谷川連峰縦走 雨は想定内、想定外だったのは・・・?


- GPS
- 12:39
- 距離
- 29.8km
- 登り
- 2,940m
- 下り
- 2,928m
コースタイム
天候 | 曇り時々晴れ 後雷雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
土樽 - 平標山(平標新道):土樽駅前から車道を越後湯沢方面へ進み、橋を渡るとすぐに平標山方面の指示標がありますのでそこを左へ進みます。林道を1時間ほど(歩く速さにもよりますが)歩くと右手に平標新道の入り口を示す指示標があります。しばらくは沢沿いにゆるやかな登りが続き、数度の渡渉(今回は三箇所ありました)を終えると急登になります。樹林帯の中の急登が続き矢場ノ頭を過ぎると森林限界を超え見晴らしが良くなります。山頂まではその後もだらだらとした長い登りが続きます。 昨年もほぼ同じ時期にこのコースを歩きましたが、今回はルート中の水没箇所も少なく堆積した落ち葉も乾いた状態で、条件的にはだいぶ歩きやすかったと思います。新道入口から渡渉が3箇所ありましたが、最初の2つは問題なく通過できました。3番目の渡渉点(地図で見るとダイコンオロシ沢)は水量が多く飛び石で渡るのは困難と思われます。私はトレランシューズを履いていましたので気にせずそのまま靴を脱がずに渡りましたが(ここで濡らさずに済んだとしても、森林限界を超えてからの登山道で野草の結露水で濡れることもわかっていました)、ちゃんとしたトレッキングシューズの方は靴を脱いで渡渉することになるでしょう(水位は深いところで膝くらいでした)。 なお新道入口より手前の林道中にも一箇所沢水があふれ出し「渡渉」の必要な箇所があります。去年も同様でしたので、少なくともこの時期この場所は常に水が流れていると考えたほうがよいと思います。 平標山 - 茂倉岳:ルート中のところどころに注意の必要なやせ尾根や滑りやすい岩場があります。オキノ耳から一ノ倉岳間は特に滑りやすい岩が多いので要注意でしょう。 茂倉岳 - 土樽(茂倉新道):山頂から矢場ノ頭までは見晴らしの良い稜線歩きです。矢場ノ頭を過ぎると樹林帯に入りますが、登山道を妨害するようなかたちで木の根が何箇所も張り出しておりやっかいです。しかし基本的には急な登り下りの無い歩きやすい登山道と言えます(あくまでも通常の条件下での話しです。今回のような豪雨下では大きく状況が変わることは言うまでもありません)。 |
写真
感想
土樽を始点に平標山から谷川連峰を縦走し、茂倉岳から土樽へ戻るこの周回コースは昨年もほぼ同じ時期に歩いています。当時は仕事の関係で連日の休日出勤が続き、1ヶ月以上のブランクを経て久しぶりの登山だと意気込んで出発したら膝を痛め、その後の数ヶ月をリハビリに費やすきっかけとなった私にとっては苦い思い出の残る山行でした。その雪辱戦というわけでもないのですが、丸1年たったこの日同じルートで再び谷川連峰の縦走へ向かいます。
金曜の夜帰宅後すぐに車で出発し、12時ちょうどに土樽駅に到着。少し仮眠して3時半頃に出発しました。平標新道の登りでは去年苦しめられた記憶がありますが、今回は特に苦労することもなくすんなり山頂に着きます。この時期花目当ての登山者でにぎわう平標山ですが、天気予報が悪いためかこの日は閑散としていました。仙ノ倉山付近では数名の登山者を追い越して行きましたが、その後は登山者の姿も無く一人旅が続きます。
順調に歩いていたつもりだったのですが、万太郎山の登りあたりから何となく体調に異変を感じ始めました。最初は特に気にしていませんでしたが、歩くにつれてだんだんと体が重く感じられ、ちょっとした登りでも息切れがするようになりました。オジカ沢ノ頭へ向けて登っていると何だか頭痛がしてきます。「もしかして高山病?」などと思いながらも特に気にせず進んで行きますが、肩ノ小屋に着いたあたりから頭痛に加え激しい肩こりに襲われ、強烈な吐き気のため行動食も口にできない状態に。体調不良は明らかでした。
実は思い当たる節がありました。金曜日に職場の同僚が東アジアの某国への出張から帰国しましたが、出張中に悪性の風邪をひいてしまったようでまだ熱が下がらないと言っていました。特に気にはしていなかったのですが、どうもその風邪がうつってしまったようなのです。そういえば車中泊での仮眠後起きた時から何となく体がだるい感じはしていました。
