鋸岳縦走
コースタイム
2/10(日) 角兵衛沢のコル-鋸岳(第一高点)-小ギャップ-鋸岳(第三高点)-大ギャップ-鋸岳(第二高点)-六合石室(幕営)
2/11(月) 六合石室-甲斐駒山頂-駒津峰-仙水峠-長衛荘-北沢峠-旧丹渓荘-戸台駐車場
天候 | 2/9(土) 晴れ 2/10(日) 晴れ 2/11(月) 雪(寒気南下につき稜線付近は吹雪) |
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過去天気図(気象庁) | 2013年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
(1) 登山ポスト 戸台駐車場 (2) 道の状況 (2-1) 角衛沢出合:左岸に鋸岳への標識あり、右岸へとピンクテープあり (2-2) 角衛沢 出合〜岩室:凍結箇所と積雪箇所が断続的に続く。 岩室〜コル:要ラッセル。コル付近の稜線上は強風。 コル直下にテン場スペースあり。 4テン2張り、4点1張り、2テン1張り(ただし要整地) (2-3) 六合石室: 入口はスライド扉。 スライド扉の内部レール上に雪が詰まっていると扉が開かない。外からかきだす必要あり。 内部は4テン4張り程度のスペースあり。 (2-4) 八丁坂 下部のみ凍結箇所あり (3) 冬期トイレ - 長衛荘(トイレットペーパーの備蓄あり) (4) 温泉 高遠温泉 さくらの湯(600円) http://www.ina-city-kankou.co.jp/cms/modules/tinyd1/index.php?id=2 (5) 下山後の食事 勝味庵 本店 http://katsumian.com/ |
ファイル |
非公開
6465.xls
計画書
(更新時刻:2013/02/06 13:57) |
写真
感想
今回の山行前に厳冬期の鋸岳〜甲斐駒間の記録を色々と下調べをしていると、ラッセル地獄にあい甲斐駒までたどり着けなかった記録しかなく、正直ビビっていた。
しかし、山行当日、登山口に到着すると全然雪が無かった。雪が少ないなと皆が不満をもらす中、私はひそかに、もしかしたら甲斐駒まで行けるのではという期待感がでてきていた。
1日目:
戸台からの長い道のりを歩き、とりつきの出会へたどり着いた。そこから微妙なアイスバーンと土が見えている状態がブレンドしたような急登が続き、アイゼンを付けたり外したりと四苦八苦した。森林限界を超えたあたりで、テント適地と評判の大岩で一本とり、テン泊予定地のコルに向かう。ここからがワタクシ的会山行史上、一番のキツイ登りとなった。。
前方に学生のスーパーラッセル集団がいたのだが、広いルンゼだったので、せっかくということで、コルまで別のルートをとりフルラッセルで行くことに。(雪崩のことを考えるともう少しハジッコを行くべきだったのか? )ここから5人で交代でラッセルしていくが、自分の番ではかなりバテてしまった。学生パーティーは体力もハンパないのだろうが、くりさん曰く、技術の差だということ。これは経験を積んでいくしかないなと思いながら、くりさんのラッセルの仕方を真似してみるが、やはりバテるし進まない。ラッセルは難しい。そうこう登っていると先に到着した学生パーティーがテントをたてているのが見えてきた。が、そこからがまた遠い。子鹿のように足がプルプル状態になりながら、倒れ込むようにコルに到着。
そこからテン場を探したが、いいところがなく無理矢理、斜面の岩の下あたりに疲れた体にムチをうちながら1時間以上かけて整地をした。苦労の末、テントをはり終え皆でテント内へなだれ込む。そこから鍋一つで水作りをしたため、水づくりに3時間近くはかけただろうか。今後水づくりをするときは鍋とバーナーを総動員することにしよう。。
2日目:
