二百名山186座目:笈ヶ岳〜旅路の果てに見えたもの〜


- GPS
- 12:34
- 距離
- 16.4km
- 登り
- 1,964m
- 下り
- 1,967m
コースタイム
- 山行
- 12:10
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 12:34
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
兵庫より350キロ下道激走し石川県へ。
ホームレス旅の締めくくりはこの山、
二百名山のラスボスと称される笈ヶ岳!
何がラスボスと言われる所以か?
それは「登山道が無い」の一言に尽きる。
・・・大事なことなんでもう一度言うよ?
「登山道が無いんです😨」
登るためには登山道の無い藪を
雪が多い尽くす残雪期にその上を歩くことで
初めて登頂が可能となる山。
さらに登山口までアプローチするための
白山白川郷ホワイトロードの開通がGW頃。
つまりこの二つの条件が重なる
5月上旬の1週間前後しか挑戦できないのが
難易度に拍車をかけている理由。
今回のホームレス旅は二百名山攻略の旅。
コイツを落とすべく全ての日程と天候の
帳尻を合わせて来たんだ。絶対取るぞ!!
前日に登山口の中宮展示館まで行くと管理人に
駐車禁止だから1キロ下の広場に停めろとお達し。
更に前日道迷いで遭難者が出たよ!
その話他の登山者に聞かせたらビビって帰ったよ!
今年はやめといたほうがいいよ!
と脅しラッシュで畳みかけられるw
そんな中途半端な決意でここに来てねーんだよ🤪
忠告をスルーして下の駐車場で一泊。
万全の準備と気合いを漲らせ5時スタート。
ロード1キロウォームアップを終え中宮から入山。
暫く沢沿いの平坦路が続いた後
ジライ谷出会の山小屋跡に出る。
ここで早速1人の登山者が迷っていた。
小屋の裏から登山道を必死に探している様子。
地図見る限り沢を渡るのがおそらく正解だろう。
案の定テープのある登山道を発見。
迷い人に正解を教えてから進み続ける。
一応まだこの時点では登山道はあるようで
ピンクテープとロープで十分歩けるのだが
ジライ谷の頭の1キロ程度の区間で600mも
標高を上げるとんでもない急登が続く😨
いいね、ラスボスはこれぐらいじゃねぇとな!🤪
自分に主人公補正をかけながら気合いで進むと
樹々の切間からオーラを放つ白き峰が。
あれは・・・ハクサァン!!( ゜∀ ゜)
白山から力を貰い標高1500mの稜線に到達。
ここから登山道は途絶えるが積雪はバッチリ。
ルートは2つに分岐しており
冬瓜山→シリタカ山を越える稜線ルートと
それらを巻いてゆく冬瓜平ルートがある。
どっちに行くか迷いつつもまずは
スノーフィールドに対応すべく2ヶ月ぶりに
アイゼン装着。これ使うためにわざわざ
重たい冬靴履いてきたんだよ。
装着中に一人の登山者が引き返してきた。
なんでも稜線区間の藪が凄くて諦めたとのこと。
情報サンクス!冬瓜平ルートから行くぜ🤪
爪を効かせて急斜面を一気に下ると冬瓜平到着。
そこは季節が戻ったような美しい雪原だった。
差し込む日差しと丁度いい気温。
登りの苦労が吹き飛ぶ快走路だ😌
そうこうしていると正面に見えてくる
天を衝く二つのスパイク。
あれが笈ヶ岳&小笈ヶ岳か!
結構険しい山容してるんだなぁ。
更に進むと雪原に建てられたテント発見。
ここキツい山だし宿泊で登るのも全然アリか。
静かで最高の夜を過ごせそう😴
冬瓜平を過ぎるとまた急登が始まる。
雪ベッタリ残る斜面でアイゼンの前爪が大活躍!
気合いで登り切った先に見えたのは
笈ヶ岳へのカッコイイ稜線!🏔
稜線歩きは大絶景!正面に大迫力の笈ヶ岳、
背後には常に白山と別山が白く輝く!🤤
興奮してペースを上げると
男性3人と夫婦2人の先行者2チームに追いつく。
後者はかなり手前から荷物置いて
空身で登ってるけど水持つのか・・・?😨
そのまま追い越すと同時に背後から
突然ソロ登山者が現れデッドヒートが始まるw
もう正面にピーク見えてるし簡単かなと思いきや
大変なのはここからだった。
雪面をトラバース気味にひたすら進むのだが
稜線へ合流する場所がわからない。
目の前には完全に藪が広がってる。
うーん、今年雪少ないらしいし
これはどこか無理やり越えるしかないのか?
