朝日連峰 主稜線縦走 天狗角力取山/秘境ルート/以東岳/大朝日岳(南俣沢から大周回)
- GPS
- 32:05
- 距離
- 56.6km
- 登り
- 3,917m
- 下り
- 3,911m
コースタイム
- 山行
- 9:21
- 休憩
- 1:49
- 合計
- 11:10
- 山行
- 6:18
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 6:41
天候 | 一日目:ド快晴 二日目:晴れ(日の出前)→小雨→雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
アクセス |
■アクセス 仙台市よりR48→R287→R112→県道27→南俣沢駐車場 県道27号から南俣沢へはR112方面から来るとゆったり館の少し手前を右折します。(看板あり) 右折後は舗装路が続きますがやがてダートとなります。所により少し荒れていますがゆっくり進めば問題無し。ダートに入って1つ目の分岐は道なりに左、2つ目の分岐は右(天狗方面の看板あり) ■駐車場 2つ目の分岐を進むと橋があり渡らずに進むと天狗方面駐車場約8台位。 橋を渡ると障子ヶ岳方面駐車場。確か2か所位あった記憶が。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
※古寺鉱泉〜南俣沢までは自転車(クロスバイク)になります。 ■登山ポスト 南俣沢の駐車場には登山ポスト無し。 今回はYAMAPにて提出。 ■ルート状況 今回歩いたルート全編を通して刈り払い完了しております。登山道の整備大変感謝致します。特に去年より20年程の時を経て再開拓された出合川〜オツボ峰間の整備大変ありがとうございます。朝日連峰の新たなルートを歩けて感激でした! 〇南俣沢〜天狗角力取山〜出合川〜オツボ峰〜以東岳 南俣沢から出だしは緩やかな登りで次第に傾斜を増していく。久しぶりに歩くルートでしたがナイトハイクでもルートは明瞭。傾斜は増していくが朝日連峰特有の急登とまではいかない程度。途中漁師の水場で喉を潤す、その後渡渉を2回程、これが竜ヶ岳の水場だったかな?石畳が現れると粟畑はもう少し。粟畑から分岐を天狗方面へ。緩やかなトレイルが続きやがて天狗小屋の分岐。その先には天狗角力取山。天狗角力取山から西へ向かい今回の目的の秘境ルートへまずは出合川へ急降下。ブナの実絨毯のフカフカトレイルです。天狗角力取山が1376m、出合川渡渉点が714mなので約650m一気に降ります。沢音が大きくなり正面に出合川、歩く尾根の右側に出合川へ合流する支流の沢(岩屋沢)が見えて来ると渡渉点は間近。最後は岩屋沢の沢沿いを少し歩くと出合川に合流します。渡渉点は人それぞれの判断になりますが私は出合川と岩屋沢の出合い付近から対岸へ渡渉しました。登山靴を履いての渡渉は絶対無理なので素直に靴を脱いで裸足で渡渉しました。川底の石はコケが付いているのもあるのでストックがあると良いです。水量はここ2、3日晴れていたにも関わらず膝上程度。雨が降ったら更に水量が増すので渡渉は難しくなりそうです。渡渉後は左岸の上流方向に見えるピンテの方向に進みます。ピンテの直前の大岩を越えるのに少し難儀しました。ピンテの先に踏み跡が見え、焚火跡などもあります。踏み跡通りに進むと急斜面にぶつかるが踏み跡は左側へ続いています。そのまま踏み跡とピンテを辿るを急斜面の激急登の始まり。急登に入るとルートはより明瞭になり随時ピンテも現れます。あまりの急登に雄たけびを上げて枝や幹を掴みながら登り続けるとやがね尾根に乗ります。尾根に乗ってからも只管急登が続きます。徐々に標高を上げ少し視界が開け始めると明光山に到着。三角点は登りだと左側にあり刈り払いされているので分かりやすいと思います。明光山まで来ると少し傾斜は緩くなり紅葉も綺麗でした。正面にオツボ峰が見え始めてそのまま進むと少し広い休憩にはもってこいの展望地があります。ここからオツボ峰へは再び急登。