GWの岳沢テント泊(西穂高沢から西穂高岳へ、前穂は雨天断念)
- GPS
- 46:32
- 距離
- 13.2km
- 登り
- 1,773m
- 下り
- 1,771m
コースタイム
- 山行
- 2:17
- 休憩
- 0:02
- 合計
- 2:19
- 山行
- 4:55
- 休憩
- 1:55
- 合計
- 6:50
上高地→岳沢小屋 :ツボ足+ストック
岳沢小屋→西穂沢取付 :チェーンスパイク+ストック
西穂沢取付→西穂沢最上部:アイゼン+ピッケル
西穂稜線 :ツボ足
西穂沢最上部→岳沢小屋 :アイゼン+ピッケル
岳沢小屋→上高地 :ツボ足+ストック(左足のみソール剥離後チェーンスパイク装着)
天候 | 2日:快晴 3日:快晴から午後は時々曇 4日:小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
●上高地〜岳沢 夏のコースタイムで2時間半。険しいところがあるわけでもないルートなので、軽アイゼンやチェーンスパイクがあれば雪山初級者でも岳沢の白銀世界まで登ることが出来ます。ルートは残雪具合に応じて冬道(雪渓)と夏道のミックスルートになりますので、直前に岳沢小屋HP等で確認しておきましょう。 (GWの涸沢ルートに例えると横尾から涸沢のミニ版でところでしょうかね) ●西穂高沢〜西穂高岳 残雪期しか登れない雪渓を利用したルートで、西穂の横まで真っ直ぐ延びる西穂高沢の標高差800mの長い雪渓をストレートに詰める体力勝負ルートです。雪が緩んでしまうと余計に体力消耗しますので、雪が締まっている早朝に登ることをおすすめします(気象条件によって凍結している場合は逆に雪面が少し緩む時間帯で)。 西穂高沢取付部までは、岳沢小屋から下りトラバース気味に天狗沢、間ノ沢を横切って進みます。早朝行動の際は途中の藪や疎林、デブリなどの状態を前日に偵察しておきましょう。今回は雪が少なすぎて藪や草原となる部分のトラバースでてこずりましたが、もう少し雪があったほうが歩きやすいでしょう。 西穂高沢はまっすぐ長いものの緊張を強いるほどの急斜面箇所はありません。 西穂高沢最上部(稜線)から西穂高岳までは夏道でアイゼン・ピッケル不要でした。 |
その他周辺情報 | ●岳沢小屋(テント利用 1,000円/泊) 上高地から2時間半とアプローチも良いうえ、携帯電波もバリバリにつながります。 正面に上高地&乗鞍岳、右に天狗の頭から西穂高の稜線、左に前穂から明神の稜線、そして背後に奥穂南陵、3000m級の稜線に囲まれ、いずれの方面にも登れる場所にあります、特にGWは夏は登れない雪渓を利用した登山が出来る! GWの涸沢には及びませんが、小屋前のテラスで生ビールを飲めるし、テント場はしっかり雪面を整地整備してくれていて、快適な場所でした(設営前に受付して場所指定をもらう必要あり)。 ●下山後の温泉(お食事処しもまき 500円) 朝から入浴利用出来ました(食事処は開店前)。洗い場4つのこじんまりとしたお風呂ですが、浴槽、洗い場すべて木で作られた暖か味のあるお風呂でした。朝一番で下山した際にはぜひ寄ってみてください。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
アウター手袋
防寒着
ゲイター
ネックウォーマー
毛帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
アイゼン
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
ヘルメット
|
---|
感想
ねGWの雪上テント泊といえば涸沢、ということでこれまで3回お世話になってきました。昨年はようやく念願の雪の奥穂高岳に登ることが出来、さて今年は何処行こうかなと。
当初はババ平にテント泊しての槍沢からの槍ヶ岳を計画してみましたが、上高地からの長いアプローチにあまり気のりせず、他に何処でテント泊できるかなと探して見つけたのが岳沢。上高地から近く、そして残雪期しか登れないルートがある(西穂沢・奥明神沢)ということに強くひかれて行ってきました。
ここのところの暖かさと好天続きで、予想以上の雪解けの早さにビックリながらも、正面に上高地、そして明神・前穂・奥穂・西穂に囲まれたバツグンのロケーション、ミニ涸沢といっても良いぐらいの良い雰囲気の岳沢小屋(生ビール&テラス)、そして何よりも青空と真っ白な雪のコントラストが作り出す特別な風景に癒されまくりの山行でした。
初日は上高地から岳沢に入るだけのラクチン行程。
暑さでヘロヘロにならぬよう午前中に小屋に到着するよう車で沢渡に入り、晴天で汗ばむ陽気の中、予定通りの時間で岳沢に到着すると、そこは奥穂南陵や前穂・明神などに登る熟練者だらけの拠点。ヘルメット・ハーネス・カラビナ・ロープ装備でパーティを組んだグループがわんさか。早速小屋でテント受付をして、最上段の中央、一番良い位置にテントを張ることが出来ました。
さて、午後の半日どうして過ごす?
