富士山(須走コース)
- GPS
- 09:03
- 距離
- 10.4km
- 登り
- 1,759m
- 下り
- 1,757m
コースタイム
天候 | 梅雨入り前最後の微風・晴れの絶好の登山日和 しかし下界は雲海で拝めず |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年06月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山口近くに大きな無料駐車場があります。登山口に公衆トイレ(200円)がありましたが、早い時間は施錠されて使えませんでした。登山口の売店はすでに営業していてトイレ(200円)が利用できました。 七合目(3090m)にある太陽館は既にオープンしていて宿泊可です(山好きオーナーの意向で6月〜10月営業しているとのこと)。 七合目から上は雪上歩行でしたが、本七合目までは岩稜帯をアイゼン無しで登ることもできたようです。 (私は今シーズン最後のアイゼン・ピッケルを楽しみたかったので、迷わず装着) 吉田口コースと合流する八合目から上は広大な雪面が気持ちよい(特に下りはシリセードで気持ちよく下れました) 太陽館からの下りは砂走り下山コースを使いましたが、一部雪渓を下るところがあるので、雪上歩きに慣れていない人は注意が必要です(そんな人はこの時期には来ないか) |
写真
感想
まもなく夏山シーズンとともに山開きする富士山。夏の富士山は人は多いし、変化の乏しい火山岩の長い長い登山道を歩く、私としてはそれほど楽しいとは思えない山なんですが、唯一の例外だなと思っているのが残雪期。
さすが日本一の標高だけあって、6月でもガッツリ雪上歩行できるし、東京からも近い。
昨年6月に富士宮コースで登った際に、夏山シーズン前に最後の雪山を楽しむのに富士山はありだなと感じていたので、今シーズンも最後のアイゼン・ピッケル山行を楽しもうと富士山へ行ってきました。
同じコースでは芸が無いので、今回は須走コースから。
早朝3時に起床。首都高から東名道を御殿場ICで降りて、ふじあざみラインの九十九折れの道を登って、6時過ぎに須走口の駐車場到着。道中は曇天でしたが、標高が上がると雲海の上に出たようで、時折雲が流れていくものの、富士山が青空にクッキリと姿を見せてくれています。初めてのコースでは、やはり目標物が見えていないとテンション上がらないし、不安感も違ってきますもんね。
かなり広い無料駐車場には既に車が20台ほど。テント泊している人もいるようです。
この時期、登山で山頂を目指す人、スキー・スノボで滑走するために登る人、付近を散策する人、いろいろな目的の人が来ているようで、さすが日本一のお山です。
登山口のお茶屋でトイレを借り(200円)、出発準備を済ませ
6:30 登山口(1950m)をスタート
富士宮口よりも標高が低いこともあり、出だしは暫く樹林帯の中を登ります。まだ山開き前ですが、登っている人がそれなりにいるのか、途中のコース標識はしっかり設置されているし、雪もまったくありません。
登り始めて30分もしないうちに、樹林帯も終わって、背中には容赦なく太陽が照りつけてきてメチャメチャ暑い。早く雪渓のある涼しい標高まで登りたいと気は焦れども歩みがイマイチでペースが上がりません。
7:28 六合目(2425m)
あまりの暑さに早くもバテ気味。しかもコースタイムペースでしか歩けていない。こりゃ日帰り往復できるのか? と早くも焦り気味になりましたが、ここで薄着になって登りペースを上げ気味に登り再開。
ここからは所々残雪が顔を出し始め、プチ雪渓の登り斜面なども出てきますが、暖かさでユルユルな雪面はつぼ足で問題なく登れます。
8:51 七合目・太陽館(2920m)
なんと山開き前にもかかわらず、この小屋は営業開始していました。
小屋の前を右に進むと、いきなり雪の壁が出てきて、それを登ると、小屋の裏から山頂まで続く雪原がドーンと眼前に。
本日は今シーズン最後のアイゼン・ピッケルを楽しむために来たので、ここで早速装備。ストックを仕舞ってピッケルとアイゼン、更にレインウェアズボンとスパッツもここで装着してシーズン最後の残雪登山モードに移行。
9:15 太陽館から残雪登山スタート
どうやらコース自体は小屋の左手の岩稜帯をそのまま登山靴で登るようで、後から来た方々はこちらを登っていったのですが、まあアイゼン・ピッケルで踏み跡のない雪原を登るのも良いではないかと、ユルユルだけどそれなりに斜度のある雪面を慎重に登ります。
(どうも千畳敷の雪崩トラウマなのか、単独で雪斜面に取り付いていると、雪面がサラーッと流れたらなどと考えてしまい、歩みが遅くなってしまいました)
