蔵王連峰南北縦走 南蔵王登山口〜不忘山〜屏風岳〜熊野岳〜雁戸山〜笹谷峠
- GPS
- 30:28
- 距離
- 27.3km
- 登り
- 2,109m
- 下り
- 1,909m
コースタイム
南蔵王登山口07:35→10:40不忘山10:53→屏風岳12:30→12:57芝草平13:56→15:00刈田峠避難小屋(泊)
6/26(土)
刈田峠避難小屋05:00→刈田岳05:36→05:45蔵王山頂レストハウス05:50→06:40熊野岳06:50→08:15名号峰08:30→09:52八方平避難小屋
八方平避難小屋10:40→南雁戸山11:25→12:00雁戸山12:10→13:55笹谷峠
天候 | 6/25 晴れ 6/26 晴れ(猛暑・・・熱中症で倒れるかと思った) |
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過去天気図(気象庁) | 2010年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
南蔵王登山口には駐車場はありませんが,路肩に3〜4台駐車可。トイレ・水場はキャンプ場跡地にあります(「この水は飲めません」との表示)。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【コース概況】 蔵王連峰を南北に貫く縦走路は,アルペン的な景観が見事な不忘山周辺の稜線歩きや,南屏風岳山頂の北に広がるアオモリトドマツの原生林とその先に聳える最高峰熊野岳の眺め,チングルマの咲き乱れる芝草平,刈田岳からお釜を経て熊野岳に連なる荒涼とした岩礫地帯,そしてその先にはハイマツやシャクナゲの生い茂る静かな北蔵王縦走コースや鋭峰雁戸山への登りが続く,とても変化に富んだ魅力あるコースです。 距離が長いので,途中の刈田峠避難小屋を利用した一泊二日で歩きましたが,二日間とも好天に恵まれ,素晴らしい展望を満喫できました。 ただし,コース上に水場がないので,十分な量の水を持参する必要があります。 ○南蔵王登山口〜不忘山 ・ 南蔵王キャンプ場跡地には,トイレと水道がありますが,「この水は飲めません」と表示されていました。水は事前に準備しておきましょう。 ・ 登山口の標高は約700メートル。ここから不忘山までは標高差約千メートルです。 ・ 最初は檜とミズナラの混成林の中をダラダラと登りますが,やがてミズナラ林となり,1時間少々でダケカンバの林と変わります。 ・ スタートして2時間ほどで灌木帯の中の岩場となり,南側の視界が開けます。 ・ さらに30分ほど登ると,ガレ場の左上方に目指す不忘山が見えてきます。南側には,吾妻連峰も見えます。 ・ 不忘の碑で白石スキー場からの登山道と合わせ,そこから12分ほど登ると,ようやく不忘山1,705メートルの頂上です。 ・ 不忘山頂は素晴らしい展望です。北には南屏風岳から屏風岳に至る切り立った稜線がアルプスのような景観を見せています。南屏風岳の左手には,残雪の飯豊連峰や朝日連峰が望めます。南側は180度の大展望。青空の下,ここで休憩です。先行者のほか,南屏風岳からも3名ほどがやって来ました。 ・ 山頂付近にはハクサンイチゲやミヤマキンポウゲが咲いていました。 ○不忘山〜芝草平 ・ 不忘山からは,稜線を60メートルほど下り,1,732メートルのピークを経て標高1,810メートルの南屏風岳まで170メートルの登り返しとなります。 ・ 南屏風岳に到着すると,今までの景色が一変し,北西に広がるたおやかなアオモリトドマツの原生林を前景に,北に最高峰熊野岳が望めます。 ・ この先,屏風岳へはハイマツの中のゆるい登り道を40分ほど歩きます。標高1,817メートルの山頂付近は平坦な広場となっていて休憩にもってこいです。東側の眺めが良いです。 ・ 屏風岳山頂から30分ほど下ると,芝草平の湿原に出ます。チングルマとイワカガミが満開でした。ミツバオウレンやワタスゲなども咲いています。ここには,広い休憩スペースが設置してあります。 ○芝草平〜刈田峠避難小屋 ・ 刈田峠避難小屋まで残り1時間ほどなので,よく冷えた缶ビールの栓を開け,チキンカツサンドを食べながら大休止。ウマイ!この瞬間がたまりません!1時間ほど花の写真を撮ったりしてのんびりしました。 ・ 標高1,652メートルの芝草平から避難小屋までには,標高1,745メートルの杉ヶ峰と1,684メートルの前岳という二つの峰を越していくので,結構アップダウンがあり,疲れますが,その分,熊野岳方面の眺めも良いです。 ・ 刈田峠避難小屋には,午後3時に到着しました。あまり広くはありませんが,トイレもあり快適です。ただし,水場はありません。 ・ その日は誰もおらず,貸し切りでした。一人だけの避難小屋は心細いですね。コンビニサラダとチーズをつまみに,缶ビールとジャックダニエルの水割りを飲みながら,レトルトカレーを暖めます。