勘七ノ沢
神奈川県
やっくん
- GPS
- 06:38
- 距離
- 8.2km
- 登り
- 955m
- 下り
- 955m
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| 天候 | 快晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2022年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
計画: https://yamare.co/p2592529 参考遡行図: 「丹沢の谷 200 ルート」 P.34-35 (1級上) ・水量: 少なめ〜平水 ・ヌメリ: 奥多摩に多い焦げ茶色のヌメリが多め。 ・岩の脆さ: とても脆い。何もかも信用できないw登攀ではこれと落葉核心。 ・ヒル: ところどころで地面に息を吹きかけたが、一匹も見なかった。足に忌避剤をつけていたこともあり、身体及び装備にも見当たらず。 ・docomo電波：表丹沢県民の森駐車場では入らず。F5大滝上で電波が入る。そのあとはCo.930でまた電波が入る。その後、Co.1100周辺からの詰めでは山荘までずっと電波がある。帰りの小草尾根道は電波なし。下山連絡などは駐車場を出て少し車を走らせてからになる。 ヒルを避けて晩秋〜早春と決めている丹沢での沢登り。が、丹沢の経験乏しく、これから勉強していきます、まずは人気沢から、ということで、先週末の葛葉川本谷に引き続き、この勘七ノ沢へ。 晩秋なので15時までに山行終了することを前提に計画。早く遡行できた場合には塔ノ岳PHも視野に入れてはいたが叶わず。この行程だと、開始時間を早めるか、遡行速度を相当あげなければ無理そう。想定よりも詰めに時間がかかったが、結果的にはほぼ予定通りで山行ができた。 紅葉シーズンだからか、6:30でも朝の表丹沢県民の森駐車場は大賑わい。ある程度混んでいるのは覚悟していたがここまでとは。到着時点で路駐含めて30台近く停まっていたと思う。 水はそれなりに冷たいが、快晴だったこともあり、ガッツリ浸かるのはF3だけ(それでも腰ぐらい)だったので、特に寒さを感じたタイミングはなかった。 フォールナンバーのついた滝を含む、全ての滝をフリーソロで登攀した。持っていたロープ及び登攀ギアは使う機会がなかった。とにかく岩質が脆いのが核心。ガバもとれるとれる。足もどんどん崩れる。そのうえ落葉が多く、掃除をしながら登らないとホールドがわからない/滑るので足が載せられないシチュエーションが多い。フォールナンバーのついている滝には支点や残置ハーケン、お助けスリングも多い。が、ボルトが古く信用できないものもあるので注意。 ■F1 左壁を登った。出だしの数歩が核心。クライミングのムーブとしてはここがこの沢で一番難しい。とはいえ高度が低いところでの核心なので、気軽にトライができる。また、フリクションが良いため、水線突破も可能そうに見えた、が、平水＋水温が高い時期に挑戦してみたい。 ■F2 看板横を登った。高度感と、出だしの数mの岩の脆さが核心。上部で滝の落口側に有効な足が多いため、高所恐怖症な人がいる場合はロープを出したほうが良いと思われる。 ■F3 右壁を登った。腰まで水に浸かる核心。それだけ覚悟できれば難しいことはない。残置スリングも2本ほどあり簡単にへつれる。ちなみに最初は左壁をトライした(水に浸かりたくなかったので)が、地味にホールドが外傾＋ヌメっていたためリスクを感じ、諦めた。 ■F4 1段目は普通に右を登り、2段目は右ルンゼを登った。クライミング自体に特に難しいことはないが、1段目を登り切るとずっと水飛沫を浴び続けるので寒いのが核心。高度感はあるものの、ホールドがポジティブなのと、ルンゼに入ってしまえば安心できるので高所恐怖症な人でもロープ無しで行けそうな気がする。 ■F5 左バンドから看板下をトラバースし、そのまま左壁を直上。この沢の核心。ほぼ全てのホールドが外傾していて、水飛沫で湿っている。ここはクライミング経験の乏しい人や、ソロでは迷わず巻くべき。また、フェルトソールでもかなり難しいのではないかと思う。中間地点(下から8mぐらい)で、かなり小さいホールドを足で踏まないといけないムーブが存在し、ここはラバーソール、あるいはクライミングシューズのほうが万全かと思う。そこさえクリアできればあとは��+ぐらいだが、ここは�犬△襪隼廚Α�そしてそのムーブをこの高さで繰り出せるかが肝となる。かなりの数ある残置ハーケンやスリングはかなり古いもので信用できないので軽く触る程度に。手のホールドは探せば割と良いものがある。 詰め。 Co.1030周辺で沢は伏流になってしまい、水流がなくなるのでこの辺りからを詰めと呼んでいいと思う。そこからの沢筋はガレガレボロボロの詰めよりもキツい詰めになった。特にCo.1070から花立山荘に向けて沢筋を詰めたのはそれに加えて斜度もあり、バイルによる補助なしでは傾斜を登るのは難しいシチュエーションも。途中で水流が少し復活し、大きめのトイ状滝があるが、一瞬で終わる。その後、Co.1200からは藪こぎ…まではいかないが、トゲのある草木などを縫って山荘まであがっていく。踏み跡がかなりたくさんあってどれを追うべきか迷った。山荘直前でようやくご褒美としての最高の眺望がある。赤い屋根の花立山荘は斜度の関係上、かなり近づかないと建物が見えないので、GPSを信じてギリギリまで頑張る。山頂周辺にはかき氷を食べている登山者がたくさん。そんな中「どっから来たの」という方向から突然登場する沢ヤという構図に。 下山はバカ尾根を少し下り、堀山の家から小草尾根道へ。この道では誰にも会うことはなかったw「道迷い遭難が多い」と警告票があるが、確かに迷いやすい尾根道だと思う。が、ピンクテープなどはしっかりあり、危険なところにはロープも貼られているので、疲れて視界が朦朧としていたりしなければ問題ない道。ただ、この道での登りはずっと木の根でしんどい感じになりそうなのでオススメしない。ちなみにこの道は事故が多く、最近登山系の地図から消されたようなので、今後は整備などされないことも考えられるので利用時は慎重に。 |