10:00 本七合目(3190m)
ユルユル雪面で時間と労力をとられてますますペースが上がらずやっと3200m付近。
これじゃあ山頂までいったい何時間かかってしまうのだろうと、気は焦るんですが、本日はまったくペースが上がりません。
ここから山頂部まで、広い大きな雪面の一枚バーンが拡がっています。
その右端側は富士吉田ルートとの合流となるようで、適当な間隔で小屋らしきものが点在しているし、登っている人が小さな粒となって見えています。
まだまだ標高差500m以上をユルユル雪面登りが続くのかと思うと、気力が萎えそうになります(このあたりでは、本当に敗退下山してしまおうかと弱気虫が出ていたんです)。
快晴無風で暖かく、緩んだ雪面は滑落の危険性は全くない状態なんですが、踏み込んだ雪面の底が水分をタップリ含んだグレー色の雪となっているのを見ると、雪崩トラウマがずっと心の片隅で不安を煽るようになってしまい、そんな後ろ向きな気持ちがますますペースを落としてしまいます。
幸い、ほぼ同じコースを登っていたご夫婦、スキーを背負った単独行さんも、似たようなペースで近くを登っていたので、それを刺激と連帯感のような支えとして、なんとか頑張って登っている状態。
11:59 九合目(3600m)
山頂まであと30分というあたりに雪面に突き出ていた鳥居まで何とか来ました。あとひと頑張りです。お昼前に山頂に到着する予定だったんですが、ここでお昼を過ぎてしまいました。あとひと頑張りなので最後の気力で上を目指します。
12:40 須走口山頂(久須志神社 3725m)
元気なら剣が峰まで、と当初思っていたんですが、今日はここで終了。
お疲れさんの缶チューハイとつまみ、行動食を摂りながら、周りの方々と談笑。
皆さん、梅雨入り前の最後の晴天予報ということで、やはり富士山にということでした。
そんななかで、ボードを背負って来た単独行さんと少々話が弾み、最近の山行の話をしていると、なんと千畳敷雪崩の当日に千畳敷へ来ていた方と判明。もう少し話を聞いてみると、当日別のポイントであった雪崩についてをブログに記載していた方と判明。そのブログの内容は鮮明に覚えていたので、その話をすると向こうもビックリされていました。
せっかく頂上部まで来たので、神社の裏手に登ってお釜部分を覗きに行きました。
ちょうど昨年登った富士宮口とお釜を挟んで反対側のようで、何と剣が峰脇からお釜の底までスキー滑走する人を見ることができました(モノ好きですね〜)。
13:45 山頂からの下山スタート
広大な下り斜面、雪も緩んで滑落の危険性も少ないようなので、大股でズンズン下り、ちょっと斜度の緩くなったあたりから、一気にシリセード!
シリセードの跡をルートにとると、雪面も適度に圧雪された「とい」状となっていて、コース取りも楽チン、湿雪が適度なブレーキとなるので、ピッケルでのスピードコントロールにもそれほど神経を使うことも無く、快適シリセードを満喫しました。
登りは七合目から3時間半近くかかった斜面を快適シリセードで30分ほどで下り、
14:17 七合目・太陽館(2920m)
楽しい雪遊びはここまで。アイゼン・ピッケルを片付け、湿雪でしめったレインウェアも脱いで、夏山装備にモードチェンジ。
装備を片付けている際に、小屋のお兄さんと話をしていると、太陽館は山好きなオーナーの意向で富士山の山開き期間とは関係なく、6月から10月まで営業しているとのこと。
標高3000m近い高所でこれだけの長い営業期間、いつか山開き期間を外した時期にゆっくりお邪魔してみたいと思いました。
下りの砂走り道も整備が終了して開通しているとのアドバイスももらい、砂対策にスパッツを再装着し、
14:35 太陽館から下山スタート
しばらくブル道を進み、下山コース標識のところまで来ると、下り斜面が広大に開けていて、真っ黒な砂道(ところどころ残雪)がずっと下まで伸びています。
砂走りといっても、砂礫のゴロゴロした道で、いたるところに砂が崩落した段差もあり、快走できるという道ではありません。長大な下り一辺倒だし、疲労も蓄積していて膝に負担がかかるしで、意外と快調には下れませんでした(途中には雪渓の下りもあって、そこはバランスに気をつけながら靴底をスキーのように滑らせて下れて面白かったんですが)。
15:33 登山口ゴール
シーズン最後のアイゼン・ピッケル、予想以上にバテバテヘロヘロの山行となってしまいましたが、年に一度のこの時期の富士山、これはアリだなと思いました。
でも、今回露呈した登りでのスタミナ切れ。今後の夏山本番に向けては少々不安です。
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