富士山 実はリベンジ! 「てんきとくらす」さん、ごめんなさい。


- GPS
- 10:22
- 距離
- 13.8km
- 登り
- 1,519m
- 下り
- 1,499m
コースタイム
- 山行
- 7:26
- 休憩
- 2:50
- 合計
- 10:16
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
予約できる山小屋 |
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
カメラ
|
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感想
プロフィールに「おそらく山に登ることは無いと思います...」とあるが、富士山は他の山々とは別物...という感覚が自分の中には恐らく有ったのだろう...
日本人として生まれ、富士山の頂上に立たずして死んでしまうのは勿体ない...
そんな思いがどこかに有った。
子供の頃から富士山は身近な存在であった。
天気の良い日には、近所の土手の上から富士山が良く見えた。
高校生の時、授業中に窓から見える富士山をぼ〜っと眺めていて怒られた事も有った。
決定打になったのが、オフロードバイクで林道を走るようになった事だろう。
林道と控えめに書いたが、実は登山道も走っていてそっちのほうが数倍面白かったのだ。
今であれば自然破壊で大ニュースになるような事が四十年ほど前は平気で行われていたのだ...
元バイク乗りとして言い訳させてもらうと、破壊の大半は四駆であった。
スタックした四駆がウィンチで樹木を引き倒している場面に何回も遭遇した。
いずれにしても、とんでもない事をやっていたものだと思う。
富士山にオフ車の規制が始まった頃、私はバイクで事故ってあの世に行きかけた...
社会復帰後も原因不明の体調不良で苦しんだ...
「死んでしまったほうが楽だ」とマジで考えた...
数年経った頃、不調の原因が「脳脊髄液減少症」だと分かった...
当時この病気の認知度が低く、遠隔地の病院で「ブラッドパッチ」という治療を数回受けた...
治療の甲斐があってか、十数年続いた体調不良も少しづつ良くなっていった...
体調不良が始まる少し前に生まれた次男とは、一緒に遊んであげることもなかなか出来なかった。
そんな事も有ってか、中学生だった次男を2010年5月の連休に富士山へ誘ったのだ。
MTBでスバルラインを登る...
親父ズラして臨んだが、結果は悲惨だった...
5合目まで6時間も掛かってしまった...歩いたほうが良かったのではないか...まさにそんな感じ...
次男は私の半分以下の時間で着いていて、寒さを紛らわすため5合目を走り回っていたそうだ...
帰りは昔お世話になった、一番面白かった登山道...残雪の精進口を下った。
前置きが長くなったが、多分ここからが本題...
富士山の頂上まで行く...こんな考えを持ったのは還暦少し前のことだった。
60歳になった記念に富士山の頂上に立とう!...そんな安直なものだったが、色々な事情で実行できなかった。
翌年も翌々年も計画したがポシャった。
昨年、マイカー規制が解除された9月の初旬、就職して一緒に行動することが少なくなった次男を誘って頂上を目指した。
マイカー規制解除と閉山までのハザマをねらった登山者が多く、結構混雑していた。
7合目辺りまで一緒に行動していた次男だが、私の「先に行っていいよ!」の一言で鎖を解かれた犬のように、私を見捨ててガンガンと登って行ってしまった。
結果...私は体調不良で8.5合目の御来光館直上で敗退。
7合目辺りから目眩と呼吸困難が始まっていた。
敗退理由(言い訳)を考えた...
1 睡眠不足...前日スバルライン路肩で車中泊したのだが一睡もできなかった...何回も救急車が通りうるさかった。
2 数日前にコロナの予防接種を受けていた。
次男はしっかりとお鉢巡りをして下山した。
山行記録に昨年の富士山の記録(下書き)が残っている。
「臥薪嘗胆」、この言葉のように屈辱の山行記録を見ながらほぼ毎日、階段を昇降するトレーニングを10ヶ月続けてきた。
開山からマイカー規制開始までのハザマ...
隠れリベンジは7月12日に決行することになった。
前日にスバルライン5合目駐車場に到着。
予想に反して空いている...余裕で停められた。
昨年はアプローチシューズで登ったのだが、今年は東俣を歩いたトレランシューズで登ってみよう...と考えていた。
軽くてグリップも良かったのだが、大曲前後のガレ場で靴底の薄さが弱点として露見してしまった。
最終決定をすべく、御庭〜佐藤小屋間で実歩行確認を行った。
靴下を変えたり、インソールを変えたりして2往復ほどしただろう。
泉ヶ滝手前の石畳を歩いた感覚...これが決め手となった。
トレランシューズはダイレクトに路面状態が伝わってくるが、非常にくたびれる感覚が有った。
対してアプローチシューズは感覚は鈍いが疲労感がない。
ただでさえ疲労感いっぱいなのに+靴底からの疲労感では絶対持たない...
アプローチシューズに決定となった。
午前3時半、5合目を出発...登山客は私一人しかいなかった。
薄明の中、次第に登山者の姿が増えだした。
4時35分ころ、日の出を迎えた。
散々悩んで決行日を12日と決めたのだが、快晴とは言えないまでも良い天気になり、きれいな朝日を拝むことが出来た。
気象庁、ウェザーニュース、てんきとくらす...いくつものサイトで天気の確認をしたのだが、12日はそこそこ良い天気で有ったのだが、「てんきとくらす」だけは
登山指数が「C」の「登山に適していません」だった。
「天気が良いのに何で?」「基準がわからない」と私は「てんきとくらす」の登山指数は信用に足らないと却下したのだった...
