奥利根周遊 幽ノ沢〜幽ノ沢山〜上長倉沢〜割沢〜赤倉岳〜楢俣川
- GPS
- 80:00
- 距離
- 39.3km
- 登り
- 2,361m
- 下り
- 2,322m
コースタイム
- 山行
- 3:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:00
- 山行
- 9:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 9:00
- 山行
- 9:15
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 9:15
- 山行
- 12:15
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 12:15
過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
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アクセス | パックラフト |
その他周辺情報 | ※矢木沢ダム利用についての注意事項 ■管理用道路は5月上旬〜9月30日までは6:00〜18:30が「通行可能時間」と記載があり、ゲート内の夜間駐車については「ルールに記載されていない」が、 利用時間外は屋倉橋入口ゲートより先は駐車禁止(私道のため)。 そのため夜間駐車は「不法駐車扱い」となる。 https://www.water.go.jp/kanto/numata/05_map/map_yagisawa.html ■ホームページには大型エンジン付きボートのみが、矢木沢ダム船舶等進入路に関する使用承認申請手続きが必要と記載されているが、 矢木沢ダムから奥利根湖に入湖する際は全員が「奥利根湖入湖カード」を記入する必要がある。 「奥利根湖入湖カード」は「進入路使用申請」とは別であり、記入必須(ホームページに記載はない) https://www.water.go.jp/kanto/numata/03_yagisawa/sinnsei_top/sinnsei_top.html ■「登山」をする場合は警察と矢木沢ダム管理所の両方に登山計画表を提出する必要がある ★したがって、矢木沢ダム(屋倉橋入口ゲートより先)から入山して泊まりの登山をしたい場合は ①屋倉橋入口ゲートより手前に車を停め、歩きまたはタクシーなどで入り、 ②警察と矢木沢ダム管理所の両方に登山計画表を提出して、 ③入湖する場合は、「奥利根湖入湖カード」を記入し、 入山する必要がある。 これはダム湖を利用しない矢木沢流域や芦沢についても同様である。 ■「矢木沢ダム管理所を通らず」、(例えば巻機山側から山越えで奈良沢を下降するなどして)パックラフトを利用する場合は「奥利根湖入湖カード」の記入は不要。 奥利根湖以外(要するに山の中)は国有林のため、水資源機構の管理外。 ※最新情報は水資源機構に確認してもらいたい 連絡先:水資源機構 沼田総合管理所 TEL:0278-24-5711 ---- ■矢木沢ダムは貯水位を公開している https://www.water.go.jp/kanto/numata/ |
写真
装備
個人装備 |
パックラフト / Alpacka Raft / Scout / 1600g
パドル / Supai Adventure Gear / Packraft Paddle / 373g
ライフジャケット
ロープ 6.5mm 40m
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感想
「その他周辺情報」に「矢木沢ダム利用についての注意事項」を記載したので入山を考えている人は一読願いたい。
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奥利根で2年前にWakaと体験した撤退行はとてもいい思い出だった。
すでに先人たちに歩きつくされている奥利根で自分に何ができるか。
それはやはりパックラフトを利用しての継続遡下降だ。
ダムにより分断された沢と沢を繋ぎ、自由に渡る。
ゼフィルス、浦和浪漫、わらじ、トマ...
そういう大きなうねりの中にパックラフトがもしあったら。
きっと彼らは似たようなことをやっていたはずだ。
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7/23(日) 晴れ
遅めのスタート。矢木沢ダムから入湖して幽ノ沢へ。マットを忘れたことに気づくが、整地を頑張ることにして進む。ゴミ沢を少し上がったところで泊。
7/24(月) 晴れ
寒くてぜんぜん寝れなかった。シュラフカバーだけでも夏は平気だったのだが、放射冷却のせいだろうか。地形的に上長倉沢にいいテン場があると思えないので、早めに幽ノ沢山を越えて適地を探す時間に充てたい。
幽ノ沢は花崗岩の沢で美しい。朝早いので影っているが、日が当たれば輝くだろうと思いながら進む。くの字の滝を過ぎたあたりから綺麗さを増す。日が当たると渓はいっそう美しくなるが、とにかく暑い。水浴びをしながら高度をあげる。稜線で熱中症になる不安がよぎる。河原を過ぎたあたりで急に沢は角度を変える。正面に見えていたのはルンゼで、右に沢が伸びていて、連瀑が始まる。こういう渓相はパーティーの方が盛り上がる気がする。12m滝は左を直登していくが、荷物が重い。横着せずに空荷で登ってから荷揚げ。残置ハーケンがあった。ツメは根曲がり竹の藪で遅々として進まない。背丈を超える藪なので日差しが遮られているのが救いだった。