カレーを食べながら,ラジオで,サッカーワールドカップ日本代表がデンマークに3対1で快勝し,決勝トーナメントに進んだことを聞きました。 ・ 酒とワールドカップの話ですっかり気分が良くなり,午後7時には眠ってしまいました。なお,ドコモ携帯が,小屋の入口階段で通じました。 ○刈田峠避難小屋〜熊野岳山頂 ・ 翌朝は午前4時に腕時計のアラームで起床しました。夜中に何度か目が覚めてしまい,よく眠れずにラジオを聞いたりしましたが,2時過ぎからは眠ったようです。 ・ 少しの水で済むよう,朝食はお茶漬けです。でも,のどが渇いて,アクエリアスをゴクゴク飲んでしまいます。朝食後のドリップコーヒーも欠かせません。ということで,水の残りは1.5リットル。アクエリアスが0.3リットル。この先水場は無いので,不安になります。 ・ 小屋を掃除して午前5時に出発します。車道までは10分ほどです。途中2人の方と話を交わしました。車道を6回横断して,刈田岳には5:35に到着しましたが,途中,救助用ヘリがホバリングしながら,何事か指示を出していました。遭難事故があったのでしょうか。 ・ 刈田嶺神社にお参りし,写真を撮ったあと山頂レストハウスに向かいます。この時間はまだ営業していませんが,もしかしたら,自動販売機で飲み物が買えるかもしれません。 ・ レストハウス入口に自動販売機がありました。しかし,アクエリアスなどの冷たい飲み物はすべて売り切れです。かろうじて,暖かい缶入りお茶があったので,これを購入しました。 ・ レストハウスから熊野岳山頂までは,だらだらした広い尾根道を散歩気分で歩きます。途中,振り返ると,お釜と刈田岳が素晴らしい眺めです。避難小屋手前から山頂へと至る登山道沿いには,イワカガミやアオノツガザクラが咲いていました。 ・ 06:37熊野神社に到着。レストハウスからのんびり写真撮影しながら歩いて,45分ほどでした。神社にお参りしてから,西側にある山頂に移動します。山頂からは,北に雪を抱いた月山が良く見えます。西には,朝日連峰。北東には,これから向かう北蔵王縦走コースと雁戸山。 ○熊野岳山頂〜八方平避難小屋 ・ 写真撮影後,広い尾根を10分ほど歩いて東側の熊野岳避難小屋に到着です。小屋は狭く,10人も入れば一杯でしょう。 ・ 避難小屋のすぐ東側が北蔵王縦走コースとロバの耳コースの分岐となります。ロバの耳コースは落石のため通行禁止となっていました。 ・ 分岐から,北東に緩い傾斜の道を歩いていきます。ガスでも迷わないように,道沿いにロープが張られています。 ・ 標高1,772メートル地点からは,これから歩く北蔵王縦走コースが一望でき,その先に南北二つの雁戸山が頭を突き出しています。ハイマツの緑が陽に輝いて美しい。登山道は,このハイマツの中を進みます。大小の岩が連続し,歩きにくいところです。 ・ 自然園を過ぎ,交差点となる追分に到着したのは,07:51。分岐から47分かかりました。下りとはいえ,ところどころヤブを漕ぎ,ザックを枝に引っかけての歩きとなり,結構疲れます。 ・ ここで残り少ないアクエリアスを一口。今日は昨日よりも暑いです。すでに汗だくです。追分から西に下ると水場があるようですが,まだ水は残り1.5リットルほどあるので,ラーメンをつくっても飲み水には間に合いそう。そのまま名号峰に向かいます。 ・ 追分から20分ほどで名号峰に到着しました。ここでおやつタイム。持ってきたフルーツゼリーがとてもおいしかったです。名号峰は眺めの良いところで,南には歩いてきた主稜線の峰々が良く見えます。北には八方平方面と南北二つの雁戸山がまだ遠くに見えます。また,名号峰近くにはコマクサも咲いていました。 ・ 15分ほどの休憩のあと,08:30に名号峰を出発です。ここから八方平までは,CTで1時間半。展望のない樹林帯の尾根道ですので,風が抜けず,とても暑いです。ところどころ枝が登山道を塞ぎ,歩きづらいところもあります。 ・ 長い樹林帯歩きに,いいかげんウンザリした頃,やっと八方平避難小屋に到着しました。この避難小屋は,とても立派な造りです。トイレもきれい。水場があれば最高ですね。 ・ ここでラーメンの昼食休憩。水0.6リットルを消費。あまりにのどが渇き,缶入りお茶を3口で飲んでしまいます。足りずに残りのアクエリアスを一気のみ。空のペットボトルにアミノバイタルの粉末を入れ,最後の水0.9リットルを加えます。 ○八方平避難小屋〜笹谷峠 ・ 50分の昼食休憩で落ち着き,10:40に避難小屋を出発します。しかし,暑さは続きます。強烈な夏の太陽が容赦なく照りつける中,南雁戸山まで標高差207メートルの登りがきついです。 ・ 11:20,ヘロヘロになりながら,南雁戸山に到着。山頂は涼しい風が吹いていてほっとします。5分ほど休憩のあとは,北雁戸山まで,いったん100メートルの下りとなりますが,暑さですぐにフラフラになります。熱中症で倒れるかと思いました。 ・ 鞍部で一休みし,今度は100メートルの登り返しです。のどはカラカラ。