【和賀岳周回】魂を震わす山
- GPS
- 17:35
- 距離
- 18.9km
- 登り
- 1,565m
- 下り
- 1,552m
コースタイム
- 山行
- 10:05
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 10:58
- 山行
- 6:10
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 6:38
過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
そこまでは普通乗用車で通行可能 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道は整備良好。根菅分岐から和賀岳までは登山道なし |
写真
感想
この周回をしようと思ったのが3年前。
40年くらい前まで登山道があったらしいけど今は廃道。
ネットを検索してみると、5年前に岩手のパーティが周回していた。
しかも女性が数人いたのに驚いた。
周回してみて思ったのは、よくあの藪を非力な女性が歩いたなぁということ。
ボクは彼らとは逆回り、つまり、根菅分岐から藪を漕いで和賀岳頂上へ。
そのために羽後朝日の藪漕ぎもして、この辺りの藪の感じも掴んだ。
生半可じゃない藪でした。過去一番かも。
林道が途中で通行止めのため、登山口まで徒歩12分の地点に車を止めて林道歩き。
天気の良い中、重い荷物ながらも軽快に進んだ。
どんな場所で泊まるかわからなかったので、いつものツエルトはやめてテントにした。山岳用じゃないので、1人用で2キロ弱。ツエルトの場合と比べても1.5キロ以上重い。
さらに、水場がないので5リットル弱の水を携行。
食料はドライフード中心で軽くしたけど、それでも15キロ以上。
高下分岐までのブナ街道を気持ちよく歩いて、初めての高下岳へ。
最初だけ急登で、あとは散歩道のような登山道。
やがて樹林帯を抜けてひらけた稜線へ。
素晴らしい眺め。とにかく気持ち良い。
紅葉の色付きはイマイチだったけど、これは今年の気候によるのだろう。
高下岳から根菅岳までも素晴らしい。
そして根菅分岐へ。
ここから和賀岳まで登山道があったのは40年以上前の話らしい。
藪に突入し、地図に残る点線を伝って歩く。
時々、これは登山道だった場所か?と思うほどの踏み跡が出てきたが、さすがに40年の踏み跡は残っていないだろう。
しかし、地図の点線に重なる。これは想像だけど、おそらく、登山道を動物たちが使って一部分のみ獣道として残ったのではないだろうか。
その証拠に、これは明らかに踏み跡だと思って辿っていたら、いつの間にか逸れて谷に引っ張られてしまった。
写真を参照して貰えば分かるように、とにかく激藪。楽なところはなかった。
16:00すぎ、予定より30分以上遅れてビバーク予定地に到着。
ガレ場になんとかテントを設営し、夕食を取り、酒を飲んでいたら眠ってしまっていた。夕日は見れず。
20時すぎ、あまりの強風に目を覚ます。
谷からの風が、テントどころか、自分の体まで持ち上げるほど。
テントが飛ばされないのを信じて、さらに残ったウイスキーを飲んで就寝。
2時45分に目を覚ますと風は収まっていた。
静かな中、再び就寝。
すぐに寝られるほど疲れていた。
5時前に目を覚まし朝食。
本当は暗いうちに出発したかったが、さすがに暗い藪は歩きづらいので、十分に明るくなってから出発しようと、のんびり準備。
6:18、撤収完了して出発。
しかしあたりはすっかりガスに包まれていた。
池塘までくれば、草原や背の低い笹、ハイマツなどがあって楽になるかと思いきや、全くそんなことはなかった。
時々、背の低い笹が出てくるのがボーナスポイント。それも長く続かない。
最後の最後まで激藪をかき分け、空中戦を繰り広げ、頂上まで標高差30mの地点でようやく草原に。
あとはゆっくり登るだけ。
頂上の看板が見えてきた時、なぜか心の底から笑いが吹き出してきて、大声で高笑いをした。
山頂のほこらに柏手を打ち、
「ありがとうございました」
と大きな声を出すと、胸にこみ上げてくるものがあって、鼻の奥がつんとし、涙が溢れてきた。
あとは下山。
といっても、下山もキツイのが和賀岳。
足はもちろん、体全体に疲れが溜まっている。
急な下りを凌ぎ、和賀川のほとりの天場で、雨に打たれながら休憩。
