北鎌尾根/湯俣経由

コースタイム
高瀬ダム6:00〜名無小屋7:15〜8:00湯俣8:50〜千天出合11:40〜取り付き13:00〜16:00宿泊地
8/10
宿泊地4:30〜北鎌のコル8:50〜北鎌平13:30〜14:10槍ヶ岳山頂〜肩の小屋〜16:00殺生ヒュッテ(テン泊)
8/11
殺生ヒュッテ4:30〜6:00槍沢ロッジ〜横尾7:00〜9:00上高地
天候 | 8/9 晴れ 8/10 曇り時々晴れ 8/11 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー 自家用車
復路:上高地〜新島々までバス、新島々〜松本まで松本電鉄、松本〜信濃大町まで大糸線 上高地〜松本までセットで2400円、松本〜信濃大町まで650円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・七倉ダムのゲートは夏季5:30〜通行可 ・七倉ダムで登山届提出(ゲート待ちの間) ・湯俣以降は沢づたいを進む為、大雨の後などは要注意。 ・やぶをこぐので、手袋あった方がいいかもしれません。半袖だと腕が傷だらけになります。 ・信濃大町駅前のとんかつ「昭和軒」11:00〜14:30/17:00〜19:30 かつ重990円 ボリュームがすごい。甘タレ。 ・風呂は信濃松川の「すずむし荘」500円 |
ファイル |
非公開
7022.xls
計画書
(更新時刻:2013/08/06 13:55) |
写真
感想
もともと湯俣からのアプローチにはこだわりはなかった。前回撤退した時も水俣乗越経由であった。なぜ湯俣にしたのか。たまたま最近雑誌とかで北鎌の記事を見たから?今持ってわからないが、結果的にはよかったと思っている。終えた時の充実感が何倍も違うと思うから。しかしそれだけにリスクも伴う。特にこの時期は沢の水量が多い。最悪増水撤退覚悟でのぞんだ。
深夜、信濃大町の名鉄タクシー営業所に着くと、客は我々だけだった。ここで車をデポし、予約したタクシーに乗る。近所の空き地にでもテントはろうかと思ってたが、休憩室を使わせてくださるとのことだったので、長椅子で数時間仮眠した。七倉の5時30分ゲート開門に対して5時出発だったが充分間に合った。ここで登山届を提出。待っている時にフライパン積んだタクシーがいたが、やはり裏銀座に行くKYPパーティーの車だった。高瀬ダムで挨拶をして別れ、いよいよ北鎌山行の始まり。今回のメンバーはLッキー&Tっちゃん。ともに厳し目の山行に一緒に行ったことがある。
湯俣までは樹林の中を平坦な道を進む。途中トンネルをいくつか通るが、ヘッデンはつけずにすむ。平日だからか、会った人は少ない。途中小屋?の人と車ですれ違う時に、「水量多いから気をつけなよ」と言われた。事前に水量が多いという情報は得ていたが、現地で言われるとなお不安だ。さらに湯俣に着くと、山荘の人から同じことを言われた。そりゃすすめないよね。
湯俣で沢装備を準備し、水俣川に入る。吊り橋はかろうじて渡れるが、あたりのFIXロープはほぼ残骸に近い。なるべく川原を進む。自分はネオプレン靴下+沢靴。重いが今回はガチンコの沢登りになると踏んでのこと。正解だったと思う。渡渉は数回では済まず、最高でへそまでいった。サンダルではへつりなどで苦労する。遅い時期ならいいかもしれない。水も冷たくて、思わず声が出る。
ぎりぎりの渡渉を繰り返しながら、千天出合まで着く。直前に右岸から水が流れているのが見えたが対岸で渡渉がしんどいので水補給はパス。天上沢は爆流が流れており、右岸の踏み跡をたどり笹やぶをこいで進む。なぜか途中踏み跡をはずしたらしく、かなりな傾斜を笹やぶたよりに進むことになってしまった。もうやぶごぎはいやだ。
川原が出てきたあたりで降りると、ほんとに対岸に渡れるのだろうかと疑いたくなるほど水が流れている。それでも渡れるところはあるもので、P2への登りとおぼしき所に検討をつけて休憩。水補給。3,5Lつめる。とりつきは、沢っぽいところをやぶこぎしながらしばらく進んでいたが、すぐ横の尾根の方が快適だった。はじめから尾根でとりつけばよかった。ここからルーファイが重要。大岩を大きく右にまいたら、古ぼけた残置スリングがかかっている急登に出くわした。非常に悪い。ロープを出してよけいな時間をくってしまった。