試しにウエストバッグに入れておいた巨峰キャンディを頬張ってみると,不思議なことにのどの渇きが止まりました。フラフラ感が収まり,登高意欲もわいてきます。ついには,ノンストップで雁戸山の山頂まで登ってしまいました。 ・ 山頂には,8人ほどの登山者が休んでいましたが,皆口々に「暑い」,「倒れそうだ」などと話をしていました。 ・ 山頂で10分ほど休憩し,水分補給をした後,笹谷峠への下山を開始します。最初は,このコース唯一の危険箇所である蟻の戸渡りです。狭くて急な岩場のアップダウンで,ロープなども張られていますが,それほど難しくありません。 ・ 蟻の戸渡りを過ぎると,前山手前の分岐となり,ここを右に行きます。樹林帯の中のトラバースコースのため,日陰となっており,ほっとします。 ・ 17分ほど歩くと,カケスガ峰との分岐となりますが,ここはCTの短い左方向に進みます。 ・ この分岐から1時間ほど下ると,山工高小屋に到着。そこから5分でクルマを駐車しておいた,笹谷峠駐車場に到着しました。 |
写真
感想
・ 梅雨の晴れ間の下,蔵王連峰を南から北に刈田峠避難小屋利用の一泊二日で歩いてきました。
・ クルマにバイクを載せ,笹谷峠にクルマを置いて,約50キロ離れた南蔵王登山口(南蔵王キャンプ場跡地)までバイクで移動です。
・ 梅雨前線が南下し,北からの高気圧が張り出したおかげで,さわやかな快晴。見通しもバッチリでした。でも2日目は,6月とは思えないような猛暑。
・ この縦走路,コース途中に水場がありません。レストハウス営業時間であれば,水やビールの調達が可能ですが,観光客に混じってレストハウスに行くのはヤマヤ失格!
・ そこで,飲料水等4.5キロを担ぎます。内訳は,水2.5リットル,アクエリアス1リットル+冷凍アクエリアス0.3,缶ビール2本。カメラ2台と交換レンズ2本を含め,ザック重量は20キロ。
・ シュラフはイスカエア450を使用。裸足+薄手長袖シャツ+薄手パンツでも始めは暑いくらいでしたが,夜半から気温が急降下。結果的にはちょうど良い感じでした。薄手のセーターなどを着込めばダウン280グラムのシュラフでも問題ないでしょう。
・ コース上に危険箇所はありませんが,北蔵王縦走コースは灌木帯が続き,風が抜けないので,夏の晴れ間はものすごい暑さです。さらに,枝にザックが引っかかったり,腰をかがめて木の下を歩く箇所が多く,体力をかなり消耗させられます。
・ 北蔵王縦走コースは落葉樹が多いので,秋の紅葉の頃のほうが良いのではないかと思います。
・ 下山後に汗を流そうと「笹谷温泉 一乃湯」に入りましたが,なんと入浴料千円。一応サウナや露天風呂もありますが,それほどきれいな施設ではないので,この値段は疑問です。この付近で,リーズナブルな日帰り入浴施設はあるでしょうか?
コメント
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今晩はー。
最終日、硯石でバイクを車に乗せていた時に声をかけましたマロ7です。蔵王縦走、昨年もお一方と会いましたが、同じ目的の方がいるんですね。
朝に硯石に車を置いた時になんでここにバイクがと…思いましたが解析できました。好天の蔵王を歩いていい思い出ですね。もう、コマクサは花盛りでしたか。名号峰周辺は熊の巣でしたが…。
リーズナブルな日帰り入浴施設は笹谷から下ったルポポ川崎は500円でお勧めですよ。
それでは。
maro7さん,先日はお声をかけていただいてありがとうございました。単独行で自己満足だけの登山をしておりますが,地元の方に声をかけていただけると,ホントにうれしくなります。バイク積載方法をほめていただいたし。
それにしても,蔵王連峰は素晴らしい山でした。
刈田岳駐車場から熊野岳までのピストンだけで,深田百名山のひとつを登ったと勘違いしているピークハンターが多いようですが,蔵王はそんな底の浅い山域ではないことを実感しました。
秋の紅葉の時期も素晴らしいでしょうね。今度は東西に縦走することも考えています。そのときは,ルポポ川崎を利用させていただきますよ。
これからも,よろしくお願いします。
今晩は。
硯石でmaro7さんと一緒にいたmorinoです。
素晴らしい縦走をされましたね。
また宮城、東北の山へおいで下さい。
maro7さんのブログは http://maro407080.exblog.jp/
ですよ。リンクに私のもあります。(^^;)
morinoさん,書き込みどうもありがとうございます。
今回の縦走は,本当に満足できた山行でした。
好天に恵まれ,花と展望を満喫することができました。
次は,是非,秋の紅葉シーズンに歩いてみたいです。
また蔵王の山中でお会いした時は,よろしくお願いします!
maro7さんのブログ拝見しました。奥様でしょうか,「おっ家内」というネーミングに思わず笑ってしまいました。
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