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記録ID: 547042
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ハイキング
富士・御坂

富士山人穴口登山道調査

2014年11月15日(土) [日帰り]
情報量の目安: S
都道府県 山梨県 静岡県
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
07:04
距離
24.5km
登り
1,372m
下り
1,357m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
7:00
休憩
0:04
合計
7:04
距離 24.5km 登り 1,372m 下り 1,373m
6:47
204
スタート地点
10:11
10:14
65
11:19
11:20
151
13:51
ゴール地点
上井出林道ゲート部6:48――7:46十万石林道分岐点――8:40大沢――9:25北山林道の大沢9:45――10:00滑沢出合――10:45引き返し点――11:30滑沢出合11:47――11:57北山林道の大沢――12:26上井出林道――13:50上井出林道ゲート部
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2014年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
・上井出林道
  いくつもの林道と交差するが、交差する林道の名前標識があるので交差部で間違えることは無い。大沢手前で新しい林道ができており、そちらの方が道はしっかりしているので入り込んでしまったが大沢から離れていくので戻り、交差部を右に少し行けば大沢であった。大沢を左岸に渡る。
・上井出林道〜北山林道大沢出合
  登り時は境界標識を頼りに森の中を歩いたが下りは大沢左岸沿いにりっぱな林道(一部舗装)があり、それを歩いたら上井出林道の大沢出合に出ることが出来た。
・北山林道大沢出合以降
  北山林道は途中で分岐し大沢出合部は2ケ所あるが上の出合部で大沢右岸に移動。三つ沢方面に少し行ってから上の尾根上部に上がる。沢から離れないように歩いていくと15分位で滑沢に出る。後は滑沢を詰める。
・滑沢
  最初は名前の通りナメ状の沢床で非常に歩き易い。1750m以降は大石の累積する普通の沢状態となり、5m〜8m位の岩棚が2ケ所出てくる。最初の岩棚の壁は右側を登り、2番目の岩棚は中央やや左側を登ったが非常に難しく、下りは同じところを降りることは出来ず、右側を滑り落ちることも覚悟して必死で降りた。
 このような状況が更に出てくる可能性があり、大沢休泊所まで行けなかったが引き返すことにした。この時点で大沢右岸に藪をこいで行けば富士山お中道の大沢休泊所から大沢を渡るために降りてくる踏み跡を発見できたかもしれないが無理をせずに退散。

人穴登山口の道については私が調べた範囲ではイギリス大使館員のアーネスト・サトウ著「明治日本旅行案内 中巻 ルート編」の中で富士登山「人穴口からの登山」しかルートを推定できる文献は無い。それによると人穴部落から1時間で大沢に出て、3時間ほど大沢を登りその後は大沢のすぐ横の滑沢をお中道まで登っていると推定される。
人穴口登山道について興味のある方は私の下記日記を参照して下さい。http://www.yamareco.com/modules/diary/3438-detail-42938
上井出林道行く途中の富士山
2014年11月15日 06:35撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
2
11/15 6:35
上井出林道行く途中の富士山
朝焼けの毛無山塊
2014年11月15日 06:35撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
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11/15 6:35
朝焼けの毛無山塊
上井出林道ゲート
この前に3台程度駐車スペースあり
2014年11月15日 06:48撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
1
11/15 6:48
上井出林道ゲート
この前に3台程度駐車スペースあり
上井出林道の標識
ゲート口のみに出ている。
以降は表示なし。
2014年11月15日 06:48撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
11/15 6:48
上井出林道の標識
ゲート口のみに出ている。
以降は表示なし。
上井出林道からの富士
2014年11月15日 07:33撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
3
11/15 7:33
上井出林道からの富士
十万石林道分岐部。
上井出林道は右f方向
2014年11月15日 07:46撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
11/15 7:46
十万石林道分岐部。
上井出林道は右f方向
霜柱。
麓でも完全な冬だ
2014年11月15日 08:34撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
1
11/15 8:34
霜柱。
麓でも完全な冬だ
大沢手前の新しい林道との分岐。右に行けばすぐに大沢
2014年11月15日 08:38撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
11/15 8:38
大沢手前の新しい林道との分岐。右に行けばすぐに大沢
上井出林道の大沢からの富士
2014年11月15日 08:40撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
1
11/15 8:40
上井出林道の大沢からの富士
上井出林道の雨量測量計
2014年11月15日 08:47撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
11/15 8:47
上井出林道の雨量測量計
境界標識。北山林道へはこの標識を捜しながら進む。
2014年11月15日 08:56撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
11/15 8:56
境界標識。北山林道へはこの標識を捜しながら進む。
北山林道大沢からの富士
2014年11月15日 09:25撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
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11/15 9:25
北山林道大沢からの富士
富士宮方面
2014年11月15日 09:28撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
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11/15 9:28
富士宮方面
三つ沢部の大滝
2014年11月15日 09:41撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
1
11/15 9:41
三つ沢部の大滝
大沢の三つ沢部
2014年11月15日 09:43撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
1
11/15 9:43
大沢の三つ沢部
滑沢出合部
2014年11月15日 11:30撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
11/15 11:30
滑沢出合部
滑沢
2014年11月15日 11:08撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
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11/15 11:08
滑沢
次第に岩が多くなる
2014年11月15日 10:05撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
11/15 10:05
次第に岩が多くなる
滑沢の8m位の岩棚
2014年11月15日 10:17撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
11/15 10:17
滑沢の8m位の岩棚
5m位の岩棚
2014年11月15日 10:39撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
11/15 10:39
5m位の岩棚
これ以上は登っても下れないと判断して引き返す
2014年11月15日 10:47撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
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11/15 10:47
これ以上は登っても下れないと判断して引き返す
帰りの北山林道大沢からの富士
2014年11月15日 12:01撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
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11/15 12:01
帰りの北山林道大沢からの富士
上井出林道の大沢
左に行けば大沢沿いに良い道で北山林道大沢部まで行ける
2014年11月15日 12:26撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
11/15 12:26
上井出林道の大沢
左に行けば大沢沿いに良い道で北山林道大沢部まで行ける
帰りの上井出林道大沢部から
2014年11月15日 12:27撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
11/15 12:27
帰りの上井出林道大沢部から
滑沢中流部
2014年11月15日 12:59撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
11/15 12:59
滑沢中流部
滑沢下流部
2014年11月15日 13:28撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
11/15 13:28
滑沢下流部
マムシグサの実
2014年11月15日 13:49撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
11/15 13:49
マムシグサの実
良かった。銃で撃たれなくて。
2014年11月15日 13:50撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
1
11/15 13:50
良かった。銃で撃たれなくて。
人穴浅間神社
2014年11月15日 14:05撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
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11/15 14:05
人穴浅間神社
富士講開祖の長谷川角行が修業したと言われる人穴
2014年11月15日 14:06撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
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11/15 14:06
富士講開祖の長谷川角行が修業したと言われる人穴
富士講の遺跡群(世界遺産構成要素)
2014年11月15日 14:07撮影 by  PENTAX Optio W60, PENTAX
11/15 14:07
富士講の遺跡群(世界遺産構成要素)
撮影機器:

