飯豊連峰 [大日杉登山小屋P⇔大日岳]


- GPS
- 20:11
- 距離
- 35.3km
- 登り
- 2,954m
- 下り
- 2,965m
コースタイム
- 山行
- 6:53
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 7:19
- 山行
- 11:51
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 13:26
天候 | 初日。朝は晴、途中から雨、次第に豪雨。昼のうちに小屋に避難。 2日目。朝は晴、次第に雲が優勢に、下山は曇りのち雨。 |
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過去天気図(気象庁) | 2024年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
他のコースを知らないが、大日杉登山口からのコース、楽ではなかった。崩落に近い箇所もある。鎖場「ザンゲ坂」がある。鎖でもアブにつきまとわれて発狂しかけた。大日岳手前は伸びすぎたクマザサが管理されていて有り難かったが、それが道に散乱すると足元がわからないし、滑って転倒もした。体感だが地図アプリを開いてもなかなか進まない。主脈尾根筋も御秘所のような緊張する岩場が僅かにある。 |
その他周辺情報 | 登山口は大量の虫が待ち構えている。車の扉を開けたらアブやブユなどが大量に車内に流入して困った。着替えたいけど出来るはずもなく逃げるようにその場を去った。大量の虫を車窓から放出させながら「いいでのゆ」に直行した。着替えも兼ねて温泉に浸かる。泉質は鉄分を感じる熱めの湯。400円で入浴出来た。ついでに食事もしたが、そばが旨かった。一ノ木集落の飯豊山神社に下山報告の参詣をした。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
靴下
雨具
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
非常食
飲料
ガスカートリッジ
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
携帯
時計
サングラス
タオル
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
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備考 | 小屋に泊まったからテント不要、シュラフよりタオルケット、スポーツドリンクの粉末を持ってゆくべきだった。 |
感想
お盆休み。
台風5号の影響で予定変更を余儀なくされた。北海道の山を断念して、選んだのが飯豊山だった。
2泊3日で飯豊連峰を大日杉から朳差岳でピストンするという壮大な計画を立てた。今にしてとんでもなく壮大で無理な計画だった。
知らぬうちに台風の続編が来ているらしく(7号)、16日には迫ってくるという。予定を再変更し、1泊2日で15日のうちに下山することにした。
久々の夏山、いろいろ思い道理にいかないなぁ、と思った。
夏山はこりごり、改めて思った。
【重荷】
テント泊するための装備を持参しての初めての登山となった。
このために新しいザック・テント・アクションカメラまで買った。
アクションカメラは使い方が分からず、日の出だけ撮影に使った。
ザックは水も含めて20kgになっていて、入りきらないものはトートバックで首にかけて登った。
こんな重荷で山に登るのは無理がある、全然行けども進まず、暑すぎて水分を浪費するばかりだった。
【虫除け】
刺されまくった、今も痛い痒い。
アブは延々と付いてくる、歩行を止めれば、体に付着して刺してくる。
黒い服とアームカバーだったから余計にアブの標的になった。
仕方なくタオルで叩き殺すことになった。鎖の途中でもアブに付き纏われた。
薮には定期で蛇がにょろり、ひどい時には1分経たずに次の蛇に出会った。
大きなカエルがたくさん出てくる。雨が降ればナメクジも大きいのが出た。
生き物が出てくるたびにビクつく。気を張って歩いているのに、滅多に出会わない人間がいきなり音もなく現れることがあって、何より驚いた。
【熊鈴】
自分は普段は熊鈴をつけないが、今回はひたすら鈴を鳴らした。鈴は半分は熊よけのため、もう半分は近くに人間の存在を知るためでもあると思う。支脈ではほとんど人に出会わない。ある時音もなく後ろから迫ってくる人に驚いてしまい、文句を言ったこともある。鈴が嫌なら、ラジオとか音楽とか流して存在をアピールしてもらいたいもの。
【猛者の女性】
地蔵岳で出会った方は女性でありながら単独登山で、ラジオを大きな音で鳴らせてやってきた。菅野美穂に似ている見た目50代のハツラツとした女性だったが、山に慣れていると思った。この日は本山小屋まで行くと言っていた。翌日、本山小屋手前でまた彼女に再会したのだが、前日の悪天候なのに本山小屋まで到着したらしい。
【豪雨】
初日は快晴だったのに、次第に雨が本降りとなった。重装備のせいで全然動けないのにザックカバーしたのに装備品がほとんど濡れてしまった。切合小屋に着いた途端に豪雨となった。
豪雨前に小屋に避難できたのは不幸中の幸いだった。予定を諦めて切合小屋で宿泊することにした。雨は15時には止んだ。
【切合小屋】
福島側から登山を開始すればやっとの主脈、重要な位置にある。
生でも飲める水がいくらでも利用できるから最悪ここまでの水があれば、水分補充はなんとかなる。次回のための、これから登る人のためのメモ。
【軽装】
切合小屋に頼んで、重荷を置かせてもらったまま2日目を開始した。
小屋⇆大日岳をトレッキングポールとスマホと水筒だけという最軽装で行動した。
尾根歩き、そんなに気楽なものではなく起伏は結構ある。
御秘所のような難所もある、重装備だとかなりしんどい。
4時過ぎに小屋を出て、戻ってきたのは正午だった。思った以上に時間がかかった。
実際に地図アプリで見て感じる以上に、距離と起伏がある。
「装備は最小限、極力軽装にする」ことの重要性を教訓とした。
【下山】
切合小屋で再び重装備を背負って12時半から下山を開始した。
大日杉コース下山はもう一つの三国岳を経由するルートを予定していたが、諦めて最短経路である往路ルートを引き返した。16時頃には遠雷が聞こえて雨も降り始めたが、本降りになる前に下山した。まだ明るい17時半に下山したが、判断を間違えていたり、何らかの怪我をしたらば、遭難事故になっていたと思う。生還できて今回ほど安堵したことはなかった。
初日は雨でずぶ濡れ、2日目は汗でずぶ濡れ。
足は靴下ずれによる水ぶくれ(靴下が濡れていたせい)、腰はザック締め付けによる擦れ(下着やズボンなどが濡れていたせい)、首は痛い、塩分不足(スポドリ切れ、ただの水では補水にならない)で頭痛、足の筋肉痛と満身創痍で懲りてしまった。
今回がこれまでで一番辛かった山行だが、その分勉強にもなった。
初日(8月14日)の悪天候があって2日目の朝の最高の眺望を得られたのだと思う。
「何かを得るためには、何かを犠牲にする」とつくづく思った。
今回は飯豊連山の北側を縦走出来なかった。
いずれ戻って続きをしたい、いつの日か。
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