【越美】夜叉ヶ池のそばの隠れ池,「古池」再訪


- GPS
- --:--
- 距離
- 6.1km
- 登り
- 697m
- 下り
- 687m
コースタイム
天候 | 曇り,時々雨,時々晴れ間 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
再訪するなら春,雪解けの直後に,と考えていたあの場所に,さっそく行ってきました。 【ルート状況】 ・ 夜叉ヶ池登山道に続く岩谷林道はまだ冬季閉鎖中だが,既に雪はないので自転車の活用可。 ・ 夜叉ヶ池まではごく一般的なハイキングコースなので説明は割愛。雪は稜線付近や谷筋に断片的に残っているだけなので,雪山装備は不要。 ・ 夜叉ヶ池から古池までは,一旦稜線に上がり,夜叉ヶ池の東側の小ピークを越えた小さな鞍部から斜面を北西方向にダイレクトに下るのが最短かつ最も迷いにくいルートと思われる(今回,行きで通ったルート)。この時期であれば藪もそれほど濃くなく,ごく短時間で古池まで行きつくことができる。もちろん,今回の帰路ルートのように,稜線を経由せずに夜叉ヶ池から直接古池まで行くことも可能で,むしろブナの森を楽しむにはこちらのルートのほうが良いくらいなのだが,登山者が多い時期は夜叉ヶ池の木道から外れて歩き回ると何かとややこしいので避けたほうが無難。 |
写真
感想
夜叉ヶ池の北東側,藪をかき分けたその先に,もう一つの池がひっそりと存在している。「古池」と呼ばれるその池に,昨年も暮れに暮れた12月29日,わざわざ吹雪の中を訪問した。もちろん池は深い雪の下に埋もれていたが,小広い雪原の隅に黒く凍り付いた水面が覗いていて,その場所に確かに池が存在していることを感じることができた。
参照した文献(「秘境・奥美濃の山旅」)によると,この「古池」は水が少なく,半ば湿地のような状態とのことだが,春の雪解け直後であれば,ある程度の水量を湛えているのではないか。そう考えて,越美国境の山々からあらかた雪が消え,麓から新緑が駆け上がり始めたこの時期に,さっそく再訪してきました。
古池は確かに存在しており,予想どおり黒々とした水を湛えて,ブナの森と笹薮の間から姿を現してくれた。ただ,池の中央には植物の遺骸が分厚く堆積しており,夏季には水量の減少と相まって,これらの植物が水面に悉く繁茂し,文献にあるとおり,本当に湿地のような状態になってしまうのだろう。稜線から外れた狭い盆地に位置しており,周囲を鬱蒼としたブナの森に囲まれていることもあり,何となく暗い陰りのある池であった。
地形図を見るとわかるが,夜叉ヶ池とこの古池は,同じ緩傾斜帯に隣り合って形成された,ほとんど兄弟のような(姉妹のような?)池のはずである。それなのに,夜叉ヶ池は真夏でも澄んだ水を湛えた明るく高原的な池であるのに対し,こちらの古池はどうして水量が少なく,薄暗い湿地のような池になってしまったのだろう。おそらくこの2つの池の明暗を分けた地質学的な原因があるのだと思うが,有名な夜叉ヶ池だけでなく,このマイナーな古池もセットで眺めると,越美国境稜線の北西側に形成されたこの小さな緩傾斜帯は,なかなか興味深い場所のようにも思えてくる。
ところで,夜叉ヶ池には夜叉姫の伝説があるが,この古池にも何か言い伝えがあったのだろうか。鳥の声もない沈黙のブナの森に囲まれて,古池のどこか謎めいた黒い水面を見つめていると,何らかの伝説が生まれてしかるべき場所のような気がしてくる。現代には伝わらなかった伝説が,その仄暗い水底に今もなお沈んでいるような…。
※ 2022.12.29に古池を訪問した際の記録はこちら
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5037715.html
一昨日 この古池へ行ってきました。
静かに佇む池とブナの新緑が素晴らしく とっても楽しかったです。
自分では思いつかないところ紹介して下さって本当に感謝です。
ありがとうございました!
それと先日の車への置き手紙失礼しました。
嬉しくってつい、、、
こんばんは〜 コメントいただきありがとうございます!
古池、行かれたんですね! まだ水ありましたでしょうか? 私が再訪したときは、まだ稜線近くは芽吹きが始まっていなかったので、新緑の古池、うらやましいです。
置き手紙、嬉しかったですよ〜。ありがとうございました! 最初は警察か地元の方からのお叱り文かと思ってドキドキしましたが…笑 神又峰の尾根も、楽しそうなルートですね。大変参考になりました。
はじめまして! そんな言い伝えがあるんですね〜、大変勉強になりました。お妾さんというと、龍神のお妾ということですよね。なるほど、正妻のいらっしゃる夜叉ヶ池から見えにくい箇所に古池があるのも、ゆえあることなのかもしれないですね😅
40年前に登られたときも、やはり同じように湿地のような池だったのでしょうか。貴重なお話、ありがとうございました。
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