まずは付近の散策&マッタリの一杯。テラスでテント村や後ろの稜線を眺めながらノンビリ時間つぶし。パーティー登山が多いので、大型テント率が高いし、エスパースが多い。テラスに飽きるとテントに戻ってお昼寝するも、あまりの晴天でテント内は暑く1時間も寝ないうちに汗だくだくでテントから出る始末。それでは翌日に予定している西穂沢の取付までのルートを確認しとこうと西方向に散策。天狗沢、間ノ沢を下り気味にトラバースして取付地点まで100mほど標高を下げる必要がありそうなことを確認して小屋に戻り、そしてまた飲んで昼寝して、晩飯を食べて初日は終了。翌日は2時半起床で4時出発として夜8時には就寝。
2日目。
予定通りに起床して準備して4時過ぎに出発。雪が緩む前に雪渓を詰めようというグループが多いみたいで、夜明け前のテント村は準備する人が大勢でした(殆どは奥明神沢に行く人みたい)。
薄暗い中、ヘッドランプを点けて前日見たルートをチェーンスパイク装着で歩いて取付地点に着き、ここでヘッドランプを仕舞って、チェーンスパイク&ストックからアイゼン&ピッケル装備に変更し、見上げる遥か彼方の西穂稜線に向けて、西穂沢ルートの先頭を切って登りスタート(すぐ後ろに後続組が2ついたので心強い)。
標高差800mでストレートに伸びる長大な西穂沢、そこここにある踏み跡を一部利用しながら、途中2回の休憩を入れて、取付から2時間半ちょっとで稜線に到着。雪渓の雪タップリのところから、稜線部はいきなり夏道そのもので雪はまったく無し。西穂山荘ルートで歩いていた人に声をかけると西穂山荘からのルートはアイゼンもピッケルも全く出番なしな状況とのこと。 ここでアイゼン&ピッケルをデポして西穂高岳山頂へ。
7時半すぎに西穂山頂に到着。一昨年初夏にガスガスの西穂山頂で見れなかった四囲の眺望を存分に堪能し、ノンビリ1時間半近くも山頂でマッタリ。
山頂~の眺め↓
戻りは、次々西穂沢を登ってくる登山者と声を交わし、山頂の様子や雪面状況をアドバイスしながら、緩んだ雪面を大股でガシガシ下って、11時前に2日目の行動も終了。午後は前日と同様に飲んだりテラスで時間潰ししたりお昼寝したり。
しかし、前日と違って夕方近くになると厚い雲が上空にかかってきて、3日目の天気が微妙な感じに。天気予報を確認すると朝一番だけは小康状態ながら昼前から降雨予報。まあ無理そうなら次回リベンジすれば良いし。
とりあえずは早朝行動のために早めの夕食・就寝でしたが、夜中にテントを叩く雨音に目覚め、ほぼこの時点で前穂予定を取りやめる覚悟を決めて、朝3時アラームは解除。
アラーム解除もあって3日目の起床は5時。
テントの外を確認すると上はガスガスで小雨模様。これはもう速攻下山しかないと決めて朝食を済ませてテントを撤収し、6時半前に下山開始。緩んだ雪面をツボ足で快調に下っていると、左足に異変が! なんかパカパカするなあと見てみるとソール剥離で前半分が口を開けてる!? 全部剥離しないよう、テーピングでグルグル巻きにして、その上からチェーンスパイクを左足だけ装着して、ソロソロと下って7時半に登山口へ到着。3日目はあっという間に終了となりました。
雨に煙ってそれはそれで良い雰囲気の散策路を歩いて上高地に戻り、沢渡で朝から入れるお風呂を利用させてもらい、GWUターンラッシュの本番が始まらない早い時間の高速を走って(久々に上りの中央高速だ)、昼の2時半に自宅へ帰着となりました。
GWの岳沢、前穂のリベンジもあるので又、来たいし、オススメな場所です。
でも最終日が小雨&ガスガスで前穂を断念したけど、もし晴天だったら、前穂〜岳沢
の何処かでソール剥離してたかもしれません(アイゼンでガッチリ固定するから剥離せんかもしれんが)。 結果論ですが、潔く撤退を決めて下山を選んで正解だったなと思っています。
剥離した冬靴は、山をはじめた翌々年のGW(2009年)に涸沢雪上テント泊&穂高登山をしたくて買ったはじめての冬靴。以来6年、雪山山行50回以上を支えてくれた靴でした。雪山でしか使わないので汚れないしソールも減らないしで6年も履いてきたことを忘れてましたが、充分に天命を全うしてくれたんじゃないかなあ。
kazさんお疲れ様です。
残雪期の岳沢からのピークハント登山面白そうなルートですねー。知りませんでした。西穂沢登ってみたいルートですね。また前穂行く時には是非ご一緒させていただければ嬉しいなー。
笠の写真まだまだ雪ありますね。6月楽しみにしていますので、よろしくお願いします。
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