雨と風と濃霧の白馬岳
- GPS
- 13:31
- 距離
- 18.5km
- 登り
- 1,843m
- 下り
- 1,822m
コースタイム
7/19 06:00 頂上宿舎 6:28 白馬岳頂上06:50白馬山荘 n07:00頂上宿舎
07:30頂上宿舎 08:11 避難小屋08:13小雪渓08:20岩場の道道 09: 00大雪渓 10:36大雪渓ケルン11:06 白馬尻小屋11:50ー
12:50 猿倉山荘
天候 | 7/17 雨 7/18 曇から濃霧、雨 7/19 小雨、濃霧後、曇 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
復路 7/19 猿倉無料駐車場 (13:30分発)〜大町温泉郷で温泉浴後帰路。 (駐車場は、13:00時点で満車) |
コース状況/ 危険箇所等 |
*白馬駅近傍 飲食店、コンビニ、スーパーあり ー猿倉山荘〜白馬尻小屋 登山ポストあり 危険箇所なし。但し、登山道と沢の重複部は、水が流れており、瓦礫石が滑りやすく注意が必要です。山道に入ると、その両側は、花が豊富、観察されたい ー白馬尻小屋〜大雪渓ケルン 瓦礫の登山道、水が流れている。瓦礫石が滑りやすく注意が必要です。両側に花が美しい。 -大雪渓 大雪渓のほぼ中央部に赤いベンガラで登山道指示。所々に落石したと思われる石が大中小とある。落石には注意。途中、頭大の落石がありましたので、注意は必要です。アイゼンは、必須です。6本爪以上が無難。4本は、滑るのと、所々の凍った部分には、機能しない。 ー岩場の道 危険個所はないが、大雪渓終えてアイゼンはずすスペースが少なく、数珠つなぎで人が押し寄せると危険。大雪渓を苦労して上った後、アイゼンを外すと岩場の道。そこは、高山植物が咲き乱れている。イワカガミ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、イワオウギ(岩黄耆)、カラマツソウと低木が続く -小雪渓 小雪渓トラバース(頂上山荘→白馬尻小屋)は、雪渓の雪を人が毎日メンテしてくれているが、アイゼン、ストックが必要。万が一のため -避難小屋〜頂上宿舎 避難小屋付近に花畑。雨、風による滑りは注意 -頂上宿舎〜白馬岳 がれきの登山道、登山道を外さなければ、危険ではないが、断崖絶壁で注意。花が絶壁付近に咲く *下山後 大町温泉郷薬師の湯 山を眺めながらの露天風呂 |
写真
感想
雨の白馬岳 2014/07
日本海から塩尻、太平洋の三河湾から塩尻まで、塩が運ばれた塩の道がかって存在した。その五百kmに渡る塩の道を歩いたのはもう五年以上前だ。白馬岳もそのときに見た。小谷には、千国街道と言う塩の道がある。そんなことを思い出しながら、
登山日前日に車で移動、天気が心配な出発、驚いたことに出来たての圏央道から中央道と僅か1時間半で諏訪湖に到着、五時間後には、白馬駅付近に到着、夕食を食べた。その後、霧の中、山道をスイスイと運転し猿倉山荘の駐車場に着きました。
◽︎初めてのテント泊
直ぐに小雨模様の中、あっという間の手際で、テントが張られ、三人でテントの中の人となりました。もう一人は何時もご一緒していただいている仙人さんであります。私にとっては、お二人から学ぶことばかりであります。
テントに入った直後から強い雨足になり、夜半はテント内への水の浸入やらでシュラフが濡れたり、雨音、近くを流れる怒涛の川音で余り眠れなかったが、これもテント泊初体験でもあり、いい経験だと思う。テントは、完全に雨が、防げるわけでなく、ちょっとした隙間から雨が伝わり 、最後には、濡れる程になるんだと実感しました。私も、足側は、朝起きるとシュラフごと、ぐっしょりと濡れていました。仙人さんが言うには、有る程度ということだよと教えられました。仙人さんも、夜中、水の侵入を防ごうとテントの入り口の閉じ方や、テントの上のフライヤーの位置などを工夫していた様でした。それでも、あの雨足で、足だけが濡れた程なら、御の字かなと次第に思い始めた。
朝には小雨になり、四時起き、テントの撤収と朝食準備とあっという間に、暖かいコーヒーと昨日買ったおにぎり、持って来た食料を美味しく戴く。着替えは車の中で、雨を覚悟して、最初から合羽を着る。何時も晴れの日しか山に行かない私には、雨もまた、合羽もまた、初体験で有ります。ザックを背負うとズシリと重い。結局、水、食料の持ちすぎだったのですが。二日分ということで、水3リットル、ゼリー250g×4でこれだけで、4kg、この他、行動食などなど、モバイルバッテリーもまた、今回、2個もちにしたので、700gとあっという間に増える!
