吾妻山〜比婆山〜比婆山古道



- GPS
- 04:07
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 749m
- 下り
- 749m
コースタイム
- 山行
- 3:35
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 4:06
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
良好に整備された一般登山道 |
写真
感想
この週末は出雲への出張である。6/7の金曜日は快晴が期待できるようだ。出張に同行すると新人の部下のK君とH君を誘って、吾妻山と比婆山を訪れることにする。K君は大学時代には山岳部だったのでそれなりに登山経験がある。H君は全く経験はないようだが、二人とも二十代半ばなので、体力は十分にあるだろう。
この日は確かに朝から雲ひとつない好天が広がっている。伊丹空港から出雲空港への飛行機からは大山が綺麗に見えている。出雲の空港から市内に移動しレンタカーを借りると、出雲市駅でH君とK君を待つ。
出雲市から1時間以上かかって、吾妻山の登山口に向かう。途中の鬼の舌震(したぶるい)の手前では蕎麦の名店「鬼蕎麦」に立ち寄る。この店は入口でコインをとって、注文時に渡すシステムとなっているらしい。太く十割の蕎麦は独特の弾力があり、美味であった。驚いたことに店は11時に開店であり、我々が店を出る頃にはまだ12過ぎであったが、コインは2枚を残すばかりであった。
大峠に到着すると、なんと旧休暇村に抜ける道が工事で通行止めとなっている。仕方なく大膳原への登山口に向かうがなんと、通行止めの区間をバイパスするための「まわり道」の立て看板がある。難なく道路に入ることが出来る。迂回路があるなら案内があって然るべきと思うのだが・・・
ここから細い山道を、広島県側に入り、庄原からの道と合流すると途端に道路の状態が良くなる。旧休暇村の駐車場に到着すると他にも数台の車が停められている。休憩舎の前では中国人と思われる若い女性がBBQを楽しんでいる。
駐車場からはまずは南側にある池をめぐる遊歩道に入る。大池と呼ばれる池の縁を歩き始めると、驚いたことに夥しい数の鯉が水辺に寄ってきてはパクパクと口を開く。少し前までは池の鯉に餌をやる人がいたのだろうが、この休暇村が廃業してからというものはそのような人もいなくなったに違いない。池を周回すると途端に広々とした草原に飛び出す。草原の端の樹の下では若いカップルが二人だけの時間を楽しんでおられるようだ。
休暇村のロッジの建物は一階部分の窓がすべて板で目張りされている。廃墟に入り込もうとする侵入者への対策だ。草原は綺麗な状態に保たれていたが、まだ廃業してからそれほどの時間が経っていないためだろう。あと数年もすると雑草が繁茂することになる。
草原には小さな池があり、多くの睡蓮が美しいピンク色の花を咲かせている。池のほとりのカキツバタも花盛りのようだ。草原からはなだらかな山容の吾妻山が
草原の上部に向かって歩いていくと、草原の背後には広島の山並みの展望が広がる。草原の上部からは樹林の中に入るが、すぐに樹林を抜けて灌木帯となる。登山道の周辺ではピンク色の花を咲かせたヒメウツギや鮮やかな朱色のレンゲツツジが花盛りだ。周囲には絶好の展望が広がるパノラマ・ロードである。ここまで休暇村からは1km少々、わずかに200mほどの登りではあるのだが、H君は既にかなりバテ気味のようであり、呼吸が荒い。
吾妻山の山頂に立つと、眼下には大膳原の草原、その向こうには烏帽子山と比婆山にかけてのなだらか稜線が目に入る。山頂には山名標があるが前回訪れた積雪期はそのほとんどが雪の隠れていた。山頂では一組の男女がおられたが、すぐに休暇村の方へと降って行かれた。心配なのはH君であるが、大膳原からは出発地まで吾妻山の東麓をトラバースして戻ることが出来るので、とりあえず大膳原に向かう。
東麓にも灌木帯が広がっている。積雪期は一面の雪原が広がっていたところだ。ジグザグと斜面を斜めに下降するのでそれほどの斜度ではないが、積雪期はここを直登したのだった。見上げるとそれなりの急斜面だ。
鞍部に向かってブナの樹林に入るが、すぐに樹林を抜けて大膳原の草原に飛びだす。H君はなんとかついて来れているようなので、予定通り、比婆山に向かう。まずは烏帽子山への登りとなる。樹林帯に入るとほとんどがコナラの樹であった。高度が上がると、林相が変わりブナの純林となる。
烏帽子山の山頂部のみは灌木帯となっており、西側には、山頂部は灌木帯となっており、登山道は山頂を取り巻くように尾根の東西両側に付けられている。登山道の間の灌木の茂みの中には薄い踏み跡があり、辿っていくと灌木の間に三角点の柱石を見つけることが出来た。以前に比婆山から毛無山にかけて周回したことがあったが、その時も積雪期だったので、この烏帽子山の三角点柱石は探訪していない。
比婆山の山頂にかけて尾根を南下すると、再びブナの純林となり、梢の高い樹々が壮麗な空間を作り上げている。午後の斜陽がブナの樹幹を明るく照らすしていた。比婆山の山頂には縄で囲まれた小さな結界がある。山頂部には変わった針葉樹が目立つ。説明文によるとイチイの樹らしい。
下山は比婆山古道を降る。最初のうちは登山道沿いにはイチイの樹を見かけるが、すぐに姿を消し、代わりに道沿いには次々とブナの大樹が現れる。歩きやすく幅の広い道が続くが、H君のスニーカーは登山用のものではないのでグリップの効きが極度に悪く、落ち葉で滑って転倒する。
比婆山古道は下部では植林帯に入ると、途端に落葉が少なくなるのでH君もスリップする心配は無くなった。しかし、なんとか登山口に到着した時にはH君はかなりばてているようだった。私とK君でここから車道を歩いて車のところまで戻ることにする。地図でざっと計算すると約3.5kmの道のりだ。傾斜は緩いものの車を停めた駐車場までは200m近い登りとなる。
駐車場に戻ると当然ながら残っているのは我々の車のみだった。登山口までは車ですぐであった。出雲市への帰路は庄原を経由して帰ることになるが、すぐにも走りやすい広い道路となる。高野ICから三刀屋ICまでは松江自動車道に乗るので、帰路はかなり早く出雲市に戻ることができる。
H君は景色を堪能する余裕はなさそうだったが、一方のK君は広々とした草原や絶好の好展望にブナ林と変化に富む登山コースの魅力を満喫してくれたようだった。
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