南蔵王周回 スノーシュー使ってみた
![情報量の目安: S](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
- GPS
- 07:09
- 距離
- 13.8km
- 登り
- 1,199m
- 下り
- 1,171m
コースタイム
天候 | 曇り 時々小雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
スキー場はプレオープンしており、クワッドリフトのみ動いてました。 本営業は19日からの予定、との事です。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
水引入道→屏風岳→不忘山の順に南蔵王を周回するルート。 白石蔵王スキー場がOPENすればリフトが利用できるので、 逆ルートの方が成功率は高いと思う。 ●白石スキー場〜神嶺林道〜水引入道 トレースは無いが、雪が締まっており歩きやすい状態。 登山道通りに進んでも良いが、雪が積もった事で灌木は隠れ、ショートカットが可能。 ツボ足では沈むがスノーシューでは殆ど沈まず、ラッセルの負荷は殆ど無かった。 眺望の利かない樹林の道で積雪期にトレースがある事は殆ど無いので道迷い注意。 ●水引入道〜屏風岳 水引平から稜線への登りは傾斜が厳しい。 雪は深いが一部クラストしている箇所があり、ワカンやスノーシューでは危険かと思う。 ここの登りではアイゼン(12本爪)とピッケルを使用した。 ●屏風岳〜南屏風岳〜不忘山(縦走路) 稜線上は強風域なので、風の強い日は注意。(特に南屏風付近が過酷) また、広尾根で迷い易い地形なので、視界が悪い日も避けた方が無難。 天候さえ良ければ困難な箇所は無い稜線だが、荒れると危険。 稜線上の雪は硬くクラストしているので大部分は歩きやすいが、 屏風岳の樹氷原では踏み抜きが多い。 ●不忘山の東尾根〜白石スキー場(冬期ルート) 夏道との合流点付近が細尾根なので風の強い日は滑落注意。 尾根の上部は雪付きが良く、灌木の大部分は隠れており歩きやすいが、 下部は所々で薮漕ぎ。 尾根を降りた後は広い雪原歩きを経てスキー場ゲレンデTOPへ出るが、 まだ完全に薮が隠れた訳ではないので、ここでも所々で薮漕ぎになった。 一応、冬期ルートとして利用できる状態にはなっているが、 もう少し薮が埋まってからの方が快適に歩けそうだ。 まだ利用者はいないようで、トレース無し、ピンクリボン等の目印も無しなので、 ルートファインディングが難しいかもしれない。 第2リフト、第3リフトのどちらに出ても良いが、今回は薮の隠れ具合が良さそうな 第3リフト側へ下山した。 |
写真
この道標で進路が変わり、不忘山へ行くには左へ進路をとる。
正面に進んではいけないよ。
間違いやすいので注意しよう。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
バラクラバ
着替え
靴
ザック
アイゼン(12本爪)
ピッケル
行動食
非常食
水筒(保温性)
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
携帯
時計
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
ポール
ゴーグル
スノーシュー
|
---|
感想
スノーシュー、という道具が世に広まり出した頃、一度私は使ってみた事があり、
「これは雪山登山では使い物にならない」という否定的な感想を持った。
平地では浮力があって使い勝手は良いが、傾斜が出ると途端にダメになる。
登攀力は皆無に近く、横滑りが激しくトラバースにはとても使える代物ではない。
「西洋カンジキではダメだ。やはり、日本の山にはワカンだろう。」
そう思い込み、私は長年にわたって、どんな雪山であろうともワカンを使ってきた。
だが、それは大きな間違いだったようである。
スノーシューにはトレッキング用と登山用があり、過去に私が使ったのは