渡渉して再び急登。
雨に濡れていたので、渡渉は靴を脱がずにそのまま。
登り切ってブナ街道を下り、赤沢分岐からの激降りもしのいで下山。
疲れた、とにかく疲れた。
いつもながら、なんでこんなことをしているのだろうと思う。
しかし、不完全燃焼だった昨年と比べると、明らかに自分を取り戻してきている。
魂が喜ぶ、魂が震える山行だった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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ドンちゃんも全米も泣いてないけど…😁
過去イチの藪…。さすが、皇海山でブッシュでも我らに先行したkozouっちだけある🤗
クルマまで戻ってきて精根尽きた、本懐の登山だね。おめでとう(祝)
珍しく全身筋肉痛です(笑)
本懐の登山、まさにその通りです。
予想を上回るキツさでしたが、それでもほぼ計画通り。それがまた嬉しかったり(笑)
高下分岐からの急登はちょっとだけで、あとは綺麗な樹林帯から稜線歩き。
ここは良い道ですよ。刈り払いもしっかりされてたし。
もう少し歩く人が多くても良いのになぁ
あのルートを行かれたのですね。
てっきり残雪期限定かと思っておりました。
あの激薮をたった一人で歩かれるのは、よほどの体力と、何より精神力でしょう。
さすがです!ご無事で何よりです。本当にお疲れさまでした!
はじめまして。
ありがとうございます。
残雪期は良いでしょうねー。あまりアップダウンがないので散歩道になるはず。
体力と精神力はそれほどでもないので、慣れでカバーしています(笑)
和賀岳と高下岳、根菅岳を地図で見でも、中途半端な登山道の道筋がイヤで岩手側からの気持ちがなかなか乗りません。
ブッシュハイカーkozouさんが、魂を震わすのほどの山。なんと美しい軌跡でしょう。和賀岳山頂から、羽後朝日岳方面を見たとき、山頂の先は、美しい稜線ですが、私にとっては見る世界でしかありません。
あの稜線つなぎたくなるのが山好き、実際に稜線軌跡をつなげちゃうのが変態。ホント藪をみるだけで嫌になりそう。早朝の濡れた笹薮も萎えるね。よくぞつなぎました。変態のなせる技ですね。
この軌跡の美しさ、分かってもらえますか。8月の飯豊周回もそうですが、美しい軌跡が描けると、時々開いて悦に入ります。そういうところも変態かも(笑)
和賀山塊はここに登山道があれば、テン場もあるし、いくつかのパターンで周回ができるんですよね。
ここはボクにしては珍しく、残雪期にまた歩いてみようかと思えました。
岩手側からは、ブナ街道を歩くだけでも良いですよ。
ここと、焼石連峰の牛形分岐から牛形山の廃道は本当にもったいないと思います。
この2つのルートが整備されれば、もう少し登山者が来て、多少は地元にお金も落ちると思うので、そのセンで許可がおりないかなーなんて思います
そうそう、そっちもありましたね
藪区間約4キロ、500m進んで8時間、登山道は5時間で日帰り可能か?と目論んでましたが、
500m進めないとなると、かなり手強そうですね。根菅側から見える、穏やかな草原地帯も実際に歩くと大違いで弱点が無さそう。
2日目の天候は、メンタル的にも厳しさ倍増でしたね…先が見えないとホント心が折れます
正に魂震える山行です!お疲れさまでした(あえて、レコにコメント入れました)
ありがとうございます。いやぁ、想像以上に手強かったです。
3.8kmに9時間なので時速420mでした。
fisさんのパワーと持久力ならもっと早いと思いますが、それでもやっぱり7〜8時間でしょうか。
ギリギリ日帰り可能かもしれません。
和賀岳からの下りならさらに1時間は詰められるはず。
高下岳から見える草原は東側の急斜面で、稜線からそちらに抜けるのも藪だし、トラバースできる斜面なのかもわからず、行ってみて戻る可能性があったので、大人しく稜線を歩きました。
上からで晴れた日なら灌木を避けて笹を辿りながら行けるかもしれません。
登って振り返って、こう歩いてきた方が楽だったな、というところが何箇所かありました。
ただ、笹もかなり密です。背丈も高く、かき分けるのもキツイ。
特に平坦部分ですね。平坦部分ほど藪はきついです。
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