屋久島【白谷雲水峡〜縄文杉〜宮之浦岳〜淀川登山口】


- GPS
- 32:00
- 距離
- 20.6km
- 登り
- 1,771m
- 下り
- 1,141m
コースタイム
3月6日(土) 新高塚小屋05:57-07:08 1675過ぎのコル付近07:21-08:40宮之浦岳08:59-10:29投石岩屋10:47-11:46小花之江河12:26-13:29淀川小屋13:56-14:39淀川登山口14:55-15:22紀元杉バス停
天候 | 曇り時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年03月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
◎雪 登山道に雪はゼロだったが帰京した翌週に降雪があり、縄文杉デッキでも積雪。 ◎人 大株歩道入口〜ウィルソン株で計16人、ウィルソン株〜縄文杉で計105人すれ違った。他は気にならない程度。 ◎避難小屋 高塚小屋はカビ臭く、さらに煙草臭い。マナー違反。 新高塚小屋はカビ臭い普通の避難小屋。この日は私たち以外に1組2人が泊まっただけ。小屋の中にテントを張ったがネズミにテントの壁を食い破られ進入された。ちなみに、入り口に温度計があり10℃くらい。この時期にしては暖かい。 淀川小屋はキレイだが、ネズミが出るという記録を読んだことがある。 ◎水 水場は何も確認していません。計12リットル(+酒)を担ぎ上げました。 ◎天気 平地だろうとまるで山の天気。急に強い雨が降ってすぐ止んだり、深夜には雷雨。 ◎携帯 メンバーの中にFOMAがいることが好ましい。町中ではau、softbank共に通じるが、山の中はドコモ強し。太鼓岩は3本立つ。なぜか縄文杉デッキで電波あり。未確認だが、稜線でも電波が入るらしい。 ◎ガス缶 観光センターと空港内の売店に売っていることを確認。どちらもプリムスとEPIの両方がある。空港のほうが割高。登山者が使い残したものが民宿に置いてあった。 |
写真
感想
手記の転載です。
3月4日(木)
07:00 羽田空港着
荷物を預けるとき、なぜか個々に受付する。「乗継はありますか」と聞かれ、「ある」と答えると「乗り継ぐ飛行機を教えてください」と言われるがFJしかその飛行機を知らない。このため、4つあるカウンターのうち3つを塞いでしまった。同グループは一緒に1つのカウンターへ行くべきだった。
九州地方は天候がよろしくなく、電光掲示板に行き先の変更がある可能性がある便が載っている。乗る予定の鹿児島行きの飛行機もそのリストにある。鹿児島空港に着陸できないときは『羽田空港に引き返す』or『福岡空港に行き先変更』である。福岡空港に着いたらどうしよっかーと冗談交じりで話し合うが、本当に福岡空港に着いたら冗談では済まされない。
08:00 羽田空港発
10:00 鹿児島空港着
無事に着いた。天気は雨。とりあえず第一関門突破といったところか。そのまま屋久島空港行きの飛行機に乗り換える。こんどの飛行機は屋久島空港に着陸できなかったら『鹿児島空港に引き返す』or『福岡空港に行き先変更』である。後者になったらマジ伝説。
10:20 鹿児島空港発
景色はずっと雲の中でよく分からない。外が光り雷発生。高度を下げると海が見え、「あと○○分で着陸します」とアナウンスが流れるのでほっとする‥‥が、高度を上げだし再び雲の中へ。「見通しが悪く着陸できなかったので再度試みる」との趣旨のアナウンスが流れる。飛行機が上下左右に揺れる揺れる。マジで吐きそう30秒前。そして次のアナウンスは「鹿児島空港に戻ります」。ちーん。
12:00 鹿児島空港着
払い戻しにより全額返ってくる。つまり、飛行機にタダ乗りできたということだ。どれだけポジティブシンキングなんだか。次の飛行機のキャンセル待ちをすることもできるが、同様のことが起こる可能性が高いため、飛行機ではなく船で行くことにする。港へ急げ!現在の時刻は12:05。乗りたい船は13:10発。空港から港までは50分のバス+5分のタクシー。ミッションインポッシブル。もし、これに乗り遅れたら次の便が15:50発となってしまい、さらに到着する屋久島の港が変わってしまう(宮之浦→安房)ため、計画がいろいろと狂ってしまうのでなんとしても乗りたい。
12:05 鹿児島空港発
空港前から市内行きのバスに乗車(1200円/人)。間に合うだろうか?念のため、15:50発の便の予約をする。
12:58 金生町バス停着
バス停付近で待機していたタクシー(600円/台:初乗り)で鹿児島港南埠頭へ。乗りたい便の出航3分前に着く。急いで乗船券を購入(6500円/人)&15:50発の便をキャンセルし、船に乗り込む。
13:10 鹿児島港南埠頭発
何とか間に合った。奇跡だ。出向すると左手には黒い噴煙が上がっている桜島、右手にはキレイな円錐型をしている開聞岳が見える。外界の海に出ると波が少し大きくなる。乗っている船は80km/hの『高速船トッピー』。
14:55 宮之浦港着
やっと着いた。本来なら11時ごろに屋久島に着くはずであった。降ったり止んだりとなんともいえない天気だ。超自然って何?スーパーネイチャー?
