ようやく南のお山に帰って来ました!大無間山


- GPS
- --:--
- 距離
- 19.8km
- 登り
- 2,521m
- 下り
- 2,515m
コースタイム
- 山行
- 9:00
- 休憩
- 3:45
- 合計
- 12:45
後でニュースを観たらピンポイントでこの辺りに時間100mmという日本一の雨量だったとか。豪雨と3秒おきぐらいに来る雷、雹の中レインウエアを着込みひたすら丸くなってビバーク。後方に雷が落ち揺れて全身が痺れた。
崩落地も豪雨で文字通り崩落。
恐ろしい体験だった。
天候 | 晴れのち曇りのち豪雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
現状登山地図からはルートが消えつつあります。 今のところ大部分は道もはっきりしていますが、崩落地付近は初心者は危険だと思います。 破線~バリエーションぐらいのルートだと思って登った方が良いでしょう。 登山ポストは諏訪神社手前の参道途中の登山口にあり。 <駐車場〜登山口> てしゃまんくの里から車道を10m程北に進み、最初の曲がり角を右へ。 突き当りを右に曲がり、集落の前を通り、諏訪の霊水が流れるところから参道を登り始める。しばらく登り神社の少し手前のところに登山ポストのある登山口が。 <登山口〜避難小屋> 登り始めは比較的緩やかな登り、雷段辺りから徐々に傾斜が急に。 そこから小屋まではひたすら長い登り。 地味にこの区間はキツイ 避難小屋は無料で使用可。中に銀マットが敷かれている。10名ぐらいは問題無い。 <避難小屋〜小無間山> この区間がこの山のハイライト。 急なアップダウンの続く鋸歯。 避難小屋がP4で、P3、P2、P1と各ピークを登りって降りての繰り返し。 P1、P2の辺りが崩落地。 崩落地はかなり細く両足で立つのがギリギリぐらいで左右が切れている。 一歩歩くごとに崩れるほど脆く不安定。 現状ロープが三本張ってあり、それを頼りに歩けば何とか歩ける。 通過が困難だったらと思いロープとセルフビレイが取れるようスリングやカラビナを用意しましたがロープは使用することはありませんでした。 それよりもロープが終わった辺りの方が急で、バリエーションルートレベル。崩落がもう少し上まで進んでしまったら登れなくなってしまうかもしれない。 崩落地から先は所々テープはあるが踏み跡も薄くなるのでルート確認をしっかりと。 急登を進むと小無間山。 <小無間〜中無間〜大無間山頂> 各ピークに向けて緩いアップダウン。 所々に眺望ポイントがあり晴れていれば富士山が見えたり南アルプス南部の山々が少し見える。 中無間からは広い尾根を進み、途中から尾根を乗り換えて大無間山頂へ。 基本的にずっときつい樹林帯なので最後の方は少し楽に感じるかもしれない。 登り始めの頃からの植生の変化を見ていく面白い。 中盤以降は苔やシダの多い美しい南アルプスの原生林が広がる。 |
その他周辺情報 | 下山後は田代温泉や白樺荘が比較的近い。 川根方面に戻れば多くの温泉がある。 |
写真
装備
個人装備 |
ザック(1)
エマージェンシーセット
ツエルト
行動食
非常食
水3
5L
ヘッドランプ
雨具
シャツと靴下の替え
手袋
地図とコンパス
雑記帳
軽アイゼン
地図
コンパス
カメラ
携帯
ロープ(15m)
スリング
カラビナ
トイレットペーパー
ゴミ袋
|
---|
感想
今日から長い夏休みに突入です。
さて何するか?
まずは山でしょ。
お山の復帰戦はこの山にするつもりでした。
危険箇所の事前情報も念入りに済ませてあっていつでも登れる状況にはあったけどなにぶんしばらく山に登ってないと体力が足りない。
前回平ヶ岳で思うようには歩けないなりにもそこそこの距離は歩けそうだと思ったのでようやく南のお山に復帰です。
大無間山。
この辺りのお山に登った事がある方は黒くて大きいくてギザギザの尾根尾を持つ堂々とした山を目にしたことがあるのではないでしょうか?