トレッキング用だった。
当然、それでは山で有効に使えるはずは無い。
長年にわたってスノーシューに対して間違った認識を持っていた私であったが、
山で会う登山者の話やヤマレコユーザーの記録を拝見するにつれて、
その有効性に気づかされて行く。
そして、今回、導入を決めた。
「どうせなら買うなら後悔しないものが良い」という事で、購入したのは…
MSR ライトニング アッセント
多くの方がこのスノーシューを勧めているようなので、これに決めた。
お値段、ワカン4個分。
最初のスノーシューなのに、最高クラスのものを買ってしまったょ。。。
来週からの昼食がアンパン1個になりそうで、少々不安であるが、
その試用、という事で今週も南蔵王へ向かってみた。
目指すのは、南蔵王の水引入道。
これまで何度もこの道を歩いたが、積雪期に登山者に会った事は一度も無い。
当然、トレースは期待出来ない登山道だが、緩傾斜もあれば急傾斜もある。
スノーシューの真価を見極めるには良い道だろう。
当初の予定では水引入道のピストンにするつもりだった。
この登山道の雪は深い。
たとえスノーシューであろうとも、水引入道までが限度だろうと思っていた。
だが、その予想は良い意味で裏切られた。
雪質が良かった、と言うのもあるが、スノーシューの浮力はワカン以上に高く、
その登攀力は素晴らしい。
一番懸念していたのが横滑りだが、ライトニング アッセントには全周に刃が付いており、
トラバースにおいても強いグリップ力を見せた。
ヒールリフターは登りでの負荷を軽減させる効果があり、休憩で立ち止まる頻度も少ない。
山行は順調に進んで行く。
過去にワカンで登った時には5時間は費やした水引入道であるが、今回はたったの3時間。
いくら雪質が良かった、とは言え、この速さは驚きであった。
時間はまだ12時。
この時間であれば、更にその先の屏風岳も狙えるだろう。
ガスがかかっており、屏風岳は見えなかったが、風は弱い。
条件は悪くなかったので、屏風岳へ登り、更に不忘山まで縦走してみる事にした。
水引平から稜線への登りは急登なので、そこでは流石にアイゼンを使用したが、
その後の行程は再びスノーシュー使用。
白石蔵王スキー場に下山するまでスムーズに進み、南蔵王の周回は成し遂げられた。
私の場合、積雪期は1泊2日で回っているコースなので、日帰り出来るとは思っておらず。
やはり、スノーシューの効果は大きかった。
もちろん、長所だけでなく、欠点も幾つか見受けられる。
山や積雪状況に合わせて、ワカンかスノーシューかを選択する必要性は感じる。
しかし、現時点では今後の活躍に期待が出来そうである。
東北の山は雪深い。
一人で登るには厳しいラッセルは避けられず、私はソロでの雪山登山の限界、
というものを感じていた。
だが、それは見直さねばならない。
新たに手(足?)にしたスノーシューという山道具。
これは、ソロでの雪山登山の新たな可能性を感じさせる。
これまでは、その豪雪から避けていた多くの雪山も・・・
もしかしたら、登山対象として考える事が出来るかもしれない。
MSR ライトニング アッセントは、そんな可能性を感じさせる素晴らしい道具であった。
今晩は。Luskeサンお久しぶりです。
こちらは空と山を見上げながら雪質の状態を想像し、悶々とした日々を一月以上続けてました。毎年この時期は年内中にもう少しと言う気持ちと、ミゾレと踏み抜きが怖くて腰が重くなる気持ちの綱引きで山へ向う回数が極端に減ってしまいます。
不忘山の上部はクラストしてたのですね。
自分でも登れたのでしょうか???
チャレンジしてみれば良かったと後悔しながら、今夜もヤマレコ見ながら夜更かしで明日もダラダラ過ごしてしまう事でしょう。
で、毎回質問ばかりで申し訳ないのですが、実は自分も大のカンジキ派でした。
しかし深雪のラッセルでLuskeサンと同じように限界も感じてしまい、スノーシュウの検討し始めた時のタイムリーな今回の記録でした。
感想に書かれていたMSRの欠点、もし良ければ教えていただけないでしょうか?