昨年と違うところは階段トレーニングを続けたこと、コロナワクチンは接種していないこと、多少なりとも睡眠が取れたこと...なのだが、富士山の登りはやはりキツイ...昨年同様苦しいことに違いはなかった。
本八合目トモエ館...実はここで待ち合わせをしていたのだ。
10歳年下の元職場の同僚(後輩と書かないのは私より仕事が出来たから。)。
数日前に「昨年のリベンジで富士山に行く」とメールしたところ、「予定が合えば自分も行きます。」と乗ってきたのだ。
会うのは数カ月ぶりだが、登山を忘れてしばらく(50分程)話し込んでしまった。
昨年敗退した因縁の「御来光館」...だったが、話ながら登っているうちにいつの間にか通り過ぎていた...それほど因縁を感じていなかったのかも知れない。
昨年仰ぎ見ただけで引き返してきた白い鳥居が近づいてきた。
天気は良い...だが風がかなり強かった。
特に残り300mくらいの所は酷かった。
砂粒が顔に当たって痛い。
コロナ対策で持っていたマスクをしていなかったら悲惨なことになっていたであろう。
風の息継ぎで身体のバランスが崩れる。
強風の洗礼を受けながらなんとか頂上に辿り着いた。
何か呆気なかった...というのが正直な気持ちであった。
頂上は暴風...台風の中継現場のような感じ...
寒い...一瞬晴れるがすぐ雲の中...
本当は3,776m地点まで行きたかったのだが、この状態を見たら諦めるしかなかった。
強行したら遭難してしまうだろう。
マジで身体が飛ばされそうになる...
石室の影に隠れて元同僚と缶コーラで乾杯した。
富士山頂で缶コーラを開けたら...恐ろしい光景を予想したのだが意外と「プシュッ」と音がしただけで地獄の光景にはならなかった。(気温が低かった事もあるのかも知れない。)
ここへ来て、なぜ「てんきとくらす」の登山指数が「C」であったのかが良く分かった。
よく見れば「風または雨が強く、登山に適していません」とあるのだ。
天気が良くても風が強いことも有る...そういうことなのだ。
登山指数は信用に足らないと却下した私が愚かでした。
「てんきとくらす」さん、ごめんなさい。
今後とも利用させていただきますので、よろしくお願いします。
360度カメラと3mの自撮り棒を持って来ていて、頂上で撮影するつもりだったのだが、ただの重りとなってしまった。
オフィシャルドリンクも持って来ていたのだが、飲む余裕もなかった。
暴風から逃げるように下山道を下った。
登りでスルーしてしまった「因縁」の御来光館が見えた。
須走口から登ってきた彼とは分岐点で別れた。
これから長い九十九折が待っている。
その後にも長いトラバースが...
トレーニングのお蔭か、昨年ほど足に来なかったが、最後の方に有る落石シェルター内の段差は無くして欲しい。(ほぼ下山し、気を抜いた足には堪える)
シェルター横を通ってしまおうかとも思ったが、外人さんに見られているので自重した...
密かに企てていたリベンジも「ほぼほぼ」達成した。
高山での暴風を体験し、山の厳しさの一端を知ることが出来た。
次回は3,776m地点を目指したい...近いうちに...
p.s.1
2010年5月以来、毎年必ず1回は富士山に行っている。
6時間かけて5合目まで登った帰り、コンビニに寄ったのだが、車からコンビニの入口までの数メートルが、足がガタガタで普通に歩けなかった。
現在曲がりなりにも山歩き出来るのも、恐らく富士山の魅力が自分を引き上げてくれたからだと思う。
新田次郎氏に小説を書くことを勧められたと聞く私の恩師の座右の銘が「人生は出会いだ。」というものだった。
富士山との第二の出会いが自分を変えてくれたと思っている。
p.s.2
11日、5合目駐車場の崖側に子鹿がいた。
駐車スペースすぐ横の窪地に入り込んでこちらを見ていた。
近づいていったが逃げる様子もなく、眠そうに目を閉じたり開いたりしていたのだ。
体調が悪いのかな...と思ったのだが、野生の動物とどのように接したら良いのか分からず(法律的にも衛生的にも)そのまま立ち去った。
家族には「可愛い子鹿がいたよ」とラインで写真を送ったのだが...
山頂から帰って見に行ったところ横になって動かなくなっていた。
もしかしたら駐車場で車にハネられたのかも知れない...
そう思うと、何か対処出来なかったのかと残念な気持ちになってしまった。
剣ヶ峰からお鉢巡りを二度、悪天候で途中廃退が三度、まぁ私もバカの部類でしょうか^o^
こんばんは😄
富士山、3,776m。二番目の北岳は3,193m。
ダントツで日本最高峰^o^
リベンジ出来て良かったですね。
まるで新田次郎の山岳小説の様な長編の感想も読ませていただきました。
色んな思いがあったのですね。
次回が有るなら是非お鉢巡りをお勧めです。
私の一度目はあの山頂レーダーが有って観測所の周りにも沢山の雪が有りました(45〜6年前
二度目のお鉢巡りは入山協力金を払って^o^
雪は殆ど無かったですね。
私よりは少し?お若いと思いましたが、バイク好きは同じです。
私もバイクは乗ってます、ただクラッチ無しの
ホンダMF15です。
コメントありがとうございます。
長文の駄文をお読みいただき、ありがとうございました。
お陰様で富士山の頂上に立つという目的は達成できました。
残りは日本で一番高い場所に立つことですね。
できれば今年中に吉田口以外のルートから登って到達したいと思っています。
最近は寸又川左岸林道や大井川の林道にハマってしまっているのですが、富士山にはそれらとは違う特別な何かが有るようです。
私はカワサキのオフ車一筋なのですが、乗れないと分かっていながらも、最後に買ったバイク(KLX250SR)は手放すことが出来ず物置にしまってあります。
手放すと引導を渡されたような気分になってしまいそうなので...
3,776m達成できたら、今度は手短にレポートしたいと思います。
それでは。
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