将棊頭山敗退 胸突ノ頭まで


- GPS
- 14:48
- 距離
- 17.9km
- 登り
- 1,620m
- 下り
- 1,623m
コースタイム
- 山行
- 4:26
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 4:51
- 山行
- 7:56
- 休憩
- 1:41
- 合計
- 9:37
天候 | 前日 低気圧通過 雪 一日目 3/21 冬型 晴れのち曇り 夜半から強風 最低気温-8.49℃ 15:53 最高気温15.13℃ 11:00 二日目 3/22 高気圧 朝方強風 日中快晴 最低気温-13.92℃ 06:13 最高気温7.74℃ 10:23 |
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過去天気図(気象庁) | 2024年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
往路 伊那市着 10:37 伊那市駅-小黒川キャンプ場の所のゲート 白川タクシー 3800円 復路 伊那市発 16:08 小黒川キャンプ場の所のゲート-伊那市駅 白川タクシー4100円 (内迎車料金200円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・馬返しまで 歩き易い積雪。新雪は20cmぐらい。二日目は下部の日当たりの所では雪は消えていた。 ・馬返しから大樽避難小屋まで 積雪は増えて新雪は30cmを越えた。風の通り道では新雪は飛ばされクラストしていた。吹き溜まりでは腰まで嵌った。 ・大樽避難小屋から胸突ノ頭南 新雪は40cmぐらいか。吹き溜まりでは腰まで嵌った。後続の方に追い越されてからはトレースがはっきりしたが締ることはなかった。 ・下山時は全般的にトレース明瞭となり積雪も減った。翌日3/23は雪と雨なのでまた状況は変わったと思われる。 |
写真
装備
MYアイテム |
重量:5.21kg
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感想
行った事のないルートに行きたい。常々そう思っている。積雪期の18きっぷの季節は谷川岳周辺か八ヶ岳が定番だが、今回谷川岳周辺は天気が悪く。八ヶ岳は技術的な発展がない限りにおいてはいささか食傷気味。
そうした所に桂木場から将棊頭山が積雪期に良く歩かれていることを知った。メジャールートは何時も後廻しなので無雪期にも歩いたことが無い。縦走後の下山ルートとして検討したことはあるが、下山後近くに温泉がないこと理由に敬遠した。
改めて登路としてアプローチを検討すると伊那市10:37着、伊那市駅からゲートまで徒歩2時間30分、タクシーで15分(約3900円)。タクシー使用でゲート11:00で大楢小屋14:30で一日目の行程として丁度良い。
天気予報も前日低気圧通過で雪、一日目冬型で強風曇り、メインの二日目は高気圧に覆われ、晴れ無風で絶好の機会だった。
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一日目 3/21
午前中は快晴だった。中央線の車窓からは昨日の降雪により白く化粧した丹沢や三ツ峠が見えた。雲一つない青空に白い甲斐駒が映える。信濃境を過ぎると里にも積雪が見られるようになった。
伊那市駅で客待ちのタクシーで閉じられたゲート前で降りた。駐車は3台。既に新雪10cmから20cmの雪道で、2名のトレースがあった。ツバメ沢橋を過ぎ積雪が増した。
桂小場登山口から先行者の内1名はワカンを付けたようだ。自分はツボ足で通す。程よい積雪と緩い勾配で歩き易い。径は植林の山腹を執拗に巻いて行く。いい加減飽き飽きした頃、胸突きノ頭の稜線・馬返しに着いた。
風はあまりない。積雪は増してズボズボ歩きになった。吹き溜まりは膝上、風の通り道では新雪は飛ばされクラストしている。途中東側をトラバースする区間があったが、トレースがなかったら夏道を知らない自分は尾根を通した事だろう。二日目もそうだがトレースのありがたみを感じた。
暫くすると尾根は右折する。この日一番の積雪に腰まで嵌りながら、その尾根に乗ると右に大楢避難小屋があった。既に16時で大分時間が掛かかった。屋根の上には角煮の様な雪が乗っている。幸い出入口の扉は雪で閉ざされてはおらず凍ってもいなかった。僅かに新雪が掛かるのみで後からブラシで払えた。
