岡山県鏡野町 花、沢、杉、ブナ、キノコ、花知ヶ仙(はなちがせん)



- GPS
- 03:39
- 距離
- 7.6km
- 登り
- 480m
- 下り
- 463m
コースタイム
- 山行
- 3:17
- 休憩
- 0:13
- 合計
- 3:30
歩行距離7.5km、歩行時間3時間、歩行数12,000歩
天候 | 晴れ(雲量3~7) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
標高980m地点(三つ子原林道と登山口との分岐)ぐらいまでは自動車が通れる林道となっています。ただし、埋まった石の一部が露出していたり、轍が深い溝になっていたりするので、後輪駆動車や小型車、車高の低い自動車は避けたほうがいいでしょう。自動車が通れるぐらいの道ですので、花知ヶ仙登山口<写真27>までは道は非常に歩きやすく、道端にたくさん咲いている多種多様な花や、道と並行して流れている魅力的な沢(吉井川源流遠藤川)、さらに、この地特有の遠藤杉の天然母樹林などをゆっくりと見ながら歩くことができます。 林道から登山口に入る分岐で本来、「花知ヶ仙登山口」と「クマ出没注意」という札が立っているはずなのですが、なぜか登山口道標は倒れており、クマ注意喚起掲示はなくなっていました。もしかしてクマが破壊したのかもしれません(*_*;。おまけに登山道の真ん中でどうどうとウ○コをしていました<写真32>。もし標識がなければ、カーブミラーが登山口の目印となります。 登山口を上っていくと程なく、道が二つに分かれます。そのまま、まっすぐ進む道と沢を横切る道のうち、後者を選びます。道標はありませんが、すぐ手前に切り株、沢をまたぐとすぐ地面に半分埋まった蛇腹状の筒、花知ヶ仙方面には木にピンク色のテープが巻かれていています(<写真28、29>のすぐ手前)。標高1,000mの鞍部からは傾斜がだんだん厳しくなりますが、地元の方が根曲がり竹などの障害物を綺麗にカットしてくださっているおかげで、頂上までの道は迷うことなく明確な道を進むことができます。一部で滑りやすい個所もありますが、ジグザグにステップを切ってあるので、踏み跡を辿っていけば大丈夫です。 |
その他周辺情報 | 北に数km行ったところに恩原湖(おんばらこ)があります。夏は白樺林、秋は紅葉する三国山が湖面に映り、足元には黄色に染まったカラマツの落ち葉がじゅうたんのように敷きつめられ、黄金に輝きます。さらに冬は、珍しい氷紋が現れるなど、四季それぞれの自然を楽しむことができます。 |
写真
茎にびっしりと下向きのトゲを持ち、継母(ままはは)が継子(ままこ)の尻をこれで拭いて継子いじめをする例えに付けられたというのが由来です。名前とは異なりかわいい花です。ここまでが駐車地点で、出発しようとしてから7分もかかりました。
花びらの先端には黒っぽいそばかすのような点々がつき、中程よりやや先端に近い部分に緑黄色の丸印が2つずつ横に並んでついています。この丸印は蜜腺になっており、アリがよく群がると言われています。林道の道端にたくさん咲いていました。
名前の由来は、鹿児島県の高隈山で発見されたことのようです。長さ1cmぐらいの筒状の花をつけています。たくさん生えていましたが、小さいので気を付けていないと見落としてしまいます。この隣にクロバナヒキオコシも咲いていましたが、こちらは5mm程なので写真はあきらめました。
大きな苔岩が真ん中にあり、二俣に分かれた渓流がとても風流でした。このままさらに渓谷美を楽しもうとも考えましたが、花観賞ですでに大きなロスタイムを生じていたので、沢の観賞はこのぐらいにしておきました。
ともにキク科の植物で、湿ったところが好きそうです。これらの花の下に沢の水が流れており、とても風流でした。見下ろすと、スズメバチの仲間が2匹、のんびり飛んでいました。新女王蜂はもう誕生しているのかもしれません。
この登山口の標識が倒れて(折れて)いたので、最初はスルーしそうになりました。もしこの標識がなければ、カーブミラーが目印となります。登る方角は南西方向です。この写真を撮った直後にまた倒れてしまったので、カーブミラーに立てかけておきました。