バテバテになりながら幽ノ沢山へ着く。回りが山だらけだ。春に滑った小沢岳がとても近くに見えた。あれ以来、小沢岳は大好きな山になった。小穂口沢の上流は雪渓がビッシリだった。
下降ルートは、小穂口沢、オクサビ沢など色々考えられるが、今回は上長倉沢とした。藪漕ぎが辛くて上長倉沢へ直接入ろうかと思ったが、我慢して1本奥のユルそうな支流から下降した。順調に下降していくと、いい場所があったので15:00と早いが泊ることにした。この先は等高線的にゴルジュなのは間違いない。
7/25(火) 晴れ
明け方は寒すぎてずっと震えていた。タープがびしょ濡れになっていた。さっさと起きて暖をとる。
上長倉沢の下降は予想以上に面倒で、クライムダウンできそうにない滝が多く、巻いたり懸垂したり。だんだん面倒になってきて、バンドを辿って大高巻きする。二俣を過ぎてもゴルジュは終わる気配はなく、ここも高巻く。この沢は下降向きではなかった。ようやく落ち着きを見せると下長倉沢が出合い、森が近くなる。
小穂口沢は水量が多く、川幅いっぱいに流れていた。またそのうち辿りたい。
ダムに着いたらパックラフトを膨らませる。貯水量が多く、水位が高いため、ヘツリや泳ぎでは割沢への継続は厳しいだろう。パックラフトで穏やかな湖を進む。2年前の、あの日の奥利根のことを思い出していた。
割沢に入るともう灼熱で身体がなかなか動かない。ゆっくりゆっくり景色を楽しみながら遡っていく。とても美しい渓だ。間違いなく茗渓だ。谷川にあったら毎週のように人が入っているだろう。荷物が重くて地味ながらムーブが起こしづらく、キツイ。荷揚げなどをして進んでいく。軽装ならバンバン直登できて楽しいだろう。崩落地の先の2mCS滝が登れず、巻いたが悪かった。二俣を過ぎた頃からペースがあがらず、本格的にキツくなってくる。早めに行動を終了したかったがなかなかテン場が無い。すると12m滝の下に良さそうな場所があったので、15時前だけれど迷う余地なく倒れ込んだ。あまりに疲れていたのでココアを飲んで服を乾かしてさっさと寝た。
7/26(水) 晴れ
この日も放射冷却で寒すぎて寝れず、暗いうちから起きて暖をとった。朝食をとって早めに赤倉岳を目指す。早い時間に稜線に出ないと熱中症になりそうだ。
ゴルジュ帯の連瀑は大変でなく、すぐに終わる。すると両岸が岩壁だらけですごい。瑞牆山や小川山のようだ。特に左岸側がすごく、登りがいのありそうな岩が多かった。
左手のダケカンバの森の先には下流から見えていた大岩峰がある。これも魅力的であった。大岩峰をすぎると水は枯れて、稜線までつめる。案の定太陽に照らされるとペースはあがらずに休み休みになった。
稜線につくともう赤倉岳は目の前だった。踏み跡があった。快適に稜線を歩き、赤倉岳の山頂に立つ。感無量。素晴らしい展望だ。平ヶ岳が前の前に構えて、至仏山も近い。いいところだ。次に来るときはスキーだろうか。
少し休んだら太陽が隠れたので、その隙に稜線を辿る。東に進むと草原と踏み跡が見えた。踏み跡は鹿の足跡だらけで、ヌタ場もあった。
楢俣川はユルい沢だと思っていたら上部で1度懸垂。その直後のV字ゴルジュが明るくて美しかった。美しいナメや釜が多く、森も近い。広葉樹なので紅葉の時期は素晴らしいだろう。 上流からずっと魚影があった。前深沢などへの継続も考えたが、そのまま下る。沢下降に疲れてきた頃に矢種沢が出合う。少し入って急斜面を登ると山道に出た。この沢旅で初めての道だ。楢俣川で泊まるのも魅力的であったが、今日中に降りれそうだったので、先を急ぐ。ここから長い楢俣川林道を歩いて、奈良俣ダムへ下りた。
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予定より順調に進み、日数も余っていたが、重荷がつらく下りてしまった。その他にも妥協点がいくつかあったが、実力だ。
パックラフトを担ぐことで分断された沢と沢を継続できるのだが、それは同時に「奥利根湖から矢木沢ダムまでエスケープできる」ということでもあり、小穂口沢という場所にいても奥深さとはなんだろうかと考えていた。本州で一番山深い山域の一つ(越後山脈の核心部)でも、特に夏は近くに登山道や人工物がある。「帰れない」場所ではない。「帰らない」という意志をもつ必要があり自分の弱さを実感する旅でもあった。
とはいえ、奥利根をこのような形で周遊できたのはとてもよかった。幽ノ沢山も赤倉岳も素晴らしいピークだった。ルートを変え、季節を変え、また再訪してみたい。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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泊り装備+BC担いでの漂白〜ゼフィルスやるかなぁ〜???
植村直己冒険大賞間違いなし!
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230206/7000054933.html
ノンデポ・サポートなら〜ピオデドール賞も夢じゃない!
浪漫もベースキャンプ方式での地域研究が多かったですが、根っこは山旅だと思うので…
野村さんの北海道とはスケールが違いすぎて…
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