チナミに自分が検討しているのはモンベルのアルパイン スノーポンでした。
考えるに、スノーシューの欠点は下りにカカトのキックステップが出来なそうなイメージでしたが、コレなら構造がカンジキに近く使えるのかと?。
何より値段も手ごろだったので(笑)。
どうぞよろしくお願いします。
不忘山の手前辺りからクラストが目立ち始め、稜線上は殆どの箇所がクラスト、て感じでした。
もちろん、クラストだけでなく深雪の場所もあり、屏風岳の樹氷原は雪深いのでラッセル要です。
不忘山は、それ程難しい山ではないので、充分登れると思いますよ。
1月以降になれば、今回歩いた冬尾根が歩きやすい状態になるので、更にオススメです。
南蔵王にしては入山者が多い山ですので、トレースがある場合も多いです。
山形にお住まいのyuufunさんには少し遠い山かと思いますが、もし宮城を訪れる機会があれば登ってみては如何でしょうか^^b
スノーシューの購入は、今回が初めてとなります。
一番の欠点は、皆さん仰られてますように大きさでしょうか。
日帰りなら良いのですが、自分の場合は1泊装備の場合がありますので、その際のレイアウトは再検討しなければなりません。
自分のスノーシューは最も軽量な物ですが、それでもワカン以上に重いので、山泊まりの時は苦労する事になりそうです。
歩行面では、岩雪のミックスルートが苦手です。
今回の周回では、不忘山の稜線側がミックスルートでしたが、そこの通過は苦労しました。
ワカンと違って、岩の小さなくぼみに足を掛けられないので、いっその事、外して登ろうかと思いました^^;
あと、岩だと傷つくのが心配で・・・
貧乏性の私は、大金を費やした道具が傷つくのにとても抵抗を感じてしまいます><
ワカンだったら、いくら傷ついても気にならないんですけどねぇ・・・
こんばんは
Luskeさんがスノーシュー!MSRかー、なるほど(^-^)
途中アイゼンにかえていらっしゃいますが、外したスノーシューはどのように持ち運びましたか?
付け替えを想定するとスノーシューってでかくて嫌なんです…私のはさらにでかいので…
スノーシューの持ち運びは悩むところですね。
私は、雨蓋で挟むようにして持ち運んでます。
今回UPした泉ヶ岳のレコに、運搬状態の写真を載せてみました。
ちょっとバランスが悪いので改良を検討してますが、とりあえずはコレで何とか運べてます。
日帰りはこれでも良いのですが・・・
問題は幕営道具等を積載した大型ザックの場合。
これについては、どのように固定するか検討中です
Luskeさん、おはようございます。
私もMSRライトニングアッセント22使っています。
今までの使用で特に不満に思ったことはないのですが、やはりワカンより重くてデカいので携帯するのが大変ってことでしょうか。
購入の時、重量でライトニングにするかRevoにするか迷って結局ライトニングにした思い出があります。
私は最初からスノーシューだったので最近逆にワカンも購入しようかと考えているところでした
先日、笹谷峠でお会いした際、こっそり足回りを拝見させて頂きました。
あの時はお話する機会はありませんでしたが、もし話す機会があったなら、私の第一声は「良いスノーシュー履いてますね〜」だったかと思います
私もRevoにするか悩みました。
素材がプラスチックなので耐久性が気になって見送りましたが、値段、重量を考えるとRevoも良さそうですね。
スノーシューでは苦手とする状況もあるでしょうから、ワカンも所持してると尚良し、という所でしょうか。
さすがに2つ共持参する気にはなれませんが、状況判断して、どちらかを選択する、
というのも雪山登山らしくて面白そうです。
Luskeさん、今週もお疲れ様です。
ワカンとスノーシュー・・・悩ましいところですね。
私の持っている安物のスノーシューでは、トラバースと下り急勾配では危険な状態です。
急な登りでもリフターが無いためか、ふくらはぎの筋肉痛で後悔することが多く、神室山などでは逆ハの字に足を開いてスキーの様に登っています。
今シーズンは機能的なスノーシューを検討しなければ・・・と思いつつも、予算が?
