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Yamareco

記録ID: 650413
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無雪期ピークハント/縦走
奥秩父

昔の人はすごかった!秩父往還雁坂峠越え&水晶山・破風山

2015年05月30日(土) 〜 2015年05月31日(日)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
25.1km
登り
1,932m
下り
2,286m

コースタイム

1日目
山行
3:32
休憩
0:43
合計
4:15
9:45
52
道の駅みとみ
10:37
10:37
25
11:02
11:18
30
11:48
11:48
48
12:36
13:03
28
13:31
13:31
29
14:00
雁坂小屋
2日目
山行
7:02
休憩
1:01
合計
8:03
5:02
16
雁坂小屋
5:18
5:18
33
雁坂峠
5:51
5:51
39
雁坂嶺
6:30
6:30
20
東破風山
6:50
6:50
32
西破風山
7:22
7:22
38
8:00
8:00
22
8:22
8:22
9
8:31
9:32
58
10:30
10:30
31
地蔵岩展望台
11:01
11:01
24
11:25
11:25
27
突出峠
11:52
11:52
22
雁道場(黒文字橋分岐)
12:14
12:14
51
水ノ本
13:05
川又登山口
過去天気図(気象庁) 2015年05月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
秩父と甲州を結ぶ古街道「秩父往還」が奥秩父の主脈を越える難所、雁坂峠越えの区間を甲州側から秩父側へと歩いてきたよー

雁坂峠自体は、2004年の奥秩父主脈縦走で訪ねたことがあるけど、そのときはガスの中で景色も何も無かったので、そのリベンジの意味での再訪でもあった。峠越えルートだけだと物足りないので、もし晴れてればついでに破風山も登るつもりで出発。

