大峰奥駈道(吉野→熊野本宮)
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コースタイム
830吉野-950金峯神社-1137四寸岩山-1222二蔵宿小屋-1315大天井岳-1345五番関-
1510洞川茶屋-1604山上ヶ岳-1640小笹宿
行動時間8時間10分
5月3日
440小笹宿-552小普賢岳-608小普賢岳-720七曜岳-810行者還小屋-925奥駈道出合-
1107弥山小屋-1135八経ヶ岳-1350楊枝ヶ宿小屋-1614釈迦ヶ岳-1645深仙小屋
行動時間12時間5分
5月4日
455深仙小屋-535太古の辻-631天狗山-703天狗の稽古場-810涅槃岳-912持経ノ宿-
1017転法輪岳-1046倶利伽羅岳-1148行仙岳-1215行仙宿山小屋-1345笠捨山-
1404葛川辻-1435地蔵岳-1650森林植物公園
行動時間11時間55分
5月5日
410森林植物公園-527花折塚-624玉置山-638玉置神社-806大森山-903五大尊岳-1016大黒天神岳-1121吹越峠-1211七越峰-1253備崎経塚-1345熊野本宮
行動時間9時間35分
天候 | 1日目晴、2日目曇のち雨、3日目雨、4日目晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
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コース状況/ 危険箇所等 |
怖さを感じた箇所:釈迦ヶ岳手前の鎖場の下り、地蔵岳を過ぎた鎖場の下り 道に迷った箇所:深仙小屋からルート図にない別の尾根に向かってしまった(踏み跡あり) 確認した水場:小笹宿(豊富)、行者還水(ジョロジョロ)、楊子ヶ宿小屋(チョロチョロ)、鳥の水(チョロチョロ)、深仙小屋(ポタポタ)、森林植物公園(豊富) |
写真
感想
近畿圏のロングトレイル、六甲全縦・生駒縦走・ダイアモンドトレイル・比良縦走・高島トレイル・鈴鹿セブンサミットなどを歩いてきて、まだ残っていたのがこの大峰奥駈道でした。体力的にも時間的にも今のうちに歩いておいた方がいいと思い、今回の決行になりました。
初日は電車で吉野駅まで。桜の名所を過ぎて金峯神社から奥駈道に入りました。この日は気温も高く、初日ということもあって体が重い。しかも、四寸岩山や大天井ヶ岳への登りの勾配もハードでした。水もどんどん無くなっていって不安がつのります。何でこんな苦行しなければならないのかと後悔しました。こういう後悔は山行ではよくあることですが、今回は特に辛かったからかすっかりテンションが下がってしまいました。山上ヶ岳に近づくにつれ修験者の方も多くなり、いたるところで法螺貝の音がこだましていました。気分がふさいでいるので耳障りですらある。辛すぎてどんな山や道だったのか、コースの記憶がほとんどありません笑。脱水症状だったのかも。大峯山寺から気持ちを奮い立たせて笹原を下り、ようやく小笹宿へ。ここは水が豊富でキャンプ適地ということもあって沢山のテントがありました。ツエルトを立てて、全身をタオルでぬぐってご飯を食べたら倒れるように就寝。軽量化のためにシュラフを家に置いてきており、夜はシュラフカバーだけでは寒くて何度も目が覚める。
2日目、空が白み始めた頃にヘッ電で出発。昨日の教訓から水は多めに運びました。日の出を拝んで、今日も暑くなるのかと思いきや、七曜岳の頃から雲が重くなってきて霧雨も降ってきました。行者還小屋から奥駈道出合までが単調で辛かった。奥駈道出合からは登山者がわっと増えて賑やかな登山道になりました。さすが百名山。弥山小屋まで淡々と登りをこなす。小屋でカップラーメンを買って食べたかったけど残念ながら小屋は昼前の準備中でした。まだ雪の残る八経ヶ岳を通過すると、とたんに静かな奥駈道に戻りました。なんか嬉しい。真っ白のガスで周囲の展望はなかったけど、昨日と違って、暑くないし黙々と目の前の山をクリアしていくことでテンポがつかめてきた。こうなると時間の進みは早くなる。釈迦ヶ岳への鎖場は雨に濡れているので特に注意を払いました。奥駈道ではルート図には危険と書かれていなくても、危険な崩落場所や鎖場は結構多いです。お釈迦様の像のある山頂からの絶景を楽しみにしていたけど、もちろん何にも見えず誰もおらず。鹿が出迎えてくれました。山頂から下ったところにある深仙小屋で宿泊。靴下が濡れたが着干ししたのでとても寒い。