笹原が続きますが下向きに生えている笹原なので若干滑り易くなっています。歩いて来たルートや周辺の眺望が良く見えて来て景色を眺めながら急登を上り詰めると漸く大鳥小屋からのオツボ峰ルートの合流し目の前に大鳥池が突然現れます。その分岐から小さいアップダウンを繰り返しながら登ると以東岳へ登頂。 ※出合川〜オツボ峰間は少し写真多めに載せています。 〇以東岳〜主稜線〜鳥原山〜古寺鉱泉 説明不要の朝日連峰主稜線部分。以東岳からの下りは晴れていれば問題無いがガスだと右側の谷に引き込まれやすいのでマーキングに注意して進みましょう。小朝日岳から鳥原山方面は急なザレ場がありロープ設置。その他はルートも明瞭で危険個所もそれほどないかと思われます。主稜線はアップダウンがあり縦走が楽しめます。各分岐には標柱があり確認して進めば方向を間違える事も無いと思われます。 〇古寺鉱泉〜南俣沢(自転車区間) 古寺鉱泉から古寺キャンプ場までは降り、そこから地蔵峠までが激登りの核心部、そこから再び降りとなり、県道27に合流。県道27は一般道路。南俣沢へ折れて舗装路は緩やかな登りでその後のダートはクロスバイクを降りて駐車場まで歩き。古寺鉱泉〜南俣沢間は13,4km程度かなと。 ■竜門小屋 協力金 \2,000 避難小屋ですので寝袋、マット、食料等は持参のこと ■水場情報(10/14,15現在) 漁師の水場:出ています。 天狗小屋の水場:小屋から10秒。豊富に出ています。 狐穴小屋の水場:小屋の目の前。冷えた清水が豊富に出ています。 竜門小屋の水場:小屋の目の前。今シーズン一番の出だった模様。ただしこの日の夕方に水源からの引き込みのホースを撤去。水源は竜門小屋裏から竜門山方面へ踏み跡とピンテを辿れば汲めるそうです。(写真あり) 金玉水:冷たい清水が出ています。 銀玉水:冷たい清水が出ています。 鳥原小屋の水場:小屋に向かう途中にあり。出ています。 |
その他周辺情報 | ■温泉 ゆったり館 \350 |
写真
感想
20年程の時を経て昨年再開拓された出合川〜オツボ峰の秘境ルート。微力ながらYAMAPの西川山岳会もフォロー&DOMOし応援しておりました。私の持っている2012年の山と高原の地図の朝日連峰では破線ルートになっています。そして再開拓前にはごくごく稀に藪を掻き分け歩かれている記録も目にしていました。開拓されたそのルートに自分も一歩を刻みたいと思っていたが去年はタイミングが合わず断念…。そして今年夏が終わり一気に冷え込みが厳しくなり朝日連峰にも雪が降り今年も行けないのか?と諦めかけていた所に快晴予報の週末がやってきた。ただし日曜日は雨予報。どうしよう…。雨と分かっていて歩く事は滅多にしない自分にとっては気が進まなかったが、それよりも秘境ルートを歩きたい気持ちが上回っていました。そしてもう一つ、このルートを歩かれる方は八の字周回が主だが、2017年に南俣沢から主稜線を繋ぎ古寺鉱泉から自転車で南俣沢へ戻った周回を思い出し、今回もこの作戦で朝日連峰の主稜線全ピークを繋いで縦走し自転車で南俣沢へ戻る計画を実行してみました。結果一日目はド快晴の下、憧れの秘境ルートを歩き以東岳〜大朝日岳の長大な主稜線を眺め、二日目は雨に降られながらも主稜線は眺める事が出来て鳥原山までの朝日連峰主稜線全ピークを巡る事が出来る大満足の山行となりました。朝日連峰の山行では先に挙げた2017年の南俣沢から主稜線を巡り古寺鉱泉まで辿った周回と2021年に長井葉山〜大朝日岳〜頭殿山を巡った朝日連峰南東部縦走に並ぶとても思いで深い山行とすることが出来ました。
1日目