感想

 富士宮から富士山への登山口は歴史上は5ツあった。富士山登山道最古の村山口、新大宮口、カケスバタ口、上井出口、人穴口である。人穴口以外は部分的ではあるが実際に歩いて調査をしてきた。しかし人穴口については文献が非常に少なく郷土研究史家の先生たちに聞いても判らなかった。
 そこで唯一、ルートが推測できる明治時代のアーネスト・サトウ英国大使館員の紀行文的な資料から推測すると人穴部落から1時間で大沢に出て、大沢を3時間ほど上り詰めている。現在の県道75号線では人穴部落から5Kmほどで大沢に出るので徒歩約1時間である。そこから大沢を詰めると3時間前後で大沢の三つ沢部分に出ると推定される。文の内容から定かではないが三つ沢から上の部分は大沢の横の滑沢を大沢休泊所まで登っているようである。
 現在、白糸の滝付近から大沢を登ることは土砂積止め堰堤の連続ではばかれそうなので人穴部落はずれから出ている上井出林道で三つ沢近くの大沢まで行き、滑沢を詰めることを計画した。
 上井出林道は富士森林組合に連絡して許可を貰い、大沢まで車で行くこととも当初考えたが、調査目的ではやはり歩くべきだと思い直し、林道入口のゲートから歩き始める。
 順調に上井出林道の大沢出合に到着。この地点は上井出口登山道調査で曽我兄弟の墓所から歩いている。上井出口は昭和3年の国土地理院の地図ではこの上の北山林道の大沢出合以降は人穴口登山道を踏襲していると考えられる。
 北山林道大沢出合で大沢右岸に渡り、以前に予備調査していた部分を尾根状部に上がる。しばらくすると滑沢にぶつかる。その後は滑沢を詰めることにした。1750m付近までは沢床はナメ岩で非常に歩き易い、実際に歩いてみてなるほど、この沢を登山道とした訳が良く理解できた。
 しかし次第に岩棚などが出てきて登るのに苦労させられる。登るのは無理して登ることはできても下ることは出来そうもない。これ以上、70歳間近の単独行では無理と判断して下りることにした。
 お中道の大沢休泊所までは行けなかったが人穴口登山道のおおよその概念は判ったので良しとした。実際は滑沢を詰めるより、今の草枯れ時期だったならば大沢右岸沿いを詰めたほうが楽だったかもしれないがアーネスト・サトウの文から自分なりに推定したルート取が出来たことに満足して下山した。

これで富士宮の5登山口の調査はいったん終りとするつもりである。各登山口について中途半端で終わってしまった部分はあるが個人の調査では限界かなと諦めることにした。興味のある方は以下の各登山口の説明日記及び調査記録を覗いて見て下さい。

各登山口の説明日記
 http://www.yamareco.com/modules/diary/3438-category-7
消えた富士山大宮登山道調査
 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-204106.html
富士山新大宮口(カケスバタ口)調査
 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-214517.html
消えた富士山大宮口登山道調査―3
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-228147.html
富士山上井出口登山道予備調査(北山林道)
 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-232899.html
消えた富士山大宮新道(補完調査:旧一合目)
 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-235446.html
消えた富士山大宮口登山道調査再開・・・敗退
 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-271044.html
消えた大宮新道&カケスバタ登山道調査
 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-281292.html
富士山上井出口登山道
 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-286123.html

                     

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コメント

有害鳥獣
面白そうなので行ってみようかなぁと思いながら拝見していたら・・・立ち入り禁止ですか〜。
他にも麓で遊べそうなところがありそうなのでヒデさんの記録で探してみます。
2014/11/16 7:38
Re: 有害鳥獣
普通の人が立ち入らないような区域でしたので誤って撃たれないかとビクビクでした。
実際に鹿には4回程出くわしましたが、最近は鹿駆除も実施されていますから注意しないと。ニュースの種にはなりたくないですからネ。
2014/11/16 15:16
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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