七面山 北参道〜敬慎院参籠〜表参道


- GPS
- 09:26
- 距離
- 19.9km
- 登り
- 1,925m
- 下り
- 1,991m
コースタイム
- 山行
- 4:57
- 休憩
- 1:48
- 合計
- 6:45
天候 | 二日間とも☀️ 敬慎院外気温 18日夕方 10℃ 就寝前7℃ 19日6時 3℃ 消灯時間までは、ファンヒーターがあるので暖かいが、消灯後は、寒さ対策をしないとロール布団だけでは、寒くて寝れない夜を過ごす事になる 私は保温性のインナー上下、長袖、ジャージ上下、厚手靴下でしのげた |
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過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
〜北参道〜 奥の院(40丁目)までの見どころは、大トチノキぐらいで、〇〇坊も全て廃業、見晴らしも無い 岩稜帯も無く、変化の無い九十九折れの参道がひたすら続く 〜奥の院から御神木〜 よく整備された参道と違い、普通の登山道 樹間が広く、マーキングテープも無いので、ルートがわかりにくいが、白い案内板とロープに従えば迷うことは無い 〜奥の院から敬慎院(50丁目)〜 最後の10丁は、拍子抜けするくらい広々した林道歩き 〜敬慎院から頂上〜 片道45分の案内があるが、1時間みたほうがよい 随身門をくぐり、遥拝台を右に進むと遥拝台と同じくらいの広場があり、ここを右に進む やがて、登山道になる ナナイタガレの直上を通過する時(特に下山時)要注意 〜表参道〜 北参道同様、変化の無い登山道が続く それぞれの〇〇坊は廃業こそしていないが、この日は2丁目神力坊を除いて営業していなかった 〜下山口から赤沢宿を経て角瀬〜 舗装路歩き 平面図ではわからなかったが、大きく上って大きく下るので、結構大変 |
その他周辺情報 | 角瀬登山道周辺にある駐車場は、すべて私有地なので、無断駐車厳禁 角瀬トンネルを出たすぐ右手の空地も工事関係車両が駐車していて不可 すみせタクシーで「何処かないか」聞いたら教えてくれた |
写真
感想
小学生の夏休みに3年間、外祖母と母に連れて来てもらって以来、丁度50年振りの七面山である。また、還暦を迎える年というのも何かの縁だろう。記憶を呼び起こしながら当時のルートを辿った。
ほとんど変化の無い北参道を、心身を疲弊させながら、数時間かけ40丁目まで登ると、突然、鹿に迎えられた。「七面山に歓迎されている」と都合良く思い、続く奥の院、影よう石、最後に富士山を見た時には、参道とのギャップで、気分は一気に昂揚した。気を良くして御神木を見に行くと、もののけの森と御神木に迎えられ、悠久の年月と神秘性を感じた。
敬慎院が見えてくると、懐かしい景色が再現されていた。大人になって再訪すると、自然も施設も小さくなっていて、ガッカリするものだが、そういう事は一切無く、重厚で静謐だった。
午後6時半からの御本尊御開帳に合わせて、本殿に上がると、有名な神社仏閣にも引けを取らない大伽藍が目に入り、絢爛でありながら厳粛、厳粛でありながら懐かしい雰囲気を感じた。
午後7時からの夜のお勤めは、迫力のライブの立会人になる。その熱量に、祭りに通じるものを感じる。祭りも神に奉納するものだから、同じような熱を感じても、おかしくないのだろうと思った。
お勤めの後、僧侶の案内で秘仏見学が出来る。釈迦に関わる物、お萬の方に関わる物、今までの別当の位牌、古すぎて縁起の解らない仏像等、興味深い物ばかりである。
朝のお勤めは、5時半から始まる。日の出に合わせて中座する事は自由で、私は45分に腰を上げた。外は、大分明るくなっていて、随身門の前まで来ると、まず、額縁富士を見る事が出来た。随身門を潜ると、富士山の雄大な姿と雲海、そこから浮き上がっている峰々を見る事が出来、半世紀前の再現が体験出来た。やがて、太陽が富士山の右側の裾野から上がってきて、随身門を紅く染めて見事な景色を現出した。
敬慎院を出立する時、先頭に立った別当に声をかけられ、手を合わせて見送りを受けた時には、自然と手を合わせ返礼する自分がいた。
七面山に来て参籠すれば、素直になり、人に優しくなり、体調が整うのは必然である。大袈裟と思われるかもしれないが、楽しみの無い参道を登った後、鹿に迎えられ、その後は、目にする物、体験する事の全てが非日常のパラレルワールドとなる。飲酒酩酊、飽食三昧の毎日とは違う精進料理を食し、何ヶ月振りの快便も経験した。そして別当をはじめ、僧侶、参籠者の優しさに触れるのだから、素直になり優しくならないわけがない。
角瀬まで戻り、時間もあるので、温泉にでも寄ろうかと色々考えたが、どれもこれも今回の山行の余熱を散じてしまいそうで決めかねた。逡巡しながら車を走らせていると、七面山に連れてきてくれた母の月命日である事に気付き、墓参りして報告しようと思ったら、気持ちがストンと落ち着いた。
登山後記
私は参籠して人間が上品になったので、表参道を下りながら、「上さんには、いつも雑言を吐いているが、これからは感謝しなければ」と思った。
しかし、帰宅して、すぐに世俗の垢にどっぷり浸かった私は、たった数日後、些細な事で上さんとケンカしてしまった。「また、七面山に行かないといけないなあ」
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