入山日の5月30日は快晴。塩山駅から西沢渓谷行きのバスは超満員で積み残しも出てた。でも半分ほどは途中の乾徳山登山口で下車。残った人のほとんども、西沢渓谷ハイキングか、西沢渓谷から甲武信に登る人で占められていたようで、道の駅みとみの近くにある雁坂峠入口に入っていく人はほとんどいなかった。静かな山歩きができそうな予感がした。
道の駅みとみから出発。天気は快晴!
2015年05月30日 09:35撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
5/30 9:35
道の駅みとみから出発。天気は快晴!
鶏冠山大橋の下をくぐっていく。
2015年05月30日 09:57撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/30 9:57
鶏冠山大橋の下をくぐっていく。
雁坂トンネルの坑口を見て。左上には早くも主脈稜線がチラリ。
2015年05月30日 10:09撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/30 10:09
雁坂トンネルの坑口を見て。左上には早くも主脈稜線がチラリ。
しばらくは林道歩き。行く手には雁坂峠周辺が見えた。
2015年05月30日 10:32撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/30 10:32
しばらくは林道歩き。行く手には雁坂峠周辺が見えた。
ワーレントラスな沓切沢橋(振り返って撮影)を過ぎると、登山道となる。
2015年05月30日 10:39撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/30 10:39
ワーレントラスな沓切沢橋(振り返って撮影)を過ぎると、登山道となる。
峠沢渡渉点付近での一枚。
2015年05月30日 11:00撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/30 11:00
峠沢渡渉点付近での一枚。
やがて峠沢から離れ、九十九折れの道に入る。このへんは歩きやすい。
2015年05月30日 11:43撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/30 11:43
やがて峠沢から離れ、九十九折れの道に入る。このへんは歩きやすい。
笹の斜面の一端に出る。ここからはこの笹原の一角を縫うような急登となる。
2015年05月30日 12:06撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/30 12:06
笹の斜面の一端に出る。ここからはこの笹原の一角を縫うような急登となる。
登り途中で振り返って。甲府盆地の町並みが遠くに見えた。
2015年05月30日 12:09撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/30 12:09
登り途中で振り返って。甲府盆地の町並みが遠くに見えた。
なんかの花も咲いてた。
2015年05月30日 12:10撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/30 12:10
なんかの花も咲いてた。
富士山も見えたのでアップで一枚。ただし山頂は雲の中。
2015年05月30日 12:15撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/30 12:15
富士山も見えたのでアップで一枚。ただし山頂は雲の中。
長い急登をこなして、雁坂峠に着いたどー!
2015年05月30日 12:36撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/30 12:36
長い急登をこなして、雁坂峠に着いたどー!
雁坂峠から甲州側を見て一枚。
2015年05月30日 12:37撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/30 12:37
雁坂峠から甲州側を見て一枚。
2004年の縦走時は一面ガスの中だった雁坂峠。今回はいい天気の中訪れることができて本当に良かった。
2015年05月30日 12:37撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/30 12:37
2004年の縦走時は一面ガスの中だった雁坂峠。今回はいい天気の中訪れることができて本当に良かった。
少し時間もあるので、水晶山(写真右上)まで歩くことにする。
2015年05月30日 13:05撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/30 13:05
少し時間もあるので、水晶山(写真右上)まで歩くことにする。
途中左下に今晩の宿、雁坂小屋がチラリと見えた。
2015年05月30日 13:08撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/30 13:08
途中左下に今晩の宿、雁坂小屋がチラリと見えた。
開けたところで振り返ると、右から雁坂嶺・破風山・木賊山(たぶん)が並んで見えた。破風山までは明日行く予定。
2015年05月30日 13:12撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/30 13:12
開けたところで振り返ると、右から雁坂嶺・破風山・木賊山(たぶん)が並んで見えた。破風山までは明日行く予定。
THIS IS THE 奥秩父って感じの森を行く。
2015年05月30日 13:20撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/30 13:20
THIS IS THE 奥秩父って感じの森を行く。
水晶山の山頂。
2015年05月30日 13:32撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/30 13:32
水晶山の山頂。
水晶山から折り返し、峠の秩父側直下に建つ雁坂小屋に着。
2015年05月30日 14:01撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/30 14:01
水晶山から折り返し、峠の秩父側直下に建つ雁坂小屋に着。
小屋前からの眺め。両神山と、その向こうには前橋の街並みがぼんやりと見えた。
2015年05月30日 14:01撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/30 14:01
小屋前からの眺め。両神山と、その向こうには前橋の街並みがぼんやりと見えた。
小屋前、わずかではあるけどシャクナゲがまだ咲いてた。
2015年05月30日 14:32撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/30 14:32
小屋前、わずかではあるけどシャクナゲがまだ咲いてた。
小屋からの日没。
2015年05月31日 04:20撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 4:20
小屋からの日没。
夕焼け雲の陰影がなんだか迫力あった。
2015年05月31日 04:21撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 4:21
夕焼け雲の陰影がなんだか迫力あった。
小屋では期待通り静かながらも、楽しい時間をすごすことができた。そして翌朝、小屋からの日の出。
2015年05月31日 04:37撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 4:37
小屋では期待通り静かながらも、楽しい時間をすごすことができた。そして翌朝、小屋からの日の出。
再び峠に登り、今度は昨日の水晶山とは逆方向へ、破風山を目指す。天気は曇り。
2015年05月31日 05:20撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 5:20
再び峠に登り、今度は昨日の水晶山とは逆方向へ、破風山を目指す。天気は曇り。
雁坂嶺周辺にて。雑木林の中の山頂。
2015年05月31日 05:52撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 5:52
雁坂嶺周辺にて。雑木林の中の山頂。
稜線上にもシャクナゲをみつけた。