観光センターの2階で昼食。飛魚や鯖が特産のようだ。天丼(私)、飛魚の刺身(NS)、とろろ(FJ)を食べたっけ。観光センターにあるコインロッカーに登山に不要な荷物をデポ&ガス缶を購入する。少し歩いてAコープというスーパーで食料と酒を購入。南アルプスの天然水の九州バージョンとなる阿蘇が売っている。お昼が遅かったため、惣菜を買って本日の夕食とする。
3月5日(金)
04:53 宮之浦発
タクシーで白谷雲水峡へ。初乗りが500円。安い。25分ほどで白谷雲水峡に着く(2480円)。FOMAは圏外。真っ暗なので少しゆっくりする。
05:49 発
一向に明るくなる気配がないのでヘッデン行動で出発。屋久島は東京より西にあるため、30分ほど日の出・日の入りが遅いんです。渡渉点は増水もなかったので岩伝いに渡れる。
06:49 白谷山荘着
山荘はそこそこ広い。内部は3つに分かれている。うち1つは個室風。
07:02 発
七本杉を過ぎるとそこは苔の世界、もののけの森である。看板は撤去され、ロープで入らないようにしてある。タクシーの運ちゃん曰く、心ない人が苔の上を歩くからだそうだ。おそらく、『もののけの森』という看板を見て、登山道を外れて苔の上に乗って記念撮影をしていたのではないだろうか。ときおりヤクシカと遭遇。丹沢のシカより二周りほど小さいく、後ろ足付け根の筋肉が乏しい。
07:41 辻峠着
ここから太鼓岩をピストンする。太鼓岩はモロの住処のモデルとなった場所である。登りと下りとで異なるルートであるが、下りのルートを登りのルートだと思って登ってしまった。太鼓岩までは高低差があり、意外と疲れる。しかし、太鼓岩に着くとそこは絶景。洋上のアルプスと呼ばれる所以が分かる。FOMAは3本。来た道で戻る。
08:26 発
09:04 楠川分れ通過
荒川登山口からのトロッコ道と合流する。渋滞もあるかもしれないと予想していたが、さすがに今はシーズンオフ。トロッコ道では誰とも出会わない。
09:09 小杉谷荘跡着
トイレがある。左のトイレは臭く、右のトイレは臭くなくキジ付きだそうだ。右に写っている背の高いテントは『携帯トイレを持ってきた人が使うところ』。
09:28 発
歩きやすいのだが、その分距離が長い。1時間ただひたすら歩く。私はこの間が一番疲れた。途中の展望所はガスっているため何も見えない。三代杉は中身がなく、とっても珍しいものを見れた気がする。苔から植物が生えるって神秘的。
10:32 大株歩道入口着
橋を渡ったところに立派なトイレがある。トイレの前で休憩するがトイレ臭が漂ってくる。
10:49 発
再び登山道。よく整備されている。ここに来て、初めて人とすれ違う。ウィルソン株まで計16人すれ違った。
11:12 ウィルソン株着
昼食にする。ハンバーグサンド。とても巨大な切り株。内部が空洞となっており、入ることができる。撮影する角度によって空をハート型に撮ることができるのだ。休憩中に20人くらい通る。
11:53 発
12:34 大王杉通過
雷が鳴り、雨が降り出す。夫婦杉は2本の杉が手を繋いでいる。くれぐれも「着生した木が繋がった」などとロマンがないことを言わぬように。
13:08 縄文杉着
ウィルソン株から計105人すれ違った。時間が遅く、天気もよくないため縄文杉デッキには誰もいない。縄文杉大きいー!根っこが痛むため、今は縄文杉は近づくことができません。だから写真で見たことがあるような『手を繋いで縄文杉をグルっと囲む』ことはできません。
13:24 発
13:34 高塚小屋通過
カビ&タバコ臭い。最悪。雷雨になる。光まくり、鳴りまくり。
14:33 新高塚小屋着
空いているだろうかと不安になりながら戸を開けてみると、誰もいない。もしかして貸切!?中に敷いてあったブルーシートの上にテントを張る。着ていた雨具等をハンガーにかけ、小屋に置いてあったガス缶を使って温室を作る。床にでっぱりがあってみんなつまずく。小屋前にはウッドデッキがあり、そこそこの数のテントが張れる。
