前穂高岳（奥又白池・A沢ルート）
長野県
kazuce
- GPS
- 80:00
- 距離
- 21.8km
- 登り
- 1,613m
- 下り
- 1,602m
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標高グラフを拡大| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2015年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
バス
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
A沢落石多くザレ場も悪い。 A沢雪渓の状態は良いがBCDは不明。 |
写真
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ここは懸垂で下降しました。
ピナクル支点にて下降
この辺りの岩は剥がれやすい
感想
当初 前半2日で5．6のコルより北尾根縦走・奥又白池にて合流その後別ルート山行（toshi0120.konsuke →T・K)
、後半2日で北壁登攀・奥又白池にて合流(S師匠）山行計画を計画していたが、実施日の前日に仕事の都合で入山が遅れた為、前半の北尾根縦走は奥又白池〜A沢から
前穂高岳山頂の往復なり、後半の登攀については天候の具合で中止になった。
初日、24日（金）早朝まで急ぎの仕事を片付け上高地へ入ったのは午前11時前後。
そこから明神館で食事を摂り徳沢を目指し順調に進むが新村橋を渡り林道終点付近の通行禁止の看板があった為、荷をデポし空身で通行禁止の道や梓川作業道から西方向への取付を探すが判断がつかないので徳澤園まで戻り奥又白池までの道を訊ねると通行禁止看板を潜って行けば良いとの事であった。
再び、デポ地点まで戻ったがこの時点で時間は既に3時30分を過ぎていた為、奥又白池まで明るいうちには着かないのは決定的となっていた。
再びその周辺で携帯電話の電波の届く箇所を探し歩くと梓川の河原の高台の一部でアンテナが立った為、T・K（PT）にビバークする旨を連絡。
こちらも重荷（テント・登攀具他・6日分の食糧 28k前後）なので登山道周辺の6畳程の空き地で幕営ビバーク。
翌2日目
早朝6時に出発する。
登山道は奥又白谷の右岸側に沿っており傾斜は緩やかで歩きやすい。
荷が重たいのでこまめに小休止を取りながら進む。
出発から1時間30分程で中畠新道分岐に着く。（7時30分）そこにT・K（PT）の張り紙があり、それを回収して大休止。
ここから先は松高ルンゼの左岸に沿って拓かれた登山道を進む事になるが急登のうえ足場が悪いので途中後続のPTの方々に道を譲り慎重に進む。
※ 中畠新道〜奥又白池までは距離：約1km前後 標高差：約600m弱
木根や岩場があり藪が煩い箇所も頻繁にでてくるので非常に煩わしい。
遅々としたペースではあるが徐々に高度を稼ぎながら進み約6時間30分で奥又白池に到着。（12時30分）
池の北寄りには既に彼ら2人のテントが設営されており張り紙があった。
それによるとA沢〜前穂高岳を往復しテント地には5時には戻るという事であった。
テント地を確保し荷物を下ろし身体が軽くなった所でやっと余裕がでてきた。
そこには先程追い抜かれた2人の方々がみえたので改めて挨拶を交わした。
そのうちの1人の方（ワコタ氏）に水場まで丁寧に案内していただき貴重な水を確保できた。
こちらも重荷を6時間以上背負ってきたのでテント地に着いた時点で肩の筋肉が張り腕が上がらない状態になっていたが、肩や腕の痛みをこらえながらなんとか彼らの隣にテントを張り直ぐに食事の支度にとりかかる。
食事といっても直ぐに食べたかったのでお湯を沸かしカップヌードルを食べながら、フライパンでコンビーフにカレー粉をまぶし炒めるだけのものである。
しかし、疲労感が蓄積された後の食事は別格で幸福感で満たされる。
その後は彼らが戻るまで時間があるので身体を横にしたら直ぐに寝てしまった。
夕方4時頃に目が覚めたので奥又白池周辺を散策しながらの前穂高の北尾根の絶景に見惚れていた。
奥又白池は北西方向に前穂高北尾根、南東方向に梓川や常念岳や蝶ケ岳が気持ち良く観える。
ここには自分達以外に3張りの計6張りのテントが設営されている。
そのうちの2張りの方々は4峰の登攀との事であった。
彼らが戻らないのが気になるが夕食を摂る事にした。（6時30分）
食後に珈琲を飲みながら地形図を眺めどの辺りに彼らがいるのかを考えた。
空がピンク色染まり前穂高に稜線にもモノトーンに褪色していくが彼らはまだ来ない。
念のためT・Kのテント内を確認し無線機の周波数433MHzを確認し携帯電話の電波の通る場所を探した。
奥又白池周辺は圏外だが一部に電波の通る箇所があったのでその場所を頭に入れテントへ戻る。
こちらが心配している中、7時ぐらいに丘の方からKの声が聞こえた為ゆっくり待つことにした。