2015年05月31日 06:15撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 6:15
稜線上にもシャクナゲをみつけた。
眼前に迫る破風山。
2015年05月31日 06:15撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 6:15
眼前に迫る破風山。
破風山は双耳峰的になってる。まずは東破風山に登頂。
2015年05月31日 06:30撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 6:30
破風山は双耳峰的になってる。まずは東破風山に登頂。
この頃になると、晴れてきた。
2015年05月31日 06:31撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 6:31
この頃になると、晴れてきた。
東破風山と西破風山の間はところどころ岩場になる。とはいえ灌木が茂っているので高度感に晒されることは無い。
2015年05月31日 06:43撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 6:43
東破風山と西破風山の間はところどころ岩場になる。とはいえ灌木が茂っているので高度感に晒されることは無い。
西破風山。ここも樹林の中。
2015年05月31日 06:51撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 6:51
西破風山。ここも樹林の中。
破風山は東西両峰とも山頂からの眺めは良くないけど、その間にはビューポイントが点在している。すっきり見えた富士山と、広瀬湖を入れて一枚。
2015年05月31日 06:59撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 6:59
破風山は東西両峰とも山頂からの眺めは良くないけど、その間にはビューポイントが点在している。すっきり見えた富士山と、広瀬湖を入れて一枚。
富士山アップ。
2015年05月31日 06:12撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/31 6:12
富士山アップ。
西破風山で折り返し、再び雁坂峠を目指す。行く手に雁坂嶺を見て。
2015年05月31日 07:26撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 7:26
西破風山で折り返し、再び雁坂峠を目指す。行く手に雁坂嶺を見て。
雁坂嶺付近では、縞枯れ現象が起きているようだった。
2015年05月31日 07:37撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 7:37
雁坂嶺付近では、縞枯れ現象が起きているようだった。
雁坂峠に戻った頃には、秩父側からガスが上がってきていた。
2015年05月31日 08:19撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 8:19
雁坂峠に戻った頃には、秩父側からガスが上がってきていた。
ふたたび雁坂小屋へ帰還。ここで大休止。
2015年05月31日 08:31撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 8:31
ふたたび雁坂小屋へ帰還。ここで大休止。
雁坂小屋を後にした直後に振り返って。すでに小屋周辺もガスに包まれていた。
2015年05月31日 09:34撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 9:34
雁坂小屋を後にした直後に振り返って。すでに小屋周辺もガスに包まれていた。
奥秩父にはこういう風景もよく似合う。
2015年05月31日 09:34撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 9:34
奥秩父にはこういう風景もよく似合う。
豆焼沢にて。
2015年05月31日 09:53撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 9:53
豆焼沢にて。
木にかかっていたワイヤーと、朽ちかけの桟橋を入れて一枚。
2015年05月31日 10:00撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/31 10:00
木にかかっていたワイヤーと、朽ちかけの桟橋を入れて一枚。
ほんの数カ所だが、こういうガレ場のトラバースもある。
2015年05月31日 10:14撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/31 10:14
ほんの数カ所だが、こういうガレ場のトラバースもある。
地蔵岩展望台に寄り道して。基本白。
2015年05月31日 10:31撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/31 10:31
地蔵岩展望台に寄り道して。基本白。
地蔵岩付近でもシャクナゲ発見。
2015年05月31日 10:35撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 10:35
地蔵岩付近でもシャクナゲ発見。
こんな感じで、ウェイポイントに看板がかかっていた。雁坂小屋の人が作ったものとのことで、この先のコースの様子を知ることができる。
2015年05月31日 10:43撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/31 10:43
こんな感じで、ウェイポイントに看板がかかっていた。雁坂小屋の人が作ったものとのことで、この先のコースの様子を知ることができる。
だるま坂から先は予告通り急下降となる。まさに一歩の登りも無い100%下りの連続なので、足が痛くなった…
2015年05月31日 10:55撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 10:55
だるま坂から先は予告通り急下降となる。まさに一歩の登りも無い100%下りの連続なので、足が痛くなった…
やがて樺小屋に着。結構しっかりした作りの小屋。
2015年05月31日 10:59撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 10:59
やがて樺小屋に着。結構しっかりした作りの小屋。
小屋前で休憩しながら空を見上げて。
2015年05月31日 11:05撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 11:05
小屋前で休憩しながら空を見上げて。
突出(つんだし)峠にて。ようやっと半分…だがこの先はさらなる急降下となりマジで足が辛かった。
2015年05月31日 11:26撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 11:26
突出(つんだし)峠にて。ようやっと半分…だがこの先はさらなる急降下となりマジで足が辛かった。
水の本という場所で。特に水が出ている様子も無く、普通の場所。
2015年05月31日 12:13撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 12:13
水の本という場所で。特に水が出ている様子も無く、普通の場所。
ただし地蔵はあった。
2015年05月31日 12:13撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 12:13
ただし地蔵はあった。
この石柱があるあたりから、下の方を見ると国道140号が見える。もうひと踏ん張り。
2015年05月31日 12:53撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/31 12:53
この石柱があるあたりから、下の方を見ると国道140号が見える。もうひと踏ん張り。
秩父側、川又の雁坂峠登山口に到着。下りにもかかわらず峠から秩父側は相当にタフな道だと感じた。
2015年05月31日 13:11撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/31 13:11
秩父側、川又の雁坂峠登山口に到着。下りにもかかわらず峠から秩父側は相当にタフな道だと感じた。

