新潟焼山：九死に一生の生還、初めての救助要請、ヘリで救出、無謀な登山を反省！
新潟県
SamT
- GPS
- --:--
- 距離
- 3.4km
- 登り
- 349m
- 下り
- 719m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 6:44
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 7:22
新潟県警の救助ヘリでしたが、私を救助した後、50〜80ⅿ位上方にザックをデポしてあると伝えたところ、そのザックも拾い上げてくれました。財布が入っていたので、ありがたかったです。
| 天候 | 晴れのちくもり |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2024年06月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
飛行機
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
火打山まではところどころに雪渓が残っていましたが、ツボ足で歩きました。その先は、胴抜切戸まで1個所沢に僅かな残雪が見られただけで雪はありませんでした。胴抜切戸のすぐ先で登山道は雪渓に埋まっていました。止むを得ず夏道を探しながら雪渓を登りました。踏み跡もあり雪渓を登るしかなさそうだったので、6本爪の軽アイゼンを付けて登りました。 |
| その他周辺情報 | ヘリで救出されたので、登山後の情報はありません。 |
写真
影火打山に向かいます。火打山で私のすぐ後に登って来られた方がいて、笹ヶ峰スタートでこの後妙高山に向かうと言っていましたが、その前に影火打山まで往復されていました。健脚の方でした。
3
影火打山、帰りはこれを登り返さなければいけませんでした。これを見て、再びここまで往復するのが如何に大変かと心中で思ったことが、ここで撤退する選択肢を遠ざけてしまったかもしれません。
2
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
CWX
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
登山靴
ザック
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料（スポーツドリンク・水）
シート
地図（地形図）
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
高度計
筆記用具
ガイド地図（ブック）
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
時計
サングラス
タオル
手ぬぐい
ツェルト
ストック
カメラ
軽アイゼン（着替えなど登山に不要なものは高谷池ヒュッテに置いていきました。）
|
|---|
感想
火打山から先は初めてのルートでした。新鮮であると同時に慎重に歩を進めました。影火打山の先は急な下りで、途中から狭い道や急な滑りやすい道もあり特に気を付けました。影火打山の山頂付近では2羽のライチョウが争って飛んでいるのを2度目撃しました。ゆっくりじっくり見られなかったのは残念ですが、ライチョウを目撃することはできました。シラネアオイの群生地もあったりして目を楽しませてくれました。
火打山まではところどころに雪渓がありましたが、そこから胴抜切戸までは1ヶ所を除いて雪はありませんでした。しかし、そこから焼山の登りは雪渓を登らなければなりませんでした。斜度が急なので、12本爪アイゼンが必要でしたし、できればヘルメットやピッケルもあった方がより万全でした。12本爪アイゼンをそもそも車に置いてきたことが油断でしたし、6本爪の軽アイゼンで登り始めてしまったことも無謀でした。
胴抜切戸までの大変な道中を思うと、ここで引き返して再び日を改めて登ろうという気持ちはほぼありませんでした。なので、勢いで登り始めてしまい、登り始めたら途中で引き返す選択肢はほぼありませんでした。
9時半を回った頃から雪が緩み始め、アイゼンの爪の引っ掛かりが甘くなってきました。雪渓の上端と思われる所が見えていたので、そこまでは行きたいと思って登っている時に最初の滑落をしました。滑って転倒して、ストックで止まろうとしたのですが、全く効果がなく滑り、上から見て右の岩の周りにできた雪穴（クラック）に落ちて止まりました。15〜20ⅿ位滑落したようです。
体にダメージは受けましたが、無傷でした。途中で眼鏡やサングラスや帽子を落としていたので、それらを回収しながら一番上の片方のストックを落とした地点まで登るつもりでした。10ⅿ以上ありました。あと7〜8ⅿ位の地点で平らなスペースがあったのでザックをそこにデポしました。身軽な方が早く登れると思ったからですが、これ以上登るのはまずいとも思っていたからでした。しかし、2〜3歩進んだ所で2度目の転倒、滑落をしました。身軽だったので本当にストックで滑落停止を試みたのですが、勢いが出ていたので全く歯が立ちませんでした。
物が落ちるように落下し、左体側を岩にぶつけ、その反動でややバウンドし右寄りにさらに滑り落ちました。1度目と同じように右の岩の周りにできた雪穴（クラック）に落ちて止まりました。頭から落ちたのか足から落ちたのかよく覚えていません。どうにかあがいて立ち上がりました。左腕が骨折しているのが分かり、上体の至る所に痛みがありました。起き上がって下方を見ると、胴抜切戸の雪渓の始点に単独の登山者がいました。
その方は雪渓を見て引き返そうとしたので、大声で声を掛けました。気付いて下さり、「腕を骨折していて動けない」「救助要請してください」と伝えました。その方は「ここは圏外で携帯がつながらないので、戻って連絡してみます」と応じて下さいました。その地点は、私が軽アイゼンを装着して登り始めた地点のすぐ上でした。
その後のことは略しますが、新潟県警のヘリで救出され、新井で救急車に移され上越市の救急病院に運ばれました。検査の結果左上腕骨骨幹部骨折、肋骨3本骨折とそれが原因の気胸（肺に穴が開いて空気が肋膜内に漏れること）が見られ、左脇腹に穴を開けて漏れた空気を吸引する緊急手術が行われました。その後頸椎に3ヶ所骨折とひびが見つかり、肋骨にも新たに3本ひびが見つかり、腰の脊髄にも突起部分の骨折が見つかりました。首と腰に補装具を付けています。
13日に左上腕骨骨幹部の骨折箇所をつなぐ手術を受け、補装具を付けてベッドから自力で寝起きができ着替えもできることを確認し、まだ万全な状態ではありませんでしたが、29日に退院し東京の自宅に戻りました。今は、怪我は免れた脚が骨髄の怪我のせいだと思いますが、朝ベッドから起きる時に痛んでなかなか治まらないことが一番の重大事です。左腕はリハビリを受けていて大分動かせるようになりつつあります。
2ヶ月は、普段やっていた散歩やトレーニングはできそうにありません。登山が再開できるのはそれらのトレーニングの様子次第かと思います。登山は続けたいと思っていますが、単独での登山については「携帯」を持つ、「保険に入る」など、今までは敢えてしていなかったことをしなければいけないと考えています。また、単独でのチャレンジングな登山も控えなければいけないと思っています。今回もレコを見て読んで下さりありがとうございました。
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