古寺鉱泉に自転車をこっそりデポ。既に古寺鉱泉駐車場は5割程埋まっていました。南俣沢の天狗方面の駐車場は私含めて5台。こちらはだいぶひっそりとしていましたが今シーズン初の小屋泊荷物でずっしり肩に重さを感じながらクライムオン。天狗方面へは久しぶりに歩くが暗くてもルート明瞭でとてもありがたかったです。漁師の水場で喉を潤し石畳を歩き粟畑へ。天狗小屋へ着く頃には少し白み始めていたが日の出には少し時間があるので小屋で少し休憩させて頂く。まだ暗い所にお邪魔してしまい申し訳ありませんでした。小屋番さんは優しく下から上がって来た事をお話したら、周回して帰って来ても充分間に合うし今日は芋煮だよ、自転車は明日回収すれば良いじゃんと言われ心がグラグラ揺らぐ…。日の出の時間も近づき天狗角力取山で御来光を観るべく小屋を後に。今度は是非天狗小屋へも泊まりに来よう。天狗角力取山からは朝陽がバッチリ見えて今日の快晴を核心。また以東岳〜大朝日岳までの主稜線や三方境へ続く二つ石ルートも見えてテンションアップ。山頂から西へ進路を取りいざ出合川へ一気に下る。末端まで下ると正面に出合川、右に支流の岩屋沢が見える。最後は岩屋沢沿いに数m降ると出合川へ出る。上流に視線を移すと対岸にピンテが見えて進むべき方向は分かったがどこを渡渉するかを暫し考える。右岸を進むとすぐに進退極まる感じがしたので素直(?)に出合川と岩屋沢の合流点を渡渉した。靴を脱ぎ裸足で渡渉し水量は膝上。ここ2,3日雨が降らなかったと思われる状態でこの水量は雨が降ると渡渉は厳しくなるだとうなと想像。渡り終えて準備と整えピンテの方向へ。ピンテ近くに大きめの岩がありここを乗り越えるのに少し難儀。そこから踏み跡と焚火跡が見えて登山道へ。そのまま真っすぐ進むとかなりの急登にぶつかり、ん?ここを登るのか?と思い左を見ると踏み跡が続いておりピンテもあった。更に進むと刈り払われた急登が目の前に現れる。まだステップも出来ていない上に土で滑りやすく掴まれるものがあるなら何でも掴みながら急登を只管登る。たまに雄たけびも上げながら開拓ルートのありがたみも感じ進むと尾根に出る。尾根に出ても容赦のない急登が続く。刈り払いの枝もあるので少しでも歩き易くする為に登山道にある枝などは脇に避けながら一歩一歩足跡を刻んで進む。激急登の為どんどん視界が変わって来る。尾根に乗ると登山道は明瞭になり只管急登をこなしていく。明光山まで来ると三角点よりオツボ峰と主稜線の眺めが良くなり、急登も一旦緩んでくる。明光山周辺の黄葉が見事でとても癒されながら進むと開けた展望地があり、ここでザックを降ろして周辺の絶景を堪能しながら大休止。ここからオツボ峰へは再び急登が始まる。笹原が下向きに生えているので登りではツルツル。ここを藪の時に歩かれた方々はさぞ困難だったろうと容易に想像出来る。振り返る度にどんどん景色が変わって来て登り詰めると大鳥池が突然目の前に現れて大鳥小屋からのルートと合流した。20年程の時を経て再開拓されたルートに尽力された方々のご苦労と想い、雄たけびを上げながら激急登を越えて登って来た達成感、自分の一歩をそのルートに刻む事が出来た感激等々、大鳥池を目の当たりにして色々な感情が湧きだして目頭が熱くなりました。このルートを無事歩けた事に心より感謝します。天狗角力取山〜オツボ峰間は誰にも会いませんでしたが、ここからは朝日連峰の主稜線歩きの始まりとなりスライドする方も増えて来ました。以東岳からはド快晴の下、大朝日岳までの主稜線が見事に丸見え。何度もこの稜線を眺めて来たが今回の眺めは特に格別でした。明日は天気予報がいまいちなのでここから竜門小屋まで稜線歩き。途中スライドする方々と会話させて頂きながら徐々に歩みを進め狐穴小屋で小休止。冷たい水で補給+水浴びにリフレッシュ。寒江山からはまだ歩く事が出来ていない三面ルートを眺めながらいつか歩きたいと思い、アップダウンの稜線を歩き後半バテ気味だったがやっとの思いで竜門小屋に到着。この日は竜門小屋泊は私含めてソロ3名のみ。日暮沢から時計回りで来られた方が2名。小屋の2階を3名で広々使わせて頂きました。今週小屋締めで水場のホース撤去など小屋番さんと色々と会話しながら楽しい時間を過ごす事が出来ました。夜は3名で今までの山行話しに花が咲く。皆さんそれぞれエピソートがあって面白く時間があっという間に流れてこの日は就寝。
2日目