朝テントからはいでると、テントが一はり増えていた。ベテランの単独行の方であった。これから甲斐駒に向けては学生パーティー、単独行の方、我々カモの会の3パーティーで向かうこととなる。我々は朝明るくなってきた6:30頃に出発する。学生パーティーは既に出発していたのだが、登りはじめのところで、ロープを出していたため、横から抜かさせてもらう。ほどよく登ったところで鋸岳第一高点(ピーク)へ到着。天候も良く雪をほどよくかぶった仙丈ヶ岳や北岳がよく見え、とても綺麗だった。そこからは、懸垂あり、ミックスあり、ルーファイありの楽しいルートだった。雪が深くラッセルが必要になってきたあたりで、学生パーティーとトップ交代。学生パーティーはラッセルしてるにもかかわらず、我々は全然追いつけず、改めて学生パワーに驚愕した。やっと甲斐駒前の避難小屋に着いた時には学生パーティーは更に先へ進んでおり、同じく先行していた単独行の方が休まれていたので聞いてみると、学生パーティーは今日のうちに北沢峠まで行くとのこと。単独行の方も仙水峠までは行くとのことで皆さん本当にタフである。我々は北沢峠まで行くのは厳しいだろうという判断で、避難小屋に泊まることに。避難小屋の扉を開けるのに一苦労であったが、その苦労以上に快適空間だった。この日はざっぱさんのキムチ鍋を腹いっぱい食べご就寝となった。
3日目:
最終日、6:30、今回の山行の最終目的地で甲斐駒ケ岳ピークへ向けて出発。ついに、鋸〜甲斐駒への完結編ということで、ワクワクしながらの出発であった。この日は天候が悪化するという事前情報があったが、その通りガスガスで数十メートル先しか見えない状況だった。その状況でルーファイしながら、雪と岩のミックス帯を登っていくと、2時間程で、山頂に到着した。出発前日までは本当に甲斐駒まで行けるのだろうかと思っていただけに、達成感充実感ひとしおだった。天候が悪かったため写真撮影もほどほどにくだることに。ここからくだりに巻道ルートをとってしまったのだが、途中雪崩がおきそうなルンゼをトラバースしたりと、こわい場所がいくつかあった。山行後に調べたところ通常冬山では直登ルートしか使われないようだ。鋸〜甲斐駒間の情報ばかりに気を取られ、甲斐駒からの下山に関しては、特に調べてなかったが、行ったことのないルートでは全行程について下調べをするべきだなと思った。
なんとか、直登ルートへ合流でき、そこから仙水峠経由でガンガンくだる。くだりはちょこちょこ踏み抜きがあり、少しづつ体力を奪われていく。先行するクリさんにくらいついていきながら、なんとか北沢峠へ到着。そこから戸台まで長い長いルートを歩いていき、ついにゴールである駐車場へ到着した。
いやー、長かった。この3日間本当に充実した山行になった。と、皆でたたえあった。
総括:
まだ雪山経験が浅く、厳冬期の雪山縦走が今回初であったが、ラッセル有、ミックス有、懸垂有と、いろいろな要素がつまった本当によい山だと思った。景色はやはり南アルプスのハジなのでどうしても山深は感じられなかったが、ルートが非常におもしろいのと歩きごたえ(充実感)があったので、よい山だと感じられたのだろう。
また、今回の山行では、自分が一人できてたらどうだろうかと常に考えながら登っていたのだが、テント生活技術、雪山でのルーファイ技術、ラッセル技術、ロープワーク、雪山装備の軽量化等、どれもまだまだだと感じた。もっと沢山、雪山へ行き、技術を習得して、いつかは自分の力でこのルートに再度行きたいと思う。
最後に、
常にトップを行っていただいたクリさん、後ろから見守り続けてくれたざっぱさん、いつもタフネスなラッキー、くだらないことしか言わないが実はやさしいムードメーカー的存在の赤パン先生、みなさん本当にありがとうございました。また、このメンバーでさらにきっつい山行に行けたらよいなと思います。
みんなの記録を読んだら、また山にいきたくなった。
のぼりたくなった。
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