堂々と登山道の真ん中に投下してありました。この辺りの植物ばかり食べているのか臭いはほとんどありません。復路ではハエがたかっていたので、往路では落として間もなかったのかもしれません。臆病な動物なので気配を消して潜んでいるようでした。
花知ヶ仙の尾根からは北方面の鳥取県との県境の稜線を望むことができます。左の真ん中辺りには、今年の4月から国立研究開発法人となった日本原子力研究開発機構の人形峠環境技術センターが見えています。
山頂近くはたくさんのブナの木が生育しています。その中でもとりわけこの一本が目立っていました。また、ブナ越しに北東方面の景観も広がっています。この辺りから傾斜がきつく、ジグザグに切られたステップどおりに下りました。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
軍手
雨具
スパッツ
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
アタックザック
ザックカバー
地形図
コンパス
ファスナー付クリアーファイル
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex30(GPSナビゲーター)
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感想
花知ヶ仙(はなちがせん)は交通アクセスが難しい山です。公共交通機関でのアプローチはまず無理です。しかも9月という時期に山行する人はほとんどおらず、この時期の花知ヶ仙は秘密のベールに包まれていました。一方、事前の情報が乏しいことで、逆に現地に行って初めて発見できるものがあるという漠然とした期待感もありました。実際に訪れた9月の花知ヶ仙は予想を上回る魅力的な山でした。
最初にどこから歩くかで悩みました。一般的には三つ子原(みつごはら)林道の入口<写真17>からスタートするか、さらに林道を自動車で奥に進み登山口付近<写真27>からスタートするようです。実際に現地に行ってみると、遠藤集落を通り抜けた辺りから、急にロケーションが牧歌的になり、特に動植物等の自然に興味がある者にとっては、ここ<写真01>がスタートポイントとして格好の場だと直感的に思えました。
駐車場としたポイント近くにはオタカラコウをはじめ、多種多様な花が咲いていたため、なかなか出発できませんでした<写真02から10参照>。しばらくの間、遠藤林道沿いはフラワーロードが続き、BGMに自然の沢の音を聴きながら、路肩に咲く9月の旬の花を楽しむことができました。花が多くてなかなか進めず、ちょっと焦ったほどです。同じ花が何度も出てくるので、撮り損ねる心配はありませんでした。そして、標高810m辺りから沢の清流や滝も垣間見えてきます<写真15と16>。涼しく感じるとともに気持ちが安らぐ沢です。また、静寂な雰囲気の中、カケスのギャーという鳴き声が何度も響き渡ります。
林道分岐を三つ子原(みつごはら)林道に入るとすぐ、「遠藤杉」の天然母樹林となります<写真18と47>。沢もフラワーロードもさらに続きます。往路ではつぼみだったものが、復路では開花していたコウゾリナ<写真46>のような花もありました。全コースの距離の約5分の4が林道ですが、林道こそが、花知ヶ仙登山ルートの魅力であることを今回改めて認識できました。
登山ルート<写真27から45>に入ると、それまでとは打って変わり、チシマザサ(根曲がり竹)、ブナ、キノコが繁茂するロケーションとなります。ツキノワグマが大好きそうな環境です。特にクマの大好物のスズノコ(根曲がり竹のたけのこ)が旬の時季でなくてよかったです。いつもなら根曲がり竹はヤブコギ最大の障害となりますが、地元の方々が綺麗にカットしてくださったおかげで、安心かつ快適な登山をすることができました。また、時折登(下)っている最中に鳥取県側の景観が広がります<写真42>。岡山県と鳥取県の県境の人形峠や県境の稜線が想像していたより近くに見えました。ちなみに、頂上からは展望は効きませんでした<写真43>。
今回の山行を通じて、他の登山者や林道を走る自動車に一度も会うことがありませんでした。そのため、かえってこの山域の奥深さと神秘性を感じ取ることができ、いいところを見つけたという満足感が残りました。
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