ソロ登山者と相談しつつ左藪の突破を決意。
これが完全に足場の無いガチガチの藪。
体を預けて掻き分けるが一歩進むごとに
ザックのどこかがひっかかり三脚が落下したりと
色んなとこに気を遣うので全然進まねぇ!
幸いにも区間は短かったので数分で脱出。
ハァハァ、これが藪を泳ぐってことか・・・
いい経験になったぜ😩
藪を抜けたタイミングで戻ってくる人発見。
冬瓜平にあったテン泊のおじいさんだった。
状況を伺うとまだ藪1箇所あるけど
ピンクテープも足場もあって問題ないよと。
その先は雪しっかりついてて登頂できるよと。
情報サンクス!これで登頂確定だ!( ゜∀ ゜)
ソロ登山者と歓び感謝を告げると
おじいさんはさっきの激藪の中に消えていったw
稜線の切れ目には聞いた通り簡単な藪のみ。
サクッと切り抜けるとその先に
微かに見える白き山脈。
あれは!北アルプス⁈ うーわ、なんか・・・
すげえ久々に見た気がする😭w
小笈ヶ岳を登り切ると
ついに笈ヶ岳の頂点が見えた。
このまま残雪歩きフィニッシュできると思いきや
最後の数メートルだけ抉った垂直の
土壁になってて登るのに地味に苦戦😨
ここでもアイゼンの前爪が役に立った。
様々な苦労を乗り越えてついに辿り着いた
ラスボス・笈ヶ岳の山頂。
隣にはまだ未踏の三百名山である
大笠山、大門山、三方岩岳らが連なる。
遠くには霞む北アルプスと御嶽山。
すぐ近くには残雪の白山と別山が煌めく
抜群の景色が全ての苦労を祝福してくれた😭
浸っているとソロ登山者が登頂してくる。
雑談するとなんと過去10回近く登っているという
笈ヶ岳マスターと判明😳
背後から突然現れたのも
稜線ルートを通っていたからだった。
しかも無雪期にも来ているらしい超人。
あの陽希さんが「もう2度と来ねぇ!😡」
とキレ散らかした大笠山からの藪漕ぎを制した?
のではなくもっと簡単に登れる知る人ぞ知る
地元民専用ルートが存在するんだとか。
まだまだ笈ヶ岳は奥深い楽しみ方を
提供してくれそうな山だなぁ😏
笈ヶ岳マスターと盛り上がってると
後続チームも続々登頂。
この晴天で登れたなら全員が勝者だ😚
各人と歓びを分かち合いつつ下山を見送った後
1人で2時間も居座り山の主と化すw
結局ジライ谷で迷っていた人は姿を表さなかった。
あそこで迷うくらいだしまだ笈ヶ岳に
挑めるレベルではなかったのだろう😩
無事に引き返せているといいが。
13:30頃下山開始。
薄曇りの空にはハロが出現し
最後まで登頂を祝福してくれた。
でも帰りまた藪漕ぎしなきゃなんだよな〜
と鬱になっていると登ってきた場所より
少し手前に藪を突破できそうな場所を発見。
雪解け水の流れるトンネルのようになってて
しかも足場までしっかりあるじゃねぇか!😳
ルート間違えてただけっぽい。
笈ヶ岳マスターにはついて行っちゃダメだなw
急登の山は登るのはシンドイが
帰路は下山家である俺の独壇場!😜
本日の登頂者全員を追い抜きまだ日のある
17:30に中宮口まで帰還できた。
ロードを歩いてると明日挑戦する人達の
車が近づいてきて事情聴取を受ける。
・山頂には行ける!😍
・冬瓜平ルートオヌヌメ!😚
・藪抜ける箇所間違うな!😨
・12本アイゼンもってけ!😡
・グッドラック!🤪
と、今日得た経験を伝承。
これできっと山頂で笑えるさ👍
18:00に駐車場へ無事帰還。
ここでも事聴者が現れたので同じ話をしてると
遅れて下山してきた笈ヶ岳マスター登場w
今日唯一稜線ルートを突破した
経験談も加わり奥義伝承完了。
自分も愉しみ誰かの役にも立てた、
充実した山行を終えることができた😚
笈ヶ岳は急登、藪、残雪、ルーファイなど、
細かくメンタルを削る要素が揃っていて
やはりある程度の心技体が揃ってないと
跳ね返される人を選ぶ山。
更に二百名山のみ目指している人は
ここで初めて積雪装備&スキルを要求されるから
より大変に感じてしまうのかもしれない。
冬山経験者かそうでないかで
難易度は大分変わるんじゃないかな?
