西穂高岳_西尾根
- GPS
- 18:35
- 距離
- 12.0km
- 登り
- 1,953m
- 下り
- 882m
コースタイム
- 山行
- 16:51
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 17:34
過去天気図(気象庁) | 2024年01月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
まず初めに、この日は我々の他に西尾根を通過したパーティーが1組だけいましたが、その内の1人が命を落としました。こちらの件に関してニュースにもなっているのでご存じの方も多いと思いますが、この件に関してのご質問はご遠慮ください。小屋の方や警察への情報提供等、我々でできることはやりました。亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
<山行コメント>
厳冬期に西穂高岳西尾根に仲間3人(自分、ミッチー、ヤマタク)+サポート1名(かっちゃん)と挑戦してきました。
1日で西穂山荘まで抜けることはできましたが17時間40分もかかってしまったことと、寒波後ノートレースで鬼ラッセルで突っ込んだことに加え、雪稜のルーファイの難しさや後半天候が荒れてしまい強風吹き荒れる状況となりかなり厳しい環境でした。
本当は4人で挑むはずが、僕と行った八ヶ岳のアイス以来、足を痛めていたかっちゃんはサポートに回るということで西穂山荘で待機することに。
足を痛めてるのにポーターするから山荘に持って行ってほしいもの運ぶよ!の言葉に甘えて宿泊用のダウンパンツ(221g)と水 500ml(←小屋で買えや)をポーターさんに預ける。
しかもスタートは西尾根の取り付きまで同行してくれ、下山時には独標まで迎えに来てくれ本当に心強かった。かっちゃんありがとう。
西穂高西尾根は直近(今年)の山行記録が無いのと、寒波後ということもあり鬼ラッセル覚悟。
事前の山行計画でテント泊か1日で西穂山荘まで抜けるか意見が割れましたが、鬼ラッセル考えると身軽で西穂山荘まで1日で抜けることを選択。
結果として山荘に到着するまで17時間40分もかかってしまいましたが、無事に抜けることができました。
穂高平小屋まではトレースありでしたが踏み抜き多く新穂高出発して早々にスノーシューに換装。穂高平小屋から先はもちろんトレースなし。
3人で回しながらラッセル奮闘。スノーシューでも膝上、腰まで埋まる場所もあり痺れました・・・(でも楽しかった)。寒波後だし想定の範囲内と言えばそう。この鬼ラッセル考えたら稜線のテクニカルな場所は余裕だろうとまで思ってました。
稜線(第1岩峰手前)までは我らですべてラッセル。後から2名追いついてきて稜線は先行されました。発達した雪庇やらも多々あり先行者のトレースはありがたかったです。この後、西穂山頂~西穂山荘の一般ルートで我々が追い抜くまではずっと先行されました。
クライミング的な登りは避けて通れるという事前情報もあったのでロープはいらないと思ってましたが、クライミング要素もあり、第2岩峰はルーファイでかなり登るのに時間を要してしまいました。
第2岩稜は急斜面トラバースして岩稜を避けることもできましたが、寒波後でモナカにもなっており急斜面過ぎるトラバースがいやらしいので岩登りを選択。でもルーファイをミスしました。バリエーションなので正しいルートなんてあってないようなものだけど、明らかに皆さんが通らない部分に入ってしまう。
しかしながらもう引き返せない状況の急斜面の岩稜を登っていた。そして自分には難易度の高すぎる岩にぶつかる。岩の隙間にアックスを刺せたと思っても岩の上に張った薄めの氷に刺さってるだけで体重預けたら崩れ落ち滑落しそう。何度も岩をたたき雪や氷を剥がしてガバを見つけるも見つからない。それを繰り返し手探りしながらオブザベしてオーバーグローブも外しクライミングで何とか登りました。
後ろの仲間2人にこんな際どい登りをさせるわけにもいかず、ここにきて持ってきたロープを使うことに。視点を見つけロープをFIXさせて2人に登ってもらい何とか難所をクリア。
その後も天候が荒れて風も強く日も落ちなかなか難しいルーファイと厳しい環境でしたが無事山頂まで到着。この間の写真は一切なく、山頂標識を1枚撮っただけでした。
僕が何度かサポートのかっちゃんに連絡入れていたので今から下山するの合図でなんと独標まで迎えに来てくれて嬉しかった。
不幸な状況にも遭遇してしまいましたが、これだけリスクの伴う山行をしているとそういう場面に出くわすことも不思議じゃないのかもしれない(私は昨年の厳冬期にも経験しており2回目でした)。驕らず冷静に自分とパーティーの力量を見極めたうえで山行を計画しなければならないと改めて思う学びの多い山行でした。
いろいろ反省点のある山行でしたが、仲間には感謝です。ミッチー、ヤマタク、かっちゃんありがとう。おつかれ山。
写真はメインのYAMAPに多くアップしてます
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