日本200名山にも名を連ね、一等三角点を持つ南アルプス南部、新南部のお山です。
鋸歯と呼ばれる崩落地が年々崩れ、現在登山道崩落ということで登山地図からもルートが消えつつありますが、直近に登っている方からお話を聞く限りまだ何とか歩けそう。一応ロープとセルフビレイが取れる装備は持っていく。
4時台から登り始めるつもりが車の中で寝すぎてしまい5時過ぎに・・・(・Θ・;)
てしゃまんくの里に車を停め諏訪神社の登山道へ集落を歩きます。
参道を歩き、林道を横切って山の中へ。神社の少し手前に登山ポストのある登山口があります。届けを出し出発。
最初はそこまで急な登りではないけど徐々に徐々に標高を上げていきます。
まだこの時間は涼しいけどそれでも汗がジワジワと出てきます。
雷段を過ぎると徐々に急なところが増えてきて汗が吹き出てきます。
まだサクサク登れるほど完全復活はしてないけど、だいたいこのぐらいで歩けるかなと思ってたぐらいのペースで歩けます。
日差しが出てきて暑くなり始める頃に避難小屋に到着。
今日は水を3.5L担いできたんだけど小屋の中に1Lデポして少しだけ荷物を軽くしてこの後の行程に備えます。虫が多くてなかなか休憩できなかったのでこの小屋の中でちょっと横になって休憩。
さて出発。
ココまで登り一辺倒だったけど小屋からは一旦下りがあります。
が、これは強烈なアップダウンの序章。
その後は大きく見えるP3への急登を登ります。
P3からは崩落地とデカイ小無間が見えます。
そこから岩と根っこの多い下りを通りコルへ。
コルの先が核心部の崩落地。
荷を降ろして水と行動食を摂り、一応スリングをたすき掛けしセルフビレイが取れる準備をして出発。
両足で立てないぐらいの細さで最も危ないナイフリッジは3本あるロープのお陰で問題なく通過。ただ足元はかなり脆いです。慎重に慎重に。
核心部を抜けた後もまだまだ気は抜けません。
この辺りが崩れたらもうこの登山道は通れなくなっちゃうかな・・・。
崩落地を過ぎた後は激登りです。
急登の連続で少し踏み後も薄くなるので目印を見つけて歩きましょう。
小無間に到着。
これまでもずっとそうなんだけどハエとかアブとか虫がず〜っと付きまとうので休憩も取りずらいです。水と行動食をぱぱっと摂りちょっとだけ一息ついて先に進みます。中無間までも小さなアップダウンがありますが、小無間までに比べれば穏やか。
少しだけペースアップ。
標識だけの中無間を通過し大無間へ。
この辺りの原生林はとても綺麗。
南アルプスの美しい森の中を進みますちょっとだけ展望スポットもあったりします。
広い尾根から支尾根に乗り換え、一登りで大無間山頂。
眺望はありませんが広々としていて日当たりが良く一等三角点が設置されています。
ここでも虫に付きまとわれますが、ちょっとだけ休憩します。
寸又峡方面に少し下って道の確認をして下山開始。
中無間、小無間までは順調に進みます。
そういえば今日は土曜日だったと思うんだけど人が一人もいない・・・。
いつも平日で静かな山を楽しんでるから今日は賑やかな山になるのかな?なんて思ってたけどこんなとこはモノ好きしか来ないのか?
少し雲が多くなってきて、遠くではゴロゴロと聞こえてきます。南の山は湿気が多いから午後は雲が出やすいんだよね。なんて思ってるとパラパラと雨が・・・。
一番暑い時間だから涼しくなっていいななんて思ってるとだんだん雨が強くなって来ました。ウエアは汗で濡れてるから放っておいてもいいかなと思ってたけど、こりゃぁレインウエアもザックカバーも必要だ。
濡れた崩落地通過は嫌だな。
レインウエアを着込んだ直後から雨脚がどんどん強くなって来ました。
午後は少し雲が広がるのは分ってたけどこんなに降る予報はなかったぞ?