今夜はカレー。肉の変わりに切り干し大根。一袋全部入れたために、絡み合ってスプーンで取ることが困難なカレーが完成。18時過ぎに2人来た。入り口の外に温度計があったため、見てみると20時で12℃あった。暖かい。
20:00 就寝
昨日と比べて雨風なく、とても快適な1晩になる‥‥はずだった。
3月6日(土)
2時半ごろ、「何かいる、きゃーー」FJが騒ぎ出す。何事だと思ったらネズミがテントに侵入。テントを食い破り、穴を開けて進入したようだ。幸い、被害はなかった。テントに穴が開いたこととネズミがNSの服の中に入ったことを除いて。
03:45 起床
寒くない。外の温度計は16℃を示している。干していたものはあまり乾いていない。小屋の中は常に湿度100%に近い状態。朝食はごはん、味噌汁。テントの外に出していた食器1枚、しゃもじ、オタマがネズミに汚染されている。食器1枚、しゃもじは小ビニで封印。オタマはキジで拭いて味噌汁中で煮沸消毒。
05:57 発
ヘッデン行動。雷は鳴っていないが雨は降っている。霧がすごく、視界がほとんどない。
06:43 第二展望台通過
エアリアは間違い。1641より手前にある。
07:08 1675過ぎのコル付近着
風があり、寒い。
07:21 発
07:34 平石岩屋?通過
1707である。
07:50 平石通過
エアリア・地形図は間違い。分岐の少し手前の双頭の小ピーク付近にある。宮之浦岳登りのどこかの登山道脇の茂みに雪があったが、そこ以外では見当たらなかった。
08:11 分岐通過
登山道が沢になっている。
08:40 宮之浦岳着
景色ゼロ。ガスと風の世界。寒くないといったら嘘になるが、思ったよりも寒くない。10℃くらいありそう。夏の3000mの同天候と同じくらい。
08:59 発
沢下降ですか?と突っ込みたくなる。
10:29 投石岩屋着
微妙。ただ大きな岩が数個あって幕営スペースっぽくなっているだけ。
10:47 発
11:35 花之江河通過
大きな蛙が水面からちらほらと顔を出している。天敵がいないのだろうか。
11:46 小花之江河着
昼食。ハムチーズサンド。
12:26 発
13:29 淀川小屋着
キレイな小屋である。快適そうだがネズミが出るという記録を見たことがある。ここには泊まらず、先に進む。
13:56 発
まだかまだかと心が焦り、とても長く感じる。
14:39 淀川登山口着
14:55 発
ここから車道。
15:22 紀元杉バス停着
バス停は紀元杉よりも200mほど手前。バスまで時間があるので紀元杉を見に行く。
16:21 紀元杉バス停発
バスに乗って空港近くの縄文の宿まんてんへ行く。入浴料は1人1500円と割高だが、タオルを貸してくれるしキレイなのでなかなかよかった。ツルツルする。入浴後、レンタカー屋に電話をかける。現在19時過ぎ。「今から48時間借りれますか?」地元の安いレンタカー屋は今日の営業を終了していたので、少々高いがトヨタレンタカーでヴィッツ(14700円/48時間:保険込み)を借りることにする。
3月7日(日)
以降は登山ではありません。
下山後にレンタカーで回った観光地を順番に載せています。
・志戸子ガジュマル公園(200円)
ガジュマルは歩く植物らしい。枝から地面に向けて枝が伸びて、地面に達すると根っこになるというものである。いくつもの枝が垂れ下がっていて、カーテンのようである(そんなキレイなものではないが)。
・屋久杉自然館(400円)
ここでは屋久杉についての知識を深める。屋久杉とは屋久島の標高1000m以上にある杉のことを指す。縄文杉の折れた枝などが展示されている。年輪を数えて当たったらプレゼントがもらえるというのがあり、友人が熱中。230まで数えたそうだ。中心部はまだ数えられるが、外側に行くと1mmの間に何本も年輪が見えるため、肉眼では無理だろう。
・屋久島世界遺産センター
屋久杉自然館と同じ敷地内にある。時間がないので15分だけ見る。世界中の自然遺産の地図があり、ここにくれば世界遺産の大切さが分かる‥‥ということにしておこう。
・屋久島フルーツガーデン(500円)