◻︎初めての雪渓 初めての雨
猿倉山荘に登山届を出し、トイレを借り、曇り空、雨空を見ながら出発する。リーダー、仙人は、大ベテランで、慣れた様子で歩き始める。私は、おっかなびっくりながら、脚力は、きっとあるという自信の元で歩きだす。大雪渓の入口までは、猿倉から白馬尻小屋、そこから大雪渓ケルンまでと近づいて行く。猿倉から白馬尻小屋までは、雪渓と轟音のたてながら流れる川とそこに注ぎ込む沢を横切り進む。白馬尻小屋の展望台では、大雪渓が、臨め、否が応でも、これから気持ちが高ぶる。初めての雪渓、初めての三千メートルだから、なおさらで有ります。大雪渓は、扇型に末広がりが、上方に向かうにつれ、狭くなり、濃霧に覆われている。白馬尻小屋から雪渓ケルンまでの20分の道のりは、高山植物のお出迎えから始まる。目が奪われるが、霧で、フォーカスが甘く、写真がイマイチであります。足元は、瓦礫で、そこを水が流れ込んでくる。瓦礫は、滑りやすく、浮き石にも注意が必要と思いながら歩く。上りは、慎重なので、何事もなく進む。大雪渓ケルンに到着、まだ、人も少なく、アイゼンをたっぷり時間をかけて装着しました。
雪渓も雪にアイゼンが、しっかり食い込み安心して進める。霧が深く前も後ろも遠くは見えず、更に激しく雨が降り出した。合羽は、見事に、雨をはじき返してくれていたが、袖口から水の侵入が始まり、ストックの上下運動に伴い、雨水が、次第に、袖口、腕、全面に広がり、いつの間にか濡れてきた。ただ、身体から熱は奪われていないので、寒いとは感じない。
雪渓は、あちこちに落石があり、落石注意の注意書きが置かれている。今回、一度であるが、落石があった。
落石とリーダーが叫ぶと頭大の落石が10メートル先位を転がって行く。落石落石、叫ぶ。きりがふかく、本当に危ない。雪渓の歩く場所は、落石から距離を置くためであろう丁度雪渓の中央部辺りとされている。結局は、注意して歩くしかない。確かに音無でした。
さて、大雪渓は、平日のせいか人も少なく、のんびりと登りました。ただ、山も空も見えず、雨雨、霧霧なので、途中、休息して、風景を楽しむことも、会話が弾むことなく、ただひたすら歩くという感じで、やっぱり、山は、あらためて、お天気がご馳走と思いました。それでも、雪渓を歩くことは、童心にもどった様で楽しい。
大雪渓を終えると、そこは、岩場の道。岩場の道には、高山植物が咲き乱れている。イワカガミ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、イワオウギ(岩黄耆)、カラマツソウと低木が続く。ただ、上りでは、風雨が酷く、花を楽しむ余裕もなく、残念でしたが、帰りの下りでは、小雨程度なので、ゆっくり楽しめました。特にイワカガミと尾根が重なると、厳しい自然の中での健気な花が素敵です。
岩場の道から小雪渓に移動する。この時点で、風雨がひどく、ザック、合羽の下がグッショリと濡れてきた。合羽も袖口が鬼門の様だ。小雪渓は、ほぼ横に移動する。手作業で雪渓も雪を切り刻み、歩ける様にしたものです。行きは、人が少なく、雨の中で、所々氷結しているために、アイゼンを装着、帰りは、未装着で移動しました。小雪渓の所々には、のぼり、下りが交差出来る様に広めにしてあります。ここを無事に通り抜けると、いよいよ、避難小屋、頂上宿舎です。
◻︎避難小屋〜頂上宿舎 初めての三千メートル級