| その他周辺情報 | ラストコンビニ: セブンイレブン 秦野戸川店 ラストトイレ: 表丹沢県民の森駐車場 下山後温泉: 湯花楽 秦野店 |
写真
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この辺りの左岸からエスケープが可能、ダルい詰めをしたくなければここからあがっていくとちょうど大倉尾根のCo.1128ベンチ広場に出る
小草平ノ沢渡渉点から見えた小草平ノ沢のゴルジュ入口、5m。こちらも滝登攀としては楽しい沢らしいのでいつか機会があれば(堀山の家まで詰めるコースになる)。
装備
| 個人装備 |
グローブ
雨具
着替え
昼ご飯
行動食
非常食
ハイドレーション
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
携帯
時計
タオル
ハーネス
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
スリング
セルフビレイランヤード
参考遡行図
地形図
バイル
ロープ(8mm30m)
クイックドロー
カム数本
アッセンダー(タイブロック)
マイクロトラクション
ハーケン数枚
特小無線機(1台携行/1台を車に残置)
ナイフ
ヒル忌避剤
ツェルト
ウルトラライトダウン(緊急時用)
|
|---|
感想
丹沢を本格的にやるならまずは、葛葉川本谷、勘七ノ沢、水無川本谷、この3つにはご挨拶いっときたいな、の第2弾。第1弾の葛葉川は5日前に遡行した( https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4846735.html )。この3つではもっとも滝登攀要素が強い沢だったのでビレイヤーが欲しかったが、パートナーが見つからずソロで。
F1からF5まで、全てが綺麗に違う登攀要素を持った面白い遡行だった。ムーブのF1、乾いた横壁だが高度感のあるF2、深い釜とヘツリのF3、ミストシャワーと凹角ルンゼ登りのF4、真正面から直登するザ・大滝登攀なF5。それぞれで必要なスキルが違い、まさに初・中級者向け滝登攀のデパートといった感じ。
難しく感じたのは、皆さんの記録とほぼ同じで、まずはF1の出だしのワンムーブ。ただここは高度がほぼ無い(1mぐらい、下は砂利)ので、出来るまで何度もやり直せるので精神的には気楽。
そしてF5。ここは釜も浅く、出だしが高さ4mぐらいのバンドから始まることもあり、そこから登り始めたら登るしかない。残置ハーケンはあるにはあるがほぼ腐っていて体重をかけるほど信用はならない。そして6mらへんでムーブとしては難しくないが、小さなスタンスを踏むところが核心。最低でもラバーソール、あるいはクライミングシューズが必要だと感じた。そもそもソロならF5はおとなしく巻くほうが良いと思います。
また、今回はソロだったのでフリーソロで登ってしまったが、人がいれば120%ロープを出すべき危険な滝。この規模の大滝でのフリーソロは初めてだったが、緊張感から出るアドレナリン量が半端なく、登攀後は高揚感がすごかった。フリーソロとはできるかどうかじゃなく、やると覚悟を決めるかどうかなんだなと改めて。とはいえ、本当に楽しかった。クライミング出身者で良かった。
F5を超え、連瀑ゴルジュを過ぎると、ザレなどで渓相が一気に荒れてしまい、水流もなくなってしまうので、ほぼ遡行価値はない。どうしても花立山荘からの眺望が見たい、あるいはかき氷やおしるこが食べたいなどでなければ、Co.890左岸から大倉尾根へあがって遡行を終了するのがちょうど良い。Co.1100ぐらいからの詰めはザレていて本当にダルくしんどかった……。
晩秋なので15時までの下山を計画していて、時間的に可能であれば塔ノ岳PHも計画に入れていたが、今回の遡行速度及び内容では開始時間を早めるしかなさそうだった。Co.890から大倉尾根にあがれば可能だったかもしれない。なお、計画にミスがあり、CTで引いただけで休憩時間がまったく入っていなかった…。それで大体計画通りの時間だったのでCTx0.7ぐらいのペースだったと思う。
帰りの小草尾根は最近の登山地図からは線が消された道迷いの多い尾根道。そこまで荒れてはいなかったが、確かに途中で「あれこれどっちだ？」となる箇所が何箇所かあった。テープも豊富で、危ない箇所にはロープなどがありはするが、今後メンテナンスされるとも思えないので、利用の際にはGPSを見ながらが良さそう。
初級者だけでの入渓はやめましょう。沢での滝登攀の技術を持った人に連れてきてもらうのをオススメします。
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