症状がどうであれ早く下山することが先決なので、この後は山頂での休憩もとらずひたすら先を急ぎます。一ノ倉岳の登りにさしかかった辺りでとうとう雷雨になりました。雨は予想していたので素早くレインウェアを着こんで再出発。山頂に着いた頃には小雨に変わりました。雪渓を渡るともうその先は茂倉岳。後は下るだけかと出発すると再び豪雨に襲われます。最初は遠くで鳴っていた雷がだんだんと近づいて来るように思えるのは気のせいでしょうか。激しい雨で登山道はたちまち水浸しで川のように。この状態での稜線歩きが危険なのは言うまでもなく早く樹林帯に逃れたいのですが、この雨の中で濡れた岩がすべりやすく一歩一歩足場を確かめながら進む状態でまったくペースが上がりません。必死の思いで矢場ノ頭にたどりつくのとほぼ同時に雨は止んでしまいました。
これで一安心と思いきや、今度は濡れた木の根に行く手を阻まれ、滑り台と化した泥濘のため何度も転びそうになりながら何とか下山しました。しかも激しい頭痛で意識もはっきりせず、足元はふらふらで歩いていたような気がします。今だから言えますが結構危ない状態でした。
それにしても去年は膝を痛めて足をひきずりながら下山、今年は風邪と雷雨に襲われてふらふらになって下山、茂倉新道は私にとって鬼門のようです。もう3度目は無いでしょう、多分(笑)。
終わり
コメント
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camp747さん、こんばんは。
山行中に起こる体調不良は、厳しいですよね。
私は、完食後に賞味期限切れを聞かされただけで、気分が悪くなるほどチキンなので、「何か変だな」と不調を感じること自体が恐怖です。
エスケープするなど早めの下山をすべきなのでしょうが、そうは言っても実際問題としては、既に奥まで進んでいたり相応の時間がかかるわけで、体調と相談しながらの気力勝負になるかと思いますが、結果的には、無理を押しての下山で正解だったようですね。本当に良かったです。
言うまでもなく、これも山のリスクですし、単独ならなおさらです。私も十分に注意しなければ、と思いました。
悪天候もあり相当きつかったようですが、大事に至らず何よりでした。
これからもお互い、安全には最大限の注意を払いながら山を楽しみましょう。お疲れ様でした。
kinoeさん おはようございます。
ご心配いただきありがとうございます。昨日一日静養したら体調はだいぶ良くなりました(どっちみち雨で外出する気も無かったのですが)。
本文では触れませんでしたが、実は茂倉岳避難小屋の前に来たときにビバークするかどうか悩みました。結局そこで避難せず通過した理由は1.そこから先の行程はほぼ下りのみ(これ以上の登りは無理でした)2.少し歩けば森林限界を抜け樹林帯に入ることができる(ずっと稜線続きならビバークするしかなかったでしょう)3.避難小屋で休んでいる間に体調がさらに悪化し歩行困難になるのが怖かった(すくなくとも歩き続ければ車までたどり着けるという自信はあった)、こんなところです。この中ではやはり3の理由が一番大きかったでしょうか。
kinoeさんはマイナーなルートでの単独山行(というよりも探検?)が多いですから、体調管理等に配慮し安全登山を心がけてください(私が言う資格もありませんが
campさん、こんばんは。 hisanoです。
題名からして何があったんやろ・・・?と思いながら最後の感想を読んでいると、よく無事に帰ってこれましたね
いやいや、怖い怖い
海外のウィルス?と聞くだけで威力が強そうです…朝は調子が良くても夜にまたぶり返す事もあるので、仕事はほどほどに(?と言ってもそうはいかないでしょうけど
hisanoさん こんばんは。
ご心配かけてすみません。お恥ずかしい話で「山登りや日々の生活の中で鍛えられた精神力」などあるわけもなく、無事に帰れたのはただただ運が良かっただけです。
「生かされていること」に感謝しつつ謙虚に山登りを楽しみたいですね。
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