とりあえずラスボスと呼ぶに相応しい難易度と
景色だったことは、ここに記しておこう😁
二百名山186座目・踏破!
★ルートレビュー★
難易度:A
ロープ急登→残雪急登→藪漕ぎ&ルーファイと
高難度のコースが連続で襲い掛かってきます。
最低限12本アイゼンは必須となり中級程度の
冬山登山スキルが求められます。
体力度:B
標高1841m 累積標高差1996m 時間12:34 距離16.3km
日帰りとしては2000m近いかなりの累積高低差。
距離は短く山頂は早いうちから見えるものの
アップダウンが多くなかなか近づきません。
往復には丸一日かかるため体力に自信が無い場合
テン泊も視野に入れましょう。
展望:B
ジライ谷ノ頭近辺から背後に白山と別山の姿。
冬瓜平への分岐からは樹林の向こうに山頂が見え隠れし、
再び稜線と合流する頃には北アルプスの姿も。
山頂からはそれらに加え大笠山、三方岩岳、
石川の海岸線まで見える360°の大展望が待っています。
総評:A
二百名山の中で唯一冬山装備とスキルが求められる山。
未経験者にとってはここが難関たる所以となるのですが
冬山経験者からすれば当たり前にやることが多く
そこまで厳しくは感じないでしょう。
様々な登山道を攻略する愉しみのある玄人好みの名峰です。
★エピローグ★
登山を終え休息の日々😌
暇つぶしに富山で唯一ダムカードを
取り逃がしていた利賀川ダムへ。
ダムに向かう舗装路はあるのだが一般車立禁のため
並走している林道からしか行くことができない。
普通逆なのでは・・・
いざ挑戦してみるとこれが過去最高の悪路。
デカイ岩と倒木がやたら多く通行は困難を極める。
まぁでもフォレスターなら余裕っしょと
調子に乗っていたら踏んだ木の棒が回転して
左ドアとボディの隙間に突き刺さりエグい音が😳
止めて被害状況を確認するとドア下部変形、
サイドシル折れ曲がり、ウェザーストリップ断裂
というウボァー😱な破損状況。
なんでこんなレアなダメージの貰い方を・・・
これが遊び続けた無職の代償か?
だが男に後退の2文字は無いので進み続ける。
牛首峠まで辿り着くと悪路が本気出してきて
残雪、道幅ギリギリ、左右に強靭な枝、
そしてまさかの路駐車が居て進めない状況。
諦めてバックし枝の斬撃を2回受け
ボディが傷だらけに😭
ふざけんなよマジで。登山者舐めんな!!😡
キレてカメラを持って車から飛び出し4キロの
林道を踏破して執念でダムに辿り着くことに成功。
意外にも道中に人がおり
徒歩釣り人2名、オフ車ライダー3名、
カスタムオフ四駆1名の変態と遭遇。
こんな場所でも物好きは居るもんだな・・・
無事目的は果たしたものの修理費を考えると
素直に喜べなかった😨
05.06
ライダー仲間とリモートRIZIN観戦しつつ
インスタ見てると昨年9月に佐渡島で合った
キャンピングカー旅人の江田さんが
石川の道の駅にいることが判明したので
8ヶ月ぶりに再会を果たしてきた!
日本酒を提供しつつ積もる話を愉しみ
夜食と翌日の朝食までご馳走になってしまった🤤
偶然の出会いから再会できるのは本当に嬉しい。
お互い自由人の旅人。
またどこかで会えそうな気がする!
これで西日本でやりたいことは一通りやった。
いい加減邪魔な雪板とスタッドレスを
交換すべく一度東京に戻らねば・・・
充実の3ヶ月は本当にあっという間。
やりたいことを全力でできてるって
こんなに幸せなんだな。
仕事なんてする必要なかったんや🤪←
ダラダラ下道を駆け抜け5/10の昼に無事帰宅。
総走行距離11223km、人生最大の春休み・終了!
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