天気予報が悪かったのでガスの中の歩きを想定していがたAM3時に予想外の星空と夜景にテンションが上がる。起こしてしまい申し訳なかったのですがそそくさと出発準備開始しAM4時前に皆さんにお礼を伝え小屋を出発。少し風はあるが夜景と星が見えるだけでも万々歳。西朝日岳へ向かいながら歩くと狐穴小屋から歩かれている方や以東岳の山頂にヘッデンの灯かりが。やはり皆さん早出の方が多そう。西朝日岳を経て中岳の登り辺りで雨がパラつき始めて、あぁ〜やっぱりかぁと思いながら進む。大朝日小屋にもヘッデンが見えて金玉水で朝一番の清水を頂く。大朝日小屋では出発準備をされている方々が多数。聞いてみると昨夜は2〜30人程入った模様。大朝日岳からは雨模様ながらも周囲の山々が見渡せた。主稜線の先にある以東岳や飯豊連峰や月山、鳥海山なども観られると思っていなかったので感激。小屋まで降りるとこれから本降りになりそうな様相の為、ザックカバーも付けて出発。小朝日岳はこの天気でも真っ赤に燃えており急登を登り終えて振り返るとまだ大朝日岳や以東岳までの稜線も眺める事が出来た。せっかくなので鳥原山までの全ピークを巡ると決めて下り始める。小朝日岳下りのザレは雨だと慎重になります。鳥原山から最後の景色を眺め鳥原小屋の水場で最後に喉を潤し古寺鉱泉へ降りる。雨足が強くなって来たがブナ樹林の傘に助けられつつ割とあっという間に古寺鉱泉まで降りられた。そしてここから自転車で一路南俣沢へ。地蔵峠への登りが核心で6年前よりもキツく感じだが必死に漕いだ。概ね下り基調でゆったり館を過ぎて南俣沢方面へ。登山を終えて帰られる車2台とすれ違い、途中からの砂利道は自転車を押して駐車場まで無事に戻る事が出来た。最後は体が冷えて過ぎて風邪引くかと思ったが速攻で着替えてゆったり館でたっぷり温まった。
今回の山行は出合川〜オツボ峰を歩く事を目的としたので1日目の情報を多めに載せました。写真、コメント、感想沢山書きましたが最後まで読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m
※朝日連峰の過去山行
2017年10月 南俣沢〜二つ石ルート〜主稜線〜古寺鉱泉周回縦走
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1283364.html
2021年7月 朝日連峰南東部周回縦走
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3356783.html
コメント
この記録に関連する登山ルート
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出合川ルートは私が持っている山と高原1997年版ですでに破線になっており、1998年版ヤマケイ登山地図帳でも破線&一部不明瞭の記載です。当時から憧れだったこのルート、夏に下りで整備隊の方々と歩くことができた時はやはり涙腺が緩みました。
これからも末永く歩けるよう、小さな一歩かもしれませんが毎年歩こうと思っています。
1997で既に破線でしたか😣長い長い時を経て再開拓された方々の並々ならぬご苦労に感謝しつつそのに自分の一歩も刻むことが出来て貴重な経験が得られた山行でした🗻
下りは登りよりも大変そうだなぁ〜と思いましたよ😅
あんないい天気の中で∞周回を歩きたかったですね(8日も悪くはなかったですけど...)
障子ヶ岳の絶景ももっと堪能できただろうな〜
茶畑〜高安〜鱒淵の間も再開削されて残雪期以外も歩けるようになれるといいですね
そうすれば草岡から60Kmのロングトレイルになります(夢に見そうだ)
日帰りで8の字や二ツ石ルートで以東岳ピストンなど私にはとても真似出来ない山行されていますね😣💦
今回はメインの一日目は秋晴れで主稜線見渡せて最高でした☀違った角度から観る朝日連峰も良かったです🗻
なかなか距離ありそうですが、茶畑のルートも開拓されたらロマンが広がりますね😍
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