街中でも味わった事が無いようなすごい雨。
(下山後知った情報では100mm/hなんていうゲリラ豪雨直撃でこの日日本一雨が降ったらしい)
しばらく停滞すれば通り過ぎると思いしばらくじっとしてます。
雨は強くなる一方で遠くで聞こえていた雷がすぐ近くに聞こえるようになり3秒に一回ぐらいゴロゴロ、ドドド、ピカ!の繰り返し。
丸くなったまま動けず。
ツエルト出す間もなくとにかく丸くなったまま1時間半ぐらいビバークしてました。
後ろに落ちた雷で地面が揺れ全身に痺れも。
その後雨が雹に変わり今度はバチバチと痛い(・Θ・;)
雨は相変わらずですが雷が少し遠ざかったので意を決して進みます。
しかし崩落地が文字通り崩れる・・・
ロープを頼りに雨の中崩落地を通過し、P3の樹林に逃げ込みます。
このときの登りのペースは速かっただろうな。
P3を登り、再び下り、登り返せば避難小屋。
全身びしょ濡れ、靴の中も水が溜まってる状態で小屋に逃げ込むように滑り込みます。
中に入ると一人休んでる方がいました。
今日はキツネと黒っぽい動物しか逢ってないので一日歩いて初めての登山者です。
少し挨拶を交わし、食事を摂り、濡れたウエアを着替えました。
停滞で予定よりも遅くなってしまいましたが、雨が止んで来たので何とか明るいうちに下れるだろうと、急いで荷物をまとめ出発。
少しぬかるんでいたり濡れた岩や木の根の上は滑りますのでそれだけ注意すればあとはフカフカの登山道を順調に下れます。
最後に諏訪神社に立ち寄り下山。
疲れました(・Θ・;)
駐車場で大の字。
山の中で合う雨や雷ではかこ数十年の中で一番ヤバい状況だったけど何とかやり過ごす事もできたし今日もとってもいい山でした。
下山時間が遅くなっちゃってこの辺の温泉はやってなかったので川根方面に向かい川根温泉で疲れを癒してから帰宅しました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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最初、意味が解りませんでした。日記を拝見して納得です。
今まで登れなかった分、登りまくってください。
蛭は大丈夫でしたか?
私の短い山人生の中で唯一献血した山です。
それと日帰りロングで1・2を争う険しい山でした。
(もう一つは、笊です。)
雷!無事でよかったですね。
この夏は今までできなかった遠征をしようかと思ってます。
蛭も気になりましたが幸い影響は無しでした。
それよりも豪雨と雷・・・。
これには参りました。
遭難する時ってこういう状況なのかな??なんて思ったりして(・Θ・;)
長い間山に登ってるけど1,2を争う厳しさだったと思います。
自然の力って本当に凄い。
焦らないようにできることをするだけ(今回の場合じっとしているだけ)しかないんだなと無力さを感じましたよ。
ホント無事に下りてこれてよかったです。
大無間はやっぱり甘くない。
あと1〜2年で田代からの登山道はもう通れなくなっちゃいそうです。
山の天気は ベテランでも想定外の事があるので 十分気をつけて下さいね。とにかくご無事でよかったです。
最後に<今日もとってもいい山でした。>とは
終わるとそういう気持ちになるものなんでしょうか?
山はいつでもいい山でありたい。
そう思ってます。
お天気は多少崩れても気にしないですがココまで荒れると自然の力には個人では何もできないもんだなと実感しましたよ。
だから焦らず何もしないでじっとしてました。
ひたすらじっと耐える。
それだけです。
ぺんたは雷が大の苦手なので怖がってましたよ〜
距離も難易度も高いお山ですね!
知らなかったです。
と言うか、知ってても登れないですね(^_^;)
天候の悪化にはビックリですね。
じぶんなら雷に怯え動けなくなっちゃいますね・・・。
いや〜さすがです。
それ程派手な山ではないですが、ココを目指して山を登っている方のいるぐらいで渋くていいお山です
雨も雷も自分が30年近く山登ってる中でも最悪なレベルでした・・・
さすがにこれはなかなか厳しかった湖とで・・・
南の山に帰ってきたのが大無間だなんて、まめさんらしくって最高です!!
ってか今更知ったのですけど、夏休み事情を把握しました。
自分も2013年の夏に仕事を辞めて数か月間山に専念してきたので、似た者同士ですw
しかしこの悪天候はすさまじいですね!
崩壊地近辺で日本一の豪雨とは…無事で何よりです!
まぁとにかく雨が凄かった(^_^;)
まだ山に順応した身体に戻ってないから余計に厳しく感じました。でもちゃんと戻ってこれたので経験値アップといい方に考えておきます。
復帰戦は自分の好きなところで!って思ってたので厳しい山でしたが満足です
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