小屋は自分ひとり、融雪して2.5L作るが、翌朝0.5Lは廃棄した。寝床を作り17:30にはカレーめしとウイスキーをやる。手元の温度計では-7℃ぐらい。年始の赤岳鉱泉テントより寒そう。
高度計の表示が3000mを越えている。低温では機能不全になるのを忘れていた。初見ののっぺりした登り一方尾根では手痛い損失だった。さらには低温の為スマホが充電できない。雪が入ったかUSBポートに水分が検出された。
夜半やはり寒さで起こされた。アルミ蒸着シートを巻いて何とか朝まで収まった。軽量化重視と過去の実績によりシュラフとマットを厳冬期装備から残雪期装備に変更したのが仇となった。
スパークSpII(リミット温度=-2℃)とネオエアーXライト(R4.5)+EXPEDフレックスマット(R1.5)では足りなかったようだ。やはりテントより小屋の方が寒い。
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二日目 3/22
3:40に起きて外に出ると夜半からの強風がまだ続いていた。盛んに飛ばされた雪が舞っている。電波が通じるので予報を再確認するとやはり風はない予報だった。予報に半信半疑になり、出発を遅らせて森林限界に出た所で風が収まらなければ撤退することにして準備する。
5:40 メリノバラクラバ、ブリーザートイ、ツルギジャケットの厳冬期装備でアイゼンを着けて遅い出発。風は収まらない。最初こそ先行者二名のトレースを追ったが、すぐに強風による雪でトレースは不明瞭になり、吹き溜まりに股下まで嵌るようなったのでワカンに換装する。洗堀された夏道に見える所を追うとたっぷりの雪で身動きが取れない。積雪の少なそうな所を追って右往左往するが、暫くすると先行者二名のトレースが明瞭になった。
胸突き八丁標識の手前で、桂小場を未明に登り始めた方に追いつかれた。緊急用のツェルトを含む宿泊装備では日帰りの方にはとても追いつけはしないので先行してもらった。トレース泥棒のようで申し訳なかった。途中交代する場面があったが、やはりすぐに追いつかれた。
2230mにはテント跡、六合目にはテントがあった。昨日のトレースの方のようだ。後で下山する一人にすれ違った。もう一人の方は木曽駒に向かったそうだ。しばらくするとは風が止んで樹間から見えていた稜線の雪煙が消えた。
信州大コース分岐過ぎ2160m~2220m、津島様跡2400m~2440m、最後の2570m~はきつかった。胸突ノ頭手前で右にトラバースして行くトレースを訝しく思いながらを追うと胸突ノ頭の南側稜線に出た。
快晴無風でこの辺は積雪豊富でクラストはしていない。飛び出たコメツガの類にはかわいいエビのしっぽ。南は木曽駒までの稜線が一望。東には権現づるねが延びている。馬返しまでの延々トラバース中に見えていた山腹だ。
将棊頭山までは往復約2時間と思えた。体力気力ともにこれ以上登る気にはなれなかった。既に10時20分、10時なら引き返しのつもりだったので本日はここまでとしてランチとする。南アルプスの眺めは北岳までで切れている。将棊頭山では全山が見えた事だろう。西の方はすっきりしないが、東は当然八ツも奥秩父も見える。何度も同じ写真を撮った後、腰を上げて下山とした。
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登山中、追い越され方を含め、自分の前には三組三名。下山中の登ってくる方とのすれ違いは四組五名だった。平日でこれだから人気の山だ。
当初は木曽駒まで繋いでRWで下山する計画だった。まさか将棊頭山にも届かないとは思っていなかった。反省点はいろいろある。
そもそも昨今の体力不足、コースタイムで歩ける体力がない。一日目に掛かった時間を見れば二日目計画通りに登れないことは明白だった。出発を遅らせてはいけなかった。
二日目は少し締って登りやすくなるだろうと考えていた。強風により新たに積雪が供給される状態で全く締まらず、30~40cm越えるであろう新雪に体力を削られた。
近年の暖冬に慣らされて、低温対策が不十分だった。宿泊時の事もそうだが、高度計とスマホの機能不全により積極的な行動がとりづらくなり、出発を遅らせる理由の一つにもなった。
事前に夏道ルートの確認が出来ていなかった。勾配もゆるいし単純に稜線を通せばよいと思っていた。何度か先行のトレースがトラバースしていく理由が分からず不安を積み増しした。
強風ではあっても見知った八ヶ岳だったら迷わず出発しただろう。初見のルートはどうしても慎重になるので、なおさら事前の地図読みが必要だった。
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