感想

期待通り晴れにも恵まれ、また静かな山歩きと小屋泊まりが味わえるという、不満のありようもない2日間だった。

しかし雁坂越え、甲州側は(途中まで林道歩きということもあり)比較的楽だったけど秩父側の道は本当にタフだった!下りですらそう思ったのだから登りはもっと大変だろうな。もちろん、麓の標高が秩父側の方が300mほど低いということもあるけど、コースの長さ(10km)の割には「傾斜分散」があまり無くて麓寄りに急坂が集中しているということ、途中まで沢沿いで適度なアップダウンがある甲州側と違い、山腹のトラバースが主なのでひたすら登りor下りが続くというとも地味に人体への負荷が高い気がした。そんな道を、ワラジ履きで日常的に往来していた昔の人はすげえ、と思った。

さて、以下は道マニア向け余談。

雁坂越えルートは、現在では峠直下を国道140号雁坂トンネルが貫いており、秩父往還は生活や経済のための交通路としてはその役目を終えているわけだけど、「秩父往還」がそのまますんなり「雁坂トンネル」に役割を引き継いだたわけではない。1953年に「埼玉県熊谷市から山梨県甲府市を結ぶ道」が国道指定されることになったとき、奥秩父主脈を越える区間の秩父側は、なぜか今回歩いた秩父往還ルートではなく、現在で言うところの黒岩尾根ルートが指定されたのだ。もちろん、秩父往還にしても黒岩尾根にしても、当時も今も車両(自動車の他馬車なども含む)が通れるような道ではない。ただ、(古街道・杣道を含む広義の)「登山道」をとりあえず国道指定しておき、将来的にその区間を拡幅するなり代替道路を建設するなりを目標にする、というのは当時の道路行政としてはわりかし普通にあったことなので、ここでの不思議は「なぜ歴史ある秩父往還ではなく黒岩尾根が国道指定されたのか」という点にある。

ともかく、雁坂越えについては、
(1)秩父往還ルート時代(近世以前〜1953年)
(2)登山国道140号・黒岩尾根ルート時代(1953年〜1998年)
(3)国道140号・雁坂トンネル時代(1998年〜現在)
の3段階の歴史を持っているということだ。ただし、(2)の黒岩尾根ルートは20年ほど前(1995年頃だとすると、雁坂トンネル開通前である)に再整備されるまで廃道状態だったというからどの程度交通量があったのかは不明。おそらく(2)の時代も、秩父側から雁坂峠に登る人の多くは相変わらず秩父往還ルートをたどっていたのではないかと推測する。

そんなことも含め、小屋番さんや小屋のオーナーさんと、雁坂越えの主に秩父側区間について、お話をすることができた。以下のようなお話が聞けた。

・秩父往還時代、秩父側の道は孫四郎峠というところ(2018m標高点付近?)から雁坂嶺に直登しており、そこから主脈沿いに雁坂峠に下り、甲州側に下りていた。[俺注:現在でも雁坂嶺山頂には、「孫四郎峠 廃道」という指導標が立っている。それが示す「廃道」こそまさに由緒正しき秩父往還だったのだ!]

・秩父と甲州を行き来するためにわざわざ雁坂嶺の頂上を通らなければならないのでは不便だろうということで、現在のように巻き道で雁坂小屋付近に通じる道が作られた。[俺注:その「新道」の開通時期と、雁坂小屋の建設時期の前後関係については聞きそびれてしまった。また、その道を作ったのが小屋関係者なのかどうかも聞き忘れてしまった。]

・雁坂小屋から雁坂峠に出るルートについても、開設当初と現在では微妙に異なる。これは伊勢湾台風(1959年)により道が崩れてしまったためで、当時の峠は現在の場所より雁坂嶺寄りに10mほど高いところにあった。現在でもその痕跡の平場がある。[俺注:この話を小屋で聞いた翌日、峠付近を探索してみた。2箇所ほどそれらしい場所があったがどちらが「旧峠」なのかは確定できなかった。]

・秩父往還でなく黒岩尾根が国道指定された経緯については不明。そもそも、国道140号は雁坂峠ではなくその南東約4kmにある雁峠越えのルートが指定されることも検討されていた。[俺注:当時はどうだか知らないが、今の雁峠は甲州側はともかく秩父側は林道どころか登山道すら無いようなエリアだ。そこに車道を通すとなればそれは相当な難事業になったに違いない。]

・現在、雁坂小屋の水は1km近くも離れた豆焼沢から引いているが、以前はもっと近くの沢から引けていた。雁坂トンネルの掘削で、辺りの沢が軒並み枯れてしまい(本格的な工事の前に行われた水平ボーリング調査では相当な出水があったのを、小屋オーナーさんがその目で見たとのこと)、仕方なく豆焼沢から引くようにした。距離が長く、高低差も約10mしか無いので、破損で水が出なくなる(サイフォンの原理で導水しているので、途中で穴が開くと送水圧が失われてしまう)不安がつきまとい、メンテナンスも大変だ。

以上、口頭での話なので記憶違い、聞き間違いがあるかもしれず、誤りがあった場合それは俺に責任があることを付記しておく。

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