スノーシューは、値段も昨日も様々ですので、どれを選ぶか迷いますね。
私が以前試用したスノーシューはスパイクが甘く、トラバースや急こう配は危険に感じました。
ですが、今回、私が購入したのはどちらについても試用したものより優れており、同じスノーシューとは言え、その機能には大きな違いがある事を思い知らされました。
対応出来る傾斜角には限界がありますので、限界以上はアイゼンの出番になりそうですが上手く使い分けて行きたいと思っております。
リフターはとても使い勝手が良いです。
今日は泉ヶ岳で使ってみたのですが、登りでの足の疲れは軽減され、むしろストックを握っている手の方が疲れてくる位でした
Luskeさん、こんばんは。
いつも素晴らしい記録をどうもありがとうございます。
お尋ねしたいのですが、現在の進化したスノーシューはヒールリフターの導入等で登坂能力は格段に向上しているようですが、下りはどうですか?
というのは、自分は山スキー&ワカン派でして、以前スノーシューを試したときに下りのコントロール機能に不足を感じ(下り斜面では斜面に平行な体勢を取るしかなくスピードコントロールができない)、浮力の魅力はあっても総合的にはスノーシューの優位性に疑問を持っています。自分が試したのは発展途上中のスノーシューだったので、最新鋭のスノーシューはどんな進化があるのか知りたいです。
下りの安全性・操作性に関して、経験豊富なLuskeさんの印象をお聞かせいただけますと幸いです。
いやいや、そんな経験豊富ではありませんので^^;
(でも、そう言われて内心嬉しい心)
まだ2回しか使っていないので、スノーシューの機能を完全に把握した訳では
ありませんが、緩斜面の下りなら問題ありませんが、急斜面だと厳しい感じです。
急斜面の下りでは、やはり斜面に平行な体勢を取るしかなく、
圧雪状態なら行けるでしょうが、クラストしたら無理そうです。
今回レコで歩いた領域内では、大抵の箇所はスノーシューで下れましたが、
水引平から稜線に上がる道、についてはスノーシューで下れるようには思えません。
やはり、急斜面の下りはアイゼン使用が無難かと思います。
昔に比べるとスノーシューの機能は向上しているかと思いますが、
構造上、下りでの制動力には限界があるように感じます。
私はアイゼンとの併用で使って行きたいと考えております。
るすけさん おはようございます。
実に自分にとってタイムリーな話題でした。
自分も実はおなじものを入手し八ヶ岳の東面、人っ子一人はいらない尾根で試してきました。
全く同じ感想を得ました。特に冬はソロで行くと重量がかさむのでもはやワカンでは浮力を得られるレベルではないと思います。
22インチは賛成です。ちなみにフローティングテールという5インチアップさせる魔法の浮板(4500円)くらいをつけるとさらにいいです。重さも両方で300g。下りでは簡単に取り外せるので取り回しも25インチよりいい。ただトラバースの仕方にコツがいりますね。自分も慣れている人に教わりました。
そんなすばらしいギアでも、新雪の急登はずるずると滑りました。
まだまだ修行が足りません
なんと、metaさんも入手しましたか@@
metaさんとは、確か沢靴(アクアグリッパー)も一緒ですね。
さすがは違いが解る男、小生と同じく目の付けどころが良いですなぁ
(自画自賛、乙)
25インチとどちらにするかも迷いましたが、私も取り回しの良さを優先し、
22インチを選びました。
これよりも大きくなると、ミックスルートや木の根混じりの道などで
支障をきたしそうなので、良い選択だったと思っております。
魔法の浮板、これも試してみるつもりです。
残念ながら、店頭には置いてなかったので、現在注文中ですが、
単体でも高い浮力を示すライトニングの浮力がどこまで増すのか、
とても楽しみです。
新雪の急登、やはり滑りますねぇ。。。
登れる角度の限界はありますが、修行すればなんとかなるかな?
道具に頼るだけじゃなく、使用者のスキルも向上させねばです^^;
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する