8時ぐらいに声が近くなってきたので、こちらもヘッデンを点け合図し無事に合流。
彼らは酷く疲れているようであったので話を聞くとどうも山岳書籍の北尾根の下降路としての捉え方が違うようであり、散々な目にあったようであった。
時間が夜9時を過ぎていたので就寝する事にした。
翌3日目
4時に起床し簡単な食事を済ませる。
昨日の肩や腕の痛みは若干残っているものの問題無いと判断し前穂高岳A沢を詰める事にした。
彼らは次のコースへ向かうので、こちらも手短に危険個所を聞いてその概要を頭に入れ出発。（6:30)
奥又池より西へ続く緩やかな丘陵の踏み跡を辿り、30分程で奥又尾根と第1尾根のルンゼに差し掛かる。
ここからA沢下部へ向けて進むがルンゼ下部は浮石の多いザレ場となっており、雪渓が2つに分断されている。
下部の雪渓の脇を通りA沢下部に向けてラインを考えるが中々やっかいで、アイゼンを装着しながらルンゼを観察した。
上部雪渓の状態は良く雪渓下にも僅かしか水が流れておらず安定してるようだが非常に急斜面にである。
雪渓脇も通れなくはなさそうだがルンゼの全体の把握をしたかたので左岸の岸壁を登るが分からず。
しかたがないので雪渓上部にピッケルを打ち込み慎重に雪渓上を進みA沢コル（踏み替え点）に着く。（8:30)
ここには話に聞いた強固な懸垂点が2箇所設置されてあった。
小休止をしてA沢下部へと進む。
ザレ場のA沢を右岸から左岸へ渡り雪渓状態を確認。(8:40)
こちらも良く締まっていて安定しているようなので雪渓上を上部まで詰める事にした。
前爪とダガーで気持ち良く登れたが落石が気になるので早々に登る。
A沢雪渓を約1時間程で上部へ到達。（9:50)
ここでアイゼンを外す。
ここから踏み跡を探すが判然としなかったので稜線まで辿れそうな岩壁(三本槍付近）を登り主稜線へ出た。（10:20)
主稜線より岳沢側へ踏み跡を探しながら20分程で前穂高岳山頂に到着（10:40)
しばらく北尾根や岳沢方面の景色を堪能し下山へ。
ここからは踏み跡を辿るが来た道を戻る事にして、三本槍付近の岩でピナクルを支点して懸垂2回 50mでA沢雪渓上部へ到着（12:10)
※1 注意 三本槍付近の岩は剥離や落石が多く注意が必要と思われます。
※2注意 通常 踏み替え点（各コル）2箇所を通過します。
A沢雪渓上部から下部への下山も雪渓上を下りるが陽射しが強くなってきた為アイゼンが若干流れる箇所も出てきた。
照り返しが酷く気温も上がってきたので雪渓左岸に一旦降り大休止をし行動食を摂る。（12:40)
再び雪渓上に上がり下降し、A沢雪渓下部に着く。（13:40)
ザレ場を左岸から右岸へ渡りA沢コルへ。
ここで2箇所ある懸垂点のうちの中のものを使い25mの懸垂下降にてルンゼ雪渓下部へ到達。（14:10)
ルンゼ内の最後の雪渓は左岸脇を通過してルンゼ下部のザレ場まで下りる。(14:30)
そこからは踏み跡を忠実に辿り奥又白池のテント地へ到着。(15:15)
ロープや登攀具の整理をしテント内で昼寝。
5時ぐらいに目が覚めたので食事の準備をして昨日と同様にコンビーフを調理して食べた。（18:30）
後半の予定とS師匠との連絡を取る為、携帯電波の圏内に移動した。
携帯を見るとS師匠からの仕事先から不在着信の履歴10件程入っていたので直ぐにS師匠に電話をする。
何度かのコールの後、連絡がつき話をすると台風の影響が懸念されるので登攀予定は中止にという事になり、こちらも本ルートで岩で掠り左足膝を負傷していたので明日下山する旨を伝える。
その後、履歴にあった人達と連絡を取り就寝。（22:00)
翌4日目
早朝、極力荷物を軽くしなければならないので朝露に濡れたフライやシートを乾かす事に専念した。
朝食は持参した小豆豆乳やカップヌードル等を食べれるだけ食べ軽量化を図る。
早々に身支度を整えテント地を整理して出発。（6:30)
軽量化したとはいえ重量20k以上はあるのでザックのショルダーが肩に食い込み苦痛である。
中畠新道の涸沢分岐までは気の抜けないシビアな下山となる。
昨日のA沢よりこちらの方が何倍か気を使う。
下山開始から3時間程で涸沢分岐に着いた。（9:30)
ここまで来てやっと落ち着いて休憩できる。
ここからは危険個所なく徳澤や明神の休憩箇所もあるので何を食べるかを考えながら進む。
1時間程で新村橋を通過し徳沢へ。
ここでカレーを食べ大休止。（10:30)
再び重いザックを背負い明神館に向けて進み12:00に到着。
ここでコーヒーを飲み休憩。
20分程休憩した後、上高地に向けて進む。
この辺りから観光客の姿が目立つようになってくる。
バスの時間も気になる為か足がやや速くなるのが分かる。
13:30に上高地バスターミナルに着きタイミング良く13:40分のバスに乗る事が出来た。
バスの最前部に座り坂巻温泉で下車。
その後、温泉に浸かり帰路へ。
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