると更に展望が開ける。
雪が残る前衛峰〜三角錐のような野伏ヶ岳方面が望め、足元にはギョリンソウや
コケモモの花が咲く尾根歩きを楽しんでいると小広い台地に建つ神鳩(かんばと)の
避難小屋の前に出る。小屋前でゆっくり食事でもしたくなるような場所だが、
まだ時間も早いので先に進もう。
右の小谷を降りる水場への指標を見送って、左手樹林の尾根に入って高度を上げると
樹林が途切れ開放的な尾根になり、目の前には前衛峰に鎮座する母御石が見える。
急登を登り切って母御石に出ると、いきなり残雪に輝くような別山が飛び込んできた。
はやる気持ちを抑えて、銚子ヶ峰に立つと待望の大展望が広がっていた。
北に一ノ峰〜三ノ峰を越えて別山へ延びる南縦走路の尾根、東には槍ヶ岳〜大キレットの
北アルプス、西に願教寺山〜野伏ヶ岳、更に巡ると荒島岳、能郷白山と文字通り360度の
大展望だ。
山や花を眺めての山歩きを想定して余裕を持って出発したため、
まだ下山には早い時間だ。
予定はここまでだったが、初めて目にする白山古道の山並をもう少し眺めていたい。
一ノ峰まで足を延ばそう。一ノ峰は手前の二つのピークを越えた先のようだ。
岩が並んだピークから高度を下げる。どれが「雲石」か「ももすり岩」かはっきりしない。
鞍部に向かって下り始めるとまるでお花畑を歩くようだ。白・黄・赤と色とりどりの花が
登山道に溢れている。
眼下に伸びやかに広がる笠場湿原の残雪や池塘を眺め、ほほに爽やかな風を感じ、
残雪の雪形にイメージを膨らませと快適な稜線歩きが続く。
所々に残る雪渓を慎重にトラバースし、二つ目のピークを越えるといよいよ一ノ峰への
急登が始まる。
最低鞍部から約100mほど登り返すと小さなピークに指標の立つ一ノ峰山頂となる。
快適な稜線歩きに休む事も忘れていた。ザックを降ろしてゆっくりしょう。
煙草をくゆらせ、行動食で小腹をなだめる。
目前に聳える二ノ峰、三ノ峰が誘惑するが今日はここまでとしよう。
風に揺れる更紗ドウダンを眺めていると、大きなザックを背負った女性の二人組が
やってきた。(後で聞くと彼女も同じヤマレコメンバーだった。)
聞くと、昨日は三ノ峰避難小屋に泊まって石徹白へ戻る途中だと言う。
しばらく雑談した後、彼女たちを見送って、今しばらく山頂の眺望を楽しむ。
小さなピークなので昼食は銚子ヶ峰で摂ろうと決めて、稜線を引き返す。
しばらくして先ほどの二人組に追いついた後、抜きつ抜かれしながら銚子ヶ峰に戻り、
昼食を摂ろうとすると、彼女たちに昼食を誘われる。
聞くと避難小屋でパンケーキを作ると言う。誘いに甘えて避難小屋まで同行する。
笹原のような山頂部から母御石まで下ると、眼下に避難小屋の赤い屋根が現れた。
小屋にはテント式のトイレも設けられ、中に入ると明るくて寝泊まりに充分な広さが有り、
毛布まで用意され、整理された状態は大事に使われているのがわかる。
彼女たちが昼食の準備を始めたので、その間に水場へ降りてみる。
荒れた小谷を降りると樹林のため薄暗い感じで、小蠅がうるさい。
間もなくして伏流水が石の間に流れ出る。心細いが何とか水場としては使えそうだ。
10分ほどで小屋へ戻ると、銚子ヶ峰で出逢った親子連れも戻ってきた。
5人でコーヒーとパンケーキをいただき賑やかなランチタイムを過ごす。
他愛も無い話をしながら気づくともう1時を過ぎた。
そろそろ長すぎる食事を切り上げて、5人揃って下りましょう。
親子のペース合わせゆっくりと下り、登りでは横目で過ぎた「いとしろ大杉」を
ゆっくり眺めて、長い石段を登山口へ下る。
登山口で写真を取り合い、別れの挨拶を交わした後、帰路に着く。
帰路の途中、白山中居神社や阿弥陀ヶ滝(日本の滝100選)に立ち寄って、
梅雨の季節とは思えない晴れに恵まれた一日を締めくくる。
思いがけないヤマレコメンバーとの出逢いと、期待以上の展望や花に恵まれた
美濃禅定道を辿る山行だった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
素晴らしいお天気ですね。
足を伸ばしたくなるお気持ち
分かります。
新緑がとてもきれい。
花もいっぱいで、うらやましい限りです。
56枚目の花は、ミツバオウレンでは
ないでしょうか。
阿弥陀ヶ滝、新緑の時期もいいですね。
komakiさん 今晩は。