少々奥まった位置にある。この道であっているのかと不安になる場所。ガイドブックに試食ができると載っていたため、『試食=食べ放題』と勝手に解釈していたが、人数分だけしか配られなかった。園内を係りの人が解説しながら案内してくれる。季節はずれなようで「○○な花が咲きます」や「××な実ができます」ばかりだった。見たのはほとんどが葉っぱだけの状態。写真左は25年に1度しか開花しないものが今年は開花しているらしい。なんと珍しい。
・中間ガジュマル
『ちゅうかん』ではなく『なかま』と読む。なんだか沖縄っぽい。中間ガジュマルは屋久島最大のガジュマル。あまりにも大きすぎて、垂れ下がっている枝の一部が伐採されて道になっている。さまがらガジュマルの門。裏側のほうが葉が少なく、迫力がある。
・湯泊温泉
海のすぐそばにある露天風呂である。大きな岩風呂が1つと足湯がある。水着の着用禁止。地元の人が入っている。当然、全裸で。友人2人(女)は入浴料(100円)を払ってしまったので戸惑いながらも足湯に入る。「冷たっ!」
・平内海中温泉
湯泊温泉よりももっと海に近い。干潮時にしか入れないのだ。岩風呂がいくつかある。こちらは観光客がいっぱい。水着の着用禁止。裸祭りや〜。タオル着用はOKなようで、子連れのお母さんが入っている。
・トローキの滝
入り口が分かりにくい。この先左という標識がある(安房→尾之間に走行)が、『この先』ではなく、『ここ』である。山側にある駐車場に車を止めて標識の裏に隠れている遊歩道を歩く。遊歩道といってもさながら登山道である。奥まで進むと滝が見える。直接海に流れ落ちる滝。日本には2つしかないのでとても珍しい。もう一つは知床にあるカムイワッカの滝。
・千尋の滝
『ちひろ』ではなく『せんぴろ』と読む。トローキの滝の上流に位置する滝。2箇所の展望台から望める。うち、1箇所は滝だけでなく海も見える。
・れんが屋
安房にある焼肉屋。行く前から調べていて、ぜひ行ってみたいと思っていた。中に入ると奥行きがあり、かなり広い。牛肉の焼肉、豚肉の焼肉、シカ肉の焼肉・刺身・タタキを食べる。鹿うまー。
3月8日(月)
・永田いなか浜
ウミガメが産卵しに来るところ。何もない海岸です、はい。
・屋久島灯台
西部林道をそれてさらに細い道を進むとある。道幅が狭いし、両サイドに側溝がありなかなかヘビーな道。灯台は270度が海!タイタニックしたくなります。
・西部林道
世界自然遺産にある唯一の車道。自然遺産の中に道路があるのは世界でここだけらしい。シカとサルがいっぱい。我が物顔でぜんぜん逃げない。
・大川の滝
『おおこのたき』と読む。九州地方最大の落差88mを誇る滝。かなり近くまで行けて、滝つぼが豪快です。
・屋久どん
ここで昼食。たんかんチーズケーキうまー。見ていないけどキャンプ場もあり。
・ヤクスギランド(300円)
かなり山奥。淀川登山口へ行く道の途中にある。縄文杉に見に行くことができない人たちが来る観光地。よく整備されているがバリアフリーではない。くぐり杉などいろいろある。
・枕状溶岩
正直、よく分からなかった。どこが枕状なのでしょうか?海岸にでかい岩がゴロゴロと転がっているだけ。
◎交通費:56500円くらい
羽田空港→鹿児島空港:14600円
鹿児島空港→金生町バス停:1200円(バス)
金生町バス停→鹿児島港南埠頭:600円/3人(タクシー)
鹿児島港南埠頭→宮之浦港:6500円
宮之浦→白谷雲水峡:2480円/3人(タクシー)
紀元杉バス停→空港:1180円(バス)
レンタカー:14700円/3人
ガソリン:2500円くらい/3人
屋久島空港→鹿児島空港:10400円
鹿児島空港→羽田空港:16100円
◎入館料etc:1400円+寸志
志戸子ガジュマル公園:200円
屋久杉自然館:400円
屋久島フルーツガーデン:500円
ヤクスギランド:300円
湯泊温泉:100円程度
平内海中温泉:100円程度
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する