3日目、早朝出発。この日こそ雨の予報で気にしていたけど、昨日のような霧雨だったのでこれなら予定通り前進できそう。でも、小屋を出て早速道を間違えた。小屋から太古の辻に向かうルートは1本しかないと思いこみがあったので、小屋から続く鮮明な踏み跡を辿って森に入ったが、なかなかリボンを見ない。不審に思ってGPSで確認したらやっぱり道を間違っていました。結局小屋まで戻って正規のルートを見つけるまで15分ほどのロス。やれやれ。太古の辻には前鬼から登ってきたトレイルランナーがいました。30km先の玉置神社まで走るんだとか。この険路を走りますか。この強者の他にも、無泊で本宮まで走り抜けて、小辺路から高野山に戻るという変態もいたり。やれやれ。太古の辻から南奥駈道へ。ここから道が不明瞭になって険路になると事前に聞いていたので気を引き締める。でも涅槃岳までは穏やかな稜線が続いてとても歩きやすかった。確かに軽量装備で走ったら楽しいだろうな。持経ノ宿では小屋番の方が水場から水をポリタンクで担ぎあげてくれていた。本当に助かりました。奥駈道を歩いたら至る所で見ることになる「新宮山彦ぐるーぷ」の名前。奥駈道の補修や看板、目印リボンを整備されているらしい。こんな奥地の長大なルートを整備する苦労を考えると頭が下がる。行仙宿山小屋でも温かいお茶をご馳走になりました。くつろいだ気持ちを笠捨山の急登に粉砕されつつも、今日の核心、地蔵岳へ。鎖場が30分ほど連続する危険区間なので不安な方は巻き道を通った方が無難かも。雨で濡れた鎖が滑って怖かったです。香精山を越えると垂直かというほどの急降下。足にきた所で森林植物公園に到着。地盤が固くツエルトのペグが刺さりにくくてあせりました。
4日目、いよいよ熊野本宮へ下る日。張り切ってスタート。玉置山の付近は冷たい風が強くて立ち止まると寒かったけど、行動には最適な気温でした。玉置神社は昨年にも自転車で来たことがあり、その際に奥駈道の石柱を目にしました。そこから奥駈道を意識するようになり今回の実行につながった。その石柱に対面して少し感動。下界に降りられる興奮からか足がよく動き、しんどいと好評の大森山もサクサク通過。その先はチョイ登りのち激下りが連続して足を痛めつけます。高度もどんどん下がって蒸し暑くなる。ついにはセミまで鳴きだして夏山のようでした。ところどころ視界が開けるところでは町並みがくっきり見えてきて気持ちがはやりました。でも、気持ちと反比例するようにアップダウンは続きげんなりしてくる。事前の勉強でほとんどの人が「展望台から本宮が見えてからが長い」と書いているのを知っていたので、十分に心の準備をしていたはずなのに、それなのに「本当に長い!」。車道や公園広場に下りてきて気持ちはすでに下界にいるのに、奥駈道は再び山の中に入っていくし、ここまできて登ったりする。奥駈道を拓いた行者様も相当なドSやでえ・・。備崎を越えたら熊野川が見えて山からポンと出ました。当日の川は水量があまりなかったので裸足になって渡渉。深いところでもひざ下まで。4日間痛めつけた足裏が痛かった。日差しの強い河原を歩いて大斉原からついに本宮に到着。GWということもあって本宮は沢山の観光客でごった返していました。異臭を放つわが身の肩身の狭さを感じつつも参拝を済ませてしばし放心。じわじわやってくる充実感に浸りました。
この後、小雲取越・大雲取越を歩いて那智大社を目指そうと登山口まで歩いたところ、小雲取越が通行止めという衝撃の事実を知り、心折れて帰宅したことはここだけの秘密です。
大峰奥駈道は予想を上回るハードコース。修行の道という名の通り、ずっと自分が試されていると感じました。また、この100kmに及ぶ長大な難路を拓いたパイオニアや、安全に歩けるように整備されている方の苦労を思うと、感謝感謝の山旅でした。歩いたのではなく歩かせてもらったのだと思います。ありがとうございました。
去年私も奥駈縦走しました。私は女性なので和佐又山から入りましたが。
その時の気持ちを重ねながら楽しく読ませて頂きました。
本当にハードな縦走路で精神的にも肉体的にもきつかったですがその分充実感や達成感が半端なくてまた歩こうと思っています。
しかし熊野に着いてから小雲取へ行こうとされているとはすごいです(^_^;)
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