予定を1日遅らせて正解でした。
初めて足を踏み入れた山域は展望と花が迎えてくれました。
今年こそ白山に行きたいと強く思いました。
もう少し馬力が有れば三ノ峰まで行きたかったんですが、
誘惑を振り切って戻りました。
花が溢れる縦走路は久しぶりだったのでワクワクの連続でした。
そのまま帰るのはもったいないので滝にも寄ってみました。
追伸:花の名前を教えていただき有難うございます。
無知なのでこれからも教えて下さい。
onetoaniさん、こんばんは
なんと15日にずらされたのですね。あと30分早くおりてこれれば再開できましたね。残念でした。
一の峰まで足を伸ばされたのですね。銚子ケ峰から一の峰間が結構急登で道が細く長く感じました。
一の峰を過ぎて二の峰、三の峰は、残雪がありちょっと手こずりましたけど
いいところでしたよ。
三の峰泊りの山ガール二人組は私も出会い挨拶しました。ヤマレコメンバーさんでしたか、道理で礼儀正しい人たちだと思いました。
パンケーキなんかご馳走になられたのですね。私もご一緒したかったです。
higurasiさん 今晩は。
私もひょとしたら逢えるかなと、人に逢う度気にしていたんですが、
朝早く出られたんですね。コースで出会えず残念でした。
言われる通り銚子ケ峰から一旦最低鞍部へ下ってからの
登り返しが長く感じました。
別山へ延びる稜線の誘惑を振り切って一ノ峰を踏んだ事で良しとしましたが、
また出掛けたくなる魅力が有りますね。
ヤマレコメンバーの女性は今はブログ中心でヤマレコはお休みのようです。
onetotaniさん,こんばんは。
花がステキですね
この青空のもと,
花々と素晴らしい景色に恵まれた,
最高の一日でしたね。
私も,行ってみたいと思います。
higurasiさんには,お会いしませんでしたか?
totokさん 今晩は。
梅雨の晴れ間に恵まれて、花と展望を満喫してきました。
higurasiさんも別山に登られるのは知っていたので気にしていたんですが、
朝早く出られたので逢えず残念でした。
初めて触れた白山エリアの雰囲気は大変魅力的でした。
訪れた時期も良かったのかな・・・。
totokさんも是非、訪れて下さい。
onetotaniさん
こんばんは
昔の人たちはこの道を使い白山に
登られたのですね。
この眺望があれば疲れた体も癒され
足も軽かった事でしょう。
天気も良く花たちにも会え楽しかった
のではないですか。
さて?の花はkomakiさんもおっしゃる
通りミツバオウレンだと思います。
あとユウレイタケはギンリョウソウが
正式名だと思います。
kazu97さん 今晩は。
美濃禅定道を辿って白山までは19kmの道のりだそうで、
そして美濃禅定道はほぼ古道をそのまま辿るようです。
残雪に輝く別山や緑が鮮やかな県境稜線を眺めながら歩く尾根は、
展望と花に恵まれてつい休む事も忘れて歩きました。
kazu97さんも月末の入笠山は天気が気になりますね。
好天に恵まれるといいですね。
追伸:花の名の御指摘有難うございました。
onetotaniさん こんにちは 素晴らしい天気でしたね それといろんな方との出会いで楽しい山行となったんですね。 謂わばWで儲けと云ったところでしょうか。それにしても流石霊峰白山、古代からいろんな道があったんですね。また勉強になりました。
sugi-chanさん 今晩は。
土曜日は午前中の天気が微妙だったので一日遅らせました。
これが単独行の利点ですね。
初めての山域で、素晴らしい眺望や花に出逢えて、おまけに昼食まで
御馳走になって最高に楽しい山行でした。
またルートを変えて是非訪れたいと思います。
sugi-chanさんも、土曜日は楽しい山を過ごされたようですね。
はじめまして
拍手ありがとうございました。
こちらに、訪問させていただき、ビックリしました。
パンケーキの一人は、私の山友達です。
凄い、偶然ですね
rinnmamaさん コメント有難うございます。
一ノ峰で偶然出逢って、登山口まで楽しく御一緒させていただき、
当日のブログも拝見いたしました。
楽しい出会い、有難うございました。
お友達にも宜しくお伝え下さい。
何処かで出逢えた節は宜しくお願いします。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する