尾根に上がったところはテント数張りはれそうな小広場。P2かな。そこから下はどやって登ってくるのかもわからない感じだった。登りたくもないが。ここから真のやぶこぎ道の始まり。初日のノルマは達成したので、宿泊地を探す。ピークごとに2テン2張りぐらいいける広さの空き地があり、P4とおぼしきところで泊。尾根にとりつく時に、後ろで人の声がしたが、上がってきてはいないようだ。とても静かな夜。軽量化の為、エアマット省略したせいか、朝まで熟睡はできなかった。
翌日もやぶ。とにかくやぶ。踏み跡はあるが、古い踏み跡もあり、何度も悩む。基本稜線通しというのが良いようだ。ダメなら巻けばいい。初めから巻いてしまうと行き詰まったときが大変だ。もうやぶこぎはいやだ。
北鎌のコルまでに、間違えたなと思った箇所は1箇所。そこも通られていない訳ではないが、非常に悪い。ロープを出した。後ろに別パーティが来ていたが、我々と同じ方にきてしまうかも、とどうしようもないことを考える。北鎌のコルに近づくにつれて展望が開けてくる。右の硫黄尾根の赤がとても映える。裏銀座パーティーも天気がよくて楽しんでいることだろう。
北鎌のコルをすぎるとそこは楽園(言いすぎか)。やぶから解放されただけで幸せ。前回テン泊した場所などを確認しながら、しっかりした踏み跡を進む。やがてヘリが飛んできて、後ろのパーティーがいるあたりを旋回する。事故か?帰ってから調べたらこの週に東鎌尾根経由で北鎌に入る予定の人が行方不明になっていた。おそらくその捜索と思われる。我々も至近距離からガン見された。反応したくなるが、間違われるので何もできない。
この日はやや曇り気味。ドピーカンより過ごしやすい。独標は巻きを選択。今度来る機会があったら、登りたいな。この辺りは何度か切れてる所を通過した。他にルートがあればそちらを行くべきところだったかもしれない。ザレ、ガレも当たり前のように出てくるので、先行者がいる時は特に注意。
槍が見えると自然に感動する。ほんと晴れてよかった。しかしほんと長い。初日に沢と格闘していたのが遠い昔のことのように思える。追い抜くパーティーも増えてくる。単独行の方、多数パーティー。頂上直下で、普段沢登りパーティー、そしてこの日トップと思われる2人パーティー。さささと、追い抜き、最後のチムニーを越えて、祠の裏からひょっこりと。頂上の人に祝福してもらった。素直に嬉しい。
肩の小屋で飲んだ冷えた生ビールは最高のうまさ。でも槍のテン場は既に一杯なので、すぐそばの殺生ヒュッテまで移動。槍の周辺も今年は雪渓がたくさん残っていた。水も汲めるかなと思ったが、うまく流れているところがなく、小屋で買うことに。追加の缶ビール飲んで、すぐ就寝。夜中は風が強かった。朝起きると、Tっちゃんの寝ていたツェルトが横全開になっていたが、起きなかったとのこと。すごい。
最終日はゆっくり下山。今年のGWにもうしばらくここは通りたくないと思ってたのに、もう来てしまった。長い〜。お約束のソフトクリームを徳澤園でいただき、上高地。対岸歩いていたらバス停まで遠くなってしまったので、とどめの渡渉。冷たーい!気分は夏休み。観光客に笑われた。
最後のミッションは車回収。結局地道にバスで新島々まで、電車で信濃大町まで行くことに。歩いている時間より長く感じた。信濃大町の駅を出ると、信じられないぐらいの暑さに遭遇。それもそのはず。この週末は記録的最高気温が叩き出されたぐらい暑かったのである。腹も減っていたので、駅前で黒豚まんじゅうを買って、ほおばりながら歩くと、以前閉まってて行けなかったとんかつの「昭和軒」が開いているではないか!まんじゅうをかじってしまったことを後悔しつつ、すぐさま飛び込む。待つこと○十分、出てきたカツ重のボリュームに圧倒されながら、なんとか制覇。最後まで充実できた山行であった。
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