避難小屋は、大きな岩の陰に守られる様にある。ここから、瓦礫の岩場を歩く。登山道は、紅花苺の低木の間をくぐる様にして進む。その葉は、紫陽花の葉をを小ぶりにした様な感じ、花は、暗赤色の四枚花で、アブチロン似かな?バラ科だがトゲはなさそうだ。花の時期はもうちょっと後だろうか?赤い実もなるそうだ。花の時期には、この赤い花に飾られた登山道。ホワイトレースに似た大きな白い集合花は、清楚で美しい。ホワイトレースフラワーは、結婚式のなとして飾られるのが思い出される。この花は、セリ科のハクサンボウフであろうか?そして、黄色のシナノキンバイが、咲く。ここの周りは、緑に溢れている。花畑の様だ。ちょっと先は、雪に覆われているが、ここだけは、花畑、不思議な距離感だなと思う。ここを抜けると標高2533mと高山植物保護の 案内板がある。(この記述は、下りの時のものである。上りは、雨風が強くぐったり、写真も撮れる状態でなかった。)ここまでくれば、もう少しで頂上宿舎である。更に強くなる雨と風、そして、轟音の水音とともに流れる水、そして、頂上宿舎が見えてきた。約六時間で、猿倉より到着した。まだ午前中だ。
頂上宿舎で一休み後、白馬岳に向かおうとするが、更に強まった雨風で中止して戻る。
◻︎初めて山小屋
山小屋に泊まるのは初めてなので興味津々である。と言っても、この頂上宿舎は、八百人も収容出来る巨大な山小屋で、ちょうど、昔の木の小学校を思い起こさせ、懐かしい。板の間の廊下、学校の教室の様な山に名前がついた部屋は、三人一列の二段が板の間を挟んで並ぶから、十二人部屋。トイレも綺麗だ。何よりも今回嬉しかったのは、乾燥室だ。ここで全てを乾かす。というのは、合羽、ザック、合羽の下のウエア、靴、そして、ザックの中のもの、全部ぐしょぐしょだ。ここで、全部だし、数時間かけて乾燥した。ご一緒した仙人様は、ウエアを乾かすのは、着て自分の体温で乾かすと言ったが、このぬくい乾燥室がありがたかった。この乾燥室で、同じく乾燥室で、ザック乾燥中のベテランさんが、ザックの中に大きな防水袋を入れ、そこにまた、防水の小袋にここに詰めるといいよと教えてくれたので、早速、山小屋の方に45リットルのビニール袋を分けていただき、乾燥したザックの中身を詰めた。学ぶことの多い乾燥室であった。暖かいだけでも御の字と思っていましたが、食事も美味しかった。夜は、早めに眠りについた。
◻︎予定変更
朝四時過ぎに起きるが雨が降っている。一晩中降ったようだ。本来なら、白馬三山の縦走、鑓温泉を経由して、さるくらに戻る予定だったが、このコースが八時間強のコースで、雨風があるので、白馬岳頂上だけを行き、その後、大雪渓を降りる様に変更した。
◻︎白馬岳頂上へそして下山
白馬岳は、頂上宿舎から往復で、一時間程かかる。雨は多少あるが、大丈夫、風が強い。瓦礫を踏みながら、三十分程で、頂上、濃霧で何も見えない。残念残念。頂上宿舎までも下りは、沢山の高山植物との出会いであった。白いハクサンイチゲ、黄色のミヤマダイコンソウ?青のウルップソウ、オヤマノエンドウが咲く。この根もはれないような瓦礫の高山に咲く植物達に感動します。ここで見るから本当に美しい。
下山は、天候の回復の様子もあり、前述の様に、花をゆっくり見ることができた。これも、下山と決めたのが幸いしたのであろう。
下山のときに驚いたのは、数珠繋ぎの沢山の人々が登ってくる雪渓での様子。降りるにも、上り優先で雪渓を下るので、時間がかかった。兎も角も、白馬尻小屋につき、リーダが入れてくれた美味しい珈琲を戴く。
◻︎最後に初めて尽くしとリーダに感謝
初めてのテント泊
初めての雪渓
初めての三千メートル級
初めての雨の悪コンデション
初めての山小屋泊
今回は計画からテント、シュラフ等全ての準備は、リーダがしてくれました。勿論、登山中も大活躍でした。感謝いたします。
轟音と共に流れ落ちる雪渓の水
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