大雪山系縦走(旭岳・間宮岳・中岳・黒岳) ※山の素晴らしさをオーバー目に語る俺。実際に連れていく羽目に……。
- GPS
- 10:00
- 距離
- 18.5km
- 登り
- 1,554m
- 下り
- 2,024m
天候 | 快晴 |
---|---|
アクセス |
感想
ある日、取引先にお邪魔し、いつもの通りIさんと談笑していた時の事、山登りの話となり、例の如くややオーバー気味にその素晴らしさを語ってみた。旭岳の真っ青な空に燃えるような紅葉、荒々しい噴煙の側を登るダイナミックな登山。北海道最高点から見る雄大な景色と、黒岳まで縦走する登山の醍醐味等々。見る見るうちにIさんの目が輝きだした。「お願いです、僕をそこに連れて行ってください。」
ありゃ、これは面倒くさいことになったぞ。素晴らしさをアピールするあまり、連れて行く羽目になってしまった。そう言えば、前回の大雪山の時もヒッチハイクで世話になった学生2人を得意の話術で丸め込めた過去がある。今回は過度な熱弁は控えるべきだった(笑)。そして、これは何故なのか考えれば考えるほど分からないが後輩Nも連れて行くことになった。いずれにしても決まったものは仕方がない。今回は前回の縦走のようなヒッチハイクという手は使えないので、自分の車とI車の2台を使い、旭岳と黒岳にそれぞれを配置する作戦をとった。
しか〜し、ここで大問題がある!オレの車の黄色と黒のブチ色ジムニーが高速走行不可であるということだ。計画では札幌から旭川まで高速を使うことになっており、仮にジムニーで走ったならば、途中で大炎上、あるいは木っ端微塵になること必至である。レンタカーを借りる手もあるがバカ高でムリ。ということで別の後輩Hにポンコツのディアマンテを借りることにし、訳を話してなんとかポンコツ車を調達できた。これでも老衰間際のジムニーよりは遥かによく走る。
さぁ、いよいよ出発である、2台に分乗してまずは黒岳の麓である層雲峡温泉を目指す。出発してから約2時間半、層雲峡温泉に着いた。ポンコツを置いてI車に3人で乗り、出発地点である旭岳登山口に向かった。登山口の駐車場に着いたのが夜の11時くらいだったと思う。周りは既にテントの花が咲いており、みんな明日の登山に向けて眠っているようで、シーンと静まり返っている。そこにオレたちが車を付けテント設営に掛かる。暗くて何も見えないので車のエンジンを回したまま、ヘッドライトを点けた状態でテント設営をしたものだから、横で寝ていた登山者に、「おい!うるせぇぞ、バカヤロー。今何時だと思っているんだ。」と怒鳴り付けられた。「おい、今言うた奴は誰や。こっち来い!」と、言うつもりだったが、どうやら周りの人間はすべて敵の四面楚歌、ここで反論したならばフクロ叩きに遭う。まぁ、確かにエンジンとライトを付けたままというのは、少しマズかった。それに慣れないテント設営に思いのほか手間取ってしまった。
テントは諦めI車で3人寝ることにした。しかしシートが合わないのと、気持ちの高ぶりでなかなか寝付けない。窓から外を見ると、満天の星空がきらめいている。結局ほとんど眠れないまま、朝になってしまった。
さぁ、登山開始だ。前回と同じく、ロープウェイを使わずに姿見の池まで歩いていく。天気も快晴の絶好のコンディション、心配していたNの足取りも軽やかで順調に姿見の池まで到着できた。ここからが、本当の登山で傾斜がきつくなってくる。ガレ場が延々と続く厳しい登りだが、気合で乗り切っていく。金庫岩で写真を撮り、最後の登りも越え、ようやく山頂に着いた。山頂からは絶景が広がり、この大パノラマを見ながらの食事とした。Iさんも大満足で、Nも問題なくついてきてくれた。
さて、ここから縦走を行うが、距離は長いものの、きついアップダウンもないので、普段通り歩いていけば黒岳まで辿りつけるので後は心配はない。3人は大雪山の雄大な景色を見ながら歩いていく。真夏にもかかわらず、別天地のような心地よさ、疲れも忘れて足取りも軽い。爆裂火口の跡であるお鉢平らを歩き終え、黒岳石室に着いた。やはり前回同様日本一高い売店に寄り、500円のコーラを飲み干す。いや実にうまい、うますぎる。心も体も満たされ、最後の黒岳へ向かい出発した。黒岳へはそれほどの距離ではないが、最後の登りがあり、この坂を登り切って黒岳を登った。3人で固い握手を交わした。
ガイドとして、オレの仕事も終わったといっても過言ではない。黒岳からきつい傾斜の坂を降り切り、層雲峡温泉に無事到着。ポンコツのディアマンテ号がオレ達を出迎える。ポンコツに乗って旭岳へ向かい旭岳で解散とした。寝不足と疲れでクタクタになったが、ようやく札幌に着いた。あぁ、無事に帰ってこれた。後輩のHにガソリンを満タンにして、車を貸してくれたお礼を言おうとしたら、物凄い激高している様子。なんでも、Hはもっと早く返して欲しかったようだが、約束の時間になってもなかなか帰ってこないlことに立腹したようだ。こちらもそんなきっちりいついつまでに返す等の約束はしていなかったので、夜遅くに返したのだが……。まあ、最後は締まらなかったが、いい思い出になったことは間違いない。おわり。
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